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相談
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自室へ戻る途中、侍女に夕食を部屋に運んでもらうようにお願いした。夕食を食べてからルイに話をしたのでは間に合わない。クラーク家からの手紙を気にしていたからルイは絶対に私の部屋にいる。
部屋に着くと衛兵はルイが部屋にいる事を教えてくれた。本来、部屋の主が不在である場合は入室できないが、以前部屋の前をずっと歩きまわり衛兵や侍女が迷惑そうにしていたため入室許可をした。
部屋に、はいるとルイが席について待っていた。テーブルの上には魔法陣が書かれた紙が散らばっていた。ほとんど私が書いたものであったが違うものある。ルイが自分で書いたのかもしれない。
私の入室に気付いたルイはまず“夕食を部屋で食べられるようにした”と言う。私と考えることは同じである。話が長くなるのであれば夕食を食べながらの方がいい。今回は広間に行かなくても事情を理解している国王はなのも言わないだろう。
私は席に座るとすぐにルイが気になっていると思われるクラーク家からの手紙説明した。クラーク家の話より今後の方針を決めないといけない。
「クラーク家からの手紙はオリビア令嬢の従者ルーク訪問についてなんだ。けどそれより大きな問題があるから聞いてほしい」
私の必死な様子を感じてくれたようで、彼は何も言わず頷いていた。それを確認すると国王らと話し事をそのまま全てルイに伝えた。するとルイは手で口を抑えて目を細めた。
「多分だけど、試されているんじゃないかな。アーサーは今回はっきりと映像魔法陣が使えると証言しているでしょ。全部とは言わないけど僕らの行動は筒抜けの可能性がある」
ルイの話に目から鱗が落ちる。確かにあの時殆ど助言をもらえなかったし決定権は私にあった。国を左右する問題で不自然すぎる。よって“試されていた”というのは納得がいく。
試されるのは仕方ない事だと思う。この一年“ルカ”としてはあり得ない行動をしていた。
「もしかして、暗殺未遂事件を起こした第二王子の様になるかと警戒されたかな」
「それは、生まれた瞬間から警戒されているよ。まず、僕が引っかかるのはルカに反乱軍の指導者になれという話。しっかり言葉で言われた?そもそも反乱軍の話からおかしい」
ルイはサラっと重要なことを言う。警戒されているのは薄々気づいてはいたので対して驚きはしない。
それより、国王らと反乱軍の話をした時の事を思い出してみることにした。初めて反乱軍と言葉にしたのは私自身だ。漫画に出てきた言葉であったためポロリと口から出てしまったのだ。更にあの時“反乱軍を作ることが本気である”ことと“指導者について”確認したそれに対して誰も答えてはいない。アーサーが私を見ていただけだ。そういえば国王が“反乱軍に反対”と言っていたな。
「その顔は言われてないでしょ。多分、様々な情報を伝えられただけで上層部の意見は聞けていないじゃないかな」
一気に肩の力が抜けた。父殺しの提案はされていないことに安心する。ここの国王が死んでしまったら私が頑張っている意味がない。皆が幸せになってほしいのだ。
「安心している?何も解決してないよ」
その通りだ。夕食後には国の今後について案を出さなくてはいけない。安心している場合ではないのだ。私は顔を上げてルイの顔を見た。何か企んでいる顔をしている。
部屋に着くと衛兵はルイが部屋にいる事を教えてくれた。本来、部屋の主が不在である場合は入室できないが、以前部屋の前をずっと歩きまわり衛兵や侍女が迷惑そうにしていたため入室許可をした。
部屋に、はいるとルイが席について待っていた。テーブルの上には魔法陣が書かれた紙が散らばっていた。ほとんど私が書いたものであったが違うものある。ルイが自分で書いたのかもしれない。
私の入室に気付いたルイはまず“夕食を部屋で食べられるようにした”と言う。私と考えることは同じである。話が長くなるのであれば夕食を食べながらの方がいい。今回は広間に行かなくても事情を理解している国王はなのも言わないだろう。
私は席に座るとすぐにルイが気になっていると思われるクラーク家からの手紙説明した。クラーク家の話より今後の方針を決めないといけない。
「クラーク家からの手紙はオリビア令嬢の従者ルーク訪問についてなんだ。けどそれより大きな問題があるから聞いてほしい」
私の必死な様子を感じてくれたようで、彼は何も言わず頷いていた。それを確認すると国王らと話し事をそのまま全てルイに伝えた。するとルイは手で口を抑えて目を細めた。
「多分だけど、試されているんじゃないかな。アーサーは今回はっきりと映像魔法陣が使えると証言しているでしょ。全部とは言わないけど僕らの行動は筒抜けの可能性がある」
ルイの話に目から鱗が落ちる。確かにあの時殆ど助言をもらえなかったし決定権は私にあった。国を左右する問題で不自然すぎる。よって“試されていた”というのは納得がいく。
試されるのは仕方ない事だと思う。この一年“ルカ”としてはあり得ない行動をしていた。
「もしかして、暗殺未遂事件を起こした第二王子の様になるかと警戒されたかな」
「それは、生まれた瞬間から警戒されているよ。まず、僕が引っかかるのはルカに反乱軍の指導者になれという話。しっかり言葉で言われた?そもそも反乱軍の話からおかしい」
ルイはサラっと重要なことを言う。警戒されているのは薄々気づいてはいたので対して驚きはしない。
それより、国王らと反乱軍の話をした時の事を思い出してみることにした。初めて反乱軍と言葉にしたのは私自身だ。漫画に出てきた言葉であったためポロリと口から出てしまったのだ。更にあの時“反乱軍を作ることが本気である”ことと“指導者について”確認したそれに対して誰も答えてはいない。アーサーが私を見ていただけだ。そういえば国王が“反乱軍に反対”と言っていたな。
「その顔は言われてないでしょ。多分、様々な情報を伝えられただけで上層部の意見は聞けていないじゃないかな」
一気に肩の力が抜けた。父殺しの提案はされていないことに安心する。ここの国王が死んでしまったら私が頑張っている意味がない。皆が幸せになってほしいのだ。
「安心している?何も解決してないよ」
その通りだ。夕食後には国の今後について案を出さなくてはいけない。安心している場合ではないのだ。私は顔を上げてルイの顔を見た。何か企んでいる顔をしている。
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