私前世が視えるんですけど、彼は運命の人ですか?

mii

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9.夏休みが・・・終わる

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空野くんとは、それから2回、デートをした。

インハイ前は部活で忙しくて全然会えなかったから、私も嬉しかったし、空野くんも嬉しそうで。



2回目のデートは、遊園地に行った。

この時は、最初から手を繋いでくれた。 ・・・最初にまた、静電気が来たけど。

 

1日中いろんな乗り物に乗って、本当に楽しかった。

 

私は絶叫系結構好きなんだけど、空野くんも好きだって言って、2人で繰り返し同じジェットコースターに乗ったりして。

 

それから、ホラーハウスにも入った。 ・・・これは、私はかなり苦手・・・・・

 

目も開けたくないし、でも開けないと怖いし。 空野くんが手を繋いでくれてたけど、もう握りつぶしてしまうんじゃないかってくらい、強く握ってたと思う。

 

出てきてから痛くなかったか聞いたけど、「大丈夫だよ」って笑ってくれた。

 

 

 

でも・・・・3回目の、デート。



映画を観に行く約束をしていたんだけど。

この日、空野くんは明らかに元気がなくて。

いつものキラキラした笑顔も見えなくて。

どうしたのかなって思ったけど、なんだか、聞けない雰囲気で。



手を繋ぐとき、空野くんは私に手を差し出す前に、自分の手のひらをじっと見つめていた。

しばらくして・・・・差し出してくれたけど、私が触れようとすると、

 

バチッ!!

 

やっぱり、痛みが走って。

空野くんは、手を抑えて、しばらく固まっていた。

 

「そ、らのくん。 ごめんね、痛かった・・・・?」

恐る恐る声をかけると、空野くんは力なく笑って首を振った。

 

手は繋いでくれたけど、いつもみたいにきゅって握ってくれる感じもなくて・・・・

この日は、空野くんの態度がいつもと違い過ぎて、不安ばかりが募ってしまっていた。

 

 映画を観て、少しカフェでお茶をしたけど、空野くんはずっと元気がないままで、話もあまり続かなかった。

「空野くん・・・ 今日、元気、ないよね。 なにか・・・あった?」

勇気を出して訊いてみたけど、

「いや・・・なにも、ないよ」

少し笑ってそう言われて。 もうそれ以上何も訊けなかった。

 

結局、いつもよりも早く別れて帰ることになって。

 

私は、すごく不安になった。

今まですごく楽しくて、LINEもずっとやりとりしてたし、デートも行けたし、

もしかして、今日は「つき合おう」って話とかになるかな!?なんて、自分の中では盛り上がってしまっていた。

でも、空野くんは全然そんな感じじゃなくて。

 

私・・・・なにか、した、かな・・・・・



『今日もありがとう。 楽しかったよ。
やっぱり、空野くん、少し元気ないのかなって思って。 大丈夫?』

LINEを送ってみた。

 

でも・・・・既読は、つかなかった。

 

こんな事って今までなかったから、すごく、不安になって。

何度もLINEをチェックしてしまう。

でも、その日も、次の日も、その次の日も・・・・・

返信が来るどころか、既読もつかないままだった。

 

私・・・・嫌われちゃったのかな・・・・・

自然と、涙が出てきて。

 

空野くんの事、ほんとに好きだったんだなって、思った。

 

 

残りの夏休み、私は沈んだ気持ちのまま過ごして。

もうすぐ、新学期に、なる。

 

学校が始まったら、ちがうクラスとはいえ、顔を合わせることもあるよね・・・・・

どんな顔して会ったらいいんだろう。

・・・ううん。 会うもなにも、もう、無視されるかもしれないよね・・・・・

 

心配したカナが遊びに来てくれたりしたけど、私の心は悲しみでいっぱいだった。

 

 
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