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27. デートみたいだな
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「よしっ。何から乗る?」
今日は日曜日ということもあり、遊園地はそこそこ混んでいる。
子連れファミリーもいれば、オレたちみたいに高校生や大学生っぽい集団も結構いた。
「恵梨香ちゃん、何が好き?」
亮介が笑顔で小山さんに聞く。
「えーっ、亮介くんの好きなのでいいよ?」
何か、この2人はホントにイイ感じだ。
・・・・っていうか、オレとあきらは今日必要だったのか??
別に居なくても、普通に上手くいきそうだけどな・・・・
「恵梨香ちゃん絶叫系大丈夫なら・・・あれ、いく?」
亮介が指したのは・・・・・ジェットコースター。
うん、行くよな。 遊園地だもんな。
でも、オレの腰、いけねーよな・・・・・。
『いこう、いこう』って女のコたちが盛り上がる中、あきらがオレの横に来て耳に口を寄せた。
「レイキ・・・・ムリだろ」
「んー、でも、乗らないわけにいかねーだろ。 ま、だいじょーぶだよ」
あきらにへらって笑って見せる。
「よしっ、いこーぜー!」
ジェットコースターには、亮介と小山さん、あきらと河原、オレと紺野で座った。
ううう。 やっぱちょっと不安かも。。。。
「坂本くん・・・・苦手なの?」
オレのカオがこわばってたんだろう。 紺野が心配そうに聞いてきた。
「いや、大丈夫」
きっと全然大丈夫じゃないカオで、オレは答えた。
ジェットコースターは少しずつ上昇し、
「きゃーーーーっっ!!」
みんなの絶叫が響く。
ううーーーーっ! いてえっ!
揺れがかなり腰に響くし、ふわふわ浮いてるみたいで・・・・
正直言って、きもちわるい。。。
「あーっ、すごかったね!」
「結構おもしろかったな!」
みんなが満足そうにしている中、なんとか降りてきたオレは頭をガックリと垂れてしまった。
「坂本くん、大丈夫?」
紺野が心配そうにオレのカオを覗き込んでくる。
「あ、うん。 大丈夫」
オレは力なく笑った。
「レイキ」
膝に手をつき、しゃがみ込みそうになるオレを、あきらが引っ張って立たせてくれる。
そのまま腰を引き寄せられて、軽く抱きしめられた。
「っ、あきら」
「腰、キツイんだろ? ホント、ゴメンな・・・」
耳元でささやかれる。
さらに足に力が入んなくなるだろっ!
「レイキー大丈夫か?」
亮介が心配そうにオレを見る。
「お前、絶叫系好きじゃん? やっぱ調子悪いのか?」
オレは慌ててあきらから離れながら、
「あー、ちょっと、ちょーし悪くて。 ゴメン。 少し休んだら大丈夫だから、さ」
みんなに心配かけたくなくて、へらって笑った。
階段を降りてきてから、オレはそこにあったベンチに腰かけた。
・・・やっぱ、しんどい。
一発目からジェットコースターは、ダメージでかすぎだ。
「ゴメン。 少しここにいていいか? ちょっと休んだら合流するから」
「いいけど・・・大丈夫かよ?」
心配そうな亮介。 ゴメンな、小山さんと楽しみたいだろうに。
「ああ、だいじょーぶ。 少し休んだら、良くなると思うから」
前の時も、昼ごろには腰の痛みもずいぶん引いてたし。 たぶん、大丈夫。
「オレ、レイキに付いとくよ」
「あきら、大丈夫だって」
心配そうなあきらを引き寄せて、耳元に口を寄せた。
「亮介についてってやれよ。 そのために来たんだし」
「でも」
「大丈夫。 な?」
オレはあきらを安心させるために、みんなから見えないように手で隠してから、軽くキスをした。
あきらが少し、体を震わせるのが分かった。
「ん・・・・わかった。 じゃあ、行って来るな。 調子よくなったら、連絡しろよ」
「りょーかい。 じゃあまたあとでなー」
笑顔で手を振ってみんなを見送って・・・・ちょっと大き目のため息をついた。
あー、こんなに腰にクルとは思わなかった。
でも、昨日はすっごい気持ちよかったし・・・・
あきらに抱かれたことを思い出して、ドキドキしてしまう。
しかも、初めて後ろだけでイってしまった。
オレ、男なのにあんなに後ろで感じるようになって・・・・大丈夫なのかな・・・。
「はい」
うつむいて考え込んでいたオレに差し出されたのは、1本のペットボトル。
びっくりしてカオを上げると、紺野が少し心配そうなカオで立っていた。
「坂本くん、大丈夫?」
オレは紺野のくれたペットボトルを受け取った。
「あ、ありがと。 みんなは?」
「うん、他のに乗りに行ったよ」
にっこり笑って、オレの隣に座る。
「紺野は、行かなくていいのか?」
「うん。 坂本くん、一人じゃつまんないかな、と思って。 話し相手がいたら、気がまぎれない?」
そう言って、ちょっと心配そうにオレを見る。
「でも、調子悪いんなら、話すのもキツイ・・・? だったら、医務室とか行った方が良いかも・・・」
オレはへらって笑った。
「紺野、やさしーんだな。 だいじょーぶ。 話し相手いた方が、ありがたいから」
「そっか。 よかった」
安心したように紺野が笑顔になる。
それから紺野とはいろんな話をした。
「そういえば、去年の課外学習の時のこと、覚えてる? 亮介がさー」
「あー、覚えてる! 清水くん、ふざけ過ぎてたんだっけ? あの時、先生にかなり怒られてたよねー」
「あれさ、オレとあきらが原因なんだぜ。 まあ、怒られたのは亮介だけだけど」
「えーっ、そうだったの? でも、坂本くんも城井くんも、全然知らんカオしてたよね?」
「だって、その方が見てておもしろいじゃん?」
「2人ともひどーい」
紺野は楽しそうに笑った。
1年の時はあまり話したことなかったけど、同じクラスだったから共通の思い出は結構あった。
「なんか、1年の時はこんなに話したことなかったよなー」
「うん、そうだね。 だって、城井くんも坂本くんもモテるから、いつも周りに女の子いるし・・・・」
『なんか、話しかけにくくて』って、紺野は笑った。
「いやいや。 あきらはモテるけど、オレは全然だぜ?」
まあ、仲のいい女の子は多いけど、それは決してモテてるわけじゃなくて。
「えー? 坂本くんも、モテるでしょ?」
「そんなことねーよ。 オレ、彼女いたことねーし」
言いながら、なんか恥ずかしくなってきた。
「うそー。 信じられないよ。 ・・・・坂本くん、カッコイイのに」
「ありがと」
お世辞でも嬉しいから、とりあえずお礼は言っておく。
「あ、でも・・・」
紺野は少し言いにくそうに、目を伏せて聞いてきた。
「最近・・・彼女、出来たんじゃないの?」
え?
「何で?」
「だって・・・なんか、坂本くん雰囲気変わったから。 彼女ができたのかなーと思って・・・・」
「彼女、は、出来てねーけど・・・・・」
オレって、あきらとつき合いだしてから、そんなに雰囲気変わったのかな・・・・
あきらにも、亮介にも、・・・修吾にも、言われたし・・・
「ねえ、オレって、最近そんなに雰囲気変わった・・・?」
他人にそんな風に思われる理由が知りたくて、オレは紺野に聞いてみた。
「え」
紺野は少し恥ずかしそうにしながら、
「う、うん。 少し、そう思っただけだけど・・・・」
「どうちがうの?」
「え、えーっと・・・・ 前よりも、もっと、カッコよくなったなあって・・・・」
言いながら、カオを赤くしてうつむいてしまった。
そ、そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃんか・・・オレのことなんだし・・・
何かオレまで恥ずかしくなってきて、紺野がくれたペットボトルを開けて飲んだ。
「どっか行く?」
「えっ?」
うつむいていた紺野が、パッてカオを上げた。
まだ少し、カオが赤い。
「せっかく遊園地来たんだし。 激しい系じゃなかったら、たぶん大丈夫だからさ」
言いながら、オレは立ち上がった。
「じゃ、じゃあみんなと合流する?」
「んー。 亮介は絶叫系が好きだしなー。 小山さんも結構好きそうだったし」
まだ、ジェットコースターとか、ウォータースライダーとかは厳しそうだしなー・・・
「さすがにまだ厳しそうだから・・・・。 紺野が良かったら、静かなやつ、行かねえ?」
「う、うん! 行く!」
紺野は元気に返事をして立ち上がった。
「まじで静かなやつでいい? 子供向けとか」
「うん、いいよー」
紺野はにこにこしてオレの横に並ぶ。
あー、何か、デートしてるみてーだなって、ちょっと思った。
今までは女のコとくるときは、相手はもちろん好きなコで。 オレも結構緊張してたから、なかなか思いっきり楽しむって出来なかったけど。
紺野には悪いけど、今はリラックスしてられるなー。
結局、子供向けの空飛ぶゾウさんとメリーゴーラウンドに、小さい子たちに混ざって乗った。
それでも紺野は楽しそうにしてくれてたけど。
「あ、あれやっていい?」
射的を見つけた。
「オレ、結構好きなんだよね。 お祭りのときとかいっつもしてた」
「そうなんだ」
景品はいろいろ並んでいた。 お菓子や、小さいおもちゃ・・・まあ、やっぱり子供向けなんだけど。
「紺野、どれがいい?」
「えっ、取ってくれるの?」
「んー、取れたら、やるよ」
紺野は目をキラキラさせて景品を選ぶ。
「あ、じゃあ、あれ!」
指差したのは、小さいウサギのぬいぐるみ。
「ん、おっけ」
オレは銃を構える。
ばんっ。
「ああー、おしいね」
1発目はウサギの少し上の方を飛んでった。
「ん、でもこれならいけそう」
もう一度銃を構え直して、
ばんっ。
弾は見事にウサギに命中して、ころんって落ちた。
「わあー! 坂本くん、すごい!」
紺野はカオを輝かせて拍手してくれる。
「だろーっ?」
狙い通り当たって、オレも上機嫌。
紺野はウサギを手に乗せて、うれしそうに笑った。
「ありがとうっ! かわいいーー♡」
オレは残りの弾で、お菓子をゲットする。
「はい、これもやるよ」
「え、いいの?」
「ああ。 オレにつき合ってくれたお礼、な。 子供向けのとこばっか行って、つまんなかっただろ」
「・・・・つまんなくなんて、ないよ。 坂本くんと一緒だったから、楽しいよ?」
紺野は少しカオを赤くして言った。
「ありがと。 紺野、やさしーな」
オレがへらって笑うと、紺野も笑顔になった。
「じゃー、そろそろ合流すっか」
オレはスマホを取り出してあきらに電話をかけた。
今日は日曜日ということもあり、遊園地はそこそこ混んでいる。
子連れファミリーもいれば、オレたちみたいに高校生や大学生っぽい集団も結構いた。
「恵梨香ちゃん、何が好き?」
亮介が笑顔で小山さんに聞く。
「えーっ、亮介くんの好きなのでいいよ?」
何か、この2人はホントにイイ感じだ。
・・・・っていうか、オレとあきらは今日必要だったのか??
別に居なくても、普通に上手くいきそうだけどな・・・・
「恵梨香ちゃん絶叫系大丈夫なら・・・あれ、いく?」
亮介が指したのは・・・・・ジェットコースター。
うん、行くよな。 遊園地だもんな。
でも、オレの腰、いけねーよな・・・・・。
『いこう、いこう』って女のコたちが盛り上がる中、あきらがオレの横に来て耳に口を寄せた。
「レイキ・・・・ムリだろ」
「んー、でも、乗らないわけにいかねーだろ。 ま、だいじょーぶだよ」
あきらにへらって笑って見せる。
「よしっ、いこーぜー!」
ジェットコースターには、亮介と小山さん、あきらと河原、オレと紺野で座った。
ううう。 やっぱちょっと不安かも。。。。
「坂本くん・・・・苦手なの?」
オレのカオがこわばってたんだろう。 紺野が心配そうに聞いてきた。
「いや、大丈夫」
きっと全然大丈夫じゃないカオで、オレは答えた。
ジェットコースターは少しずつ上昇し、
「きゃーーーーっっ!!」
みんなの絶叫が響く。
ううーーーーっ! いてえっ!
揺れがかなり腰に響くし、ふわふわ浮いてるみたいで・・・・
正直言って、きもちわるい。。。
「あーっ、すごかったね!」
「結構おもしろかったな!」
みんなが満足そうにしている中、なんとか降りてきたオレは頭をガックリと垂れてしまった。
「坂本くん、大丈夫?」
紺野が心配そうにオレのカオを覗き込んでくる。
「あ、うん。 大丈夫」
オレは力なく笑った。
「レイキ」
膝に手をつき、しゃがみ込みそうになるオレを、あきらが引っ張って立たせてくれる。
そのまま腰を引き寄せられて、軽く抱きしめられた。
「っ、あきら」
「腰、キツイんだろ? ホント、ゴメンな・・・」
耳元でささやかれる。
さらに足に力が入んなくなるだろっ!
「レイキー大丈夫か?」
亮介が心配そうにオレを見る。
「お前、絶叫系好きじゃん? やっぱ調子悪いのか?」
オレは慌ててあきらから離れながら、
「あー、ちょっと、ちょーし悪くて。 ゴメン。 少し休んだら大丈夫だから、さ」
みんなに心配かけたくなくて、へらって笑った。
階段を降りてきてから、オレはそこにあったベンチに腰かけた。
・・・やっぱ、しんどい。
一発目からジェットコースターは、ダメージでかすぎだ。
「ゴメン。 少しここにいていいか? ちょっと休んだら合流するから」
「いいけど・・・大丈夫かよ?」
心配そうな亮介。 ゴメンな、小山さんと楽しみたいだろうに。
「ああ、だいじょーぶ。 少し休んだら、良くなると思うから」
前の時も、昼ごろには腰の痛みもずいぶん引いてたし。 たぶん、大丈夫。
「オレ、レイキに付いとくよ」
「あきら、大丈夫だって」
心配そうなあきらを引き寄せて、耳元に口を寄せた。
「亮介についてってやれよ。 そのために来たんだし」
「でも」
「大丈夫。 な?」
オレはあきらを安心させるために、みんなから見えないように手で隠してから、軽くキスをした。
あきらが少し、体を震わせるのが分かった。
「ん・・・・わかった。 じゃあ、行って来るな。 調子よくなったら、連絡しろよ」
「りょーかい。 じゃあまたあとでなー」
笑顔で手を振ってみんなを見送って・・・・ちょっと大き目のため息をついた。
あー、こんなに腰にクルとは思わなかった。
でも、昨日はすっごい気持ちよかったし・・・・
あきらに抱かれたことを思い出して、ドキドキしてしまう。
しかも、初めて後ろだけでイってしまった。
オレ、男なのにあんなに後ろで感じるようになって・・・・大丈夫なのかな・・・。
「はい」
うつむいて考え込んでいたオレに差し出されたのは、1本のペットボトル。
びっくりしてカオを上げると、紺野が少し心配そうなカオで立っていた。
「坂本くん、大丈夫?」
オレは紺野のくれたペットボトルを受け取った。
「あ、ありがと。 みんなは?」
「うん、他のに乗りに行ったよ」
にっこり笑って、オレの隣に座る。
「紺野は、行かなくていいのか?」
「うん。 坂本くん、一人じゃつまんないかな、と思って。 話し相手がいたら、気がまぎれない?」
そう言って、ちょっと心配そうにオレを見る。
「でも、調子悪いんなら、話すのもキツイ・・・? だったら、医務室とか行った方が良いかも・・・」
オレはへらって笑った。
「紺野、やさしーんだな。 だいじょーぶ。 話し相手いた方が、ありがたいから」
「そっか。 よかった」
安心したように紺野が笑顔になる。
それから紺野とはいろんな話をした。
「そういえば、去年の課外学習の時のこと、覚えてる? 亮介がさー」
「あー、覚えてる! 清水くん、ふざけ過ぎてたんだっけ? あの時、先生にかなり怒られてたよねー」
「あれさ、オレとあきらが原因なんだぜ。 まあ、怒られたのは亮介だけだけど」
「えーっ、そうだったの? でも、坂本くんも城井くんも、全然知らんカオしてたよね?」
「だって、その方が見てておもしろいじゃん?」
「2人ともひどーい」
紺野は楽しそうに笑った。
1年の時はあまり話したことなかったけど、同じクラスだったから共通の思い出は結構あった。
「なんか、1年の時はこんなに話したことなかったよなー」
「うん、そうだね。 だって、城井くんも坂本くんもモテるから、いつも周りに女の子いるし・・・・」
『なんか、話しかけにくくて』って、紺野は笑った。
「いやいや。 あきらはモテるけど、オレは全然だぜ?」
まあ、仲のいい女の子は多いけど、それは決してモテてるわけじゃなくて。
「えー? 坂本くんも、モテるでしょ?」
「そんなことねーよ。 オレ、彼女いたことねーし」
言いながら、なんか恥ずかしくなってきた。
「うそー。 信じられないよ。 ・・・・坂本くん、カッコイイのに」
「ありがと」
お世辞でも嬉しいから、とりあえずお礼は言っておく。
「あ、でも・・・」
紺野は少し言いにくそうに、目を伏せて聞いてきた。
「最近・・・彼女、出来たんじゃないの?」
え?
「何で?」
「だって・・・なんか、坂本くん雰囲気変わったから。 彼女ができたのかなーと思って・・・・」
「彼女、は、出来てねーけど・・・・・」
オレって、あきらとつき合いだしてから、そんなに雰囲気変わったのかな・・・・
あきらにも、亮介にも、・・・修吾にも、言われたし・・・
「ねえ、オレって、最近そんなに雰囲気変わった・・・?」
他人にそんな風に思われる理由が知りたくて、オレは紺野に聞いてみた。
「え」
紺野は少し恥ずかしそうにしながら、
「う、うん。 少し、そう思っただけだけど・・・・」
「どうちがうの?」
「え、えーっと・・・・ 前よりも、もっと、カッコよくなったなあって・・・・」
言いながら、カオを赤くしてうつむいてしまった。
そ、そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃんか・・・オレのことなんだし・・・
何かオレまで恥ずかしくなってきて、紺野がくれたペットボトルを開けて飲んだ。
「どっか行く?」
「えっ?」
うつむいていた紺野が、パッてカオを上げた。
まだ少し、カオが赤い。
「せっかく遊園地来たんだし。 激しい系じゃなかったら、たぶん大丈夫だからさ」
言いながら、オレは立ち上がった。
「じゃ、じゃあみんなと合流する?」
「んー。 亮介は絶叫系が好きだしなー。 小山さんも結構好きそうだったし」
まだ、ジェットコースターとか、ウォータースライダーとかは厳しそうだしなー・・・
「さすがにまだ厳しそうだから・・・・。 紺野が良かったら、静かなやつ、行かねえ?」
「う、うん! 行く!」
紺野は元気に返事をして立ち上がった。
「まじで静かなやつでいい? 子供向けとか」
「うん、いいよー」
紺野はにこにこしてオレの横に並ぶ。
あー、何か、デートしてるみてーだなって、ちょっと思った。
今までは女のコとくるときは、相手はもちろん好きなコで。 オレも結構緊張してたから、なかなか思いっきり楽しむって出来なかったけど。
紺野には悪いけど、今はリラックスしてられるなー。
結局、子供向けの空飛ぶゾウさんとメリーゴーラウンドに、小さい子たちに混ざって乗った。
それでも紺野は楽しそうにしてくれてたけど。
「あ、あれやっていい?」
射的を見つけた。
「オレ、結構好きなんだよね。 お祭りのときとかいっつもしてた」
「そうなんだ」
景品はいろいろ並んでいた。 お菓子や、小さいおもちゃ・・・まあ、やっぱり子供向けなんだけど。
「紺野、どれがいい?」
「えっ、取ってくれるの?」
「んー、取れたら、やるよ」
紺野は目をキラキラさせて景品を選ぶ。
「あ、じゃあ、あれ!」
指差したのは、小さいウサギのぬいぐるみ。
「ん、おっけ」
オレは銃を構える。
ばんっ。
「ああー、おしいね」
1発目はウサギの少し上の方を飛んでった。
「ん、でもこれならいけそう」
もう一度銃を構え直して、
ばんっ。
弾は見事にウサギに命中して、ころんって落ちた。
「わあー! 坂本くん、すごい!」
紺野はカオを輝かせて拍手してくれる。
「だろーっ?」
狙い通り当たって、オレも上機嫌。
紺野はウサギを手に乗せて、うれしそうに笑った。
「ありがとうっ! かわいいーー♡」
オレは残りの弾で、お菓子をゲットする。
「はい、これもやるよ」
「え、いいの?」
「ああ。 オレにつき合ってくれたお礼、な。 子供向けのとこばっか行って、つまんなかっただろ」
「・・・・つまんなくなんて、ないよ。 坂本くんと一緒だったから、楽しいよ?」
紺野は少しカオを赤くして言った。
「ありがと。 紺野、やさしーな」
オレがへらって笑うと、紺野も笑顔になった。
「じゃー、そろそろ合流すっか」
オレはスマホを取り出してあきらに電話をかけた。
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