私を裏切った相手とは関わるつもりはありません

みちこ

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はぁ~、そう言う貴族が居るから、私達は冒険者や一般庶民から嫌われるのよね

私は全ての人間の命は平等だと思ってる、だけど貴族の中には、庶民の命など軽いと考えてる者もいる

自分達は貴族だから庶民になら何をしても許されると思っている貴族がいる

私はそう言う貴族が大嫌い

そう言う貴族は女性のことを軽視してる面がある、女が男に逆らったり、女が男に意見を言ったり、女が自分たち男と同じ立場になるのを嫌ったりする 

くだらないわよね

そう言う貴族に限って、仕事が出来なかったりする

威張り倒すだけで、結局その貴族の尻拭いをしてるのは庶民だったりする

ベルナールさんとリシャールさんから2人が旅してきた中で実際に経験した、冒険話はとても勉強になる話ばかりだった

色々な領地の話も聞けて、私が将来伯父様の領地を取り仕切る時に、とてもために成りそうな話ばかりだった

「エミリー嬢はとても勉強熱心だね」

「そんなことないです。自分で言うのは微妙なんですけど、私は実家では箱入り娘だったんだと思います。知らないことばかりで今の私では伯父様の跡を継いだら、領民も苦労させる未来しかありません。伯父様達が守り続けた物を私が台無しにする訳にはいきません」

「その自覚があるなら問題ないだろ。ミカエル殿はまだまだ元気なんだから、ミカエル殿から学ぶ時間はまだまだある。立派な見本が近くにあるんだから、彼を見本に次期当主として努力していけばいい」

「ベルナールに褒められると照れるな。ベルナールが私をそんなに評価してくれてるとは思わなかったよ。そんなに褒めても何も出ないぞ。いや、貴重な酒ぐらいなら開けてやる」

「別にいらない。俺は本当の事しか言ってないからな。俺が本当に尊敬出来る相手は兄さんとミカエル殿だけだからな」
 
「その言葉をあいつが聞いたら大喜びしそうだな。あいつはベルナールのことを弟って言うよりは息子のように可愛がってるから」

誰の話をしてるのかしら?

リシャールさんは誰の話をしてるのか分かってるみたいで、面白そうにベルナールさんを観察している

「伯父様、彼奴って誰のことですか?」

「ん?あぁ、ベルナールの兄のことだよ。俺とベルナールの兄は友人だと話していたよな?ベルナールの兄は俺と同い年で、歳の離れた弟を可愛がってるんだよ。ベルナールと歳の近い子供がいるから、弟って言うより息子って感覚なんだろうな」

伯父様と同い年ってことは40歳ぐらいってことよね?

そんなに年の離れた兄弟が出来るなんて、ベルナールさんのご両親は本当に仲がいいのね

確信はないけど多分ベルナールさんの実家は貴族よね?

ありえない訳では無いけど、貴族で夫婦仲がそんなに仲良いのは珍しいわよね

「兄と俺の母親は別の人だからな、俺は年甲斐もなく両親がイチャイチャして出来た子供ではない。まぁ、父親が年甲斐もなく盛ったって言うのはあってるけど」

何で私の考えてたことが分かったのかしら?

口に出して言ってなかったわよね?

「ベルナール…………、レディーに話すような内容じゃないだろ。セクハラで訴えられるぞ」

セクハラって何かしら?

「分かってはいるけど、いい歳したおっさんとおばさんが盛って俺が生まれたなんて、想像するだけでも嫌だろ」

「セクハラが何か知らないけど、女の子がいる前で話すような内容では無いのは間違いないな」

ベルナールさんとベルナールさんとお兄さんは異母兄弟なのね。

異母兄弟ってことはベルナールさんのお母様は妾なのかしら?

厄介事に巻き込まれないように冒険者になったのかな?

「何か勘違いしてそうだけど、俺の母親は第2夫人だからな。元々はメイドだったけど父親に見初められて第2夫人になったんだ。第1夫人と母親は仲良いよ。元々母親が第1夫人のメイドで当時から仲良かったみたいで、母親と父親の仲を取り持ったのも第1夫人みたいだからな」

「何で考えてることが分かったんですか!?」

「エミリー嬢は考えてることがわかりやすい。すぐに表情に出る」

「そうですか…………、えっと、その~、第1夫人と第2夫人が仲良いのは珍しいですね。第1夫人は嫉妬しなかったんですかね?」

「第1夫人と父さんは政略結婚で家族としての情しかないみたいだな。だから父さんに好きな人が出来た時に1番に喜んでいたみたいだ。兄さんと第1夫人は俺たち親子にとっても良くしてくれてる。俺が冒険者になるのを1番反対してたのも2人だよ」

そうなんだ

第1夫人とか第2夫人とか関係なく、家族みんなが仲良い家はいいわよね

貴族ではどうしても家族仲が冷え切ってることがよくある

私の両親もお互いに恋愛感情があるのかは分からなかったけど、家族愛なら確実にあった

パトリシアが現れるまでは私も含めて家族みんなが仲良くて、理想の家族のはずだったのに何でみんなが私を敵視するようになったのかな?

ん~ん、もう家族のことは忘れるって決めたんだから、もう思い出さないようにしないと

私には伯父様と伯母様がいる、2人が新しい家族になってくれるって言ったんだから、これからは2人が私の家族だわ

「ベルナールさんは何で冒険者になろうって思ったんですか?お兄さんのサポートに回ることも出来ましたよね?家族仲がいいならその方が周りも安心するだろうし」

「俺が普通の人間だったらそうしてたかもしれないな。俺は人より魔力が多いんだよ。属性も多くて、あのままあの家に居たら、関係ない人達が勝手に俺を跡取りにしようと祭り上げたかもしれない。俺はそんなことを希望してないのにな」

「家族が揉める原因にならないように家を出たんですか?」

「結果的にそうなったな。でも家族とは今でも連絡してるし、年に数回会いに行くこともある。それに俺が実家に居たら、兄さんの子供がプレッシャーに感じると思うんだ。俺は冒険者としての生活に満足してるからこれで良かったんだ」

私とそんなに年齢が変わらないのにしっかりしてるわよね

巻き戻り前なら私の方が年上だったのよね

私はあんなにしっかりしてたかしら?

ベルナールさんみたいに自分で考えて行動できる性格だったら、結果は変わってたのかな?





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