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64.家族からの祝福

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目が覚めると

「レイキ・・・おはよ」

隣にあきらがいて、


ちゅっ


キスをくれた。


オレはキレイなあきらのカオをまじまじと見つめる。


・・・・ほんとに、あきら、だ・・・


隣にいることが、信じられない気がする。

オレは手を伸ばして、あきらの頬に触れた。

微笑みをたたえた、優しい瞳。


ぽろって、涙が、こぼれた。


「レイキ・・・!?」

慌ててオレの髪に触れるあきら。

オレは笑って首を振った。

「ごめん。 ・・・あきらがいるの、嬉しくて」


あきらはぎゅって、オレを抱きしめてきた。


「・・・オレも、すげー、嬉しい。 レイキとこうしてられるの。
・・・うれしくて、寝顔、見てた」

「なっ・・ 恥ずかしいからやめろよ」

「いいじゃん。 すげー、嬉しいんだから」


あきらがほんとに嬉しそうに笑うから、オレもつられて笑ってしまって。


「レイキ・・・ずっと、一緒にいような」

「うん。 ・・・ずっと、一緒」


唇が、重なる。


・・・すごい。

気持ちがなんか、ふわふわしてる。

地に足ついてないって、こんな感じなのかな。


・・・すげー、幸せ、だな。




「・・・なあ、あきら」

今日はオレもあきらも午前中は時間があって。

遅めの朝食を食べている。


「オレもさ・・・両親に、話すよ」


あきらは話してくれたんだし。

これからずっと一緒に居るなら・・・やっぱ、話さなくちゃ、だろ。


向かいに座るあきらは、手を伸ばしてオレの手に触れた。


「・・・・急がなくていいよ。 レイキのタイミングで、話してくれたら」

オレは触れているあきらの手を握った。


「・・・・そのタイミングが、今かなって、思う」


あきらは不安そうな表情を見せながらも、口角を持ち上げた。

「レイキに・・・任せるよ」

「ああ」


・・・・きっと、大丈夫。




オレはまず、ねーちゃんに話すことにした。

『話したいことがある』って連絡して、時間を合わせて、カフェで待ち合わせ。

ねーちゃんとこんな風に外で会ったことってないし、話す内容も内容だし、緊張する。


さすがにどんな反応が返ってくるのか、どきどきしたけど・・・・


「あ、そうなんだ」


って、拍子抜けするくらいの答えだった。


「えっと・・・ねーちゃん、驚かねーの・・・?」


ねーちゃんはアイスティーを一口飲んで、

「うーん・・・さすがに驚いたけど・・・でもそれより、納得って感じ。 腑に落ちた」

「納得?」

「うん。 だって、高校の頃から、あんたあきらくんにべったりだったじゃない? ずっと泊りにも行ってたし」

「う、ん・・・まあ」

「まあ、その頃は仲良いんだなーくらいにしか思ってなかったけど。
2人で住むようになって、ご飯作りに行ったときとか、なんかあんたたち、すごい仲良いから」


あのケーキの食べさせあい、とかだよな・・・

なんか、恥ずかしい。


ねーちゃんは少し笑って、

「でも2人を見てて、玲紀があきらくんにべったりなだけじゃなくて、あきらくんも玲紀のこと好きなんだなーって、思ったのよね」

「そ・・・そっか・・・」


あきらがオレのこと好きって・・・・・

もちろん、ねーちゃんが感じたのは、普通に友達としての『好き』だったんだろうけど、

それでも見てて分かったって、なんか嬉しいな・・・


「お父さんもお母さんも、大丈夫じゃない? きっと」

明るくねーちゃんが言ってくれたから、少し心が軽くなる。

「ねーちゃん、ありがとな」

ねーちゃんはちょっとにやって笑って、

「玲紀とあきらくんが一緒に住んでたから、私は駿さんと出会えたわけだし? 協力するわよ」



その言葉通り、ねーちゃんは母さんに前もって軽く話してくれた。

そして日を改めて、

オレから、父さんと母さんに話をした。


さすがに、父さんはショックを受けてたな・・・・

しかも、その少し前にねーちゃんが駿さんと結婚前提でつき合うって報告をしてたから。

娘の結婚の話で父親特有の寂しさを感じてたところにオレの話だったから、なおさらだったみたいだ。


・・・・父さん、ごめん。


でも、ねーちゃんが前もって少し話してくれてたとはいえ、母さんもねーちゃんみたいにケロッとしていて、オレの方が驚いた。


母さんは・・・薄々そうじゃないかと思ってたって。

やっぱ・・・母親って、すげーな。


母さんが父さんに、「玲紀の幸せのためでしょ。 しっかりしなさい」って言って。

父さんも最終的には笑顔を見せて、祝福してくれた。



オレは・・・泣いてしまった。


「父さん、母さん、育ててくれて、ありがとう。

それなのに・・・ねーちゃんとか、普通の人みたいに、普通の結婚、出来なくてゴメン。
孫も、見せてやれなくて、ゴメン」


2人とも、オレの言葉をきいて、泣いてた。

「玲紀、そんなこと気にしなくていいのよ。 玲紀が自分の決めた人と生きていくこと、それで幸せでいてくれることが嬉しいから」

「そうだぞ。 玲紀・・・晃くんと、幸せになりなさい」


「うん・・・ 本当に、ありがとう」


とてもあったかい家族だなって、改めて思った。


お互いの両親に認められて、オレたちは本当に幸せだな。




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