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教室に着く頃には恵は静かになった。
「おはよー」
席に着くと大学で知り合った山崎(やまざき)が声を掛けてきた。正樹は笑顔で返事を返すが恵は頷くだけで表情を一切動かさない。以前は挨拶もしなかったから一歩成長した。
「なぁ、今日も騒いでいたな」
席に着くとすぐに山崎は話題を振ってきた。
「ん?」
正樹は彼の方を向いたが、恵は興味がないようで正樹の横で授業の準備をしていた。
「だから、湯川悠(ゆかわゆう)と椎名虎司(しいなとらじ)の事だよ」
「あぁ」
正樹の頭にはすぐに、門の近くで女子に囲まれていた長身の二人が浮かんだ。
「そうだな」
「興味なしかよ。二人共めちゃ美形じゃんか」
大いに興味があるが、今はまだそれがバレるのは避けたかった。
正樹は少し考えてから、ちらりと恵の方を見た。すると山崎は頷いた。
「確かに、木山も長身だしイケメンだけどコイツ愛想ないじゃん」
「まぁ……」
恵は一香以外の事では殆ど表情を動かさない。今も自分の事が話題に出ているのに気にする様子がなくスマートフォンを見ている。それをチラリと見てため息がでた。
「注目は椎名君じゃなくて湯川さんだよ。西洋人かと思うほど長身だし綺麗だよな」山崎はうっとりしながら話しながら恵の方を見た。
「お前身長いくつ?」
恵の耳には正樹の言葉届かないようで、スマートフォンをじっと見ている。
「おい」
恵が返事をしない事に山崎がイラついたので正樹は間に入り「一八〇だよ」と笑顔で言った。
「おま……」
正樹が答えた事が不満だった様で山崎は恵に文句を言いかけた。正樹はそれを察しすぐに話題を振った。
「あの二人共多分恵と同じくらいあるんじゃない?」と笑顔で話すと、山崎も話題に乗ったので安心した。
「そうかも。スタイルもいいよな」
「そうだな」
「でさ、あの二人付き合ってないらしいよ。ただの友だちだって」
「なるほど」
その件は知っている。だから邪魔だと思ってはいるがまだ手を出してはいない。
「おはよー」
席に着くと大学で知り合った山崎(やまざき)が声を掛けてきた。正樹は笑顔で返事を返すが恵は頷くだけで表情を一切動かさない。以前は挨拶もしなかったから一歩成長した。
「なぁ、今日も騒いでいたな」
席に着くとすぐに山崎は話題を振ってきた。
「ん?」
正樹は彼の方を向いたが、恵は興味がないようで正樹の横で授業の準備をしていた。
「だから、湯川悠(ゆかわゆう)と椎名虎司(しいなとらじ)の事だよ」
「あぁ」
正樹の頭にはすぐに、門の近くで女子に囲まれていた長身の二人が浮かんだ。
「そうだな」
「興味なしかよ。二人共めちゃ美形じゃんか」
大いに興味があるが、今はまだそれがバレるのは避けたかった。
正樹は少し考えてから、ちらりと恵の方を見た。すると山崎は頷いた。
「確かに、木山も長身だしイケメンだけどコイツ愛想ないじゃん」
「まぁ……」
恵は一香以外の事では殆ど表情を動かさない。今も自分の事が話題に出ているのに気にする様子がなくスマートフォンを見ている。それをチラリと見てため息がでた。
「注目は椎名君じゃなくて湯川さんだよ。西洋人かと思うほど長身だし綺麗だよな」山崎はうっとりしながら話しながら恵の方を見た。
「お前身長いくつ?」
恵の耳には正樹の言葉届かないようで、スマートフォンをじっと見ている。
「おい」
恵が返事をしない事に山崎がイラついたので正樹は間に入り「一八〇だよ」と笑顔で言った。
「おま……」
正樹が答えた事が不満だった様で山崎は恵に文句を言いかけた。正樹はそれを察しすぐに話題を振った。
「あの二人共多分恵と同じくらいあるんじゃない?」と笑顔で話すと、山崎も話題に乗ったので安心した。
「そうかも。スタイルもいいよな」
「そうだな」
「でさ、あの二人付き合ってないらしいよ。ただの友だちだって」
「なるほど」
その件は知っている。だから邪魔だと思ってはいるがまだ手を出してはいない。
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