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おじさん令嬢は女好き
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ルーク訪問の翌日、私は不規則に揺れる馬車の中から外を見ていた。王都を出たあたりから街の雰囲気がガラリと変わった。街にいる人間は増えたように感じるが楽しげな会話どころか声さえあまり聞こえない。王族の馬車だから整備されているところを通っていると思う。しかし、お世辞にもきれいな道とは言えない。
おそらく路地に入れば悪臭が漂っているのであろう。
私の乗る馬車には私の護衛騎士である五番隊隊長マリアも同乗していた。馬車の外には五番隊に所属する数名騎士が馬に乗り馬車の横を歩いている。前を走る馬車にはルイが乗っている。そこにはルイの護衛騎士である四番隊長が同乗している。彼の馬車の周りには私の馬車同様、ルイの護衛騎士がいる。
今回は遠出であるため私たちの護衛騎士以外の隊もおり、更に救護部隊も同行している。
とても大掛かりである。
「マリア隊長」
私が窓から目を離しマリア隊長の方を見ると背筋を伸ばし周囲にアンテナをはっていた。
私が声を掛けたのに気づくと返事をして私の方に顔を向ける。馬車の中にいるためいつものようにひざまずくことができない代わりに頭を下げた。
「マリア隊長はオリビア嬢の護衛によくついていましたか」
「はい。暴れて怪我をした事がありましたから数日は私が任務につきました。落ち着いてから他の者にまかせております。同性の方が落ち着くという事で他の班にも護衛を依頼しました」
マリア隊長は丁寧に説明してくれた。私がおじさんを城に呼んだだめ、本来はおじさんの護衛業務は全て私の護衛騎士である五番隊でまかなわれるが隊に女性騎士がすくないため他の隊から派遣してもらったそうだ。
「オリビア嬢が女性騎士を願ったのですか」
「おっしゃる通りです」
マリア隊長の言葉を聞いて、おじさんに苛立った。
あのおじさん、少女という立場を利用してやりたい放題じゃないか。
騎士は平民が多いため王族や貴族のように美しい顔ではないが普段の訓練で引き締まった身体は美しい。実際マリアの無駄のない身体は服の上からでもカッコよく思う。
ドMのおじさんはかっこいい女性と過ごせてさぞかし幸せだっただろう。
だだ、おじさんが希望したとしても騎士の任務に関わることだから権限のある人間の許可が必要なはずだ。
「オリビア嬢の希望を許可したのはルイですか」
「その通りです。ですから、ルイ第一王子殿下とルカ第二王子殿下の護衛騎士で任務につかせて頂きました」
淡々と説明するマリア隊長に「そうですか」と返事をした。おじさんの部屋へは騎士一人しか配属していないため二部隊あれば他の任務に支障なくまわすことができるだろう。
おじさんのそんな希望は叶える必要はないのに手をまわす事といい、女の子を紹介する発言といい、ルイはおじさんの関心を女性に向けておきたいらしい。
『好きだからに決まっているでしょ』
ふとルイの言葉を思い出した。
おそらく、オリビア嬢が私に興味を示さないように。そして、私がオリビア嬢に関心を持たないようにするための防壁だ。
そんなことしなくても、自ら女の子の紹介や女性騎士を希望がするくらいの女好きなのだからおじさんが男の私を恋愛対象にする事はない。また私も変態おじさんには興味はないどころかひいている。
いくら利害一致したからといってあの人と一生付き合わなくてはならないかと先が思いやられる。
おそらく路地に入れば悪臭が漂っているのであろう。
私の乗る馬車には私の護衛騎士である五番隊隊長マリアも同乗していた。馬車の外には五番隊に所属する数名騎士が馬に乗り馬車の横を歩いている。前を走る馬車にはルイが乗っている。そこにはルイの護衛騎士である四番隊長が同乗している。彼の馬車の周りには私の馬車同様、ルイの護衛騎士がいる。
今回は遠出であるため私たちの護衛騎士以外の隊もおり、更に救護部隊も同行している。
とても大掛かりである。
「マリア隊長」
私が窓から目を離しマリア隊長の方を見ると背筋を伸ばし周囲にアンテナをはっていた。
私が声を掛けたのに気づくと返事をして私の方に顔を向ける。馬車の中にいるためいつものようにひざまずくことができない代わりに頭を下げた。
「マリア隊長はオリビア嬢の護衛によくついていましたか」
「はい。暴れて怪我をした事がありましたから数日は私が任務につきました。落ち着いてから他の者にまかせております。同性の方が落ち着くという事で他の班にも護衛を依頼しました」
マリア隊長は丁寧に説明してくれた。私がおじさんを城に呼んだだめ、本来はおじさんの護衛業務は全て私の護衛騎士である五番隊でまかなわれるが隊に女性騎士がすくないため他の隊から派遣してもらったそうだ。
「オリビア嬢が女性騎士を願ったのですか」
「おっしゃる通りです」
マリア隊長の言葉を聞いて、おじさんに苛立った。
あのおじさん、少女という立場を利用してやりたい放題じゃないか。
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ドMのおじさんはかっこいい女性と過ごせてさぞかし幸せだっただろう。
だだ、おじさんが希望したとしても騎士の任務に関わることだから権限のある人間の許可が必要なはずだ。
「オリビア嬢の希望を許可したのはルイですか」
「その通りです。ですから、ルイ第一王子殿下とルカ第二王子殿下の護衛騎士で任務につかせて頂きました」
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おそらく、オリビア嬢が私に興味を示さないように。そして、私がオリビア嬢に関心を持たないようにするための防壁だ。
そんなことしなくても、自ら女の子の紹介や女性騎士を希望がするくらいの女好きなのだからおじさんが男の私を恋愛対象にする事はない。また私も変態おじさんには興味はないどころかひいている。
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