君の笑顔が大好きで -モテないオレとイケメン親友の恋-

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16.※ フェロモン

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「んっ・・・うぅ・・・・」

あきらの舌がオレの口内をなぞっていく。

「んんッ・・・・」

腰に響く快感に立てなくなりそうで、オレはあきらにしがみついた。

「・・・・レイキ、お前ホント、エロい」

そう言って、オレの耳孔を舐める。


ぴちゃっ・・・・


「ぁあっ・・・」

水音が直接頭に響いて、頭の芯までしびれていく。



オレたちは今、普段は使われていない空き教室にいる。

いつの間にか、時間があればここにきて、あきらとキスを交わすようになっていた。

物置のように使われているので、奥まで入れば廊下からは中が見えない。

オレたちには好都合だった。

・・・・まあ、あきらは前からうちの学校のいろんな女のコと来てたみたいだけど。



オレの制服のネクタイを緩めて、シャツのボタンを外していく。

前を少しはだけさせて鎖骨のところにキスを落とす。


「んんっ・・・・」


もうオレは、あきらにどこにキスされても快感をおぼえるようになってしまっている。



「レイキ・・・・・お前、何でそんな色っぽいんだよ・・・・」


「んっ・・・・・、そ・・・・んなこと、思ってんの、あきらだけだろ・・・・」


あきらはオレのネクタイをといてシャツのボタンをもっと外すと、オレの左肩を出した。


「んなことねーよ・・・・。 今日、亮介が言ってただろ。 『モテオーラが出てる』って」


左肩に強く吸いつくようなキスをする。


軽い痛みが走って、オレは肩をすくめた。


「あれってさ、フェロモンのことだぜ。 ・・・・レイキ、最近フェロモンふりまきすぎだからさ」


・・・・絶対、肩にキスマーク付いてる・・・よな・・・


「ふりまいてなんかねーよ・・・・・っていうか、あきらっ、『オレにはわかんねー』って言ってたじゃん」

亮介に聞かれて、あきら、

『今のレイキにモテオーラがあるかどうかは・・・オレにはわかんねーけど?』

って言ってた。


あきらはオレを少し睨む。

「ふりまいてる。 亮介より前から、オレはわかってたし。  ・・・・なんか、亮介にまで気づかれてるってのがショックでさ」


あの時、機嫌が悪かったのは、そのせい・・・なんだな・・・・


「いや・・・でも、亮介の言ってるのは、気のせいだと思うけど・・・」



あきらはオレの首筋にカオをうずめて、キスをしてきた。

また、ぞくって、しびれが走る。


「・・・・レイキは、自覚なさすぎなんだよ」


「・・・っ、わけわかんねーよ・・・・・んぁっ、・・・あきら、もう・・・行かないとっ・・・」



今から部活だ。

いつもより少し早目にHRが終わったから、ここに来てしまった。

あんまり遅くなると、亮介だって不思議がるし・・・・


「んっ・・・・」


もう一度だけ深いキスをして、離れた。



下半身は立派に反応しちゃってるけど、もう行かなきゃ・・・・


オレはシャツの第二ボタンまで留めて、ネクタイを緩めに締め直す。 



「あきら、キスマークはつけんなよ」

肩だから、着替えの時だけ気をつければ大丈夫だとは思うけど、やっぱり見えないか気になるから。


「悪い。・・・・レイキ、機嫌直して?」

言って、ちゅってキスをしてきた。


別に、怒ってるわけじゃないんだけど、あきらのキスがうれしかったから何も言わないでいた。






更衣室に行ったとき、中にはちょうど他に誰もいなくて、気にせず着替えが出来て良かった。

ただ、二人きりだったから、もう1回、あきらにキスされたけど。




オレとあきらがランニングをしている時、修吾がやってきた。

隣に並んで走る。

「よう。二人とも、今度の土曜の練習の後ってヒマ?」


土曜は、練習以外に別に用事はないな・・・

「オレは、大丈夫」


「オレも」

あきらもうなずく。



修吾はニッて笑って、

「よかった。 この間言ってた合コン、そこで組むから。 よろしくな」


合コン・・・・・?


この間、修吾と一緒に帰った時・・・・そう言えば、お願いしてたんだったな。。。

今となってはあんまり興味もないけど、修吾に頼んだ手前、行かないとも言えないし。。


修吾はオレにカオを寄せてきて、

「レイキが好きそうな感じのコ、ちゃんと連れてくるよう言ってるからさ」

って、小声で言った。


・・・・・・そうだった。 そんなこと頼んでたんだったな・・・・・・


「あれ?」

修吾が不思議そうな声を上げる。

「レイキ、香水つけてたっけ?」

香水?

あきらはつけてるけど、オレはつけたことない。

「え? いや、つけてないけど?」


修吾はまたオレにカオを寄せて、

「・・・だって、イイ匂いするぜ?
・・・・・なんか、嗅いだことのある香りだな・・・・・・」


そう言って、走りながら今度はあきらの隣に回り、あきらにカオを寄せた。


「・・・ああ。 あきらとおんなじ香りか」


・・・・・・まじか。。。。


部活に来る前、空き教室であきらとしていたことを思い出す。


そうだよな。

あんなにくっついてたら、香りだってうつって当たり前だ・・・


思い出すと急に恥ずかしくなってきて、カオがほてってくる。

・・・・・まずい。



「レイキが気に入ってたからさ、貸してやったんだ」

あきらがオレをフォローしてくれる。

「あ、ああ。 いい香りだったから、ちょっと借りたんだ」

オレもあきらの言葉に合わせた。



オレ、普通に返せてるかな。

恥ずかしくて、修吾のカオが見れない。


「確かにいい香りだけど、レイキにはちょっと大人っぽ過ぎるかもな」


修吾はちょっと笑いながら、普通に感想を返してくる。


「そう・・・・だな」


オレも、へらって笑ってみせた。



・・・・香りが移るなんて、考えもしなかった。

普段香水をつけてないオレから、あきらとおんなじ香りがしたら、変だよな・・・・・


もちろん、それだけで勘ぐるような奴はいないと思うけど・・・・


もう少し、気を使わないといけないかも・・・


そう考えて、また心が少し重くなる。



・・・・・・・・オレたちって、基本的に隠さなきゃいけない、関係なんだよな。


今まで、『あきらと』キスしたい、とか、『あきらに』抱かれたい、とか、あきら限定で考えてたけど・・・


オレたちは男同士なんだから、それだけで普通じゃないんだよな・・・・



今日だって、あきらは女のコに好意を寄せられてた。

あんなにモテるのに、オレなんかが、男が、そばにいていいのかな・・・・



その日の練習にはなんとなく身が入らなかった。

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