私前世が視えるんですけど、彼は運命の人ですか?

mii

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7.デート

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期末試験が無事に終わり、空野くんは部活の日々がまた始まった。

夏の大会が近いから、練習もハードになってて。

夜LINEでやり取りするのが日課みたいになってるけど、空野くんは時々寝落ちしちゃってるみたいだった。

疲れてるんだろうなあ・・・

だから全然会えないんだけど、週1回私の部活の日は、一緒に帰った。

部活で作ったお菓子を空野くんにあげたらすごく喜んでくれて。

「部活終わっておなかすいてるから嬉しい」

「空野くん、甘いもの大丈夫?」

「ああ、普段はそんなに食べないけど・・・疲れてたらほしくなるから」

次はなにがいいか聞くと、チョコレート系のお菓子がいいって、リクエストしてくれた。

俄然やる気になって、次の部活の時、私は気合を入れてフォンダンショコラを作った。

部活の人たちに、

「空野くんにあげるんでしょー♡」

ってからかわれながら。

フォンダンショコラも、空野くんは喜んで食べてくれた。



夏休みに入っても、練習で忙しくて全然会えない。

でもLINEはずっとしてくれてた。

空野くん、なんとインハイ出場が決まったって!

すごいなぁ・・・・・

やっぱり、ルーカスもすごい弓の名手だもんね!



そして、インターハイ当日。

私はそわそわしながら空野くんからの連絡を待ってた。


『6位入賞したよ! 応援してくれてありがとう!』


すっごーーーーい!!

1年生なのに、インハイで入賞なんて!

『すごいね! おめでとう』

『帰ったら会える? どこか遊びに行こう』

これって・・・・もしかしなくても・・・・デートのお誘いだよねっ!?

『もちろん! 遊びに行こうね』

うきうきで返信した後、私は早速カナに、空野くんのインハイの結果と遊びに行くことをに報告。

カナは自分のことのように喜んでくれた。

ちなみにカナは、佐々木くんと夏休み前からつき合い始めた。

すごく仲良くて、うらやましいくらい。

私は空野くんと遊びに行くのが、楽しみでたまらなかった。




学校帰りじゃなくて、外で会うのって初めてで。

すっっっごい、緊張する。

今日の私は、短めキュロットに、袖がふんわりした半袖のカットソー。

どの服を着ていくか迷いに迷って、カナにも相談した。


待ち合わせの10分くらい前に着くと、もうそこには空野くんがいた。


わーーーっ・・・・

たくさん人がいる中でも、目立つ。

カッコよさがあふれてる・・・・・!

空野くんはTシャツにライトブルーの半袖シャツを羽織ってて。 シンプルなんだけど、服のラインがすごくキレイで、細身で長身の彼のスタイルを際立たせてる。

街行く女性が、ちらちらと空野くんのこと見てるもん。

そうだよね・・・


私は思わず立ち止まって、少し離れたところか空野くんを見ちゃってた。

視線を感じたのか、空野くんはいじっていたスマホから顔をあげてこっちをみた。

私を見つけて、笑顔で軽く右手を挙げる。

私は慌てて空野くんに駆け寄った。

「待たせちゃって、ごめんねっ」

「全然。オレも今来たし。それに、まだ待ち合わせ時間前だよ」

空野くんはそう言って口をつぐむと、少し照れたような表情。

「守崎さん・・・・ 制服じゃないの初めて見たけど・・・かわいい、ね」

そんなっ・・・ ストレートに『かわいい』とか言ってくれるなんて・・・恥ずかしくなって、顔が赤くなるのが分かった。

空野くんはにこって笑って、

「じゃ、行こっか」



その日は一緒に街をぶらぶら歩き回った。

いろんなお店とか覗いてはしゃいで。

歩き疲れたらカフェに入ってお茶して。

時間があっという間に過ぎていく。

そろそろ帰らなきゃねって時間になって、名残惜しいなって思っちゃう。

「駅まで送るね」

空野くんはそう言うと、そっと手を差し出してきた。

これ・・・・

思わず空野くんの顔を見ると、

「手・・・つないでも、いい、かな」

恥ずかしそうにそう言った空野くんがかわいすぎる。

私もおずおずと手を差し出した。

手が、触れた、時。


バチッッッ!!!


また、激しい音と痛み。




恐る恐る目を開けると・・・ 目の前に、長い黒髪の、美しい女性の姿。

黒い瞳で、アジア系の顔立ち。

宝石のついた髪飾りや首飾り、腕輪を着けていて、でもその宝石の輝きに負けないくらい、美しい人だった。


どくんっ・・・・・

なぜか彼女を見た時に、心臓が高鳴った。

私は左手の拳を胸に当てた。 呼吸が浅くなってるのを感じる。

体の内側から熱が生まれるように、なんだかあつく感じる。


自分の体の変化に戸惑いながら、目を閉じて、深呼吸をした。

何度か繰り返すと、少し落ち着いた気がする。


改めて周りを見ると、目の前に1軒の家。

彼女の家、かな。 その家の前でござを広げ、彼女はその上に座っている。 

彼女の周りには所狭しと薬草のようなものが並べられ、彼女はすりこぎのようなもので、その薬草らしきものをすりつぶしていた。

家の方からは、お香のようなとてもいい香りが漂ってきている。


『リーファ!』

声のした方を振り返ると、ルーカスがいた。

一度しか見たことはないけど、忘れるわけない、金髪碧眼の美形。

その手には、肉? の塊を持っていた。



・・・・この女性が、『リーファ』。 ルーカスの、好きな人。


2人ともお互いを見て、とてもうれしそうな表情になった。

『狩猟に行ったら、大きな猪が狩れてさ。 おすそ分けを持ってきたよ』

どうやら、ルーカスが持っているのは猪の肉らしい。

『いつもありがとう。 お母さんも喜ぶわ』

リーファはふわって微笑んだ。

・・・・ほんとに、キレイな人だなあ・・・・・・




ふって、視界が暗くなって。


「いてっ・・・」

顔をしかめる空野くん。 また、痛みを感じた・・・?

「守崎さん、大丈夫?」

「あ、う、ん。 空野くん、ごめんね。 痛かった?」

「バチってなったね。 また静電気かな? 守崎さんは大丈夫?」

「うん、大丈夫」

空野くんは笑って、

「じゃあ、もう一回」

また、手を差し出してくれた。

もう大丈夫かな・・・?

どきどきしながら手を触れても、今度はなにも起こらなかった。

ほっとしてると、空野くんにきゅって手を握られて。

思わず空野くんを見上げると、手をつないだ分、さっきまでよりも距離が近くて、心臓が跳ねるのが分かった。

「いこ?」

空野くんは優しく笑って、私の手を引いてくれた。


『リーファ』

初めて視た。

とってもキレイな人だったな・・・・ あの人が、ルーカスが好きな人。

彼女を見た時、急になんだかどきどきして、胸があつくなった。

なんでなのかな・・・・

ルーカスの、好きな人、だから・・・?

そしてきっと・・・・今世でも、空野くんと関わりの深い人誰かなんだよね・・・・





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