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「今すぐ連れて行って欲しいなんて言うつもりはありません。今の私では足手纏いになるのは分かってますから、私自身が攻撃魔法が使えるようになって、回復魔法と空間魔法が使えるようになったら連れて行って欲しいです」

「空間魔法?聞いたことないな」

「魔力鑑定で空間魔法が使える可能性があるって言われました。正直に言うと空間魔法で何が出来るか分かりませんけど、予想では大量の荷物を別空間に保管出来るんじゃないかと思っています」

他にも何か出来るかもしれないけど、空間魔法について何も記録が無いから何も分からない

冒険に便利な魔法だと嬉しいんだけど

「あぁ、インベントリのことな。ファンタジーではお馴染みのスキルだよな。この世界ではまだ聞いたことないけど、空間魔法がその可能性があるな」 

「私が魔法を使えるようになったら、ダンジョン内に長期間潜る事も出来ますし、回復魔法が使えるようになったら、2人は戦うことに集中出来るようになると思います!!だから連れて行っても問題ないくらいの実力をつけたら、私も連れて行ってください」

私が力強くお願いすると、ベルナール様は私の目をジーッと見つめてきた

思わず目を逸らしたくなるけど、本能が目を逸らしたらダメだと訴えかける

「はぁ~、仕方ないな。自分の身は自分で守れるようになるのが条件だぞ。それとミカエル殿の許可を自分で取ること」

「ベルナール本当にいいのか?」

「仕方ないだろ。今、条件出して許可しないと、絶対に1人でこっそり着いてくる気がする。それに条件を達成出来ないなら絶対に連れて行かない」

なんでバレたんだろ?

確かに許可が降りなかったら、例え1人でもダンジョンに行ったと思う

「ベルナールが女の子に甘いの珍しいな。普段のお前なら何が何でも許可しないで、その結果その子が危険な目に遭っても、自業自得だって言って放置なのに」

「俺だって人を選ぶ、下心がない相手にそこまで邪険にしたりしない。彼女は罪悪感があって、少しでも俺達の役に立ちたいって思ってるのが分かったからな。それに回復を任せることが出来るなら、俺たちにとっても助かるからな、ついでに荷物も気にしないで済むなら大助かりだ」

「確かに荷物を何でも持って行けるなら助かるよね~、いつもは保存と嵩張らない事を意識すると、食べ物は残念なことになるもんな。この世界にあるダンジョンは、1階から順番に降りて行かないといけないから大変なんだよね。一定階数クリアしてもそれは変わらないんだよね。ゲームとかなら途中でダンジョン出てもクリアした階まで飛ぶことが出来るのに」

それは大変かも…………

10階層のダンジョンとかな問題ないだろうけど、50階層以上のダンジョンなら面倒臭いだろうな

「ダンジョン出る時も地上まで順番に登っていかないといけないんですか?」

「いや、出るのは簡単だよ。ダンジョンには10階毎に小ボスが居るんだけど、そのボスを倒すと地上に戻れる魔法陣があるんだよ。ボス部屋はボスを倒すと水晶玉と地上に出れる魔法陣が現れて、水晶玉に魔力を流すと魔力を記録するみたいで、魔力を記録した人はまたその部屋に入ってもボスは現れなくなるんだ」

へぇ~、そんな仕組みになってるんだ

ダンジョンは出るのには便利だけど、攻略するために地下に降りていくのは大変みたいね

「私とベルナール様達が一緒に入ったらボスはどうなるんですか?私はボスの部屋で水晶玉に魔力を流してないから、ボスが出てきますよね?」

「パーティーメンバーの中に水晶玉に魔力を流したものが居るならボスは現れないよ。注意しないといけないのは、ボスを倒したことがある人と行動するなら、ボス部屋に入ったら水晶玉に魔力を流すのを忘れてはいけないよ。もしもパーティーメンバーとはぐれて、ボス部屋に1人で引き返したりした時に、登録してなかったらボスが現れてしまうからね。魔力を登録してなかったら魔法陣も現れないから地上に降りることも出来ない」

うっかり忘れたりしないように気をつけないと

うっかりミスで死ぬなんて絶対に嫌

「ダンジョンの中ははぐれたりする程入り組んでるんですか?」

「階層によっては迷路みたいになってるね。僕たちが心配してるのは、ダンジョン内ではぐれるって言うより、ボス部屋は1度ボスを倒したらモンスターが出なくて安全なんだ。だから倒せないモンスターや大量にモンスターが現れた時に、もう戦えないものを避難させたりすることがあるんだよ、その時に魔力を登録してなかったりした時に、大変なことになるから注意するように言ってるんだ」

死なないように避難させたのに、ボスが現れて死んだりしたら困るものね

「一緒に行くことになるかまだ決まってないが、一緒に行くことになった時の為に、ダンジョンのことを自分でも色々調べるといい。この領地は沢山のダンジョンがあるから、ミカエル殿に言ったら、ダンジョンについての本がいっぱいあるはずだ」

確かに私はダンジョンについて全く知らないから、調べてみる価値はあるわね。

もしもダンジョンに一緒に行けなかったとしても、私はこの領地の当主になるつもりなんだから、ダンジョンのことを知ることは悪くないはず



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