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しおりを挟む私の話を聞き終わった伯父様達は深刻そうな顔をしている、当たり前の反応よね
「エミリーが嘘をついてるとは思えないけど、信じられない話だな」
「こんな話信じられませんわよね」
「エミリーが嘘をついてると思ってないよ、私達が信じられないのは、ジャン達がエミリーを信じずに、他の女の子の味方をした事だよ。今のジャン達は家族全員がエミリーを溺愛している。エミリーがジャン達と仲違いした切っ掛けは何だったんだい?」
お父様達と仲違いした切っ掛けは、私もずっと考えてきたことだった
いくら考えても理由がわからなかった
ある日いきなり家族は私に冷たくなった
最初はシャルル、次にお兄様、その次がお父様で最後にお母様だった。
当時は本当にいきなり過ぎて、困惑しかなかった。
本当に前触れもなく、ある日いきなりお父様達は私を構わなくなり、その代わりにパトリシアを可愛がるようになった
「理由は今でも分かりませんわ。特にこれって理由が無いんです。ある日いきなり私を無視し始めて、邪険に扱うようになりました。強いて言えば、パトリシアが私達の前に現れるように成ってからってぐらいでしょうか?」
「全てはその少女が元凶か………、一体どうやってその子は、ジャン達を誑かしたんだ?魔力鑑定が終わってるなら、魅了魔法の可能性もないしな」
「女としての武器を使ったって可能性もありますけど、それならバルバラさんも彼女の味方になったのは、不自然ですわよね?パトリシアって少女は何で、エミリーをそこまで追い詰める必要があったのかしら?エミリーは何か知ってる?」
パトリシアが私を執拗に狙う理由?
確かに何で私は死刑にされるほど彼女に嫌われたのかしら?
家族全員をあんなに簡単に夢中にさせられるなら、私だってパトリシアに夢中になるなんて簡単なはず、現に当時の私はパトリシアは優しくて、私より年下なのにお姉さんみたいな存在だと思ってた。
パトリシアが本性を表してからは、あまりの残酷さに恐怖を覚えたけど
「パトリシアが私を目の敵にしていた理由は分からないけど、実家から離れることでパトリシアと会うことは無くなるから、前回みたいな事にはならないと思う」
「それはどうだろうな。パトリシアって子が何でエミリーを死刑になるように誘導したか、理由が分かるまでは安心は出来ない。エミリーはパトリシアって子に直接関わる事は無くなるかもしれないが、ジャン達は変わらず交流を持つだろう」
「多分、お父様達は変わらず関わると思うけど、それの何が問題なんですか?私はもうあの家に住んでないのだから問題ないと思いますけど?」
「ジャン達がエミリーに今後関わらないとは限らないだろ?もしかしたら領地まで会いに来るかもしれない、そしたらパトリシアって子も、ジャン達を言いくるめて付いてくる可能性がある」
あっ!
その可能性を考えてなかったわ。
だって、お父様達は前回は1度も領地に行ったことがなかったから、今回も絶対に来ないと思っていた
「でも伯父様、お父様達が来るとは限りませんわ。フレデリックお兄様とシャルルは1度も領地に行くことはなかったもの。シャルルは遠いから嫌だと言っていましたし、お兄様は魔物が沢山いるような危険な場所には、絶対に行きたくないって言ってましたし」
「それは今まで領地には、私たち夫婦しか居なかったからだろう、エミリーは私たちに凄く懐いてくれてたけど、2人はそこまで私たちを慕っていた訳では無いからな、だけど今後の領地にはエミリーがいる。フレデリック達がエミリーの様子を見に来ると思うぞ」
えっ!?
そんな…………
私を裏切った家族ともう顔を合わせたくないから、フレデリックお兄様達が嫌っていたあの場所に行くことを決めたのに、
勿論、最後まで私を信じてくれた2人のそばに居たかったって理由もあるけど
「でも、お兄様達が来たとしても、伯父様達の領地はいつ危険な場所になるか分からない場所でしょ?そんな所にパトリシアがわざわざ付いて来るかしら?」
「その子の考えてる事はよく分からないけど、聞いてる感じ独占欲が強い子な気がする、例え妹だとしても、フレデリック達がエミリーを気にしてる事が気に入らないと思って、君たちの仲を邪魔する為に付いて来る可能性はあると思うよ」
普段は遠くに住んでるのにそこまでするの?
もしも伯父様の考え通りなら、わざわざ離れたのに意味が無いじゃない
「エミリー、安心してちょうだい。その子が来ても私達が貴女を守るから、それにこの人の考えを聞いて、パトリシアって子がエミリーにあそこまで執着した理由が分かった気がするわ」
「本当かい?理由は何なんだ?」
「パトリシアって子は悪者に出来るなら、相手は誰でも良かったんじゃないかしら?周りにいい子って思ってもらうには、身近に周りから悪だと思われるような存在がいたら、ちょっといい事しただけでそれが際立つわ。何人もそう言う人を用意するよりも、誰か1人を固定する方が信憑性も出てくるでしょうし」
「そんな理由で私は死刑にまでなったの?」
「フレデリック達がエミリーを溺愛していた事も、エミリーが選ばれた要因だと思うけどね。自分より大切にされる存在が許せなかったのよ。そう言う自己中な人は何処にでもいるからね」
「成程な。死刑になったのは感覚が麻痺してやり過ぎたのかもしれないな。本人がその事を後悔したかは分からないが、今はエミリーが近くに居ないから、今度は近くにいる他の人をそう言う対象に選ぶかもしれないな」
そんな………
私みたいに酷い目にあう人がいるの?
私が彼処から居なくなれば、全て治まると思ったのに…………
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