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ときめき
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ルイのニヤついた顔を見ると謝罪する気がなくなった。
なんとなくニヤニヤしている理由がわかったからだ。以前も殴られたのに喜んでいた。きっとそれと理由は同じだ。
“僕を構ってくれて嬉しい”か”嫉妬されて嬉しい”あたりだとう思う。
しかし、なんと言っていいか分からずに言葉に詰まってしまう。
「ルカは嫉妬から僕を“兄上”と呼ぶような態度をとったのかい」
相変わらず楽しいそうな表情で私を見てくる。その言葉に目を細めた。
「……」
その通りだが素直に答えられない。子ども相手にムキになってしまった事は反省した。しかし自分の感情がうまく整理つかなかった。
“魔法陣”という物を通して私はルイと強いつながりを感じていたのは事実だ。それがいつしか彼を自分の物だと思ったのだ。それが今崩れて私は取り乱した。
私は彼を独占したいと思っている。それが意味する感情は……。
それが兄離れできない弟の感情ではないことくるか私は分かっている。でもそうしておきたかった。
認めたくはない。
私と彼は何歳離れている?
おもむろに指を折って数えた。その様子をルイは不思議そうに見ている。しかし、おじさんは何かを気付いたようであった。
「“二十年以上”それが問題ですか?」
おじさんが話しかけてきた。
そうだ、この人は若い女の子をルイに紹介してもらうとしている“ロリコンじい”だ。外見が少女になったことで相手との年齢差がなくなり、喜んでいる人間だ。私の様に前世の年齢など気にしないのだろう。
私が目を細めておじさんを見るとおじさんは首を振った。
「そういえば、以前私を“おじさん”と言いかけましたね」
確かに二か月前、間違えって心の声が出てしまった。私が弁解しようとすうとおじさんは首をふった。
ルイはなんの事だがわからないようで黙って話を聞いている。
「別にそのことを気にはしていません」
いや、あの言いかけた言葉をしっかり覚えている時点で気にしているだろう。しかし、本人が気にしないと言っているのでは特に何も言わなかった
「今の私は10代の少女でおじさんではありませんよ」
それは外見の話だ。貴方はおじさんで私はおばさんだ。この世界で誰かと恋愛を楽しむ立場にはない。こんな人間では相手が可哀そうである。
「あ~」
今まで静に話を聞いていたルイが突然声をあげた。必死に自分の事を語っていたおじさんもそして、私も彼の方を向いた。
彼は何度か頷くと私に笑顔を向けた。
「漫画の僕はルカに対して好意を持っているのかい?」
「それはないですね。漫画の殿下は別の女性に夢中でした。幼い頃はルカ第二王子殿下を気にはされていましたがその程度の感情で好意ないと思いますよ」
ルイは私に聞いたようであったが答える前におじさんがルイの質問に答えた。この答えに異論はない。アレクサンダー王家は皆一途であり妾をとることはない。その変わりその相手対して依存する。
「じゃ、今のルカに僕は惹かれた。僕が子どもだというなら待ってほしい。必ずルカに追いつくから」
ルイの瞳に困惑する私の顔が映っている。前世でも言われたことのない言葉で熱れるに求められ心臓の音が早くなるのを感じる。自然と顔が熱くなるのを感じる。
「ルカに黙ってオリビア嬢と魔法陣の検証したのは悪かったよ。オリビア嬢がこの世界の事をルカの様に知っていて古代語も理解していたら彼女の意見を聞きたかっただけで他意はない。それに……」
ルイが私の方に身体を向け、向かいあう形になると私の両手にそっと触れた。そして、私の手を自分の手で包み込むと自分の身体を私に近づけた。私の手はルイの手に包まれて彼の胸のあたりにあった。
早くなった心臓が更に早くなり爆発しそうになる。
「それに、僕はルカが魔法を使えなくなっても、ルカ以上に魔法やその他の能力が高い人間が現れてもルカを選ぶよ。魔法陣は僕たちをひきよせる道具でしかない」
そう言うとゆっくり瞬きをして再度私の瞳を見ると、悲しそうな顔をした。私の手を握るルイの手に力が入るのを感じた。
「僕の全ては君のためにある。だから、僕の気持ちを疑わないで側にいてくれないかい」
私は頷くしかなかった。
だって、このセリフはルイが漫画の主人公であるアイラに捧げるものだ。ルイ推しではない私もあの場面はときめいて思わずベッドでジタバタと悶えてしまった。
それが今、自分に向けられている。
私が頷いたのを確認するとルイは愛おしくてたまらないという表情した。そして私の手離しと、そっと抱きしめられた。
なんとなくニヤニヤしている理由がわかったからだ。以前も殴られたのに喜んでいた。きっとそれと理由は同じだ。
“僕を構ってくれて嬉しい”か”嫉妬されて嬉しい”あたりだとう思う。
しかし、なんと言っていいか分からずに言葉に詰まってしまう。
「ルカは嫉妬から僕を“兄上”と呼ぶような態度をとったのかい」
相変わらず楽しいそうな表情で私を見てくる。その言葉に目を細めた。
「……」
その通りだが素直に答えられない。子ども相手にムキになってしまった事は反省した。しかし自分の感情がうまく整理つかなかった。
“魔法陣”という物を通して私はルイと強いつながりを感じていたのは事実だ。それがいつしか彼を自分の物だと思ったのだ。それが今崩れて私は取り乱した。
私は彼を独占したいと思っている。それが意味する感情は……。
それが兄離れできない弟の感情ではないことくるか私は分かっている。でもそうしておきたかった。
認めたくはない。
私と彼は何歳離れている?
おもむろに指を折って数えた。その様子をルイは不思議そうに見ている。しかし、おじさんは何かを気付いたようであった。
「“二十年以上”それが問題ですか?」
おじさんが話しかけてきた。
そうだ、この人は若い女の子をルイに紹介してもらうとしている“ロリコンじい”だ。外見が少女になったことで相手との年齢差がなくなり、喜んでいる人間だ。私の様に前世の年齢など気にしないのだろう。
私が目を細めておじさんを見るとおじさんは首を振った。
「そういえば、以前私を“おじさん”と言いかけましたね」
確かに二か月前、間違えって心の声が出てしまった。私が弁解しようとすうとおじさんは首をふった。
ルイはなんの事だがわからないようで黙って話を聞いている。
「別にそのことを気にはしていません」
いや、あの言いかけた言葉をしっかり覚えている時点で気にしているだろう。しかし、本人が気にしないと言っているのでは特に何も言わなかった
「今の私は10代の少女でおじさんではありませんよ」
それは外見の話だ。貴方はおじさんで私はおばさんだ。この世界で誰かと恋愛を楽しむ立場にはない。こんな人間では相手が可哀そうである。
「あ~」
今まで静に話を聞いていたルイが突然声をあげた。必死に自分の事を語っていたおじさんもそして、私も彼の方を向いた。
彼は何度か頷くと私に笑顔を向けた。
「漫画の僕はルカに対して好意を持っているのかい?」
「それはないですね。漫画の殿下は別の女性に夢中でした。幼い頃はルカ第二王子殿下を気にはされていましたがその程度の感情で好意ないと思いますよ」
ルイは私に聞いたようであったが答える前におじさんがルイの質問に答えた。この答えに異論はない。アレクサンダー王家は皆一途であり妾をとることはない。その変わりその相手対して依存する。
「じゃ、今のルカに僕は惹かれた。僕が子どもだというなら待ってほしい。必ずルカに追いつくから」
ルイの瞳に困惑する私の顔が映っている。前世でも言われたことのない言葉で熱れるに求められ心臓の音が早くなるのを感じる。自然と顔が熱くなるのを感じる。
「ルカに黙ってオリビア嬢と魔法陣の検証したのは悪かったよ。オリビア嬢がこの世界の事をルカの様に知っていて古代語も理解していたら彼女の意見を聞きたかっただけで他意はない。それに……」
ルイが私の方に身体を向け、向かいあう形になると私の両手にそっと触れた。そして、私の手を自分の手で包み込むと自分の身体を私に近づけた。私の手はルイの手に包まれて彼の胸のあたりにあった。
早くなった心臓が更に早くなり爆発しそうになる。
「それに、僕はルカが魔法を使えなくなっても、ルカ以上に魔法やその他の能力が高い人間が現れてもルカを選ぶよ。魔法陣は僕たちをひきよせる道具でしかない」
そう言うとゆっくり瞬きをして再度私の瞳を見ると、悲しそうな顔をした。私の手を握るルイの手に力が入るのを感じた。
「僕の全ては君のためにある。だから、僕の気持ちを疑わないで側にいてくれないかい」
私は頷くしかなかった。
だって、このセリフはルイが漫画の主人公であるアイラに捧げるものだ。ルイ推しではない私もあの場面はときめいて思わずベッドでジタバタと悶えてしまった。
それが今、自分に向けられている。
私が頷いたのを確認するとルイは愛おしくてたまらないという表情した。そして私の手離しと、そっと抱きしめられた。
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