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守りたい
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グレース殿下はアーサーに待てと指示してから扉にいる隊長たちに外に行くよう指示した。彼らが見えなくなるのを確認するとアーサーに返事をした。
「どうした」
『侵入者です。正体は不明ですが、おそらく魔法陣が使われているかと……。今、騎士団が対応していますが厳しいため、僕も向かいます。後は国王陛下とオリバー摂政と連絡をお願いいたします』
アーサーは一方的に伝えて切れた。
“騎士団が対応しているが厳しい”
アーサーの言葉が頭の中で何度も繰り返された。
ハリー・ナイトが捕まり王妃とは関係を作れなくなかったからトーマス騎士団長は安全だと思った。甘く見ていた。彼は騎士団長だ。常に命を掛けている。
私は直ぐに転送魔法陣を書き城へ向かった。その時に周りから様々な声が聞こえたが無視した。トーマス騎士団長の危機なのだ。他に構っている時間はない。
城に着くとすぐに門へ向かった。侵入者というからもしかしたら城の中にいるかもしれないが門へ向かえば騎士も衛兵もいるため何か手掛かりがつかめるかと思った。
城の外へ出ると目を疑うような光景が広がっていた。多くの騎士が倒れ、騎士団長が血を流しながら剣を構えている。
その相手はおそらくハリー・ナイトだ。彼の顔は見た事はないが王族特有の美しい顔をしている。そして瞳が三色である。それは遠目からでもわかるくらいはっきりとしている。
ハリー・ナイトは大きく手を動かした。その動きから攻撃系の魔法陣を書いていると判断した私は慌てて防御魔法陣を書く。防御の魔法陣なんて書いたことがないし、ルイもいないからうまくいくか分からないがやるしかない。
彼を守りたいため必死だった。
私はトーマス騎士団長の前に飛び出すと"受けた衝撃を攻撃した相手に跳ね返す"と書き発動した。
ハリー・ナイトは大きな炎を出現させると私たちの方に放った。
彼の魔法陣発動よりも私の防御魔法の方が若干早く、彼の放った炎は私の作った防御壁にぶつかった。それから勢いよりハリー・ナイト目掛けて飛んでいった。
自分に戻ってくることを予想していなかったようで、炎を見て彼は慌てよけたが間に合わずに髪に火がついた。それに対して慌てることはなく不愉快そうな顔をして手で握り消した。
彼は私の登場に目を細くして眉間にしわをよせていたが何もいわずに手を動かしている。更に魔法陣を使う気だ。
マジか
彼の動きからそれは大きなエネルギーを放つことがわかった。魔法陣が途中であるため全部を読むことができないがかなり危険なものだけはわかる。
逃げたいが後ろのトーマス騎士団長は立っているのがやっとほど重症だ。ここを離れるわけにはいかない。
「ルカ……第二王子……殿下……なぜ」
トーマス騎士団長は振り絞るような声を出した。私が来たことに驚いているようだ。私は王子であるから騎士を助けるなって信じられない話かもしれないが私にとって貴方は神に匹敵する存在なのです。
ハリー・ナイトの発動をとめるため私は剣を抜き、飛び上がった。
「―ッ」
ハリー・ナイトの頭を目掛けて剣を下ろしてはずであるが、頭に到達する前に何かに弾かれて後ろに跳ね飛ばされた。足に力をいれてバランスをとったため倒れなかったが土煙がたった。
ハリー・ナイトは魔法陣を終わったようで発動しようと魔法陣に手をかざした。
マズイ
おそらく、魔法でガードしているなら解除魔法をぶつければいいがその魔法陣を書いている暇はない。
マズイマズイマズイ……あっ。
その時、以前魔法陣なしで魔法を発動できたのを思い出した。それがまたできるとは思えないが何もしないよりはいい。
解除魔法陣と剣の攻撃力を上げる魔法陣を思い浮かべ剣に力をこめる。攻撃力の魔法陣は書いたことないが挑戦した。
どうせ失敗したら死ぬのだから今やれることを全力でしようと思った。
魔力を流せばいいのだろうがやり方がわからないから発動する時と同じ要領やった。
そしての剣を持ち直し、足に力をいれると勢いつけてハリー・ナイトめがけて飛びあがった。更に全体重をかけて切りかかった。
防御壁に自信があるのだろう。私に一切目もくれずにトーマス騎士団長を狙う。
私の剣は音もなく防御壁に中に入った。それにハリー・ナイトは気づき避けようと、発動をやめて動いたが遅かった。
剣を彼の左肩に入った。果物を切るようと同じようにすっと剣が肩に入り切り落とした。人間だから骨があるはずであるがその硬さをまったく感じなかった。
これが攻撃力強化に力か……。
私は地面に着地した時の衝撃で地に膝をついてしまったが倒れないように足に力をいれる。それと同じいくらに生暖かい物が降ってきた。
「あぁぁぁぁぁ」
それから重い物が地面に落ちる音がするとハリー・ナイトの悲鳴が聞えた。
私は立ち上がり、ハリー・ナイトの方を向くと彼の左肩から下が地面に落ちていた。彼は右手で魔法陣を書くとすぐに消えた。
腕だけはその場に残っていた。
「トーマス騎士団長」
私は剣の血を服で拭いいしまうと、トーマス騎士団長のもとへ駆け寄った。彼はその場に倒れ込んでいた。もう一度彼の名前を呼ぶが返事はない。
まさか
慌てて呼吸を確認するとすこし早いが呼吸をしている。
早く彼の手当をしなくてはいけないが、私では彼を運ぶことができない。そのため転送魔法陣を書き城内へ移動した。
城内へ転送できても石板の転送魔法陣の場所へしか移動できない。その場所に彼を寝かすと騎士館へ救護部隊の騎士を探しにいった。
「どうした」
『侵入者です。正体は不明ですが、おそらく魔法陣が使われているかと……。今、騎士団が対応していますが厳しいため、僕も向かいます。後は国王陛下とオリバー摂政と連絡をお願いいたします』
アーサーは一方的に伝えて切れた。
“騎士団が対応しているが厳しい”
アーサーの言葉が頭の中で何度も繰り返された。
ハリー・ナイトが捕まり王妃とは関係を作れなくなかったからトーマス騎士団長は安全だと思った。甘く見ていた。彼は騎士団長だ。常に命を掛けている。
私は直ぐに転送魔法陣を書き城へ向かった。その時に周りから様々な声が聞こえたが無視した。トーマス騎士団長の危機なのだ。他に構っている時間はない。
城に着くとすぐに門へ向かった。侵入者というからもしかしたら城の中にいるかもしれないが門へ向かえば騎士も衛兵もいるため何か手掛かりがつかめるかと思った。
城の外へ出ると目を疑うような光景が広がっていた。多くの騎士が倒れ、騎士団長が血を流しながら剣を構えている。
その相手はおそらくハリー・ナイトだ。彼の顔は見た事はないが王族特有の美しい顔をしている。そして瞳が三色である。それは遠目からでもわかるくらいはっきりとしている。
ハリー・ナイトは大きく手を動かした。その動きから攻撃系の魔法陣を書いていると判断した私は慌てて防御魔法陣を書く。防御の魔法陣なんて書いたことがないし、ルイもいないからうまくいくか分からないがやるしかない。
彼を守りたいため必死だった。
私はトーマス騎士団長の前に飛び出すと"受けた衝撃を攻撃した相手に跳ね返す"と書き発動した。
ハリー・ナイトは大きな炎を出現させると私たちの方に放った。
彼の魔法陣発動よりも私の防御魔法の方が若干早く、彼の放った炎は私の作った防御壁にぶつかった。それから勢いよりハリー・ナイト目掛けて飛んでいった。
自分に戻ってくることを予想していなかったようで、炎を見て彼は慌てよけたが間に合わずに髪に火がついた。それに対して慌てることはなく不愉快そうな顔をして手で握り消した。
彼は私の登場に目を細くして眉間にしわをよせていたが何もいわずに手を動かしている。更に魔法陣を使う気だ。
マジか
彼の動きからそれは大きなエネルギーを放つことがわかった。魔法陣が途中であるため全部を読むことができないがかなり危険なものだけはわかる。
逃げたいが後ろのトーマス騎士団長は立っているのがやっとほど重症だ。ここを離れるわけにはいかない。
「ルカ……第二王子……殿下……なぜ」
トーマス騎士団長は振り絞るような声を出した。私が来たことに驚いているようだ。私は王子であるから騎士を助けるなって信じられない話かもしれないが私にとって貴方は神に匹敵する存在なのです。
ハリー・ナイトの発動をとめるため私は剣を抜き、飛び上がった。
「―ッ」
ハリー・ナイトの頭を目掛けて剣を下ろしてはずであるが、頭に到達する前に何かに弾かれて後ろに跳ね飛ばされた。足に力をいれてバランスをとったため倒れなかったが土煙がたった。
ハリー・ナイトは魔法陣を終わったようで発動しようと魔法陣に手をかざした。
マズイ
おそらく、魔法でガードしているなら解除魔法をぶつければいいがその魔法陣を書いている暇はない。
マズイマズイマズイ……あっ。
その時、以前魔法陣なしで魔法を発動できたのを思い出した。それがまたできるとは思えないが何もしないよりはいい。
解除魔法陣と剣の攻撃力を上げる魔法陣を思い浮かべ剣に力をこめる。攻撃力の魔法陣は書いたことないが挑戦した。
どうせ失敗したら死ぬのだから今やれることを全力でしようと思った。
魔力を流せばいいのだろうがやり方がわからないから発動する時と同じ要領やった。
そしての剣を持ち直し、足に力をいれると勢いつけてハリー・ナイトめがけて飛びあがった。更に全体重をかけて切りかかった。
防御壁に自信があるのだろう。私に一切目もくれずにトーマス騎士団長を狙う。
私の剣は音もなく防御壁に中に入った。それにハリー・ナイトは気づき避けようと、発動をやめて動いたが遅かった。
剣を彼の左肩に入った。果物を切るようと同じようにすっと剣が肩に入り切り落とした。人間だから骨があるはずであるがその硬さをまったく感じなかった。
これが攻撃力強化に力か……。
私は地面に着地した時の衝撃で地に膝をついてしまったが倒れないように足に力をいれる。それと同じいくらに生暖かい物が降ってきた。
「あぁぁぁぁぁ」
それから重い物が地面に落ちる音がするとハリー・ナイトの悲鳴が聞えた。
私は立ち上がり、ハリー・ナイトの方を向くと彼の左肩から下が地面に落ちていた。彼は右手で魔法陣を書くとすぐに消えた。
腕だけはその場に残っていた。
「トーマス騎士団長」
私は剣の血を服で拭いいしまうと、トーマス騎士団長のもとへ駆け寄った。彼はその場に倒れ込んでいた。もう一度彼の名前を呼ぶが返事はない。
まさか
慌てて呼吸を確認するとすこし早いが呼吸をしている。
早く彼の手当をしなくてはいけないが、私では彼を運ぶことができない。そのため転送魔法陣を書き城内へ移動した。
城内へ転送できても石板の転送魔法陣の場所へしか移動できない。その場所に彼を寝かすと騎士館へ救護部隊の騎士を探しにいった。
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