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17.合コンとあずみ先輩と
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がんばって数学の授業は聞いてたけど、やっぱり難しい。
今まであんまり真面目にやってなかったから、当然っちゃ当然なんだけど。
でも、桐谷は心配してくれてるし、これからもちゃんとがんばろう。
・・・・それにしても。
朝桐谷と話してた時に、『キスしたい』って思ってしまって。
その思いが、まだ、消えない。
・・・・キス、したい。
オレ、こんなにキス好きだったっけ?
彼女が出来た時も、ここまでなかった気がするけど・・・・
昼休み、桐谷と一緒に居たいなって思って、声をかけようとした。
けど、桐谷は自分の仲良くしてる友達と、いつものようにしゃべってて。
・・・結構マジメな感じの奴らだし、オレがあの場に行って桐谷に声かけるって・・・ちょっとハードル高いかも。
そう思いながら迷ってると、
「瑞樹」
すぐ後ろから声をかけられて、一瞬びっくりする。
「あ、陽人」
声をかけてきたのは陽人だった。
・・・やば。 見られてたかな。
「なに、桐谷誘うの?」
首を傾げながら訊かれて。
・・・やっぱり、見られてた。
「いや、違うし」
陽人は笑って、オレの肩を抱いてきた。
「ま、いーや。 飯食おうぜ。 和真は今日は彼女んとこに行ったから」
「あ、そうなんだ」
オレは自分の弁当を取り出した。
「陽人も弁当? じゃあ・・・ 屋上、行かねー?」
「いいぜー」
屋上に行って、日陰に入り、弁当を広げる。
美香たちも声掛けて来なかったし、陽人と2人だけで食べるなんて、なんか久しぶりだなあ。
陽人は昨日の合コンのことをいろいろ話してくれた。
オレ目当てで来てたコと、今度デートするんだって、嬉しそうに話してる。
「ふーん・・・ 陽人、良かったじゃん」
「瑞樹、ほんと残念だったなー。 かわいいコばっかだったし、お前が好きそうな感じのコもいたし」
「そっかー」
・・・・不思議だ。
陽人や木村に、かわいいコばっかだったって聞いても、『そっか』しか思わない。 うらやましいな、とか、オレもやっぱり行けばよかったとか、そういう感情が湧いてこない。
それよりも。
桐谷のつらそうなカオを見たくなくて、行かなかった。
それを告げた時の桐谷の反応。
あれを見て、やっぱり行かなくてよかったって思ったし。
「木村も、彼女できそうだって喜んでたぜ」
「そうなんだ」
「瑞樹が来なかったおかげだってさ」
ニヤってして言う陽人に、オレも思わず笑ってしまう。
「オレが来なかったおかげって、なんだよ、それ」
「まあ、瑞樹がいたら、確実に持っていってたタイプのコだったからな」
「オレが好きそうなタイプのコってことか」
「そーゆーこと」
ふーん・・・・
なんだか、ほんとに興味をそそられない。
オレ、どうしちゃったんだろう。
「良かったじゃん、木村」
そう言いながら卵焼きをぱくって食べる。
陽人は、少し不思議そうなカオをした。
「なんか・・・あっさりしてんな、瑞樹」
「そうか?」
「ああ。 行けばよかったー!とか言うかなって思ってたけど」
・・・そっか。
いつものオレなら、そう言ってたのかも・・・
「いや・・・まあ、行けばよかったなーとは思うけど、しょーがねーし。
木村良かったなーって思うからさ」
「まあ・・・・そうだな」
あれっ?
ていうか、この間、陽人の服買いに、一緒に行ったよな・・・
「陽人さ、あずみ先輩と、デートだったんじゃねーの?」
確か、合コンの前の日だったはず・・・
「ああ、行ったぜ。 そうそう、瑞樹に見てもらった服、着てった」
「デートして、その次の日に、合コン行ったのかよ」
陽人、ほんとすげーな。
「しかもさ、合コンで会ったコとデートするって・・・ あずみ先輩は、どうするんだよ?」
あずみ先輩の方から陽人を紹介して欲しいって言ってるんなら、当然、つき合うことになるんだろうって思ってたけど。
「あずみ先輩とは遊んだけど、つき合うって話にはなってないし。 まあいっかなーって」
さすが。
モテる奴は違うよなー。
いや、オレだってモテるけど。
「でも、そのうちあずみ先輩とはつき合いそう?」
陽人は笑顔のまま少し首を傾げた。
「どうかなー。 まあ、楽しかったけど」
弁当を食い終わって、和真が彼女といる所に、陽人と2人でちょっと邪魔しに行った。
和真に相当睨まれながら、『こいつの事よろしくなー』って、彼女に言ったりして。
彼女は、本当にかわいくて、そしていいコだった。
和真に、いい彼女ができて、ほんと良かったなって思った。
今まであんまり真面目にやってなかったから、当然っちゃ当然なんだけど。
でも、桐谷は心配してくれてるし、これからもちゃんとがんばろう。
・・・・それにしても。
朝桐谷と話してた時に、『キスしたい』って思ってしまって。
その思いが、まだ、消えない。
・・・・キス、したい。
オレ、こんなにキス好きだったっけ?
彼女が出来た時も、ここまでなかった気がするけど・・・・
昼休み、桐谷と一緒に居たいなって思って、声をかけようとした。
けど、桐谷は自分の仲良くしてる友達と、いつものようにしゃべってて。
・・・結構マジメな感じの奴らだし、オレがあの場に行って桐谷に声かけるって・・・ちょっとハードル高いかも。
そう思いながら迷ってると、
「瑞樹」
すぐ後ろから声をかけられて、一瞬びっくりする。
「あ、陽人」
声をかけてきたのは陽人だった。
・・・やば。 見られてたかな。
「なに、桐谷誘うの?」
首を傾げながら訊かれて。
・・・やっぱり、見られてた。
「いや、違うし」
陽人は笑って、オレの肩を抱いてきた。
「ま、いーや。 飯食おうぜ。 和真は今日は彼女んとこに行ったから」
「あ、そうなんだ」
オレは自分の弁当を取り出した。
「陽人も弁当? じゃあ・・・ 屋上、行かねー?」
「いいぜー」
屋上に行って、日陰に入り、弁当を広げる。
美香たちも声掛けて来なかったし、陽人と2人だけで食べるなんて、なんか久しぶりだなあ。
陽人は昨日の合コンのことをいろいろ話してくれた。
オレ目当てで来てたコと、今度デートするんだって、嬉しそうに話してる。
「ふーん・・・ 陽人、良かったじゃん」
「瑞樹、ほんと残念だったなー。 かわいいコばっかだったし、お前が好きそうな感じのコもいたし」
「そっかー」
・・・・不思議だ。
陽人や木村に、かわいいコばっかだったって聞いても、『そっか』しか思わない。 うらやましいな、とか、オレもやっぱり行けばよかったとか、そういう感情が湧いてこない。
それよりも。
桐谷のつらそうなカオを見たくなくて、行かなかった。
それを告げた時の桐谷の反応。
あれを見て、やっぱり行かなくてよかったって思ったし。
「木村も、彼女できそうだって喜んでたぜ」
「そうなんだ」
「瑞樹が来なかったおかげだってさ」
ニヤってして言う陽人に、オレも思わず笑ってしまう。
「オレが来なかったおかげって、なんだよ、それ」
「まあ、瑞樹がいたら、確実に持っていってたタイプのコだったからな」
「オレが好きそうなタイプのコってことか」
「そーゆーこと」
ふーん・・・・
なんだか、ほんとに興味をそそられない。
オレ、どうしちゃったんだろう。
「良かったじゃん、木村」
そう言いながら卵焼きをぱくって食べる。
陽人は、少し不思議そうなカオをした。
「なんか・・・あっさりしてんな、瑞樹」
「そうか?」
「ああ。 行けばよかったー!とか言うかなって思ってたけど」
・・・そっか。
いつものオレなら、そう言ってたのかも・・・
「いや・・・まあ、行けばよかったなーとは思うけど、しょーがねーし。
木村良かったなーって思うからさ」
「まあ・・・・そうだな」
あれっ?
ていうか、この間、陽人の服買いに、一緒に行ったよな・・・
「陽人さ、あずみ先輩と、デートだったんじゃねーの?」
確か、合コンの前の日だったはず・・・
「ああ、行ったぜ。 そうそう、瑞樹に見てもらった服、着てった」
「デートして、その次の日に、合コン行ったのかよ」
陽人、ほんとすげーな。
「しかもさ、合コンで会ったコとデートするって・・・ あずみ先輩は、どうするんだよ?」
あずみ先輩の方から陽人を紹介して欲しいって言ってるんなら、当然、つき合うことになるんだろうって思ってたけど。
「あずみ先輩とは遊んだけど、つき合うって話にはなってないし。 まあいっかなーって」
さすが。
モテる奴は違うよなー。
いや、オレだってモテるけど。
「でも、そのうちあずみ先輩とはつき合いそう?」
陽人は笑顔のまま少し首を傾げた。
「どうかなー。 まあ、楽しかったけど」
弁当を食い終わって、和真が彼女といる所に、陽人と2人でちょっと邪魔しに行った。
和真に相当睨まれながら、『こいつの事よろしくなー』って、彼女に言ったりして。
彼女は、本当にかわいくて、そしていいコだった。
和真に、いい彼女ができて、ほんと良かったなって思った。
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