上 下
4 / 143
第一章

しおりを挟む

「見てみて~、ミハイル様が格好良い!!」

「〇〇はそのキャラが好きね」

「だって~、あの見た目で俺様キャラって良くない?〇〇お姉ちゃんはどのキャラが好き?」

 どれだろう?

 攻略キャラって言うんだっけ?

 攻略キャラってあまり好きじゃないんだよね

 みんな婚約者を裏切って、ヒロインと浮気して最終的にハッピーエンドになるから、攻略キャラの婚約者が可哀想過ぎる

 特に王太子の婚約者のイリーナが可哀想過ぎるよね?

 特に虐めたりしてるわけじゃないのに、色々難癖つけられて断罪されるなんて可哀想

 従姉妹であるヒロインを公爵家の養子にしないからって理由で、公爵家全体でヒロインを虐めてるって断罪されるなんておかしいでしょ

 イリーナは国のルールでそれは出来ないって言ってるのに、この国の王太子がそんなのはおかしいって騒いでるの幼稚過ぎる

 王太子が国のルールを破れって言ってるの問題でしょ

 ヒロインはイリーナの従姉妹だけど、母方の従姉妹だから公爵家の血は流れてないんでしょ?

 庶民なら問題ないだろうけど、血筋が大切な貴族なら公爵家に迎えることなんて出来ないでしょ?

 ヒロインが王太子キャラ以外の攻略キャラを選んだら、公爵家はその攻略キャラの婚約者達から責められるんだよね

 公爵家に居候させてるんだから、ヒロインの行動を何とかしろって

 最終的にハッピーエンドでもバットエンドでも、公爵家は迷惑料として多額の慰謝料を払うことになる

 王太子とヒロイン嫌いだわ~

「〇〇お姉ちゃん聞いてる?」

「ごめんごめん。好きなキャラだっけ?うーん、セミュンとユーリかな?」

「どっちも脇役じゃん」

「だって攻略キャラ嫌いなんだもん。ヒロインよりイリーナの方が好きだし、イリーナに優しい2人が好きだな」

「お兄ちゃんが妹に優しいのは普通でしょ。ユーリ様も格好いいけど脇役だからな~、だけど〇〇お姉ちゃんの気持ちは分かるかも、私もイリーナのことは嫌いじゃないな。他の悪役令嬢と違って別に悪いことしてないし、完璧令嬢が恋のライバルになっただけだよね」

「それなのに最終的に断罪されるのは可哀想過ぎるでしょ?王太子の婚約者候補って他にも居るみたいだけど、その子達がやった虐めとか、全てをイリーナのせいにされて庶民にされるの可哀想じゃない?婚約者候補の中で1番身分が上だから止められないのがおかしいって、まずその意見がおかしい」

「それはこのゲームを好きな人も不満に思ってる人が多いよ~。アナザーストーリーで良いから、イリーナが主人公で幸せになる物語が見たいって言ってる人が多いんだよね」

 このゲームの運営はイリーナに怨みでもあるのかな?








✻✻✻✻✻✻✻✻


 ……………えっ?

 何が起きてるの?

 私がイリーナ?

 私は日本に住んでる大学生だったはず、自分の名前や家族の名前とか思い出せないけど

 ……でもイリーナ•サフィナとして、12年間を生きた記憶もある

 転生したってこと?

 現実味が無さ過ぎて頭痛がする

 何で今さら記憶が戻ったのかしら?

 何か原因があるはずなんだけど?

 前世の記憶が戻る要因………

 ヒロインに会ったからだ

 リリヤ•ミスキナは間違いなく『オダマキの花束を捧ぐ』のヒロインだ

 私はいつか罰せられて庶民になるの?

 前世では庶民だったけど、12年間も公爵令嬢として贅沢な暮らしをしてきたから、今さら庶民の生活に耐えられるとは思えない

 それに日本と比べて色々と生活基準が下のこの世界で1人で生きていけるとは思えない、料理をするのにも火の起こし方がわからない、井戸から水を汲むのにも一苦労する未来しか想像できない

 そんな私が庶民と混じって、仕事を見つけて生活するなんて絶対に無理よね

 オダマキの花束を捧ぐか…………

 制作人は何を考えてたんだろう?

 オダマキって花にあまり馴染みがなかったから1度調べたことがあるけど、オダマキの花言葉ってあまり良いのないんだよね

 代表的なのが『愚か』だったはず

 紫のオダマキが勝利への決意、赤のオダマキが心配して震えている、白のオダマキがあの方が気がかりだったかな?

 この乙女ゲームではヒロインが攻略キャラから告白される時に、ピンクのオダマキの花束を贈られる

 ピンクのオダマキの花言葉は『愚か』『決意』『痘痕も笑窪』『すぐに会いたい』

 どう考えても何でオダマキを選んだのか疑問よね

 妹が乙女ゲームをしてるのを見ながら、浮気を推奨してるようにしか見えない私からしたらピッタリの花だと思ったけど、乙女ゲームが好きな人からしたら微妙なタイトルよね

 でも困ったわね

 妹がゲームしてるのをボーっと見てただけだから、あまり内容を覚えてないのよね

 攻略キャラも王太子しか覚えてない

 思入れもない作品のキャラの名前なんて覚えてられないわよ

 何とか断罪は免れたい

 王太子の婚約者候補を辞退すれば良いのよ!!

 前世の記憶が戻る前は王太子のことを好きだったけど、今はどちらかと言うと嫌いな方に傾いている

 現実で俺様って微妙よね

 結婚するなら誠実で優しい人が良い

 貴族なら愛のない結婚は当たり前だけど、お互いに思いやりは必要だとおもう
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~

イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」   どごおおおぉっ!! 5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略) ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。 …だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。 それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。 泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ… 旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは? 更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!? ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか? 困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語! ※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください… ※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください… ※小説家になろう様でも掲載しております ※イラストは湶リク様に描いていただきました

《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。

友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」 貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。 「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」 耳を疑いそう聞き返すも、 「君も、その方が良いのだろう?」 苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。 全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。 絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。 だったのですが。

いじめられ続けた挙げ句、三回も婚約破棄された悪役令嬢は微笑みながら言った「女神の顔も三度まで」と

鳳ナナ
恋愛
伯爵令嬢アムネジアはいじめられていた。 令嬢から。子息から。婚約者の王子から。 それでも彼女はただ微笑を浮かべて、一切の抵抗をしなかった。 そんなある日、三回目の婚約破棄を宣言されたアムネジアは、閉じていた目を見開いて言った。 「――女神の顔も三度まで、という言葉をご存知ですか?」 その言葉を皮切りに、ついにアムネジアは本性を現し、夜会は女達の修羅場と化した。 「ああ、気持ち悪い」 「お黙りなさい! この泥棒猫が!」 「言いましたよね? 助けてやる代わりに、友達料金を払えって」 飛び交う罵倒に乱れ飛ぶワイングラス。 謀略渦巻く宮廷の中で、咲き誇るは一輪の悪の華。 ――出てくる令嬢、全員悪人。 ※小説家になろう様でも掲載しております。

悪役令嬢が死んだ後

ぐう
恋愛
王立学園で殺人事件が起きた。 被害者は公爵令嬢 加害者は男爵令嬢 男爵令嬢は王立学園で多くの高位貴族令息を侍らせていたと言う。 公爵令嬢は婚約者の第二王子に常に邪険にされていた。 殺害理由はなんなのか? 視察に訪れていた第一王子の目の前で事件は起きた。第一王子が事件を調査する目的は? *一話に流血・残虐な表現が有ります。話はわかる様になっていますのでお嫌いな方は二話からお読み下さい。

【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」 「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」 いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。 「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と…… 私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。 「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」 「はい、お父様、お母様」 「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」 「……はい」 「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」 「はい、わかりました」 パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、 兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。 誰も私の言葉を聞いてくれない。 誰も私を見てくれない。 そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。 ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。 「……なんか、馬鹿みたいだわ!」 もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる! ふるゆわ設定です。 ※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい! ※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇‍♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ! 追加文 番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

【完結】公女が死んだ、その後のこと

杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】 「お母様……」 冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。 古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。 「言いつけを、守ります」 最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。 こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。 そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。 「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」 「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」 「くっ……、な、ならば蘇生させ」 「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」 「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」 「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」 「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」 「まっ、待て!話を」 「嫌ぁ〜!」 「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」 「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」 「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」 「くっ……!」 「なっ、譲位せよだと!?」 「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」 「おのれ、謀りおったか!」 「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」 ◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。 ◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。 ◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった? ◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。 ◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。 ◆この作品は小説家になろうでも公開します。 ◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈 
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

婚約破棄?王子様の婚約者は私ではなく檻の中にいますよ?

荷居人(にいと)
恋愛
「貴様とは婚約破棄だ!」 そうかっこつけ王子に言われたのは私でした。しかし、そう言われるのは想定済み……というより、前世の記憶で知ってましたのですでに婚約者は代えてあります。 「殿下、お言葉ですが、貴方の婚約者は私の妹であって私ではありませんよ?」 「妹……?何を言うかと思えば貴様にいるのは兄ひとりだろう!」 「いいえ?実は父が養女にした妹がいるのです。今は檻の中ですから殿下が知らないのも無理はありません」 「は?」 さあ、初めての感動のご対面の日です。婚約破棄するなら勝手にどうぞ?妹は今日のために頑張ってきましたからね、気持ちが変わるかもしれませんし。 荷居人の婚約破棄シリーズ第八弾!今回もギャグ寄りです。個性な作品を目指して今回も完結向けて頑張ります! 第七弾まで完結済み(番外編は生涯連載中)!荷居人タグで検索!どれも繋がりのない短編集となります。 表紙に特に意味はありません。お疲れの方、猫で癒されてねというだけです。

処理中です...