君の笑顔が大好きで -モテないオレとイケメン親友の恋-

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36.※ 電話越しに

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「玲紀、もうご飯にするわよー」

「んー」

風呂から上がってリビングに行くと、母さんから声をかけられた。


・・・・・ほんとはあきらと一緒にいたかったけど、さすがに2泊も外泊できねーし。

今日は家に帰ってきた。


「お母さん、玲紀最近晃くんの家に泊まりすぎじゃない?」

キッチンで母さんの手伝いをしながら、ねーちゃんが言う。

またねーちゃん、余計な事を・・・・・

「そうねー。 お世話になってばかりで申し訳ないし・・・・ 玲紀、たまには晃くんに家に来て泊まってもらったら?」

「うん・・・ そうだな。 言っとくよ」

ほんとはあきらんちの方が都合がいいんだけど、そんなこと言えねーし。


スマホを見ると、メッセージを受信していた。

開いて見ると、・・・・・・紺野からだった。


『昨日レイキくん、元気なかったみたいだったけど・・・・ 大丈夫だった?』

・・・・心配してくれてんだな。


オレはリビングのソファに座って、返信する。

『心配かけてゴメンな。 もう大丈夫だから』


「また彼女とLINEしてるのー?」

ねーちゃんがニヤニヤしながら聞いてくる。

「だーかーら、彼女はいねーって」


メッセージはすぐに返ってきた。

『よかった。 城井くんも、清水くんも、ちょっと様子が違ってたから、何かあったのかと思って・・・・
でも、レイキくん、大丈夫ならよかった。

・・・・突然なんだけど、レイキくん、明日、時間ある?』


・・・・明日?

あきらと会う約束はしてるけど・・・・・・


「うそ。絶対いるでしょー。 ねえ、お母さん。 玲紀、彼女出来たと思わない?」

「さあー。 どうかしらねえ?」

「ねーちゃん、うるせー。 いねーって言ってんだろ」


えーっと、二人で、会うってことかな・・・?

・・・・・・この場合、どうしたらいいんだろう。

期待を持たせちゃいけない・・・・ってことは、断るべきなんだよ、な。


・・・・でも、どうなんだろう。

ほんとに、ただ用事があるだけかもしれないし。

・・・・・だいたい、紺野がオレのこと・・・・・好き、なんて、ホントなのか・・・・?


うー・・・・・ん・・・・・・・


オレは立ち上がって自分の部屋に向かう。

「玲紀! ご飯よ!」

「ゴメン。 すぐ来るから」


部屋に入って、紺野に電話を掛けた。


『・・・もしもし?』

紺野はすぐに電話に出た。

「ああ、紺野? ゴメン。 電話で話したほうが早いかなと思って」

『うっ、ううん! 私こそ、突然ごめんね・・・・・』


オレはベッドに腰掛ける。


「明日、なんかある? どこか出かけたいとか?」

『も、もしレイキくんが予定がないなら・・・・・』

「んー・・・・ないことはないけど・・・・・・ 少しなら、時間、取れるかも。 それでも大丈夫?」

あきらに会う、前か後で少し会うくらいなら。

『う、うん。 少しでも、いいよ。 ありがとう』


オレたちは明日の午前中に、駅で待ち合わせをすることにした。

「じゃあ、また明日な」

『うん。 明日ね』


電話を切って、小さくため息をついた。


・・・・・少し時間を取って会うくらい、大丈夫だろう。


オレはあきらに電話を掛けた。



「あ、あきら? オレだけど・・・」

『ああ。 どうした?』


オレは明日紺野と会うことになったことを説明した。


「・・・・・ゴメンな。 期待持たせる・・・とか、そういうつもりじゃないんだけど・・・・  
なんか、ほんとに用事があるみたいだったし・・・・・」

電話の向こうで、あきらがフッて笑ったのがわかった。

『ああ、わかってるよ。 レイキがそんなつもりじゃないのは。
・・・・・・・じゃあさ、オレも午前中予定入れるよ。』

「予定? ん、わかった」

特になにも考えず返事をしたんだけど。


『・・・・河原と、会ってくる』


あきらの言葉に、心臓がぎゅってなる。


河原、と・・・・?


「な、んで・・・?」

絞り出した声は、少しかすれていた。


なんで、河原と、会うんだ・・・?


思い出したくないけど、2人のキスシーンが蘇る。


『・・・・・・あのこと、謝ろうと思って。 オレが悪いし・・・。 
期待、持たせるようなこと、したから、さ』


・・・・・そ、か。

河原はあきらのこと、好きなんだもんな・・・・・。 あんなことがあったら、期待して当然だし・・・・


「ん・・・・・わかった」


『・・・・レイキ。 河原にはちゃんと話してくるから。 ・・・・オレのこと、不安に思ったりしないでくれよな?』


わかってるよ、あきら・・・・・・

あきらだって、オレが紺野と会うの、やっぱり不安に思ってるかもしれないし・・・・・


「うん、大丈夫。 ・・・・・オレのことも、不安に思うなよ?」


『ああ。 大丈夫だよ。 ・・・・・・レイキ、好きだ』


あきらの声に、ぞくって腰にしびれが走った。


「ん・・・・・・オレも。 好き、だよ・・・・・」


また、電話越しにあきらがフッて笑ったのがわかった。


『・・・・・・レイキの声、やばい。 すげー、クる』


その言葉に刺激されて、オレの下半身に熱が集まってくる。


『好きだよ。 ・・・・・な、レイキ。 このまま、しねー・・・・?』


えっ。 このまま、って。

あきらの言葉に、さらに熱が集まる。


『レイキの・・・・・どうなってる? オレはもう、勃ってる。 レイキの声聞いてるだけで、こうなった』


あ、きら・・・・・

電話越しなのに、実際にあきらの吐息まで耳元で感じるような気がする・・・・


オレはそっと自分のモノに手を伸ばした。

もうゆるく勃ちあがってきている・・・・


『・・・さわってる? 声、聴かせて・・・?』


甘いあきらの声に誘われるように手は下着の中に入り、ゆっくりと扱きだす。

「んっ・・・・は、ぁ」

だんだんと、意識が快感に集中してくる。



そのとき。



カタン。




部屋のドアのところで、物音が、した?




オレは立ちあがってゆっくりとドアに近づく。


『レイキ・・・・?』

怪訝そうなあきらの声。



オレはそっとドアノブに手をかけ・・・・

確信を持って、勢いよく開けた。


「きゃぁあっ!」


部屋の内側に開くドアと一緒に、ねーちゃんが部屋の中に倒れ込んできた。


・・・・やっぱりな。


「もーっ、玲紀! なにすんのよ!!」

「ねーちゃんこそ、なにやってんだよ。 ・・・・・盗み聞きか?」

ねーちゃんはカオを赤くして反論する。

「ちっ、がうわよ! ご飯なのに玲紀が全然降りてこないから、呼びに来たんじゃない。 お母さん、怒ってるわよ」

「呼びに来たんなら、普通に声かければいいだろ。 何でドアに張り付いてんだ」

冷たい声で言い放つオレ。

ぐってねーちゃんは言葉に詰まった。

「・・・・・彼女と電話してるとか思って、盗み聞きしてたんだろ」


電話越しに笑い声が聞こえてきた。

オレはスマホを耳にあてる。

『レイキ、お姉さんに盗み聞きされてたのかよ?』

「・・・なんか、ゴメンな。 また後でかけるよ」

『ああ。 じゃーな』

笑いを含んだ声であきらは言うと、電話を切った。


「もー、ねーちゃん、いいかげんにしてくれよ」

オレはため息をつきながら、スマホをベッドに放った。


せっかくあきらと電話で・・・・イイ感じ、だったのに、邪魔しやがって。

カラダは熱を持ったままだし・・・・

オレはイラつきながらねーちゃんを睨む。


「玲紀、ゴメンね」

ねーちゃんは手を合わせてオレに謝る。

でもすぐにニヤって笑って、

「玲紀ー。 やっぱ、彼女いるんじゃない」

「だから、ちげーって」

「だって、電話で『好きだよ』って言ってたじゃない」


なっ・・・・

そんなハッキリ聞かれてたのか!?


思わず、カオがこわばる。

だって、それが聞かれてたってことは・・・・!


「それに、なーんかあやしーコト、電話でしようとしてたでしょー?」

ニヤニヤ笑いながら、ねーちゃんはオレに体を寄せてくる。

そして不意にオレのモノをぎゅって掴んできた。


「ねっ、ねーちゃん!?」

カラダの熱が収まっていなかったオレのモノはまだゆるく勃ちあがったままで。

思わず全身がびくって震えてしまう。


「電話でこんなことするなんて・・・ 玲紀、オトナになったのねえ」

「ふざけんなよっ! 放せっ!」

オレはねーちゃんの手を振り払った。


いきなり掴んでくるなんて、何考えてんだ・・・・!


「今度彼女、紹介してねー」

そう言って、ねーちゃんは部屋を出て行った。

「あ、早く来ないと、お母さんほんとに怒るわよ」

「わかったよ、うるせー」


もー、何なんだよ、ねーちゃんの奴・・・


ねーちゃんはオレに彼女が出来たって信じてるみたいだけど、オレがつき合ってるのがあきらだって知ったら、どう思うのかな・・・・・

っていうか、さっきの電話、あきらの声にはねーちゃんは気づかなかったみたいだな・・・

聞こえなかったのかも。 とりあえず、よかった・・・・


「くそっ」

ねーちゃんに邪魔されたせいで、カラダの熱は引かないままだ。


オレは部屋のドアをもう一度閉めると、ベッドに座った。

1回出さないと、おさまんねー・・・


もう一度自分のモノに手を添えて、ゆっくりと扱く。

「は、ぁっ・・・」

あきら・・・・・

『レイキ、好きだ』

あきらの低くてイイ声を思い出す。


「あ、んぁ・・・・」

『レイキを、抱きたい』

耳元で囁く、吐息まじりの声。


「ん、くっ・・・・・は」

あきら・・・・・! 好き・・・・!!


『・・・どうしてほしい・・・・・?』

うしろ、弄って・・・・・!


オレは手を伸ばして、自分の後孔に触れた。

自分の先走りで濡れていた指は、ゆっくりとナカにおさまっていく。


「あ、ぁあっ・・・・・」


でも自分の指でするには、慣れてないし、体勢もキツイ・・・

うまく快感が得られなくて、もどかしい・・・・


あきらに、触って欲しい・・・・・!


「は、ぁあっ・・・あきらぁあ・・・・・」


オレは自分のモノを扱く手を激しくする。

前から得られる快感は大きくなってきて、オレはどんどん昇りつめていく。


「ぁ、んん・・・!」


どくんっ。


勢いよく白濁を吐き出す。


「はぁっ、はぁっ・・・・・」


絶頂を迎えて、解放された感覚。

気持ち、良かった・・・


でも。

オレの後孔はひくついていて。

後ろから得られる快感を、求めているのが分かる・・・・


「あきら・・・・・欲しいよ・・・・・!」


オレのカラダ、どうなっちゃったんだろう・・・

出しても、満足しきれないなんて・・・・


あきらじゃないとダメなカラダ、に、なっちゃったのかな・・・・・


あきらに、抱きしめられたい。

あきらと、キスしたい。

あきらに、・・・抱かれ、たい。


・・・ぞくっ。

あきらのことを思い出しただけで、腰に甘いしびれが走る。


早く、あきらに会いたい。

今日も会ってたのに。

昨日抱かれたばかりなのに。


オレ、本当にあきらじゃなきゃダメみたいだ。

「あきら・・・・好きだよ・・・・」


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