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血で染まった剣を整備するイズクを見て胸が痛んだ。今の戦闘でカズマかしたことは魔物の闘争心をイズクと野盗にうつしただけだ。殆ど、戦闘前にいた場所から動いていない。
生まれ育った村を破壊し、恩のある人々を殺し、友人に守られている現状。
情けなくて惨めだった。
自信がないならつけなければ。
実力かないならつけなくては。

王都に着くと、イズクは直ぐ勇者試験の登録に行くと酒場に向かった。
勇者試験受付カウンターと酒場のカウンターが隣接している。
イズクは受付をすると「行ってくる」姿を消した。
受付にいたきれいな女性は、紙を持ってカウンターから出てくると掲示版にそれを貼った。
紙にはイズクの似顔絵と紹介か書かれていた。
「今度は子どもかぁ?」
真後ろにいた老人が言った。その横にいたヒゲの男か目を細める。
受付の女性は、掲示版に貼ってあった絵を1枚取り別の掲示に移した。その瞬間、悲鳴と椅子が倒れる音がした。
「なんでー」
若いローブを着た女性が、掲示板の前に走ってきて移動された紙の前に座り込み涙を流した。
「あー、駄目だった」ビゲの男がため息をついた。「期待してたのに。大損だわ」
「見かけに騙されてはいかんのう」
移動された絵に描かれているのは筋肉質で短髪の男性だ。イズクの倍以上の大きさがありそうだった。
泣いていた女性が男らを睨みつけた。
「嬢ちゃん残念だったな」ヒゲ1が女性に近づいた。「コイツの代わりに俺が守ってやるよ」
ニヤニヤとヒゲが笑い、女性を担ぎ上げた。女性が暴れるが周囲の人間は誰も関与しようとしない。
助けなければと思うが足がすくむ。
その時、ヒゲの胸に光るものが見えた。
助けなければと無我夢中で、闘争心を抜くと女性に入ってしまった。抜く事だけを考えて受け先を決めていなかった。
女性から闘争心を出そうとしたが、手遅れ。彼女の手がヒゲの胸を貫いた。
周囲が騒然となったが、直ぐに歓声があがった。女性を称える声が多い。
しかし、近くにいた老人の首が飛ぶと歓声が悲鳴に変わった。
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