君の笑顔が大好きで -モテないオレとイケメン親友の恋-

mii

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24.※ 嫉妬

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「・・・やった!!」

最後のスマッシュが決まった時、応援していたオレたちは一斉に立ち上がった。

みんなですげえ喜んで、隣の奴とハイタッチする。



あきらと3年生の矢神(やがみ)先輩のダブルスは、ラブゲームでストレート勝ちだった。

2人ともすっげえうまいけど、今日は特にキレが良かった!

矢神先輩もかなりカッコイイし、この2人のペアは実力だけでなくビジュアルもそろってて、学校外でも有名だった。


「矢神くん、城井くん、カッコイイー!」



テニスコートの外のギャラリーから、そんな声がたくさん聞こえてくる。

・・・今日でまた、矢神先輩もだけど、あきらのファンも増えたんだろうなー・・・・


試合後のあいさつが終わって、皆であきらと矢神先輩を囲んでる。

オレはそれを遠巻きに見つめていた。


「レイキ」

いつの間にかとなりに来ていた修吾に声をかけられる。

「・・・オレたちも、がんばろうな」

ニッて笑って腕を突き出してくる修吾に、

「おうっ」

って、オレも腕を突き出してぶつける。


あれから、オレたちは何とか持ち直して、ダブルス解消とはならなかった。  まだ、今まで通りというわけではなかったけど。

ただ、今回の練習試合は補欠で、出場することは出来なかった。



あきらがみんなの輪から離れて行くのを見て、オレはあきらを追いかけた。

あきらは水道のところで、頭に水をかけていた。


「あきら。 おつかれ」

言って、タオルを差し出す。

あきらはオレを見て微笑んだ。

「さんきゅ、レイキ」

タオルを受け取ってカオを拭く。


・・・水が髪から滴っているあきらの色気はハンパない。

シャワーを浴びた後のあきらを想像してしまって、オレは一人で赤面してしまう。


「あれー?  レイキ、オレに見とれてた?」

あきらがフッて笑って、オレにカオを近づけてくる。

「ばっ・・・、そんなんじゃねーし!」

その至近距離やめろっ!

心臓がばくばくいってしまう。



「レイキくん!」

ギャラリーの中から声をかけられて、そっちを振り返る。

「あ」

オレたちに手を降ってるのは、希ちゃんとその友達だった。  みんな、この間合コンで一緒だったコたち。


あきらと一緒に、そっちに近づく。

「応援来てくれてたんだ、ありがとな」

あきらが微笑むと、そのコたちはもちろん、周りにいる女のコからも『きゃーっ』って声が上がる。


・・・やっぱ、あきらのモテ具合はハンパねえ。 
 
しかも、今は水が滴ってることで、色気がさらに数倍増してるし!


「レイキくん、ケガ大丈夫なの?」

希ちゃんが心配そうに声をかけてくれる。

「あ、うん。  もう全然大丈夫だよ」

オレの額には、未だおおきめの絆創膏。

でももう痛みも殆ど無いし、ちょっと大げさかなと思うんだけど、保健の先生が貼ってくれたものだ。

「今日はレイキくんの試合、見れなくて残念だったー。  今度また見に来るね」

希ちゃんがにっこり微笑む。


「あれーっ? 来てくれてたんだ?」

修吾の声がして、振り返ると後輩と一緒にこっちに歩いてくるところだった。


これで、前回の合コンのメンバーが勢ぞろいだ。


「望月くんも、ケガ、大丈夫なの?」

希ちゃんが声をかけると、修吾はニッて笑って見せた。

「ああ、もうだいじょーぶ。 でも、練習不足で補欠組ー」


修吾はオレの肩を抱き寄せて、

「でも、次はちゃんと出られるように頑張るから、レイキを応援しに来てやってなー」

そう言ってオレを見て、がんばろうなって、笑う。

そんな修吾に、オレは目を背けながら、そうだなって返す。



・・・・今までだって、修吾とこういうやり取りはたくさんしてた。

修吾は基本的にスキンシップが多いタイプだから、全然気になんてしてなかったんだけど。


あれから、オレは修吾がすごく近くに来ると、全身が緊張してしまって、目が見れなくなってた。

もちろん、笑い返したりもできなくて、なんだかぎくしゃくした雰囲気になる。


練習には支障はないけど、でもやっぱり今まで通りに行かなくて、部長には心配されていた。

オレたちの微妙な雰囲気に、気づいていない部員も多いけど。



「あ、先輩。 次の試合始まりますよ」

後輩の声にコートを振り返ると、次の試合の準備が進んでいた。


「じゃ、オレたちあっちで応援するから。 レイキ、行くぞ」

そういって、あきらがオレの腕を掴んで引っ張った。

思ったよりも強い力で、オレはよろめきながらあきらに引き寄せられる。

「みんな、またな」

あきらは女のコたちに軽く手を振って、オレの腕を引いてさっさとその場を立ち去った。


あきらに腕を引かれたまま歩くけど、その足はコートに向いてなくて。

「あきら?」

「ちょっと、こっち」

オレの腕から手を放し、あきらは肩をぐって抱いてきた。


・・・・さっき、修吾に触れられてた、肩。


「これ、放せよ」

さすがに肩を抱かれて歩いてたら、目立つ。

放してほしくて少し抵抗するけど、あきらはそれを許さないように更に強い力を込めた。


そのまま向かったのは、コートじゃなくて、更衣室。

中に入るよう促されて、オレが先に入り、あきらが後から入ってくる。 

あきらは入ったあと、後ろ手にドアのカギをかけた。




あきらはぎゅってオレを抱きしめてきた。

「・・・あきら?」

・・・・・あきらの香水の香りに包まれてると何かすごく安心する。

でも、オレを抱きしめたまま、何も言わないあきら。


「・・・さっきの試合、すごかったな」

オレはあきらの首に腕を回して抱き付く。

片手を後頭部に回して、『お疲れ様』って気持ちを込めて、ぽんぽんってした。


「あきら、すげーカッコよかった」

思わず口をついて出た感想に、ちょっと恥ずかしくなる。


あきらは少し口角を持ち上げて、オレに唇を寄せてきた。


あんなに女のコにキャーキャー言われてモテまくりのあきらが、オレにこうやってキスしてくれて・・・・・

やっぱり、何でオレなのかなって、思っちゃうけど。


でも、うれしい。



何度か軽いキスをして、至近距離で見つめ合う。


やっぱり、足りなくて、


もう一度唇を寄せ合って、深く重なった。



あきらの舌が、オレの舌を追いかけてきて。


水音を立てて、絡まり合う。



「ん、・・・は、ぁっ・・・・」


キスしてるだけで、ぞくぞくして。



あきらはオレの首筋にキスをした。


「ぁあっ・・・・・」


身をよじると、追い打ちをかけるように舐められて。


「や、あきらっ・・・・ だ、め」



やばい。

まだ練習試合終わってないし、みんなのところに戻らなきゃいけないのに。



「あきらっ・・・」

制するようにあきらの胸を押して、少し体を離す。



あきらはきゅって眉根を寄せて、つらそうなカオをしていた。



どうしたのかと思って、オレは手を伸ばしてあきらの頬に触れた。


あきらは少し自嘲気味に微笑んだ。



「・・・オレ、どうかしてる。 ・・・・誰かがレイキに触ってるの見るだけで、嫉妬、してる」


・・・・さっきの、修吾の、こと・・・・かな・・・・・



オレはあきらの両頬に手を当てて、キスをする。


「オレが触って欲しいのは、あきらだけだよ?」



あきらは少し目を見開いた後、ぎゅってオレを抱きしめた。



「・・・・・やばい。 まじ、たまんねー・・・・・」


熱のこもった声に、どきどきしてしまう。



「・・・・・これ以上すると、やばいから。 続きは、帰ってから、しような」


腰に響く、低いイイ声で、耳元でささやかれた。




離れたくないけど、試合、応援しなきゃだし。


もう一度だけ、軽く唇を合わせてから、オレたちはコートに向かった。



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