君の笑顔が大好きで -モテないオレとイケメン親友の恋-

mii

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9.※ キス、したい

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「・・・・あきら、ゴメン。わざわざ来てくれて」

うつむいたまま、オレはしゃべる。


あきらは、電話を切ってすぐ、チャリをとばしてきてくれたらしい。

家にいたんだろうから、あきらもラフな部屋着のままだった。

風呂に入った後なんだろう。 髪も、ワックスがついてなくて、サラサラのままだ。


・・・・・それでも、やっぱりカッコいいんだけど。



あきらはチャリを押しながら歩いていて、オレたちの足は一応、近くのコンビニに向かってる。


「・・・レイキ、どうしたんだ?」

心配そうにオレを見るあきら。

オレは無理やり笑顔を作って、あきらに向けた。

「べ、別に何もねーんだって! さっき言ったじゃん、間違ってかけたって」



「・・・・・そ、か・・・・」

あきらはそれきり口をつぐんで、オレから目を逸らして前を見る。


オレの言うことを信じてるわけじゃないだろうが、オレが何も言わない以上、しょうがないと思ってるのかな・・・?



家からそう遠くないコンビニには、すぐ着いた。


コンビニの前には、小さな公園がある。


「・・・・ちょっと、座んねえ?」


あきらに促されて公園に入り、入ってすぐのところにあるベンチに、二人で腰掛けた。




少し沈黙が落ちた後、

「・・・レイキ、ホントに何もねーの・・・?」

あきらがもう一回聞いてくる。


「ホント、ねーから! 大丈夫!」

オレは努めて明るく言った。



あきらは一つ、ため息をついた。

「・・・・オレは、さ。 心配なんだよな、レイキのことが」


まっすぐに、オレを見つめてくる。



どくんっ。


あきらの眼差しに、オレの心臓が跳ねた。



・・・・・・もう、オレ、ダメ、だ。


あきらに、嫌われてしまう。



不安に押しつぶされそうになりながら、オレは隣に座っているあきらに少し身を寄せ、距離を詰めた。


「・・・・レイキ?」



オレは無言のまま、屋上でしたみたいに、あきらの胸にカオをうずめる。

いつものあきらの香水の香りはなくて、風呂上がりのシャンプーやボディーソープの香りがした。

普段と違うあきらに、さらにどきどきしてしまう。



「・・・・・・ゴメン。・・・・こーしてて、いいか・・・?」

不安で、消え入りそうな声で聞いた。



あきらはそっとオレの背中に腕を回して、抱きしめてくれた。

「いいぜ・・・」


あきらの、低く、響く声。


オレの腰に、響く・・・・・



「・・・・・これだけで、いいのか・・・?」



あきらに促されて、オレは、決心をした。



「・・・・・あきらあ」

「・・・・うん?」



「・・・・・・キス、して・・・・?」



ぴくっ、と、あきらの体に力が入るのが分かった。



・・・・やっぱ、驚くよなあ。イヤだよなあ。

・・・オレ、どうしよう。

もうあきらはオレに愛想を尽かすだろう。



「・・・ご、めん。変なこと言っ・・・」


言葉の途中で、あきらの両手がオレの頬に来て、ぐいって上向かされた。



唇に、温かくやわらかいものが触れる。



あきらの・・・唇・・・・だ・・・


すご・・・ 気持ち、いい・・・・




少し触れただけの唇は、ゆっくりと離れていった。



「・・・・・レイキ・・・・!」

至近距離で見るあきらの切れ長の瞳には、熱情が浮かんでいた。



もう一度、あきらが唇を重ねてくる。


と、薄く開いていたオレの口の隙間から、温かくぬるっとした物が入ってきた。


「んうっ・・・」


一度目より唇は深く重なり合い、あきらの舌がオレの口の中をなぞっていく。



ぞくっ・・・・・


キスが腰をしびれさせる。


オレはたまらず、身をよじった。



あきらは唇を離すと、口角を持ち上げて笑った。


「・・・・・・・レイキ、気持ちいいの?」


「ああ・・・・気持ちいい・・・・」


本当に気持ちよくて。

オレはうっとりとして答えた。




「あきら・・・・もっと・・・・して・・・・?」


もう、不安や羞恥はなくなって、ただただ快感を求めたくなっていた。


あきらの首に両腕をまわして、オレは自分から唇を重ねた。



あきらの舌が、またオレの口内に入ってくる。

歯列をなぞられて、また腰にしびれが走った。


「んふっ・・・・」

鼻から抜ける、自分の声に少し驚く。


女の子みたいに、甘い声を上げる自分・・・


あきらの舌は、オレの動きを求めるように、オレの舌を絡め取ってきた。


「んん・・・・」


オレはゆっくりと舌を動かしてみる。 あきらの舌に応えるように。



「はふっ・・・・」


ファーストキスだったし、こんな激しいキスなんて、もちろん初めてで。


上手く息のできないオレは、キスの合間に、空気を求める。


オレの開いた口から、お互いの唾液が混ざり合って、つっと零れ落ちた。



「・・・・レイキ、エロい」


あきらはフッと笑って、オレの顎に零れ落ちる唾液を、ぺろってなめとった。



「・・・あきら、キス、して・・・」

オレは自ら口をあけて、あきらにキスをねだる。


かなり恥ずかしい行為だが、熱に浮かされてて、正常な思考が働かない・・・・・



あきらは、オレの唇を舌できれいになめとっていく。



下半身に熱はどんどん集まり、オレのモノは完全に立ち上がっていた。


熱をどうにかしたくて、オレは大腿をすり合わせる。



深く唇を重ねながら、あきらは手を、オレの服の下にすべり込ませてきた。


「んっ・・・」


腹から胸へと、あきらの指が滑ってくる。



「はあっ・・・・・」


あきらの動き、一つ一つに、オレの体が反応してしまう。


腰を震わせ、身をよじって、快感に耐える。



「・・・・レイキっ。 なんでそんなっ・・・・オレを誘うんだよ・・・!!」


あきらの表情も、熱に浮かされていた。



人が来るかもしれない公園で。

親友のあきらと。

キスをして、快感を求めあって。



異常なこの状況に、さらに興奮してしまう。




オレは思わず、あきらの股間に手を伸ばした。


「・・・・っ、レイキっ」


あきらが慌てたようにオレの手を押さえつけ、自分のモノから離させた。


・・・・あきらのモノも、しっかりと立ち上がっていた。



「あきらぁ・・・・・キス・・・・」


キスをねだると、すぐに唇が降ってくる。



あきらがオレに欲情してくれていることが、なんだかうれしかった。



深いキスをしながら、あきらがオレにそっと体重をかけてきた。


オレはあきらに、ベンチの上に押し倒される格好になる。



・・・・ちゅっ。

音を立てて唇が離れていく。


あきらは少しカオを離してオレを見つめた。


「レイキ・・・・このままじゃオレ、止まんなくなる・・・・!」



熱に浮かされた表情のあきらは、すごくキレイだ。


もっと、もっと、あきらのいろんな表情を見たい・・・・・・



「もっと、して・・・・」


オレはあきらの首に腕を回し、自分の方に引き寄せる。



あきらはフッと笑って、


「レイキ、ここじゃまずくねえ?」



・・・・そう。分かってる。



ここはコンビニのすぐ前の公園。


コンビニに来た人がちょっとのぞけば、見えてしまう位置にあるベンチに、オレたちは居る。


もう誰かに見られたかもしれない。



でも、あきらを放したくない・・・・・・



あきらはオレを起こして座らせると、唇にちゅってキスをした。


こつんって、額と額を合わせて、


「・・・・レイキは、どうしたい?」


こんな状態で、あきらと離れられるわけ、ない。



オレはあきらの首に腕を回して抱き着いた。

「・・・離れたく、ない」


あきらはオレの背中に手を回して、抱きしめてくれた。

「オレも。離れたくない。
・・・・・レイキ、オレんち、来るか?」


「あきらの・・・?」


「・・・そ。 親は今日遅くなるらしくて、今いないんだよな。
・・・・・・・どうする・・・・・?」


このままあきらと別れて、家に帰るなんて考えられなかった。


「・・・・・行く」


「決まりだな」


もう一回、深く唇を重ねる。



それから、オレたちはあきらの家に向かった。


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