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しおりを挟む「貴族でも魔力量と属性の両方を多数持ってる者の方が少ないから、どんな結果になっても気にする必要ない」
お父様はそう言って私を励まし始めた。
鑑定の結果はもう分かってるから気にならないけど、裏切ると分かってる人と今まで通り過ごすのは難しいわね。
私が急によそよそしくなったら、両親や兄弟が不自然に思うわよね。
昨日までの私はマザコンでファザコンでブラコンの家族大好き人間だった。
「お父様お願いがあります」
「お願いか?無理なお願いは聞けないぞ」
「今日の鑑定の結果でミカエル伯父様ぐらいの魔力量を持っていたら、ミカエル伯父様の跡を継ぎたいです」
私の発言を聞いた家族はみんなビックリしている
それはそうよね。
あそこはとても危険な場所だし、家族大好きな私が自分から家族から離れるなんて発言するはずがない
「エミリー、何を言ってるの?お義兄さんの領地はとても危険な場所なのよ。女の子の貴女が行くような場所ではないわ。もしも貴女が今回の鑑定で優秀な結果だったら、公爵や侯爵のお嫁になれるのよ?その方が貴女に相応しいわ」
子爵令嬢の私が公爵家や侯爵家の息子と結婚出来るわけないじゃない。
もしも出来るとしたら国1番の魔力を持ってるとかじゃないと無理よ
でも両親どちらかが高位貴族だったらあるかもしれないわね、お母様は元々は男爵家の娘で、お父様は今は子爵だけど元々は辺境伯家の息子だったわね。
お父様は次男で伯父様より魔力が少なかったから、お祖父様が他に所有してた子爵の爵位をお父様に譲ったって聞いた
だから魔力量さえ多ければギリギリ侯爵家の息子と結婚出来るのかしら?
前回では家族と離れたくないから、お父様が決めた家から近い伯爵家の息子との婚約に賛成したのよね
性格がかなり悪かったけどね。
私にはすごく冷たいのにパトリシアには激甘だったわよね。
今考えるとかなり気持ち悪かったわ
「エミリー姉さん、本気で言ってるの?伯父さんの領地はとても危険なんだよ。女の姉さんには危険すぎるよ。それに田舎貴族にわざわざなろうなんてエミリー姉さんはおかしすぎる!!」
えっ!?
この子は何を言ってるの?
伯父様を田舎貴族何て言うなんて無知にも程があるでしょ
まさか他の家族も同じ事を考えてる訳では無いわよね?
「シャルル………、お前はもう少しちゃんと勉強をしような。確かにエミリーが危険な辺境伯領に行くのは反対だが、あそこを田舎貴族と馬鹿にするのはダメだ。辺境伯は侯爵と同じ地位だと覚えておけ」
「兄さんこんな時に冗談はよしてくださいよ………、えっ?まさか本当に辺境伯が侯爵と同等の権力を持ってるんですか?」
「当たり前だろ。辺境伯は陛下から特に信頼されていて、辺境伯領で何かあった時は陛下に許可を取らなくても、辺境伯領の当主の判断で行動することが許可されている。お前は俺と同じ教師から勉強を教えられてるはずだが、いったい何を勉強してきたんだ?この事は教師から1番最初に教えられる内容のはずなんだが?」
フレデリック兄様の言う通りこの事は1番最初の授業で教えられる、他の家では違うかもしれないけど、我が家はミカエル伯父様が辺境伯だから知らないでは許されないことなのよね。
シャルルってこんなに馬鹿だったかしら?
巻き戻り前のシャルルは辺境伯の事を理解していたはずだから、私が知らないところでシャルルの無知が発覚して教育し直したのかしら?
そう言えば一時期全く授業の内容が進んでない時があったわね。
もしかしてあの時に発覚したのかな?
確かあの時のシャルルの年齢って13歳だったわよね
13歳で正しく理解してなかったって大問題よね
「エミリー、辺境伯領の当主には生半可な気持ちではなれないぞ。危険なことも沢山ある。お前にその覚悟があるか?」
「お父様その質問は愚問ですわ。辺境伯領が危険な場所であることは理解してますわ。だから条件に伯父様みたいに魔力量が多かったらって付けたんですもの。私はいざって時の護身術は身についてますけど、剣術が優れてる訳ではありません。魔力がなかったら自分の身が守れないことは理解してますわ」
「はぁ~、兄さんからは3人の子供のうち1人を養子に欲しいとは言われてるが、エミリーが立候補するとは思わなかったな。エミリーが辺境伯になるかどうかは、今日の結果を聞いてから話し合おう。兄さんの意見も聞かないといけないからな」
「はい。私の勝手な我儘で決められないのは理解してますわ。私の考えをお父様達に知っておいて欲しかったんです」
「そうか…………」
お通夜みたいな空気なまま朝食の時間は終わった
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