君の笑顔が大好きで -モテないオレとイケメン親友のラブラブな日常- 1.5

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文化祭

11. 文化祭が始まった

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「たぶんポスターを見て、お客さんがいっぱい来ると思う! みんな、がんばろうな!」


『おーっ!』




文化祭当日。




あきらと高野のポスターの効果か、うちのクラスのカフェは大人気だ。




「坂本くん、ミルクティー2つとカフェオレ、3番にお願い!」


「おっけー」


執事の衣装を着たオレは、頼まれた飲み物を持っていく。


客は・・・




「あ、来てくれたんだな!」


紺野、河原、小山さんの3人だった。


3人はオレを見て手を振ってくれる。




「来たよー」


「坂本くん、結構似合ってるね!」


「そうかな」


褒められて、なんか照れてしまう。




「ほらほら、言ってよー♡」


「美月が聞きたがってるよー♡」




あ、そっか。


3人のカオを見て、執事のことを忘れてた。




オレは少し息を吐くと、




「お待たせしました。 お嬢様」


にっこりと笑って、ミルクティーとカフェオレをテーブルに置いた。




「坂本くん、なんかサマになってるねー」


「うん、衣装も似合ってるし、いいね」


「そう?」


照れながら紺野を見ると、赤いカオでオレを見つめていた。




「え、変、かな」


褒められてイイ気になってたオレは、少し焦って聞いてみる。




「あっ、ううん!」


紺野はふるふると首を振った。


「坂本くん、大丈夫。 美月ってば見惚れてるだけだから。 ねー?」


小山さんがにやにやしながら紺野をつつく。


「そんなんじゃないよー」


紺野は小山さんの腕をぱしっと叩くと、オレを見て少しはにかんだ。




「・・・レイキくん、似合ってるよ」


「お、おう・・・ ありがと・・・」


恥ずかしそうに言われて、オレまで恥ずかしくなる。




「坂本くん、照れてる。 かわいいー♡」


「やめろって」


そんな風に思わずみんなとしゃべってると、


「坂本ー! オーダー頼むー!」


「あ、おっけー」


クラスメイトにオーダーを取ってくるよう頼まれた。




「ゴメンな、みんな。 ゆっくりしてって」


「うん。 がんばってねー♡」




オレは頼まれたオーダーを取りに行く。


ふと、入口の方を見てみると、お客さんに囲まれたあきらを見つけた。




「写真、一緒に撮ってください♡」


「素敵ー♡」




・・・すっげー。 客寄せ効果バツグン過ぎんだろ。




あきらは営業スマイルで対応している。




いつにも増して、女のコにモテまくってるあきら。


それを見て、少しだけ・・・・ 胸が、苦しくなる。




それにしても・・・・・


後ですっげー疲れたって、不機嫌になるんだろうなー・・・


そんなあきらを想像をして、なんだかおかしくなってしまった。








カフェは途切れることなくお客さんが来て、みんな忙しく動き回っていた。




そうこうしていると交代の時間になる。


オレは急いでテニス部の部室に向かった。




今日、男子テニス部は交流試合をすることになってるんだ。




「レイキ!おせーぞ!」


「わりぃ」


亮介に怒られながら、慌てて着替える。




ラケットを持って外に出ると、もう修吾がいた。


「お、レイキ。 おつかれー」


「わりぃ。 遅くなった」


「大丈夫。 アップしようぜ」


修吾と一緒にアップを始める。




「今日、ギャラリーすげーぜ」


「まあ、文化祭だもんなー」


ちらっとコートの周りを見ると、人がびっしりだった。


「すげーな」




男子テニス部名物の、矢神先輩とあきらのペアはもうないのに。




「だろー? 女のコもいっぱいいるし、オレ、張り切っちゃうなー」


いつもの修吾の軽いノリに、思わず笑ってしまう。




しばらくアップをしていると、ギャラリーからきゃーって歓声が上がった。




なにかと思ってコートを見ると、ギャラリーの視線は・・・・




「あ、あきらじゃん」




コートにやってきた、あきらに注がれてた。




あきらがギャラリーに軽く手を振ると、またきゃーって歓声が上がる。




「・・・・げーのーじんかよ」


ため息交じりに呟く修吾。




あきらはみんなの視線に背を向けると、オレたちの方にやってきた。




・・・うん、歓声が上がるの、頷ける。


だってあきらは、執事の格好のまんまだった。




「レイキ、修吾。 がんばれよ」


優しく笑って声をかけてくるあきら。




「ってかあきら、何そのカッコ。 そのせいで、女のコたち、余計きゃーきゃー言ってんじゃん」


「オレ、試合出ないし。 着替えてたら、レイキたちの試合に間に合わなそうだったからさ」


「でも試合に出る奴より目立ってるぜ」


「そんなことねーよ」




・・・・オレはそんなやりとりをしているあきらを、じっと見つめてしまっていた。




「・・・レイキ?」


あきらはオレを見ると、少し首を傾げた。




「あーあ。 ココにも見惚れてる奴がいるよ」


呆れたような修吾の声に、はっと我に返る。




は、はずかし・・・・・!


修吾の言う通り、見惚れてたよ・・・・・!




慌てるオレを見て、あきらは嬉しそうに微笑んだ。




くそ・・・・ ばれてる・・・・




「レイキ、そろそろ行くぞ」


試合に向けて、きりっとした表情になった修吾。




・・・うん、 やっぱ、カッコいいよなあ・・・・・




「・・・・ああ」




オレもラケットをぎゅっと握って、気持ちを引き締める。




「レイキ、がんばれ」


「ああ。 ありがと、あきら」




あきらの差し出した腕に、オレは自分の腕をぶつけた。












「っしゃあ!」


「レイキ、ナイス!」




オレのボレーがきまって、ゲームセット。


ぱんって、修吾とハイタッチする。




相手のサーブゲームをブレイクして、オレたちが勝った。




『ありがとうございました!』




やった!


やっぱり、勝つとすげーうれしい!




「レイキ、調子よかったじゃん」


「修吾もな! やったなー!」




修吾と喜び合いながら戻ると、あきらが笑顔で迎えてくれた。


「レイキ、修吾、やったな!」


「おう!」


オレも修吾も、あきらとハイタッチする。




「先輩! お疲れ様です!」


「すげーいい試合でしたね!」


後輩たちが、タオルやら飲み物やら持ってきてくれた。






それから、あきらと隣に並んで他の試合も応援する。




・・・やっぱ、執事姿、似合ってるよなー・・・


すげー、カッコいい・・・・・・




隣のあきらを見ていると、あきらが不意にこっちを見て、目が合った。


あきらがオレを見てフッて笑う。




不意打ちのようなその笑顔に、オレは自分のカオが熱くなるのを感じた。




慌ててカオを背けると、あきらが近づく気配。




「レイキ・・・かわいい」




耳元で、あきらの低く甘い声がした。




・・・・・ダメだ!


更にカオが熱くなる。




オレは思わず、肩にかけていたタオルを頭からかぶった。




タオルの向こうで、あきらがくっくって笑う声が聞こえた。




・・・・くそっ。 

絶対オレの反応見て面白がってるよな。



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