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第55話 他人を使え
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倒れた原因は疲労であったため、すぐに退院して貴也の家に戻った。
貴也の部屋にある大きなクッションに寄りかかり、落ち着いたところでスマートフォンを見た。和也から着信とメールが数件はいっていた。どれも身体を心配する物であった。
「今日は無理せずに寝なよ」飲み物を渡しながら貴也は優しい言葉を掛けてくれた。
憲貞は礼を言いながら、それを受け取るとスマートフォンを置いてカップに口を付けた。
甘いココアが口の中に広がった。
まだ残暑が厳しい時期であったがエアコンのきいた部屋で飲む暖かいココアに心が洗われた。
「メール? 誰から?」
「あぁ、カズだ。心配してくれた」
「え? 叶と連絡取り合っているの?」
「うむ」
「俺、のりちゃんの連絡先知らないけど」
幼い子どもの様に拗ねる貴也が面白いと思いながら、連絡先を交換した。すると、彼は礼を言いながら満足そうに笑っていた。
そして、次の瞬間スマートフォンが振動した。
「え? 送ったのか?」
「うん」
カップを置いてスマートフォンを見ると、貴也からメッセージが届いていた。
『俺のせいで病院に行くことになってごめん。更にのりちゃんのお母さんと勝手な約束までして悪いとは思っているけど、後悔はしてないよ。一緒に頑張ろう』
持っていたスマートフォンが涙で濡れた。
貴也の優しい言葉。
和也の心配する言葉。
血の繋がりのない人間の方が自分を本気心配してくれる。自分の家族に失望してやる気をなくすなって滑稽だと思った。
受験も学校も今、自分を支えてくれている人のために頑張ろうと思った。
「ありがとう」と言うのが精いっぱいであった。本当はもっとたくさんの感謝の気持ちを伝えたかったが、言葉がうまくでなかった。
震える手でスマートフォンを操作して『ありがとう。大丈夫』と和也に送った。
貴也は、憲貞の涙に驚いたようであったが何も言わずに隣に座った。彼は憲貞が持っていたスマートフォンを見て、メールを送信したのを確認するとそれを手から取りローテーブルに置いた。
「今回の計画が全て失敗して、公立中に行くことになったとしても親に見捨てられても……。俺は、俺は、のりちゃんの味方だから」
自分の手を強く握られて、胸が熱くなった。
嬉しくて、嬉しくて涙が止まらなかった。
その時、ドタドタと走る音が扉の外から聞こえたと思うと、大きな音を立てて勢いよく扉が開いた。その音に驚いて、貴也も憲貞も扉の方を見た。
「のりちゃん、大丈夫?」
息を切らして汗だくになり、ランドセルを背負ったままの和也が立っていた。
「本当はすぐに、来たかっただけど。親に大丈夫だから学校行けって言われて。終わったらソッコーできた」
「大丈夫だ」
和也の様子に憲貞が戸惑いながら答えると、彼は安堵してへろへろとその場に座り込んだ。憲貞はゆっくりと立ち上がり和也の側に座った。
「ありがとう。私は大丈夫だ」
「本当に、本当に、良かった。のりちゃん倒れるのって2回目だし今度は入院だし」
「心配かけてすまない」
「いや」和也は頭を上げると貴也を睨みつけた「どういうことだ。ちゃんとメシ食って寝てんじゃねぇーのかよ」
声を荒げ和也を貴也は何も言わずに見ていた。
「てめぇ」っと和也が拳を握り立ち上がろうとしたため、憲貞は彼にしがみついて全身で止めた。
「離せよ」
「私が倒れたのは、だだの睡眠不足だ。それは私の判断で起きていた。貴也は悪くない」
「なんだよ。それ。俺と同じだけ睡眠とるって話しじゃなかったのかよ。のりちゃんが江本の心配するから、付き合ったじゃねーか」
「そうなのだが、貴也もギリギリなんだ。時間が足りないんだ」
そう言って、憲貞は病院で母と貴也がした約束を話した。
小さな声で貴也が「ごめん」と言うと、和也は大きくため息をついてその場であぐらをかいた。
「のりちゃんは天王寺だったんだっけな」
「うむ」
「はぁ。じゃ、睡眠時間を確保してさらに勉強の質の確保か。江本は難関校を受かる気ならのりちゃんの世話してる暇ねぇよな」
和也はじっと憲貞の顔をみた。余りに見られ貴也は気まずくなったようで目をそらした。和也は立ち上がり、黙って座っている貴也の隣にしゃがみ込んだ。
和也は「おい」と言って、貴也に呼びかけた。
「泣いているのりちゃんを優しく慰めた優しい江本君」敬称を付けてわざとらしく優しい言い方をした「感情論や根性論じゃなくて、根拠のある計画があっての言葉だよな?」
すると、情けない顔をした貴也が彼の方を向いた。
さっきまで、憲貞の手をにぎり慰めてくれた頼りがい姿はとは全く違った。
「貴也を責めないでくれ、彼は私の為を思ってくれている」
慌てて、貴也をかばうと和也と目が合った。
「じゃ、今後について話したのか? なんて言われた」
「それは……。今回の事が失敗して公立いっても貴也は私を見捨てないって言ってくれた」
「ばかじゃねぇーの」
和也の大きな声が響いた。
「価値ねぇな。これから2月まで江本はここで、一人で勉強しろ。のりちゃんは俺んちに来い」
「へ?」と2人が驚いて同時に和也の顔をみた。
「のりちゃん金あんだろ? それ使って俺の親父を雇う」
「それは……」と貴也が否定しようとした。すると「馬鹿が」と和也に、言おうとして言葉を打ち消された。
「お前、否定する権利ねぇよ。のりちゃんの世話できねぇじゃん。入院させてんじゃねぇよ」一息おいてから立ち上がり扉を開けて「他人を信じろ、頼れとは言わねぇ。けど、使え。それが今お前に足りない能力だ」
和也の言葉に反論できずに貴也は苦い顔をしていた。そして、入り口で黙って立っている自分の母を目を細めてみた。
「失礼するよ」と行って彼女は部屋にはいると、ローテーブルの横にあった座布団に座り、紙を置いた。
それを憲貞と貴也がのぞき込んだ。和也は立ったままその様子を見ていた。
「これは叶君のお父さん、和明(かずあき)さんとの契約書。2月の試験前日まで」
憲貞は契約書を見て驚いた。
「母のサインがある」
「うん。憲貞君のお母さんにも承諾済みだよ。だから、明日から学校は和也君の家から通うことになる。車もくるよ。それと」と言って貴也の母はもう一枚の紙を指さした。そこは、金額が細かくかかれている。
「これが授業料や叶家にお世話になる費用」
「わ、マジ。こんなに?」驚いた声を出したのは後ろで立っていた和也だ。
「すげー、0がいっぱい」
「これでも少ないくらいだよ。2月まで他の受験生を断って憲貞君だけを見てもらうんだ。今受け持ってる生徒を全てに他の先生を紹介するという手間もかかっている。本当に叶さんにはもう訳なく思っているよ」
展開の早さに頭がついていけなかったが、貴也は理解してようで立ち上がると和也に頭を下げた。
「ありがとう。のりちゃんが倒れた後すぐに考えてくれたんだね」
「いや」貴也の態度に和也は驚き戸惑っていた。
そして、頭をかきながら照れくさそうに笑った。
「のりちゃんから状況は常に聞いていたんだ。睡眠時間の話しもな。すぐにでも文句を言いに行こうとして親父に止められたんだ。そんで親父が協力してくれるつうから、準備して言い出すタイミングを狙っていた」
「いつから?」貴也が聞くと、和也は首を傾げて「けっこ前」とアバウトな事を言った。
「それなら言ってくれれば」
「えー、今だって納得してねぇだろ? でものりちゃんが倒れたから反論できないんだろ? そういうことだよ」
図星をさされたらしく貴也は何も言えなくなった。
「皆、お前一人でできると思ってねぇよ。思ってるお前がおこがましいじゃねぇーの?」
「そうだね」
貴也は寂しそうに笑った。
「では、憲貞君。それでいいかな? 君のことだからどうしてもイヤだと言うならこの話しはなかった事になる。勉強するには君だから」貴也の母は優しく笑った。
「やります」
即答した。これだけの人に動いてもらって頑張らないなんてありえない。
「そうか、では荷物をまとめて和也君と向かうといいよ」
そう言って貴也の母は部屋を出て行った。
「あーそうだ。江本、手紙持ってきてやった。授業ノートや宿題は伝えなくていいよな? いつもやってねぇし」
「あぁ、ありがとう」
和也がランドセルから出した手紙を貴也は受け取った。
その手紙を見て貴也はため息をついた。
「なんだよ」
「いや、林間学校があるんだな」
「あ、今日班決めた。俺と一緒にしてやったからな」
恩着せがましく笑う和也に貴也は素直に礼を言った。そんな彼に和也は拍子抜けしたようであった。
「あんだよ? 自分の不甲斐なさに落ち込んでるのか?」
「それもあるが、叶の優しさや能力の高さに感謝と共に驚いている」
「あー、俺は天才じゃねぇけどバカじゃねぇよ? そもそも、この計画を言い出したのは俺だし手を貸すって言ったよな」
和也は少し考えてから、ニヤリと笑って貴也をみた。
「それが仲間だろ」
貴也は目を大きくして驚いたが、すぐに和也と同じように笑い「友だちだな」と言った。
彼らは“仲間”とか“友だち”と言ってるが“悪友”と言う言葉の方が合っていると憲貞は思った。
貴也の部屋にある大きなクッションに寄りかかり、落ち着いたところでスマートフォンを見た。和也から着信とメールが数件はいっていた。どれも身体を心配する物であった。
「今日は無理せずに寝なよ」飲み物を渡しながら貴也は優しい言葉を掛けてくれた。
憲貞は礼を言いながら、それを受け取るとスマートフォンを置いてカップに口を付けた。
甘いココアが口の中に広がった。
まだ残暑が厳しい時期であったがエアコンのきいた部屋で飲む暖かいココアに心が洗われた。
「メール? 誰から?」
「あぁ、カズだ。心配してくれた」
「え? 叶と連絡取り合っているの?」
「うむ」
「俺、のりちゃんの連絡先知らないけど」
幼い子どもの様に拗ねる貴也が面白いと思いながら、連絡先を交換した。すると、彼は礼を言いながら満足そうに笑っていた。
そして、次の瞬間スマートフォンが振動した。
「え? 送ったのか?」
「うん」
カップを置いてスマートフォンを見ると、貴也からメッセージが届いていた。
『俺のせいで病院に行くことになってごめん。更にのりちゃんのお母さんと勝手な約束までして悪いとは思っているけど、後悔はしてないよ。一緒に頑張ろう』
持っていたスマートフォンが涙で濡れた。
貴也の優しい言葉。
和也の心配する言葉。
血の繋がりのない人間の方が自分を本気心配してくれる。自分の家族に失望してやる気をなくすなって滑稽だと思った。
受験も学校も今、自分を支えてくれている人のために頑張ろうと思った。
「ありがとう」と言うのが精いっぱいであった。本当はもっとたくさんの感謝の気持ちを伝えたかったが、言葉がうまくでなかった。
震える手でスマートフォンを操作して『ありがとう。大丈夫』と和也に送った。
貴也は、憲貞の涙に驚いたようであったが何も言わずに隣に座った。彼は憲貞が持っていたスマートフォンを見て、メールを送信したのを確認するとそれを手から取りローテーブルに置いた。
「今回の計画が全て失敗して、公立中に行くことになったとしても親に見捨てられても……。俺は、俺は、のりちゃんの味方だから」
自分の手を強く握られて、胸が熱くなった。
嬉しくて、嬉しくて涙が止まらなかった。
その時、ドタドタと走る音が扉の外から聞こえたと思うと、大きな音を立てて勢いよく扉が開いた。その音に驚いて、貴也も憲貞も扉の方を見た。
「のりちゃん、大丈夫?」
息を切らして汗だくになり、ランドセルを背負ったままの和也が立っていた。
「本当はすぐに、来たかっただけど。親に大丈夫だから学校行けって言われて。終わったらソッコーできた」
「大丈夫だ」
和也の様子に憲貞が戸惑いながら答えると、彼は安堵してへろへろとその場に座り込んだ。憲貞はゆっくりと立ち上がり和也の側に座った。
「ありがとう。私は大丈夫だ」
「本当に、本当に、良かった。のりちゃん倒れるのって2回目だし今度は入院だし」
「心配かけてすまない」
「いや」和也は頭を上げると貴也を睨みつけた「どういうことだ。ちゃんとメシ食って寝てんじゃねぇーのかよ」
声を荒げ和也を貴也は何も言わずに見ていた。
「てめぇ」っと和也が拳を握り立ち上がろうとしたため、憲貞は彼にしがみついて全身で止めた。
「離せよ」
「私が倒れたのは、だだの睡眠不足だ。それは私の判断で起きていた。貴也は悪くない」
「なんだよ。それ。俺と同じだけ睡眠とるって話しじゃなかったのかよ。のりちゃんが江本の心配するから、付き合ったじゃねーか」
「そうなのだが、貴也もギリギリなんだ。時間が足りないんだ」
そう言って、憲貞は病院で母と貴也がした約束を話した。
小さな声で貴也が「ごめん」と言うと、和也は大きくため息をついてその場であぐらをかいた。
「のりちゃんは天王寺だったんだっけな」
「うむ」
「はぁ。じゃ、睡眠時間を確保してさらに勉強の質の確保か。江本は難関校を受かる気ならのりちゃんの世話してる暇ねぇよな」
和也はじっと憲貞の顔をみた。余りに見られ貴也は気まずくなったようで目をそらした。和也は立ち上がり、黙って座っている貴也の隣にしゃがみ込んだ。
和也は「おい」と言って、貴也に呼びかけた。
「泣いているのりちゃんを優しく慰めた優しい江本君」敬称を付けてわざとらしく優しい言い方をした「感情論や根性論じゃなくて、根拠のある計画があっての言葉だよな?」
すると、情けない顔をした貴也が彼の方を向いた。
さっきまで、憲貞の手をにぎり慰めてくれた頼りがい姿はとは全く違った。
「貴也を責めないでくれ、彼は私の為を思ってくれている」
慌てて、貴也をかばうと和也と目が合った。
「じゃ、今後について話したのか? なんて言われた」
「それは……。今回の事が失敗して公立いっても貴也は私を見捨てないって言ってくれた」
「ばかじゃねぇーの」
和也の大きな声が響いた。
「価値ねぇな。これから2月まで江本はここで、一人で勉強しろ。のりちゃんは俺んちに来い」
「へ?」と2人が驚いて同時に和也の顔をみた。
「のりちゃん金あんだろ? それ使って俺の親父を雇う」
「それは……」と貴也が否定しようとした。すると「馬鹿が」と和也に、言おうとして言葉を打ち消された。
「お前、否定する権利ねぇよ。のりちゃんの世話できねぇじゃん。入院させてんじゃねぇよ」一息おいてから立ち上がり扉を開けて「他人を信じろ、頼れとは言わねぇ。けど、使え。それが今お前に足りない能力だ」
和也の言葉に反論できずに貴也は苦い顔をしていた。そして、入り口で黙って立っている自分の母を目を細めてみた。
「失礼するよ」と行って彼女は部屋にはいると、ローテーブルの横にあった座布団に座り、紙を置いた。
それを憲貞と貴也がのぞき込んだ。和也は立ったままその様子を見ていた。
「これは叶君のお父さん、和明(かずあき)さんとの契約書。2月の試験前日まで」
憲貞は契約書を見て驚いた。
「母のサインがある」
「うん。憲貞君のお母さんにも承諾済みだよ。だから、明日から学校は和也君の家から通うことになる。車もくるよ。それと」と言って貴也の母はもう一枚の紙を指さした。そこは、金額が細かくかかれている。
「これが授業料や叶家にお世話になる費用」
「わ、マジ。こんなに?」驚いた声を出したのは後ろで立っていた和也だ。
「すげー、0がいっぱい」
「これでも少ないくらいだよ。2月まで他の受験生を断って憲貞君だけを見てもらうんだ。今受け持ってる生徒を全てに他の先生を紹介するという手間もかかっている。本当に叶さんにはもう訳なく思っているよ」
展開の早さに頭がついていけなかったが、貴也は理解してようで立ち上がると和也に頭を下げた。
「ありがとう。のりちゃんが倒れた後すぐに考えてくれたんだね」
「いや」貴也の態度に和也は驚き戸惑っていた。
そして、頭をかきながら照れくさそうに笑った。
「のりちゃんから状況は常に聞いていたんだ。睡眠時間の話しもな。すぐにでも文句を言いに行こうとして親父に止められたんだ。そんで親父が協力してくれるつうから、準備して言い出すタイミングを狙っていた」
「いつから?」貴也が聞くと、和也は首を傾げて「けっこ前」とアバウトな事を言った。
「それなら言ってくれれば」
「えー、今だって納得してねぇだろ? でものりちゃんが倒れたから反論できないんだろ? そういうことだよ」
図星をさされたらしく貴也は何も言えなくなった。
「皆、お前一人でできると思ってねぇよ。思ってるお前がおこがましいじゃねぇーの?」
「そうだね」
貴也は寂しそうに笑った。
「では、憲貞君。それでいいかな? 君のことだからどうしてもイヤだと言うならこの話しはなかった事になる。勉強するには君だから」貴也の母は優しく笑った。
「やります」
即答した。これだけの人に動いてもらって頑張らないなんてありえない。
「そうか、では荷物をまとめて和也君と向かうといいよ」
そう言って貴也の母は部屋を出て行った。
「あーそうだ。江本、手紙持ってきてやった。授業ノートや宿題は伝えなくていいよな? いつもやってねぇし」
「あぁ、ありがとう」
和也がランドセルから出した手紙を貴也は受け取った。
その手紙を見て貴也はため息をついた。
「なんだよ」
「いや、林間学校があるんだな」
「あ、今日班決めた。俺と一緒にしてやったからな」
恩着せがましく笑う和也に貴也は素直に礼を言った。そんな彼に和也は拍子抜けしたようであった。
「あんだよ? 自分の不甲斐なさに落ち込んでるのか?」
「それもあるが、叶の優しさや能力の高さに感謝と共に驚いている」
「あー、俺は天才じゃねぇけどバカじゃねぇよ? そもそも、この計画を言い出したのは俺だし手を貸すって言ったよな」
和也は少し考えてから、ニヤリと笑って貴也をみた。
「それが仲間だろ」
貴也は目を大きくして驚いたが、すぐに和也と同じように笑い「友だちだな」と言った。
彼らは“仲間”とか“友だち”と言ってるが“悪友”と言う言葉の方が合っていると憲貞は思った。
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