勇者パーティーから追放される雰囲気だったに、勇者が豹変。動揺するしかない俺。

黒夜須(くろやす)

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カズマは喉を抑え、体内の魔力を回し身体の異変を確認した。
「……?」
魔力量が増えている。何度確認しても以前より魔力量か多くなっている。魔力の量を測る方法かあるのかも知れないが公にはなっていない。その、ため他者と比較する事できないが、カズマ自身魔力を意識してから増えたという感覚を持ったことはない。扱い方を覚えただけだ。
「……散歩にいく」
カズマはふらふらと立ち上がると、イズクは心配そうな顔をした。
「俺も行くよ」
「大丈夫。散歩くらいいいだろ」
イズクは不満そうな顔をしたが、彼の返事を待たずに部屋を出た。
太陽はまだ半分くらいしか出ていなかったが強い光を感じ、目を細めた。
「朝……」
部屋はカーテンを閉め切っていたため、太陽が昇った事に気づかなかった。
朝の冷たい空気が気持ちよく感じた。鳥の鳴き声が聞こえるが人の気配はない。
すぐ近くにはリュウマとアンギが止まっている部屋があった。その更に奥にはリリがいる。部屋と言っても外の渡り廊下でつながっているため別の家と言ってもいい作りだ。
二棟ともカーテンが閉めているため中が見えない。
リュウマに、ゼリー状の物体の正体を聞こうとしたが寝ている所に押しかけるのは無礼だと足を止めた。イズクの様子から、リュウマに無理言って作らせたのだろう。
同情した。
カズマは、胸に手を当て、目を閉じると集中し身体のある魔力を探った。室内で行った時よりも丁寧に何度も確認した。昨日より確実に魔力量が増えている。
魔力量が多ければ、良い事が多いが身体への負担もある。
カズマは魔物から闘争心を移動させる際、魔力と共に移動している。正しくは魔物の魔力で闘争心を包み込んで取り出している。それを人間に入れると魔力が一時的に上がり更に闘争心が植え付けられるので狂人化する。狂人化した人間は元には戻らない。人体の限界まで動き続ける。
限界を超えた人体は真っ黒になり倒れる。心臓が動かなくなっても脳が破壊されても魔力で身体が壊れるまで動き続ける。
「うーん」
生まれ持った魔力量以上の量に人体は耐える事ができないはずが、カズマの身体には特に異変がなかった。
「どうなっているんだ」
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