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独占欲
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ルイはおじさんに魔法陣について説明をした。だだ、魔法陣については私たちも不明な点が多い。その為、基本的な使用には王族の血が必要であり、城内には魔法陣の石板があることを伝えた。そこまではいい。貴族なら知っていることだ。しかしその後に魔法の使用方法については個人差があり私やアーサーが魔法陣なしで発動できる、今回の国王陛下の無意識発動のことまで伝えていた。
「ルイ……そこまで伝えるの?」
魔法については慎重に扱わなければいけない事である。それはルイも知っているはずだ。しかも王族以外の人間に伝えるなど……。
私の心配を理解しているようで“大丈夫”と言うように手を縦に振っている。
「オリビア嬢口が硬いから大丈夫だよ」
何を言っているのだ。
安易におじさんを信じているため怒りがこみ上げてきた。別におじさんが外部に漏らすとか悪用する可能性を疑っているわけではない。
これはおじさんに限ったことではない。個人的な魔法能力については本人の許可なく他者に話すべきではない。
「そんなに怒らないで。おじさんとはそういう契約をしんたんだよ」
「契約? 魔法を使わない契約なんて破られる」
呑気に話すルイに更にイライラしてしまい。口調が強くなってしまった。
「魔法を使った契約だよ」
「どういうこと?」
そんな魔法陣を書いた記憶はない。契約魔法陣は石版にはないはずである。そんな魔法陣があったら不便魔法陣という言い方はされないはずである。
契約魔法陣を書くことができるとしたらアーサーだ。
しかし、オリビア嬢の中身がおじさんになった事を知らないし、ついこの間オリビア嬢の従者ルークとの会話を聞いて軽蔑したような表情をしていた為協力したとは思えない。
そこで、おそるおそるおじさんが口を開いた。
「申し訳ありません。この世界の漫画を知らないというのは嘘です。全て読んでいますし古代語も覚えています」
「なんだって?」
驚きのあまり、口調が乱暴になったしまった。以前、この漫画はまったく知らないと言っていた。
大体全て読んでいるという事は私より知識があるという事ではないか。
わざとらしく大きな動作をとってルイの方を見た。ルイはバツの悪そうな顔をしている。
「では、兄上はオリビア嬢に魔法陣を書いてもらい発動していたのですね。つまりもう私は必要ないということですね」
嫌味な言い方をした。普段は呼ばない"兄上"と言う言葉を使いその上敬語で話してやった。それほど腹が立ったのだ。別のおじさんが漫画の知識があった事を隠していたのは構わない。所詮は付き合い長いわけではないし他人だ。信頼できなかったというのも頷ける。
それよりもルイが私よりおじさんを頼っていたことに腹が立つ。特に魔法に関しては二人で一人のような感覚があった。それを感じていたのは私だけであったのだ。ルイにとっては魔法陣を書いてくれる一人に過ぎない。
ルイはなにも言わず私を見ている。
それがまたイライラする。
眉を下げたおじさんが私の顔色を伺うように口を開いた。
「いえ、私はルカ第二王子殿下のように古代語全て覚えているわけではありませ
んので……」
そのオドオドとした態度も私を苛立たせる原因の一つとたっていることをおじさんは分からないようだ。
ルイは私が全て覚えていることも話したのか。つまり、ルイが知っている私の事は全て筒抜けということか。しかし、おじさんの事を私に話すことは殆どなかった。
腹の虫がおさまらない。
何も答えないルイ嫌気がさして立ち去ろうとした瞬間、手を引かれて引き寄せられた。
驚いて抵抗出来ずにいるとそのまま抱きしめられた。
「わぁ」
おじさんの驚く声が聞こえたが抱きしめられているため彼の表情は見えない。それはルイの顔も同じだ。何を考えているのかわからない。
「ごめん」
ルイが小さな声であやまってくれた。私より少しだけ身長が大きいが体格はたいして変わらない。
「ルカ第二王子殿下は私に嫉妬しているのですね。大丈夫ですよ。ルイ第一王子殿下は……」
おじさんの言葉の途中で、ルイを押しのけ「嫉妬?」と声をあげた。私に押されてルイは目を大きくしている。おじさんの方を見れば、私が口を挟んでしまったため話すことをやめた。そして私を見ている。
「なんで? 嫉妬? こ……」
“こんな子どもに”という言葉を飲み込んだ。それを言っては全てが壊れてしまうような気がした。
二人がじっと私を見ている。
なんだかいたたまれない気持ちになった。
深呼吸をしてから自席に座りなおし、気持ちを落ち着かせる。
私は頭に血がのぼっていた。相手、ルイは前世なら小学生だ。それに対して何を本気になっているのだ。
だいたい、おじさんが古代語をつかえるなら彼の協力を得てもよい。私とはまた違った発想で魔法陣を作る事ができるだろう。二人で考えるより彼が信用できるならその考えを入れた方が効率がよい。
しかし、私はルイをおじさんにとられたような気持ちなり我慢ができなかった。
幼い男の子が国を守るために学び頑張っているのだ。それをおばさんの私が今、邪魔するような事をした。これでは私の方が幼い。
私はルイに謝罪しようと彼の方を見るとなぜかニヤニヤと楽しそうに笑っていた。
「ルイ……そこまで伝えるの?」
魔法については慎重に扱わなければいけない事である。それはルイも知っているはずだ。しかも王族以外の人間に伝えるなど……。
私の心配を理解しているようで“大丈夫”と言うように手を縦に振っている。
「オリビア嬢口が硬いから大丈夫だよ」
何を言っているのだ。
安易におじさんを信じているため怒りがこみ上げてきた。別におじさんが外部に漏らすとか悪用する可能性を疑っているわけではない。
これはおじさんに限ったことではない。個人的な魔法能力については本人の許可なく他者に話すべきではない。
「そんなに怒らないで。おじさんとはそういう契約をしんたんだよ」
「契約? 魔法を使わない契約なんて破られる」
呑気に話すルイに更にイライラしてしまい。口調が強くなってしまった。
「魔法を使った契約だよ」
「どういうこと?」
そんな魔法陣を書いた記憶はない。契約魔法陣は石版にはないはずである。そんな魔法陣があったら不便魔法陣という言い方はされないはずである。
契約魔法陣を書くことができるとしたらアーサーだ。
しかし、オリビア嬢の中身がおじさんになった事を知らないし、ついこの間オリビア嬢の従者ルークとの会話を聞いて軽蔑したような表情をしていた為協力したとは思えない。
そこで、おそるおそるおじさんが口を開いた。
「申し訳ありません。この世界の漫画を知らないというのは嘘です。全て読んでいますし古代語も覚えています」
「なんだって?」
驚きのあまり、口調が乱暴になったしまった。以前、この漫画はまったく知らないと言っていた。
大体全て読んでいるという事は私より知識があるという事ではないか。
わざとらしく大きな動作をとってルイの方を見た。ルイはバツの悪そうな顔をしている。
「では、兄上はオリビア嬢に魔法陣を書いてもらい発動していたのですね。つまりもう私は必要ないということですね」
嫌味な言い方をした。普段は呼ばない"兄上"と言う言葉を使いその上敬語で話してやった。それほど腹が立ったのだ。別のおじさんが漫画の知識があった事を隠していたのは構わない。所詮は付き合い長いわけではないし他人だ。信頼できなかったというのも頷ける。
それよりもルイが私よりおじさんを頼っていたことに腹が立つ。特に魔法に関しては二人で一人のような感覚があった。それを感じていたのは私だけであったのだ。ルイにとっては魔法陣を書いてくれる一人に過ぎない。
ルイはなにも言わず私を見ている。
それがまたイライラする。
眉を下げたおじさんが私の顔色を伺うように口を開いた。
「いえ、私はルカ第二王子殿下のように古代語全て覚えているわけではありませ
んので……」
そのオドオドとした態度も私を苛立たせる原因の一つとたっていることをおじさんは分からないようだ。
ルイは私が全て覚えていることも話したのか。つまり、ルイが知っている私の事は全て筒抜けということか。しかし、おじさんの事を私に話すことは殆どなかった。
腹の虫がおさまらない。
何も答えないルイ嫌気がさして立ち去ろうとした瞬間、手を引かれて引き寄せられた。
驚いて抵抗出来ずにいるとそのまま抱きしめられた。
「わぁ」
おじさんの驚く声が聞こえたが抱きしめられているため彼の表情は見えない。それはルイの顔も同じだ。何を考えているのかわからない。
「ごめん」
ルイが小さな声であやまってくれた。私より少しだけ身長が大きいが体格はたいして変わらない。
「ルカ第二王子殿下は私に嫉妬しているのですね。大丈夫ですよ。ルイ第一王子殿下は……」
おじさんの言葉の途中で、ルイを押しのけ「嫉妬?」と声をあげた。私に押されてルイは目を大きくしている。おじさんの方を見れば、私が口を挟んでしまったため話すことをやめた。そして私を見ている。
「なんで? 嫉妬? こ……」
“こんな子どもに”という言葉を飲み込んだ。それを言っては全てが壊れてしまうような気がした。
二人がじっと私を見ている。
なんだかいたたまれない気持ちになった。
深呼吸をしてから自席に座りなおし、気持ちを落ち着かせる。
私は頭に血がのぼっていた。相手、ルイは前世なら小学生だ。それに対して何を本気になっているのだ。
だいたい、おじさんが古代語をつかえるなら彼の協力を得てもよい。私とはまた違った発想で魔法陣を作る事ができるだろう。二人で考えるより彼が信用できるならその考えを入れた方が効率がよい。
しかし、私はルイをおじさんにとられたような気持ちなり我慢ができなかった。
幼い男の子が国を守るために学び頑張っているのだ。それをおばさんの私が今、邪魔するような事をした。これでは私の方が幼い。
私はルイに謝罪しようと彼の方を見るとなぜかニヤニヤと楽しそうに笑っていた。
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