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しおりを挟む頭がクラクラして立っているのが辛い、隣にはさっきまで無かった人の気配がする
チラッと横を見ると伯父様がいた
元の世界に戻ったってこと?
とうとう足に力が入らなくなり座り込んでしまった
「エミリー!?急にどうしたんだ?」
どういうこと?
私はさっきまで神様達がいた空間に移動してたんだよね?
だけど伯父様の様子を見た感じ、私が居なくなっていたことに気がついていない感じがする
今慌ててるのは、私が急に座り込んだからビックリしてるだけみたい
一体何が起きたの?
結構長い間神様と話していたはず、だからここに居なかった時間もそれなりに長いはずだけど、ここと向こうでは時間の流れが違う?
でも一瞬でもいなくなったら気がつくよね?
一時的に時間を止めて、私をあの空間に移動させたとか?
神様ならそれぐらい出来そうだよね
伯父様をあそこに呼ばなかったってことは、今回あったことを話してはいけないってことかな?
戻る前に話していいか聞くべきだったわね
出来れば伯父様達に秘密にはしたくないんだけどな
「エミリー?本当に大丈夫か?急にボーッとして気分でも悪くなったか?」
「伯父様大丈夫ですわ。ちょっと貧血になっただけです。」
「ここは少し特殊な場所だからな。体がビックリしたのかもしれないな。外まで私が運んであげよう」
そう言って伯父様は楽しそうに、私をお姫様抱っこをした
「伯父様!?もう子供じゃないんだから恥ずかしいですわ!!」
「エミリーはまだ10歳なんだからまだまだ子供だよ。大人にもっと甘えなさい」
大人に甘える…………
本当に甘えていいのかな?
前回の私は甘える相手が居なかった、私を唯一甘やかしてくれる、伯父様達も近くには居なかった
だけど今回は違う
私のそばには伯父様と伯母様が居る
まだ正式な親子にはなれてないけど、2人は私の親になってくれると言ってくれた
今の私には、何かあったら心配してくれる親がいるのね
「伯父様ありがとう。あのね、本当にお父様って呼んでもいいの?」
「勿論だよ!!エミリーが私とミレイユのことを両親だと思ってくれたら、本当に心の底から嬉しい」
「ミカエルお父様、これから色々とワガママ言うと思うけどよろしくお願いします」
「いっぱい我儘言いなさい。子供の我儘を叶えてあげるのは親の特権だからね」
私はミカエルお父様に甘えるように、お姫様抱っこされながらミカエルお父様の首に抱きつく
これからパトリシアがどんな行動に出るか分からない、だけど私には最後まで信じてくれたミカエルお父様とミレイユお母様が居る
それと私は1つ気になってることがある。
神様が私の封印を解いてくれたことが切っ掛けで私は前世の記憶を思い出した
私は前世では日本という国で45歳まで生きていた。
前世の記憶が蘇ったことで、ベルナールさんとリシャールさんが話していた日本料理って言葉が気になる
偶然なんてことがあるはずない、2人も私と同じ前世の記憶持ちなんだと思う
日本が恋しい訳では無いけど、私と同じように転生した者が居るなら話してみたい
だけどどうやって話を切り出そう
転生者に間違いないだろうけど、もしも違ったらかなり恥をかくよね
転生ですかって聞いて違ったら、私はベルナールさん達に頭がおかしいと思われるはず
それにこの話は伯父様がいる前では話せない
どうやって3人で話す環境を作ればいいのか分からない
後日、時間を作って貰うしかないのかな?
どうやって呼び出せばいいのか分からない
はぁ~、男性と話すのが苦手なのがここで弊害になるとは思わなかった
前世で45歳まで生きていたけど、1度も結婚しないで亡くなったのよね
1度も男性にプロポーズをされなかった訳では無い、私は結婚に向いてないと自覚していて、進んで結婚をしようとは思えなかった
人と同じ空間で寝るなんて無理だった
仕事も好きで専業主婦には絶対なれない
男性は仕事をしててもいいけど、家事は完璧にして欲しいと言う人が多くて、仕事をしながら家事も完璧にして、いずれ子供が出来たら育児も1人でするなんて絶対に無理だと悟った
遠回しに男性は自分が稼ぐから、育児と家事を完璧にできないなら、専業主婦になれって言ってるようなものなのよね
子供のことが嫌いな訳では無いけど、自分がやりたい事を全て犠牲にして、旦那や子供に尽くすことが出来るかと考えた時に、自分には絶対に出来ないと思った
そんな結婚に向いてない自分だから結婚は諦めた
私には兄弟がいたから、親に孫の催促をされることはなかったから余計にそうなったのかもしれないわね
一時期、結婚をする気はないと言って、それでも構わないと言う男性と付き合ったことがあったけど相手は結婚を意識していて、私が結婚するつもりがないって言うのは強がりだと思われていた事があった
無理やり結婚話を進められて、専業主婦にされほうになったことがあり、速攻で別れることになったのよね
それからは仕事以外で男性を避けるようになったから、男性と会話をするのが苦手になってしまった
まさかそれが今になって影響が出てくるとは思はなかったわ。
今回の人生でも兄弟以外の男性と関わることが無かったのよね
その兄弟も結局は無視されてかけられるようになったけどね
ベルナールさん達には何て言って、後日時間を作ってもらおうかしら?
へんな勘違いして何かしら理由をつけて断られても困るし
本当に2人が日本人か確証も欲しいわよね
日本料理って言ってたから間違いないだろうけど確実な証拠は欲しい
一瞬で2人が転生者だって分かるようなことか
ミカエルお父様に不自然に思われないように、コンタクトを取りたい
手紙………
そうよ!!
日本語で書いた手紙を渡せばすぐに分かる
返事が来れば確定だよね
流石に今は手紙を書く道具がないから、帰ったら早速行動に移そう
ベルナールさんと初めて会った時に、私とあってビックリしてたことが気になる
もしかしたら私の知らない何かを知ってるのかもしれない
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