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4.合コン、行く?
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「コレどう?」
試着室から、陽人が満面の笑みで出てくる。
「おー、うん、似合ってる」
ライトブルーのシャツは少し個性的なデザインで、陽人の明るい髪色とも合っていて、とてもよく似合っていた。
「よっし、これ買お。 瑞樹、つき合ってくれてありがとな」
「ぜんぜん、いーよ」
陽人はお目当ての買い物が出来て、満足そうだ。
放課後、オレは約束通り陽人につき合って買い物に来ていた。
この間一人でふらふら見ていた時、陽人がこの服を見つけたらしい。 で、オレに見て欲しいって言うんで、連れて来られたんだ。
「あー、なんかハラ減ったな」
「そだな。 なんか食おーぜ」
オレたちはマックに入る。
それぞれ好きなものを注文して、テーブル席に向かい合って座った。
「で? 今日買った服は、また合コン用か? それとも、デート用?」
ポテトをぱくつきながら聞くと、陽人は少し目を大きくした。
「え、なんでわかったんだよ」
「お前の単純な思考回路とか、まるわかりだっつーの」
陽人が新しい服や小物を買う時は、大体デートだの合コンだの行く時だ。
「実はさー、今度、デートなんだよね」
少し改まった感じで、陽人が切り出す。
「へえ。 狙ってるコ、居たんだ?」
「いや・・・狙ってたわけじゃないんだけど、誘われて」
へへって、陽人は少し恥ずかしそうに笑う。
・・・陽人がこんな感じになるって、めずらしいな・・・
「え、誰誰?」
陽人の反応に相手が誰なのか気になって、思わず身を乗り出すようにしてしまう。
「3年の・・・ あずみ先輩、なんだ」
・・・一瞬、思考が止まった。
「えっ、まじ?」
「うん、まじ」
「す、げー・・・ 陽人、すげーな」
しみじみと言うと、陽人はまた少し恥ずかしそうに笑った。
”あずみ先輩”
3年生の先輩なんだけど、かわいくてきれいで、とにかくすげー人気の先輩だ。
黒髪のストレートロングで、ちょっと清楚な感じもして。
「陽人、あずみ先輩と仲良かったのか?」
「いや。 知り合いの先輩が紹介してくれて」
陽人はストローを咥えてコーラを飲みながら、口角を持ち上げた。
「・・・あずみ先輩が、オレのこと紹介してくれって言ってきたんだってさ!」
「まじかー!」
すっげーなぁ。
「あ、そうそう。 それとは別に、合コン、誘われててさ」
「へ? 合コンも?」
「今度の日曜なんだけど。 瑞樹も行くよな」
「え、オレ?」
陽人とオレは、お互いをよく誘い合うんだけど。
「ん。 人数集めたいらしくて。 瑞樹もたぶん行けるぜーって言っちった。
あ、なんか予定あったか?」
陽人に聞かれて、正直、少し、焦ってしまった。
「予定・・・・・っつーか・・・・・」
頭をよぎるのは、桐谷のこと。
・・・・・オレたち・・・つき合ってんだよな・・・・・たぶん。
じゃあ、合コンとか・・・・・行ったら、まずいのかな・・・・・・・・
「瑞樹、今彼女いねーよな」
言葉を濁すオレに、陽人が確認するように聞いてくる。
「う、ん・・・・」
彼女、はいねーけど・・・・・・
思わず口ごもるオレに、陽人は少し不思議そうなカオをする。
でもさ・・・・今までだって、彼女いても、気が向いてたら合コン行ってたしな・・・・・
別に気にすることでもないか・・・・・・
「・・・いや、大丈夫。 行ける」
オレの返事を聞いて、陽人はぱって笑顔になった。
「お、よかったー。 けっこーかわいいコ達らしーぜ。 楽しみだな」
「そうなんだ。 楽しみだな」
それから陽人と話してても、オレは少し上の空だった。
別に、合コン行くくらい、いーじゃんって、思う。 そう思って、陽人にも行けるって返事をした。
実際、今までだって、彼女いてもナイショで行ったりしてたし。
でも、今までオレがつき合ってきたコって、言ってみればオレに近いタイプの女のコばっかりで。
つまり・・・・ちょっと軽い感じの、コで。
桐谷みたいなマジメなタイプは、初めてだから・・・・・
合コンとか行ったら、どう思われんのかなってのは、ちょっと気には、なる。
・・・・・でもな・・・・ 別に日曜に何か約束してるわけでもねーし・・・・・
ま、いっか・・・・・・
試着室から、陽人が満面の笑みで出てくる。
「おー、うん、似合ってる」
ライトブルーのシャツは少し個性的なデザインで、陽人の明るい髪色とも合っていて、とてもよく似合っていた。
「よっし、これ買お。 瑞樹、つき合ってくれてありがとな」
「ぜんぜん、いーよ」
陽人はお目当ての買い物が出来て、満足そうだ。
放課後、オレは約束通り陽人につき合って買い物に来ていた。
この間一人でふらふら見ていた時、陽人がこの服を見つけたらしい。 で、オレに見て欲しいって言うんで、連れて来られたんだ。
「あー、なんかハラ減ったな」
「そだな。 なんか食おーぜ」
オレたちはマックに入る。
それぞれ好きなものを注文して、テーブル席に向かい合って座った。
「で? 今日買った服は、また合コン用か? それとも、デート用?」
ポテトをぱくつきながら聞くと、陽人は少し目を大きくした。
「え、なんでわかったんだよ」
「お前の単純な思考回路とか、まるわかりだっつーの」
陽人が新しい服や小物を買う時は、大体デートだの合コンだの行く時だ。
「実はさー、今度、デートなんだよね」
少し改まった感じで、陽人が切り出す。
「へえ。 狙ってるコ、居たんだ?」
「いや・・・狙ってたわけじゃないんだけど、誘われて」
へへって、陽人は少し恥ずかしそうに笑う。
・・・陽人がこんな感じになるって、めずらしいな・・・
「え、誰誰?」
陽人の反応に相手が誰なのか気になって、思わず身を乗り出すようにしてしまう。
「3年の・・・ あずみ先輩、なんだ」
・・・一瞬、思考が止まった。
「えっ、まじ?」
「うん、まじ」
「す、げー・・・ 陽人、すげーな」
しみじみと言うと、陽人はまた少し恥ずかしそうに笑った。
”あずみ先輩”
3年生の先輩なんだけど、かわいくてきれいで、とにかくすげー人気の先輩だ。
黒髪のストレートロングで、ちょっと清楚な感じもして。
「陽人、あずみ先輩と仲良かったのか?」
「いや。 知り合いの先輩が紹介してくれて」
陽人はストローを咥えてコーラを飲みながら、口角を持ち上げた。
「・・・あずみ先輩が、オレのこと紹介してくれって言ってきたんだってさ!」
「まじかー!」
すっげーなぁ。
「あ、そうそう。 それとは別に、合コン、誘われててさ」
「へ? 合コンも?」
「今度の日曜なんだけど。 瑞樹も行くよな」
「え、オレ?」
陽人とオレは、お互いをよく誘い合うんだけど。
「ん。 人数集めたいらしくて。 瑞樹もたぶん行けるぜーって言っちった。
あ、なんか予定あったか?」
陽人に聞かれて、正直、少し、焦ってしまった。
「予定・・・・・っつーか・・・・・」
頭をよぎるのは、桐谷のこと。
・・・・・オレたち・・・つき合ってんだよな・・・・・たぶん。
じゃあ、合コンとか・・・・・行ったら、まずいのかな・・・・・・・・
「瑞樹、今彼女いねーよな」
言葉を濁すオレに、陽人が確認するように聞いてくる。
「う、ん・・・・」
彼女、はいねーけど・・・・・・
思わず口ごもるオレに、陽人は少し不思議そうなカオをする。
でもさ・・・・今までだって、彼女いても、気が向いてたら合コン行ってたしな・・・・・
別に気にすることでもないか・・・・・・
「・・・いや、大丈夫。 行ける」
オレの返事を聞いて、陽人はぱって笑顔になった。
「お、よかったー。 けっこーかわいいコ達らしーぜ。 楽しみだな」
「そうなんだ。 楽しみだな」
それから陽人と話してても、オレは少し上の空だった。
別に、合コン行くくらい、いーじゃんって、思う。 そう思って、陽人にも行けるって返事をした。
実際、今までだって、彼女いてもナイショで行ったりしてたし。
でも、今までオレがつき合ってきたコって、言ってみればオレに近いタイプの女のコばっかりで。
つまり・・・・ちょっと軽い感じの、コで。
桐谷みたいなマジメなタイプは、初めてだから・・・・・
合コンとか行ったら、どう思われんのかなってのは、ちょっと気には、なる。
・・・・・でもな・・・・ 別に日曜に何か約束してるわけでもねーし・・・・・
ま、いっか・・・・・・
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