上 下
30 / 39

女王様と犬2

しおりを挟む
「頑張ったご褒美に腕は自由にしてあげる」

 美姫の命令で、側にいる男が佳織の両腕を拘束していた縄を解いた。長い間、卑猥な恰好をしていた。腕の拘束は解かれても全裸に首輪。今も卑猥な恰好をしていることには変わりない。

「ありがとうございます。女王様」

 男の上に倒れ込んでいた佳織は、床に正座をして頭を下げた。その佳織を見て美姫はうずうずしている。

「ふふっ、ちゃんと犬らしくなってきたわね。いらっしゃい」

 ぐいっと首輪の鎖を引っ張られて「あんっ」と嬌声が出てしまう。

(やだ、引っ張られてるだけなのに──)

 美姫に誘導されて、奥の半個室へ入る。美姫はソファに深く座り、両脚を大きく開いた。

「濡れちゃったわ。掃除して」

「え……」

 佳織は困惑する。

「舐めろって言ってるの!」

「っ…」

 女王様には逆らえない。

「し、失礼します……」

 恐る恐る、美姫の下半身の衣装を脱がせていく。美姫の言うお通り秘部がてらてら濡れている。

(私のせいで、美姫ちゃんがこんなに濡れてる…)

 同性を感じさせてしまったことへの罪悪感。いや、これは悦だった。

(美姫ちゃん、傲慢なのに。でも、感じているのよね。もっともっと、あなたを感じさせることができたら……ああ。でも、美姫ちゃんは普通のセックスを見るだけじゃ満足しない。私が激しいプレイをしたら、どうなるのかしら?)

 佳織は想像するだけで、アソコがまた疼き出した。

「綺麗にするまで、お前は裸のままよ」

「っ…は、はい」

 四つん這いの恰好で舌を出し、愛液を舐めていく。ジュッ、ジュッ、と卑猥な音が耳に響いて、頬が赤くなる。

「本当に性の奴隷よね」

 美姫が呟いた。思いがけず佳織は、舐めるのを止めてしまう。

「私の話を聞きながら舐めて」

「んっ……」

 言われた通りにするしかない。

「モデルになる前は、AVにも出演してたの。当時流行っていたのが、性奴隷って企画だったんだけど、私はその企画には向いてなかった。奴隷を支配する側だって言われて、AVの仕事はクビになった」

 静寂な空間に佳織の舌技の音が艶めかしく響く。

「あなたは性の奴隷よ」

 そう言って美姫は佳織の頭を撫でた。

「あら。綺麗じゃない」

 ふふっと美姫が微笑む。

「あの、美姫ちゃん──じゃなかった。女王様」

「んー? 今は二人きりだから、どっちでもいいわ」

(え、そんないい加減なの?)

「なあに、犬」

 佳織はドキドキしながら、思い切って訊いた。

「女王様を満足させるには、私はどうしたらいいですか?」

 四つん這いのまま見上げる。すると美姫は一瞬驚いた顔をしたが、にやりと笑う。

「ここでは、ずっと私の犬でいることよ。私の命令は絶対」

 ゾクゾクする程に美姫は怖美しかった。


 それから何度も何度も佳織はこの場所に足を運んだ。美姫の命令されるがままに、男の相手をしたり、美姫の相手をすることもあった。

 女王様と犬。ただ見物をするだけの客もいた。佳織は初めて会う男の顔は、覚えることすらしなかった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

お兄ちゃんはお医者さん!?

すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。 如月 陽菜(きさらぎ ひな) 病院が苦手。 如月 陽菜の主治医。25歳。 高橋 翔平(たかはし しょうへい) 内科医の医師。 ※このお話に出てくるものは 現実とは何の関係もございません。 ※治療法、病名など ほぼ知識なしで書かせて頂きました。 お楽しみください♪♪

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

処理中です...