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41.ずっと
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「あーーーっ! 怖かったーーーー!!」
「でも、やっぱおもしろかったよな!」
オレたちはまた6人で遊園地に来ている。
あれからも、6人で昼も食べてるし、友達としてつき合っている。
・・・・オレの経験上、好きだった人と友達関係を続けるのは・・・・結構、つらい。
だから、みんなでわいわいやってもいいものなんだろうかって、悩んだけど・・・・
紺野と河原は、いつも楽しそうに笑ってくれてる。
「それにしても、驚いたなあ。 城井くんと、坂本くんって」
小山さんがオレたちをまじまじと見て呟く。
成り行き上、小山さんにもオレとあきらのことを話したんだけど。
小山さんもオレたちのことを受け入れてくれた。
「でも、城井くんと綾乃って、つき合ってると思われてるでしょ?」
・・・・・そう。
あきらは遊び相手の女のコたちを切ったわけだけど。
その上で河原と親しくしてるとなると・・・・・ まあ、周りにはそう思われるのも当然なわけで。
「オレは違うって言ってるんだけどな」
「うそ。 あきらくん、もっとちゃんと否定してよ。 何か含み持たせた言い方するから、そうやって誤解されるのよ?」
河原があきらに抗議する。
「ちゃんと否定してくれないと、私、いつまでたっても彼氏できないよー」
ちょっと怒ったカオをする河原。
「っていうか、河原に彼氏できないのって、オレのせいじゃねーだろ」
「でも、城井くんとつき合ってるって思ったら、さすがに他の男子も綾乃に声かけにくいよ、絶対」
あきらは少し不機嫌そうに言うが、小山さんも河原に味方する。
「あきらー、河原とつき合ってんじゃないかって匂わせておいて、他の女子が寄りつくの、防ごうとしてるだろ」
亮介の言葉に、河原は強く頷いた。
「清水くんも、そう思うでしょ? 私のこと、そんなに都合よく使わないでよねっ」
あきらは小さくため息をついた。
「そんなんじゃなねーって・・・・・ でも、分かったよ。 ちゃんと、言うよ。
つき合ってるやつがいて、でもそれは河原じゃねーって、さ」
「それならよろしい」
あきらの言葉を聞いて、河原が満足そうなカオになる。
「あきらはモテるから、大変だよなー」
オレもため息まじりに呟くと、紺野がそうだねって頷いた。
「でもさ、河原じゃねーってなったら、次は紺野が疑われんじゃねーの?」
この6人で親しくしてるのは事実なわけだし。
オレが紺野を覗き込むと、紺野は慌てて首を振った。
「わ、私!? そんな、ないよ!」
「あーでも、あるかも。 だって、6人で一緒にいるしなー」
「ええーーーっ!? それは怖いよ・・・」
オレに同意する亮介の言葉に、紺野がカオを赤くして慌てる。
あきらはフッて紺野に笑いかけた。
「大丈夫。 紺野にもメーワク、かけねーから」
あきらに笑いかけられて、紺野はさらにカオを赤くした。
「・・・う、・・うん・・・」
オレは思わずあきらの腕を掴んで引き寄せた。
「あきら。 もう、女のコを落とすなよ?」
あんな風に微笑まれたら、紺野があきらのこと好きになるかも・・・
オレを見て、あきらは嬉しそうに微笑んで、
「・・・・・レイキ、やきもち焼いてくれてんの?」
「ばっ・・・・・ ちげーよっ!」
自分でカオが赤くなるのが分かる。
そんなオレを見て、紺野はくすくす笑った。
「レイキくん、かわいい」
「かわいくねーよっ!」
あきらもオレをみて嬉しそうにしてるし・・・・
くそっ。
「おーい、あれ、乗りに行こうぜ!」
亮介がウォータースライダーを指さして言う。
「よしっ、行こうぜー」
「うん、行こ行こー」
あきらは歩きながら、オレの手を握ってきた。
びっくりしてあきらを見ると、あきらは優しく微笑んでいた。
少し恥ずかしいけど、そのまま歩き出す。
この先、あきらといつまで一緒にいられるか、分からない。
いつもそういう不安が、つきまとってるのは、確かだ。
・・・・オレ、相変わらず女々しいよな・・・・
でもオレは、ずっと一緒にいたいって、思ってる。
あきらの笑顔を、そばでずっと見ていたいって、思うんだ。
大好きな、あきらのオトナっぽい笑顔を。
そう考えていると、あきらがカオを寄せてきて、オレの耳元でささやいた。
「オレ、レイキの笑顔が大好きだ。
ずっと、オレのそばで、笑ってて?」
・・・・びっくりした。
あきらが、同じこと考えてくれてたなんて。
『ずっと』
そう言ってくれただけで、オレの不安は吹っ飛んでしまう。
「・・・うん」
オレは笑顔でうなずいた。
「オレも、あきらと同じこと、考えてた。
あきらもオレのそばで、ずっと、笑っててくれよな」
あきらはオレの手を握る力をぎゅって強くして、
「ああ」
笑ってくれた。
あきら、ずっと一緒にいような。
「でも、やっぱおもしろかったよな!」
オレたちはまた6人で遊園地に来ている。
あれからも、6人で昼も食べてるし、友達としてつき合っている。
・・・・オレの経験上、好きだった人と友達関係を続けるのは・・・・結構、つらい。
だから、みんなでわいわいやってもいいものなんだろうかって、悩んだけど・・・・
紺野と河原は、いつも楽しそうに笑ってくれてる。
「それにしても、驚いたなあ。 城井くんと、坂本くんって」
小山さんがオレたちをまじまじと見て呟く。
成り行き上、小山さんにもオレとあきらのことを話したんだけど。
小山さんもオレたちのことを受け入れてくれた。
「でも、城井くんと綾乃って、つき合ってると思われてるでしょ?」
・・・・・そう。
あきらは遊び相手の女のコたちを切ったわけだけど。
その上で河原と親しくしてるとなると・・・・・ まあ、周りにはそう思われるのも当然なわけで。
「オレは違うって言ってるんだけどな」
「うそ。 あきらくん、もっとちゃんと否定してよ。 何か含み持たせた言い方するから、そうやって誤解されるのよ?」
河原があきらに抗議する。
「ちゃんと否定してくれないと、私、いつまでたっても彼氏できないよー」
ちょっと怒ったカオをする河原。
「っていうか、河原に彼氏できないのって、オレのせいじゃねーだろ」
「でも、城井くんとつき合ってるって思ったら、さすがに他の男子も綾乃に声かけにくいよ、絶対」
あきらは少し不機嫌そうに言うが、小山さんも河原に味方する。
「あきらー、河原とつき合ってんじゃないかって匂わせておいて、他の女子が寄りつくの、防ごうとしてるだろ」
亮介の言葉に、河原は強く頷いた。
「清水くんも、そう思うでしょ? 私のこと、そんなに都合よく使わないでよねっ」
あきらは小さくため息をついた。
「そんなんじゃなねーって・・・・・ でも、分かったよ。 ちゃんと、言うよ。
つき合ってるやつがいて、でもそれは河原じゃねーって、さ」
「それならよろしい」
あきらの言葉を聞いて、河原が満足そうなカオになる。
「あきらはモテるから、大変だよなー」
オレもため息まじりに呟くと、紺野がそうだねって頷いた。
「でもさ、河原じゃねーってなったら、次は紺野が疑われんじゃねーの?」
この6人で親しくしてるのは事実なわけだし。
オレが紺野を覗き込むと、紺野は慌てて首を振った。
「わ、私!? そんな、ないよ!」
「あーでも、あるかも。 だって、6人で一緒にいるしなー」
「ええーーーっ!? それは怖いよ・・・」
オレに同意する亮介の言葉に、紺野がカオを赤くして慌てる。
あきらはフッて紺野に笑いかけた。
「大丈夫。 紺野にもメーワク、かけねーから」
あきらに笑いかけられて、紺野はさらにカオを赤くした。
「・・・う、・・うん・・・」
オレは思わずあきらの腕を掴んで引き寄せた。
「あきら。 もう、女のコを落とすなよ?」
あんな風に微笑まれたら、紺野があきらのこと好きになるかも・・・
オレを見て、あきらは嬉しそうに微笑んで、
「・・・・・レイキ、やきもち焼いてくれてんの?」
「ばっ・・・・・ ちげーよっ!」
自分でカオが赤くなるのが分かる。
そんなオレを見て、紺野はくすくす笑った。
「レイキくん、かわいい」
「かわいくねーよっ!」
あきらもオレをみて嬉しそうにしてるし・・・・
くそっ。
「おーい、あれ、乗りに行こうぜ!」
亮介がウォータースライダーを指さして言う。
「よしっ、行こうぜー」
「うん、行こ行こー」
あきらは歩きながら、オレの手を握ってきた。
びっくりしてあきらを見ると、あきらは優しく微笑んでいた。
少し恥ずかしいけど、そのまま歩き出す。
この先、あきらといつまで一緒にいられるか、分からない。
いつもそういう不安が、つきまとってるのは、確かだ。
・・・・オレ、相変わらず女々しいよな・・・・
でもオレは、ずっと一緒にいたいって、思ってる。
あきらの笑顔を、そばでずっと見ていたいって、思うんだ。
大好きな、あきらのオトナっぽい笑顔を。
そう考えていると、あきらがカオを寄せてきて、オレの耳元でささやいた。
「オレ、レイキの笑顔が大好きだ。
ずっと、オレのそばで、笑ってて?」
・・・・びっくりした。
あきらが、同じこと考えてくれてたなんて。
『ずっと』
そう言ってくれただけで、オレの不安は吹っ飛んでしまう。
「・・・うん」
オレは笑顔でうなずいた。
「オレも、あきらと同じこと、考えてた。
あきらもオレのそばで、ずっと、笑っててくれよな」
あきらはオレの手を握る力をぎゅって強くして、
「ああ」
笑ってくれた。
あきら、ずっと一緒にいような。
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