君の笑顔が大好きで -モテないオレとイケメン親友の恋-

mii

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18. 疑い

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「わるい、待たせたか?」

待ち合わせ場所に、修吾とあと2人のメンバーは揃ってた。

あきらの声に、3人がオレたちを振り返る。

修吾以外のの2人はオレたちを見て、『お疲れ様ですっ!』って声をそろえた。


「おつかれー、ゴメンな、遅くなって」

オレもみんなに声をかける。


残りの2人は、同じテニス部の1年生。

修吾セレクトの、見た目ちょっとチャラい系のイケメンたち。

性格はとってもいい奴らだ。



ていうか、

今日の男のメンバーって、すごくないか・・・・・?


あきらに修吾に、テニス部の1年の中でもイケメンの2人。


オレって、明らかに場違いな感じだ。。。。。



・・・・もう、帰りたいかも。。。。。。



「まだ女のコたちは来てないから、大丈夫」

修吾はニッて笑って、あきらを肘でつついた。

「あきら、今日はちゃんとかわいい後輩たちにも譲ってやれよー」

そう言って、あきらに釘をさす。

「ついでに、オレにもちゃんと譲ってねー」

後輩だけでなく、ちゃんと自分にも譲れとアピールする修吾に、あきらは小さくため息をつく。

「修吾はオレが譲る必要なんかねーだろ」

「やーだよ。 ずっと遊んでるあきらと違って、オレは寂しくなってきたし、そろそろ彼女欲しーんだよね」


修吾は2か月くらい前に彼女と別れていた。

まあ、理由は修吾の浮気なんだけど。。。


「お前なー、彼女作るんなら、遊ぶのやめろよな?」

オレが呆れて修吾に言うと、修吾はオレの肩に腕を回してきた。



「レイキさあ、今日ここ来て大丈夫なのか?」

は?

修吾の言葉の意味が分からず、すぐに返事が出来ない。

「どういう意味だよ?」


修吾は至近距離でオレのカオを覗き込んでくる。

「レイキさぁ、最近好きなやつとかできたの?」


なっ・・・・・


どきっとして、修吾から目を逸らす。

「な、んで?」


「んー? 何か部活中も上の空の事、多いし?」


最近、修吾に少し心配されてるのは分かってた。


「そ、そんなこと、ねーよ。  
今日だって、オレ好みのコ、来てくれるように修吾が頼んでくれてんだろ? 楽しみに・・・してるし」

「そ? ならいーけど」



修吾はオレの首筋にカオを近づけた。



「・・・・・今日も、あきらに香水借りたのか?」



呟くような、いつもより少し低い修吾の声に、心臓がぎゅってなった。



・・・・また、香りがうつってた・・・?



ここに来る前に、あきらとしていたことを思い出す。




「あ・・・・う、うん。 ・・・ちょっと、気合入れてきたんだ・・・」

オレはごまかすために、へらって笑ってみせた。

「やっぱ、オレには似合わねーよな?」


修吾はオレの首筋にカオを近づけたまま、


「・・・・・この香りのついてない、レイキの方が、イイと思うけど?」


小さく、オレの耳にだけ届くように、修吾は呟いた。



「しゅう・・・・ご・・・・?」



何だ? この、違和感。


どうして修吾はこんな言い方をするんだ・・・・?



「似合わない」じゃなくて、

「この香りのついていないレイキの方がいい」?



なんだかわからないけど、オレの鼓動が早くなる。

・・・・・不安、だ。

でも、なに、が?




あきらが近づいてきて、修吾の肩をつかんだ。

「修吾、何やってんだよ」

オレの首筋にキスをするくらい、近くにカオを寄せていた修吾を、冷たい瞳で睨みつける。


修吾も一瞬あきらのことを睨みつけて、すぐに目を逸らした。

「なんでもねーよ。 レイキとダブルスの愛を深めてただーけ」

オレから離れながら、いつもの軽い口調で言う。




・・・・・修吾は・・・・・・疑ってる。

オレと、あきらのこと。


言いようのない不安が、オレの心を埋め尽くしていく。





「おまたせーーーっ」


その時、女のコたちの声が響いた。


「おーーっ、待ってたよーーー」

修吾が満面の笑顔で女のコたちを迎える。


いつもの修吾に戻ったのを見て、オレはそっと息を吐いた。


「レイキ、大丈夫か?」

あきらが心配そうなカオでオレに近づく。

オレは思わずあとずさって、あきらと距離を取った。


オレの反応に、あきらの動きが止まる。

「・・・レイキ?」

首を傾げて、怪訝そうな、声。


「だ、だいじょーぶだから。な?」

オレはへらって笑って、修吾たちのとこに行った。


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