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森には入ったので所で足を止めた。
深呼吸をすると、ゆっくりと周囲の状況を確認した。
森が騒がしい。
姿は見えないが、魔物の気配を感じた。
カズマはあたりを見回しながら、奥に進んでいった。
弱く、甘い考えを持つ自分にはあら医療が必要だ。
少なくともあの奇妙な3人を撃退できるくらいにはならなくてはならない。
「――ッ」
水辺で小柄な人が見えた。大きな鼻に曲がった背中、鋭い牙と爪。魔物だ。
カズマは腰から短剣を出すと構えた。
一人で魔物と戦った事がないわけじゃない。能力が開花するまではそっちがメインであった。しかし、サボっていた期間が身体を鈍らせていた。
人型は首を落とせば動けなくなる。
大丈夫。大丈夫。
短剣を握る手が汗ばんだ。
以前は、直ぐに魔物に向かう事ができたのに今は足がすくむ。
「クソ」
足を短剣で刺すと震えが止まった。「あーー」声を上げ、魔物に向かったため気づかれたが構わず飛び上がった。短剣を下手で持ち、魔物の頭部を狙った。
しかし、難無く避けられる。
大きな声を出したため、他の魔物に気付かれた。
人型の魔物は集団でいる事が多い。それを失念していた。
どんどん出現する魔物は殺気を帯びていた。闘争心が見えるが取り出しても入れ物がない。近くの魔物に入り暴走化したら手が付けられない。
後先考えない行動に後悔したが手遅れだ。
戸惑っているうちに、ナイフを持つ魔物に取り囲まれ後ろの方には弓を持ったヤツもいる。
人型は狡猾だ。
目をつむり深呼吸をして気持ちを落ち着かせようとしていると、囲っていた魔物が鋭いナイフを向け、飛び掛かってきた。上に飛び上がろうとしたが、弓を持っているヤツがいる事を思い出し態勢を低くし、囲っている魔物の間をすり抜けた。その時、足にナイフを刺されたが気にせずに前と進み草むらに隠れた。直ぐに、魔物が追ってきた。
「無理」
カズマは追ってくる魔物をじっと見た。全てに光る闘争心と黒いモヤが見えた。
どうなるかわからなかったが、現状では死が確定している。少しでも生き残れる可能性に掛けた。
深呼吸をすると、ゆっくりと周囲の状況を確認した。
森が騒がしい。
姿は見えないが、魔物の気配を感じた。
カズマはあたりを見回しながら、奥に進んでいった。
弱く、甘い考えを持つ自分にはあら医療が必要だ。
少なくともあの奇妙な3人を撃退できるくらいにはならなくてはならない。
「――ッ」
水辺で小柄な人が見えた。大きな鼻に曲がった背中、鋭い牙と爪。魔物だ。
カズマは腰から短剣を出すと構えた。
一人で魔物と戦った事がないわけじゃない。能力が開花するまではそっちがメインであった。しかし、サボっていた期間が身体を鈍らせていた。
人型は首を落とせば動けなくなる。
大丈夫。大丈夫。
短剣を握る手が汗ばんだ。
以前は、直ぐに魔物に向かう事ができたのに今は足がすくむ。
「クソ」
足を短剣で刺すと震えが止まった。「あーー」声を上げ、魔物に向かったため気づかれたが構わず飛び上がった。短剣を下手で持ち、魔物の頭部を狙った。
しかし、難無く避けられる。
大きな声を出したため、他の魔物に気付かれた。
人型の魔物は集団でいる事が多い。それを失念していた。
どんどん出現する魔物は殺気を帯びていた。闘争心が見えるが取り出しても入れ物がない。近くの魔物に入り暴走化したら手が付けられない。
後先考えない行動に後悔したが手遅れだ。
戸惑っているうちに、ナイフを持つ魔物に取り囲まれ後ろの方には弓を持ったヤツもいる。
人型は狡猾だ。
目をつむり深呼吸をして気持ちを落ち着かせようとしていると、囲っていた魔物が鋭いナイフを向け、飛び掛かってきた。上に飛び上がろうとしたが、弓を持っているヤツがいる事を思い出し態勢を低くし、囲っている魔物の間をすり抜けた。その時、足にナイフを刺されたが気にせずに前と進み草むらに隠れた。直ぐに、魔物が追ってきた。
「無理」
カズマは追ってくる魔物をじっと見た。全てに光る闘争心と黒いモヤが見えた。
どうなるかわからなかったが、現状では死が確定している。少しでも生き残れる可能性に掛けた。
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