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身体が重く動けずにベッドでぐったりとしていると、正樹に支えられて風呂場まで連れて行かれた。丁寧に洗われるとそれに興奮していまい股間のモノ大きくなった。恥ずかしくて顔を背けると正樹は微笑み抜いてくれた。
風呂から上がると、綺麗になったシーツに転がった。いつもの寝いているベッドなのに特別気落ち良さを感じた。
しばらくすると、悠の服で身を包んだ正樹が近づいてきた。それが嬉しくて顔を緩んだ。
「わりぃ、話の途中で盛って……」
自分の頭をかきながら、すまなそうにする正樹に首をふった。
アレは悠にとってはご褒美だった。
「で、話の続きなんだけど」
正樹はベッドボードに置いたスマートフォンを取り操作すると、写真を見せてくれた。
「ん?」その写真に悠は首を傾げた。
木山恵がセーラー服を着ていた。彼は整った顔をしているが女顔ではない。
男が女装しているのだよ分かる写真だ。
自分の方が綺麗だと口に出しそうになり、慌てて飲み込んだ。
「えっと、文化祭とかの?」
学生のお祭り騒ぎでの女装なら分かる。
悠の高校時代もノリノリで女装したり男装したりして文化祭を盛り上げている奴がいた。
「違う。あいつは入学から卒業までこの制服を着ていた」
「女装で……?」意味が分からなかった。
「見たことないけど、チンコはないらしい」
「チン……」
正樹の基準はチンコらしい。
分かりやすいが、余りに連呼されるといたたまれない気持ちになる。
「あの、あまり……。ソレを連呼は……」
「分かりやすくない?」正樹は笑った。
「おっぱいっていうのもあるけど、太れば男でも巨乳になるし、痩せればなくなる。実際、あいつはほぼないって聞いた」
「あの、木山さんは男になりたいの?」
「男……? チンコはほしいって話は聞いてないなぁ。まぁ、現状に満足そうだよ」
満足とは河沼一香との関係だろうと考えて、悠は眉を寄せた。
「あ、河沼さんが男なの?」
「聞いたことないなぁ。一香の裸を見たことないし」
正樹は首をしげながら、スマートフォンを操作した。数回呼び出し音がなると『なに?』という面倒くさそうな声が聞こえた。正樹がスピーカーにしたため相手の声がはっきりと聞こえた。
「お前ってチンコある?」
『ないわよ。いきなりどうしたのよ?』
突然のセクハラ発言に河沼一香は動揺することなく答えた。
「湯川悠が、お前が男かってきくから。チンコねぇなら現在の戸籍は女かなと思って」
『そうね。現在の年齢では戸籍変更は難しいわねぇ』
「だってよ」
正樹は通話のまま話しかけてきた。悠は彼の感覚についていけなくて戸惑った。
『湯川さん、そこにいるの?』
「おう」
『あ~、ごめんね。正樹アホでしょ。デリケートな問題を雑に扱うから』
「いえ……」
河沼一香は常識的な事を言ったが、悠はモヤモヤした気持ちになった。彼女の正樹の事を知っているという態度が気に入らなかった。
『私は戸籍も身体も女よ。恋愛対象はチンコがない人間。おっぱいはそこまで気にしないかな』
「……」
飲み会の時は、河沼一香がこんなにもアホだと感じなかった。そもそも、学校では落ち着いた雰囲気の才女だ。だからそこ、虎司が気に入ったのだ。
『だから、正樹とどうこうなることないから安心しなさい』
「はい……」
『それよりアイツなんとかしてくれないかしら?』
「アイツ……?」
『虎司よ。はっきりとチンコには興味をないって言ったのに『俺が目覚めさせる』とか言うのよ』
虎司の性格を考えると彼女の言った光景は容易に想像できた。
「ごめんなさ……」
「お前が謝る必要ねぇだろ」謝罪の言葉の途中で、正樹に静止された。「アイツの勝手な行動だろ」
「……そうだけど」
「お前もゆうちゃんを責めんな」
眉を寄せて強い口調で言った。それが嬉しかった。
『アハハ、ごめんね』
悪びれる様子なく謝った。それに正樹はため息をついた。
「ゆうちゃん、コイツに何か聞きたいことあるか?」
首を振ると、正樹は「じゃ」と言って電話を切った。
風呂から上がると、綺麗になったシーツに転がった。いつもの寝いているベッドなのに特別気落ち良さを感じた。
しばらくすると、悠の服で身を包んだ正樹が近づいてきた。それが嬉しくて顔を緩んだ。
「わりぃ、話の途中で盛って……」
自分の頭をかきながら、すまなそうにする正樹に首をふった。
アレは悠にとってはご褒美だった。
「で、話の続きなんだけど」
正樹はベッドボードに置いたスマートフォンを取り操作すると、写真を見せてくれた。
「ん?」その写真に悠は首を傾げた。
木山恵がセーラー服を着ていた。彼は整った顔をしているが女顔ではない。
男が女装しているのだよ分かる写真だ。
自分の方が綺麗だと口に出しそうになり、慌てて飲み込んだ。
「えっと、文化祭とかの?」
学生のお祭り騒ぎでの女装なら分かる。
悠の高校時代もノリノリで女装したり男装したりして文化祭を盛り上げている奴がいた。
「違う。あいつは入学から卒業までこの制服を着ていた」
「女装で……?」意味が分からなかった。
「見たことないけど、チンコはないらしい」
「チン……」
正樹の基準はチンコらしい。
分かりやすいが、余りに連呼されるといたたまれない気持ちになる。
「あの、あまり……。ソレを連呼は……」
「分かりやすくない?」正樹は笑った。
「おっぱいっていうのもあるけど、太れば男でも巨乳になるし、痩せればなくなる。実際、あいつはほぼないって聞いた」
「あの、木山さんは男になりたいの?」
「男……? チンコはほしいって話は聞いてないなぁ。まぁ、現状に満足そうだよ」
満足とは河沼一香との関係だろうと考えて、悠は眉を寄せた。
「あ、河沼さんが男なの?」
「聞いたことないなぁ。一香の裸を見たことないし」
正樹は首をしげながら、スマートフォンを操作した。数回呼び出し音がなると『なに?』という面倒くさそうな声が聞こえた。正樹がスピーカーにしたため相手の声がはっきりと聞こえた。
「お前ってチンコある?」
『ないわよ。いきなりどうしたのよ?』
突然のセクハラ発言に河沼一香は動揺することなく答えた。
「湯川悠が、お前が男かってきくから。チンコねぇなら現在の戸籍は女かなと思って」
『そうね。現在の年齢では戸籍変更は難しいわねぇ』
「だってよ」
正樹は通話のまま話しかけてきた。悠は彼の感覚についていけなくて戸惑った。
『湯川さん、そこにいるの?』
「おう」
『あ~、ごめんね。正樹アホでしょ。デリケートな問題を雑に扱うから』
「いえ……」
河沼一香は常識的な事を言ったが、悠はモヤモヤした気持ちになった。彼女の正樹の事を知っているという態度が気に入らなかった。
『私は戸籍も身体も女よ。恋愛対象はチンコがない人間。おっぱいはそこまで気にしないかな』
「……」
飲み会の時は、河沼一香がこんなにもアホだと感じなかった。そもそも、学校では落ち着いた雰囲気の才女だ。だからそこ、虎司が気に入ったのだ。
『だから、正樹とどうこうなることないから安心しなさい』
「はい……」
『それよりアイツなんとかしてくれないかしら?』
「アイツ……?」
『虎司よ。はっきりとチンコには興味をないって言ったのに『俺が目覚めさせる』とか言うのよ』
虎司の性格を考えると彼女の言った光景は容易に想像できた。
「ごめんなさ……」
「お前が謝る必要ねぇだろ」謝罪の言葉の途中で、正樹に静止された。「アイツの勝手な行動だろ」
「……そうだけど」
「お前もゆうちゃんを責めんな」
眉を寄せて強い口調で言った。それが嬉しかった。
『アハハ、ごめんね』
悪びれる様子なく謝った。それに正樹はため息をついた。
「ゆうちゃん、コイツに何か聞きたいことあるか?」
首を振ると、正樹は「じゃ」と言って電話を切った。
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