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しおりを挟む次の日のお昼に例の冒険者達と顔合わせをしている
伯父様は初対面でお互い気まずくならないように、冒険者たちをランチに誘った
「エミリー、彼らが昨日話した冒険者のベルナールとリシャールだ」
「初めましてエミリーと申します」
「やっぱりエミリー・リュシェールか!?」
ん?
ベルナールさんはなぜ私がリュシェール家の娘って知ってるのかしら?
伯父様が説明してたとか?
でもそれならあんなに驚いたりしないわよね
不思議に思いベルナールさんを見つめてると、リシャールさんがボソッと『なぜエミリー嬢がここに居るんだ?』って呟いている
私がここに居たらまずいのかしら?
「2人ともどうしたんだ?姪に会わせると伝えていたはずだが?何か不具合があったか?」
「いえ!?何でもありません!!エミリー嬢、お会いできて嬉しいです。明日はよろしくお願いします」
ベルナールさんが代表で挨拶してくれた。
ベルナールさんは何処かで見た気がするけど、何処でだったかしら?
普段はあまり外に出ない方だから、何処かで見た気がするなんて気の所為かもしれないけど
「こちらこそよろしくお願いします。お2人は普段はダンジョンに潜ってるみたいですけどまだ若いですよね?既にダンジョンに入れる資格があるなんて凄いですね」
「俺は今年で16歳になります。小さい頃から早くダンジョンに入りたくて、冒険者になれる12歳になってからは、休みなく依頼をこなしてBランクになったんですよ」
「私は20歳です。ベルナールとは小さい頃からの知り合いで、無茶ばかりするこいつが心配で付き合ってたんですけど、去年からダンジョンに入るようになって、今では俺もダンジョンの虜ですよ」
去年から入るようになったって事は去年Bランクになったのかな?
去年からダンジョンに入ることになったなら、伯父様との交流も去年だよね?
それなのにもう信頼されてるなんてすごいわね
「では伯父様と知り合ったのも去年なんですね?普通の冒険とダンジョンでの冒険はそんなに変わるものなんですか?」
「ミカエル殿とは小さい頃から知り合いなんですよ。私の兄がミカエル殿と仲良しだったので、兄さんに連れられてここにもよく来てました。普通の冒険も楽しいですけど、ダンジョンは本当に面白いところですよ。ダンジョンだけでしか手に入らないアイテムや食べ物が手に入りますから」
ダンジョンでアイテム?
宝箱とかがあるのかしら?
「ダンジョンには宝箱があるのですか?どんなものが手に入るのか見てみたいですね」
「ダンジョンはとても不思議な場所なんだよ。魔物を倒したら姿が消えて、代わりにアイテムや食材が落ちてる。勿論、宝箱もあるよ。宝箱には料理と貴重なアイテムが入ってるね」
「へ~、面白そう。私も入ってみたいけど、今から冒険者登録してランクを上げたら何年先になるのかしら?」
「ダンジョンに興味を持つなんて、エミリーはやっぱりロヴァーン家の血が流れてるんだな。ジャンはロヴァーン家の息子にしては珍しく、魔物や冒険を苦手にしていたから、エミリーに全て移ったのかもしれないな」
そう言えばお父様は昔っからこの領地を嫌ってたわね。
ここは危険な場所だから帰るなんてありえないと言っていた
「お父様はそんなに魔物を嫌ってたんですね」
「あいつは争いごとが嫌いだからな、自分の血は勿論のこと相手の血を見ることも嫌がっていたな。それとエミリーはロヴァーン家の血筋だから、冒険者にならなくてもダンジョンに入ることは出来るぞ。ここの領地を任されてるものの特権だな。まぁ、エミリーがちゃんと戦えるようになるまで、ダンジョンに入ることは私が許さないけどな」
ダンジョンの中の魔物を間引きにするのはロヴァーン家の仕事ってことかな?
「エミリー嬢はどれぐらい戦えるんだ?」
伯父様と私の話を聞いてリシャールさんが聞いてきた
「今は全然ダメですね。運動神経は悪い方だから武術は全く向いてないので、剣術とかは全く習わなかったです。魔法の練習もこれから始めるところです」
「そんなんだ。エミリー嬢はダンジョンの何に引かれてるの?もしもアイテムとかダンジョンで手に入るものに興味があるなら、俺とリシャールが月に1度ぐらいでダンジョン産の物を販売してもいいけど?俺たちが欲しいのは日本の料理だかな」
日本の料理?
聞いたことないけど?
何処の料理なのかしら
「ベルナール!?」
リシャールさんがベルナールさんを肘で突っつき注意している
「何だ?」
「えっと………、日本の料理って何ですか?」
「えっ?あれ?俺もしかしてやらかしたか?」
「エミリー嬢、気にしないでくれ。私とベルナールがダンジョンで手に入る、見たことない料理を日本の料理って勝手に言ってるだけだ」
「そうなんですか?」
何だか誤魔化されたような?
まぁ、聞かれたくない話みたいだから、これ以上は聞かない方がいいかな?
ベルナールさんとリシャールさんは2人で1つの家を借りてるみたいで、顔合わせが終わり帰ろうとしたけど、次の日は朝早くから行動することが決まってるから、伯父様が泊まって行くように言った
2人は最初は遠慮したけど、伯父様の押しに負けて結局泊まることになった
伯父様が2人とお酒を呑みながら語りたかったって言うのもあるのかもしれないわね。
伯母様はお酒が弱いみたいで、お酒好きの伯父様に付き合える人はこの家には居ない
2人がどれぐらいお酒が呑めるのか知らないけど、呑みながら話してる3人はとても楽しそうだった
3人は冒険が好きだから話が合うのかもしれないわね。
お酒の匂いで酔いそうだったから、私は早めに部屋に戻って休むことにした
明日の事と家に歳が近い男性がいる事にドキドキして中々寝付けなかった
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