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25.会いたい
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美香と屋上で別れた後、もう始まっている授業に戻る気にもなれず、オレは非常階段に座って、時間を潰した。
・・・・・今日はもう、授業を受ける気にはならない・・・・
休み時間になったら、カバンを取って、もう帰ろうと思った。
時間を潰すのにスマホをいじるけど、画面が目に入ってくることはなく。
考えてしまうのは、桐谷のこと。
・・・・傷つけた、よな。
・・・・・もう、別れようって、言われる、かな・・・・・
そう思うと、胸がぎゅって、掴まれるように苦しくなった。
オレは膝を抱えて、唇をかみしめた。
・・・・・なんで、あんなこと、しちゃったんだろう。
桐谷を、傷つけて。
陽人にも、迷惑、かけてるし。
ぐるぐる、終わりのない思考が頭を巡って。
そのうち、授業の終わりを告げるチャイムがなった。
オレはため息をついて立ち上がった。
・・・・・とりあえず、もう、帰ろう・・・・・
本当は桐谷と話がしたいけど。
学校じゃ話すことも出来ないし。
教室に行って、カバンを持って出ようとすると、陽人に呼び止められた。
「瑞樹、帰るのか?」
「・・・ああ・・・ なんか、授業受ける気にならないし」
陽人はオレの肩を掴んで、カオを覗き込んできた。
「ひでーカオ、してるぞ。 大丈夫か?」
陽人は心配そうな瞳でオレを見ていた。
オレは口角を持ち上げる。
「大丈夫だよ」
ふと視線を感じて。
そっちを見ると、桐谷と、目が、合った。
「・・・・っ」
思わず、呼びかけようとしてしまう、けど。
桐谷は表情を変えず、オレから目を逸らした。
また、ぎゅって、胸が苦しくなって。
オレは唇を、かみしめる。
「瑞樹、オレも一緒に帰ろうか?」
心配してくれる陽人の気持ちはうれしいけど。
「いいよ。 もうだいぶ迷惑かけてるしな。 大丈夫。
・・・・・美香が元気ないから・・・・・ 見てやって」
「・・・・わかった」
陽人に美香のことを頼んで、オレは学校を出た。
誰もいない家に帰ってきて、制服のまま自分のベッドに寝転んだ。
胸に手を当てて、ぎゅって、制服を掴む。
・・・・・もう、ずっと、胸が、痛い。
・・・・・桐谷に、謝りたい。
でも、話をするのが、怖い。
もう別れようって、言われる、から。
・・・・・オレ、こんな人間だったんだ・・・・・
今まで、人を好きになったことって、なかったから。
別れるとか、オレにとっては全然大したことじゃなくて。
だけど今は、
桐谷のことが好きで。
でも謝らなくちゃいけないのに、怖くて、なにも出来ない。
桐谷のこと・・・・・ 傷つけたのに・・・・・・・
「オレ、情けねー・・・・・・」
夕方、学校が終わった頃、陽人から電話がかかってきた。
『瑞樹ー。 大丈夫か?』
「ああ・・・・ ごめんな、心配かけて。 ・・・・美香は、どうだった?」
『んー。 なんか、コクったらしいじゃん? 瑞樹に』
「あー・・・ うん」
『やっぱ元気はなかったけど・・・・ でも、言えてすっきりしたって言ってた。 そんで、お前のこと心配してたぜ?』
「美香が?」
『ああ。 瑞樹がすげー優しかったって。 でも、元気がなかったから、心配だって、さ』
美香・・・・・ 自分だってつらいのに、オレのこと、心配してくれるんだな・・・・・
『美香、すげーよな。 瑞樹のこと、ほんとに好きなんだなーって、思ったよ』
「・・・・・そう、だな・・・・・」
『瑞樹は? 大丈夫か?』
「・・・・・ああ、まあ、な・・・・・」
『・・・・あんま大丈夫じゃなさそうだな・・・・ 今日、桐谷ひどかったぜ』
え
ひどかった、って。
「え、なに、が? 陽人、なんか話したのか?」
『いや。 オレには話しかけてこなかったから、オレも話してない。 やっぱ、瑞樹が話すべきだろ。 オレがなんか言うのも変かなって思って』
陽人が言うのはもっともだ。
「じゃあ、ひどいって、なにが?」
『授業も全然上の空で、当てられても答えらんねーし、 委員長の仕事忘れてて、奥村さんにフォローされてたし、 体育の時もぼーっと突っ立ってるから、ボール顔面に当たってたぜ。 あんまり様子がおかしいから、先生にも心配されて、保健室に行って来いって言われてた』
・・・・・・信じらんねー・・・・・・・
いつもの桐谷だったら、ありえねーだろ・・・・・・
『・・・・瑞樹のことで、相当キてるんだと思う』
「・・・・・オレの、せい・・・・・・・」
・・・・・そう、だよ、な・・・・・
『早く話した方がいいんじゃねーの?』
「そ・・・だな・・・・・」
『あの桐谷は、見てらんねーぜ』
・・・・・早く、話さないと。
・・・・話すのは、怖い。
でも、オレのせいで桐谷がそんなんなってんのって・・・・・ すげー、申し訳ない、し。
「・・・・・うん。 話す、よ」
『それがいいよ。 ・・・・オレのこと、悪者にしていいからさ。
オレに無理矢理されたとか言っとけ』
「いや・・・・・ いい。 ちゃんと、ほんとのこと、話す」
『嘘ついた方がいいことだってあるだろ』
陽人はそう言ってくれるけど。
「・・・・・陽人にも申し訳ないし、・・・・・桐谷に、嘘、つきたくない」
そう言うと、電話の向こうで少し陽人が笑ったのが分かった。
『そっか・・・ そうだな。 好きな相手には、ちゃんと話した方がいいな』
「陽人・・・・ ありがとな」
『もし話して、ダメだったら・・・・ オレがなぐさめてやるよ』
陽人、優しいな。
『いっぱい、キスしてやるからさ』
「それはいらねー」
陽人との電話を切って。
オレは、スマホのLINEを開いた。
・・・・ちゃんと、謝るんだ。
それで、自分の気持ちを、伝える。
「ゴメン」
一言、送った。
・・・・すぐに、既読がついた。
見て、くれた。
でも、返信は、ない。
「本当に、ゴメン」
・・・・既読がつく。
「話がしたい」
・・・・既読がつく。
「会いたい」
LINEや電話じゃなくて、会って、ちゃんと話がしたかった。
既読はつくけど、返信が返ってくることはない。
・・・・そりゃあ、そう、だよ、な。
桐谷・・・もう、会いたくないって、思ってるかな。
でも・・・・
会ってちゃんと、話がしたい・・・・・
オレは桐谷に会いに行こうと決めた。
服を着替えて、部屋を出る。
リビングに行くと、帰ってきてたらしい兄ちゃんがいた。
「兄ちゃん、帰ってきてたんだ」
「ああ、さっきな。 瑞樹は今日早かったんだな」
「うん・・・・・ オレ、ちょっと出かけてくる」
兄ちゃんはオレに近づいて、カオを覗き込んできた。
「瑞樹・・・・ 元気なくないか?」
心配そうな兄ちゃんに、オレは少し笑って見せた。
「そんなことない。大丈夫だよ。 ・・・・じゃあ、行ってくるから」
「あんまり遅くなるなよ」
「わかった」
オレは桐谷の住んでるマンションの、最寄りの駅まで行くことにする。
電車に揺られながらスマホを見るけど、やっぱり桐谷から返信はなかった。
駅につくころ、
「桐谷んちの近くの駅で待ってる。
よかったら、来てほしい」
少し緊張しながら、そのメッセージを送った。
・・・・・既読はすぐについた。
でもやっぱり、返信はなくて。
オレは改札近くのベンチに座った。
・・・・・来て、くれるんだろうか。
返信もないし。
もう、会う気なんて、ないのかも、な・・・・・
このまま、話せないまま、終わりなのかな。
そう思うと、また胸が苦しくなって。
オレは服の上から自分の胸を抑え付けた。
自分の膝に肘をついて、前のめりになってうつむく。
桐谷に・・・・ 会いたい。
こんな気持ちになるのなんて、初めてだ。
会いたいという気持ちと、もう終わりなんだっていう不安と悲しさ、
桐谷のことが好きだっていう思い、
オレはうつむいたまま、それがぐるぐると胸の中を巡ってるのを感じていた。
・・・・・どのくらい経ったのかな。
スマホを握りしめたままうつむいてたオレには、どれくらい時間が経ったのかはわからなかった。
でも。
「・・・・・星野」
桐谷の声が、した。
オレは弾けるようにカオを上げた。
そこには、クールな表情の桐谷が立っていた。
「きり・・・・や」
オレは立ち上がった。
・・・・・・来て、くれたんだ。
それだけで、思わず、涙が、出そうになる。
うつむいて、ぐって奥歯をかみしめた。
「・・・・・ここじゃ話せないし。 ・・・・公園にでも、行こうか」
桐谷はそう言うと、オレに背を向けてさっさと歩き出した。
オレは桐谷の背中を見ながら、あとをついて行った。
桐谷が来てくれて、うれしかった。
でも、桐谷と別れる時間が迫ってるんだって思うと、やっぱり胸が苦しくて。
時々、オレは思わず足を止めてしまっていた。
「・・・・・星野」
桐谷がオレを振り返る。
「・・・・・星野が話したいって、言ったんだろ。 それとも、公園、行かない方がいいのか?」
・・・・冷たい表情に、冷たい、声。
桐谷のその態度に、心が、折れそうになる。
オレは首を振った。
「・・・・ゴメン・・・・・・ 公園、連れてってくれ」
桐谷はまた、オレに背を向けて歩き出す。
オレはもう足を止めないように、ついて行った。
・・・・・今日はもう、授業を受ける気にはならない・・・・
休み時間になったら、カバンを取って、もう帰ろうと思った。
時間を潰すのにスマホをいじるけど、画面が目に入ってくることはなく。
考えてしまうのは、桐谷のこと。
・・・・傷つけた、よな。
・・・・・もう、別れようって、言われる、かな・・・・・
そう思うと、胸がぎゅって、掴まれるように苦しくなった。
オレは膝を抱えて、唇をかみしめた。
・・・・・なんで、あんなこと、しちゃったんだろう。
桐谷を、傷つけて。
陽人にも、迷惑、かけてるし。
ぐるぐる、終わりのない思考が頭を巡って。
そのうち、授業の終わりを告げるチャイムがなった。
オレはため息をついて立ち上がった。
・・・・・とりあえず、もう、帰ろう・・・・・
本当は桐谷と話がしたいけど。
学校じゃ話すことも出来ないし。
教室に行って、カバンを持って出ようとすると、陽人に呼び止められた。
「瑞樹、帰るのか?」
「・・・ああ・・・ なんか、授業受ける気にならないし」
陽人はオレの肩を掴んで、カオを覗き込んできた。
「ひでーカオ、してるぞ。 大丈夫か?」
陽人は心配そうな瞳でオレを見ていた。
オレは口角を持ち上げる。
「大丈夫だよ」
ふと視線を感じて。
そっちを見ると、桐谷と、目が、合った。
「・・・・っ」
思わず、呼びかけようとしてしまう、けど。
桐谷は表情を変えず、オレから目を逸らした。
また、ぎゅって、胸が苦しくなって。
オレは唇を、かみしめる。
「瑞樹、オレも一緒に帰ろうか?」
心配してくれる陽人の気持ちはうれしいけど。
「いいよ。 もうだいぶ迷惑かけてるしな。 大丈夫。
・・・・・美香が元気ないから・・・・・ 見てやって」
「・・・・わかった」
陽人に美香のことを頼んで、オレは学校を出た。
誰もいない家に帰ってきて、制服のまま自分のベッドに寝転んだ。
胸に手を当てて、ぎゅって、制服を掴む。
・・・・・もう、ずっと、胸が、痛い。
・・・・・桐谷に、謝りたい。
でも、話をするのが、怖い。
もう別れようって、言われる、から。
・・・・・オレ、こんな人間だったんだ・・・・・
今まで、人を好きになったことって、なかったから。
別れるとか、オレにとっては全然大したことじゃなくて。
だけど今は、
桐谷のことが好きで。
でも謝らなくちゃいけないのに、怖くて、なにも出来ない。
桐谷のこと・・・・・ 傷つけたのに・・・・・・・
「オレ、情けねー・・・・・・」
夕方、学校が終わった頃、陽人から電話がかかってきた。
『瑞樹ー。 大丈夫か?』
「ああ・・・・ ごめんな、心配かけて。 ・・・・美香は、どうだった?」
『んー。 なんか、コクったらしいじゃん? 瑞樹に』
「あー・・・ うん」
『やっぱ元気はなかったけど・・・・ でも、言えてすっきりしたって言ってた。 そんで、お前のこと心配してたぜ?』
「美香が?」
『ああ。 瑞樹がすげー優しかったって。 でも、元気がなかったから、心配だって、さ』
美香・・・・・ 自分だってつらいのに、オレのこと、心配してくれるんだな・・・・・
『美香、すげーよな。 瑞樹のこと、ほんとに好きなんだなーって、思ったよ』
「・・・・・そう、だな・・・・・」
『瑞樹は? 大丈夫か?』
「・・・・・ああ、まあ、な・・・・・」
『・・・・あんま大丈夫じゃなさそうだな・・・・ 今日、桐谷ひどかったぜ』
え
ひどかった、って。
「え、なに、が? 陽人、なんか話したのか?」
『いや。 オレには話しかけてこなかったから、オレも話してない。 やっぱ、瑞樹が話すべきだろ。 オレがなんか言うのも変かなって思って』
陽人が言うのはもっともだ。
「じゃあ、ひどいって、なにが?」
『授業も全然上の空で、当てられても答えらんねーし、 委員長の仕事忘れてて、奥村さんにフォローされてたし、 体育の時もぼーっと突っ立ってるから、ボール顔面に当たってたぜ。 あんまり様子がおかしいから、先生にも心配されて、保健室に行って来いって言われてた』
・・・・・・信じらんねー・・・・・・・
いつもの桐谷だったら、ありえねーだろ・・・・・・
『・・・・瑞樹のことで、相当キてるんだと思う』
「・・・・・オレの、せい・・・・・・・」
・・・・・そう、だよ、な・・・・・
『早く話した方がいいんじゃねーの?』
「そ・・・だな・・・・・」
『あの桐谷は、見てらんねーぜ』
・・・・・早く、話さないと。
・・・・話すのは、怖い。
でも、オレのせいで桐谷がそんなんなってんのって・・・・・ すげー、申し訳ない、し。
「・・・・・うん。 話す、よ」
『それがいいよ。 ・・・・オレのこと、悪者にしていいからさ。
オレに無理矢理されたとか言っとけ』
「いや・・・・・ いい。 ちゃんと、ほんとのこと、話す」
『嘘ついた方がいいことだってあるだろ』
陽人はそう言ってくれるけど。
「・・・・・陽人にも申し訳ないし、・・・・・桐谷に、嘘、つきたくない」
そう言うと、電話の向こうで少し陽人が笑ったのが分かった。
『そっか・・・ そうだな。 好きな相手には、ちゃんと話した方がいいな』
「陽人・・・・ ありがとな」
『もし話して、ダメだったら・・・・ オレがなぐさめてやるよ』
陽人、優しいな。
『いっぱい、キスしてやるからさ』
「それはいらねー」
陽人との電話を切って。
オレは、スマホのLINEを開いた。
・・・・ちゃんと、謝るんだ。
それで、自分の気持ちを、伝える。
「ゴメン」
一言、送った。
・・・・すぐに、既読がついた。
見て、くれた。
でも、返信は、ない。
「本当に、ゴメン」
・・・・既読がつく。
「話がしたい」
・・・・既読がつく。
「会いたい」
LINEや電話じゃなくて、会って、ちゃんと話がしたかった。
既読はつくけど、返信が返ってくることはない。
・・・・そりゃあ、そう、だよ、な。
桐谷・・・もう、会いたくないって、思ってるかな。
でも・・・・
会ってちゃんと、話がしたい・・・・・
オレは桐谷に会いに行こうと決めた。
服を着替えて、部屋を出る。
リビングに行くと、帰ってきてたらしい兄ちゃんがいた。
「兄ちゃん、帰ってきてたんだ」
「ああ、さっきな。 瑞樹は今日早かったんだな」
「うん・・・・・ オレ、ちょっと出かけてくる」
兄ちゃんはオレに近づいて、カオを覗き込んできた。
「瑞樹・・・・ 元気なくないか?」
心配そうな兄ちゃんに、オレは少し笑って見せた。
「そんなことない。大丈夫だよ。 ・・・・じゃあ、行ってくるから」
「あんまり遅くなるなよ」
「わかった」
オレは桐谷の住んでるマンションの、最寄りの駅まで行くことにする。
電車に揺られながらスマホを見るけど、やっぱり桐谷から返信はなかった。
駅につくころ、
「桐谷んちの近くの駅で待ってる。
よかったら、来てほしい」
少し緊張しながら、そのメッセージを送った。
・・・・・既読はすぐについた。
でもやっぱり、返信はなくて。
オレは改札近くのベンチに座った。
・・・・・来て、くれるんだろうか。
返信もないし。
もう、会う気なんて、ないのかも、な・・・・・
このまま、話せないまま、終わりなのかな。
そう思うと、また胸が苦しくなって。
オレは服の上から自分の胸を抑え付けた。
自分の膝に肘をついて、前のめりになってうつむく。
桐谷に・・・・ 会いたい。
こんな気持ちになるのなんて、初めてだ。
会いたいという気持ちと、もう終わりなんだっていう不安と悲しさ、
桐谷のことが好きだっていう思い、
オレはうつむいたまま、それがぐるぐると胸の中を巡ってるのを感じていた。
・・・・・どのくらい経ったのかな。
スマホを握りしめたままうつむいてたオレには、どれくらい時間が経ったのかはわからなかった。
でも。
「・・・・・星野」
桐谷の声が、した。
オレは弾けるようにカオを上げた。
そこには、クールな表情の桐谷が立っていた。
「きり・・・・や」
オレは立ち上がった。
・・・・・・来て、くれたんだ。
それだけで、思わず、涙が、出そうになる。
うつむいて、ぐって奥歯をかみしめた。
「・・・・・ここじゃ話せないし。 ・・・・公園にでも、行こうか」
桐谷はそう言うと、オレに背を向けてさっさと歩き出した。
オレは桐谷の背中を見ながら、あとをついて行った。
桐谷が来てくれて、うれしかった。
でも、桐谷と別れる時間が迫ってるんだって思うと、やっぱり胸が苦しくて。
時々、オレは思わず足を止めてしまっていた。
「・・・・・星野」
桐谷がオレを振り返る。
「・・・・・星野が話したいって、言ったんだろ。 それとも、公園、行かない方がいいのか?」
・・・・冷たい表情に、冷たい、声。
桐谷のその態度に、心が、折れそうになる。
オレは首を振った。
「・・・・ゴメン・・・・・・ 公園、連れてってくれ」
桐谷はまた、オレに背を向けて歩き出す。
オレはもう足を止めないように、ついて行った。
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