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閑話(第六部)
閑話2 ロナール
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オレはロナール。情報ギルド「ヒノマル」の幹部をやっている兎人族の男だ。サブマス……じゃない、ギルマスのメサリアからの指令で、とある人物の監視をやっている。
グランドマスターを陥れようとしている奴らしいが、まったく無謀なことを考えるよな。
「しっかしこれ、えげつねぇ性能してやがるよな……」
手に持っているのは黒くて平べったい板状の魔道具だ。そこには屋敷の執務室で仕事をするターゲットが映し出されている。もちろんオレ自身は屋敷内に潜んでいるわけではなく、屋敷の敷地を囲う壁に背を付きながらのんびりと魔道具を眺めているわけだが。
聞いた話によると、グランドマスターがターゲットに張り付けた小型のゴーレムが監視しているという。そいつから映像が送られているとのこと。
「おかげで仕事が楽だが……。深く考えるのはよそう」
グランドマスターが作り出した道具らしいが詳細は聞いていない。もうひとつある「すまほ」という魔道具も恐ろしい性能をしている。個人的には国宝級の魔道具と言われても信じてしまいそうな性能だけど、オレ達幹部より一つ下くらいのメンバーにまで配られているらしい。
景色を切り取って記録するってなんなんだよ。しかも音まで記録できるんだぜ? 信じられるか?
「はぁ……」
隠密のスキルを磨いてきた自分が、道具に取って代わられるというのも虚しさを感じる要因でもある。幹部なんてやってるが、たまたま以前の地位を引き継いでいるに過ぎないのだ。
以前、グランドマスターの尾行という任務を失敗した直後にギルドが再編成されて有耶無耶になっているだけという、いつ放り出されてもおかしくない状況だ。
「おっと、しっかり仕事はしねぇとな」
映像の中のターゲットが動き出したので、手持ちのすまほで魔道具の映像を撮影する。ターゲットを追いかけるゴーレムは特に指示を出さなくても自動で追いかけてくれるので楽だ。もちろん別のものを映せと指示を出すこともできる。
ターゲットが執務室の椅子から立ち上がり、背後の棚へと向かう。いくつかの本をどけると、壁の奥にある微妙な出っ張りを引かっけてスライドさせると、その中にドアノブが現れたのだ。
「ハハハ、まさかこんなに簡単に隠し部屋がバレてるとは思ってねぇだろうなぁ」
乾いた笑いを上げつつもその映像をすまほに収めると、ターゲットの動きを観察する。どうやら書類を隠し金庫に収納しているようだ。確か冤罪をかけた相手の犯罪認定の書類だったか? ここにグランドマスターのもあるのかな。
「んん?」
ちょうどそのとき、ターゲットが金庫に入れた書類が見えた。
「……マジか」
知り合いの名前が見えてしまった。
オレ自身はこの国の王都に来て間もないが、情報収集のために走り回っているうちに、冒険者をやっている知己も増えたんだが……。
「くっくっく、謂れのない冤罪をかけられてご愁傷様としか言いようがないが、アイツのおかげでターゲットの不正書類の隠し場所がわかったわけか」
ハメられてくれてありがとうなんて正面からは言えないが、あとで飯でも奢ってやるか。
「あとは、えーと」
撮った動画をギルマスのぱそこんとやらに送れば任務完了だ。一応このすまほからでも文章は送れるが、慣れないせいか時間がかかる。直接向かって口頭で伝えたほうが早いのだ。
「よし。それじゃあとは、アイツ探して飯でも食いに行きますかね」
無事に任務を達成できたことに気分を良くして、ターゲットの屋敷から離れるのだった。
グランドマスターを陥れようとしている奴らしいが、まったく無謀なことを考えるよな。
「しっかしこれ、えげつねぇ性能してやがるよな……」
手に持っているのは黒くて平べったい板状の魔道具だ。そこには屋敷の執務室で仕事をするターゲットが映し出されている。もちろんオレ自身は屋敷内に潜んでいるわけではなく、屋敷の敷地を囲う壁に背を付きながらのんびりと魔道具を眺めているわけだが。
聞いた話によると、グランドマスターがターゲットに張り付けた小型のゴーレムが監視しているという。そいつから映像が送られているとのこと。
「おかげで仕事が楽だが……。深く考えるのはよそう」
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景色を切り取って記録するってなんなんだよ。しかも音まで記録できるんだぜ? 信じられるか?
「はぁ……」
隠密のスキルを磨いてきた自分が、道具に取って代わられるというのも虚しさを感じる要因でもある。幹部なんてやってるが、たまたま以前の地位を引き継いでいるに過ぎないのだ。
以前、グランドマスターの尾行という任務を失敗した直後にギルドが再編成されて有耶無耶になっているだけという、いつ放り出されてもおかしくない状況だ。
「おっと、しっかり仕事はしねぇとな」
映像の中のターゲットが動き出したので、手持ちのすまほで魔道具の映像を撮影する。ターゲットを追いかけるゴーレムは特に指示を出さなくても自動で追いかけてくれるので楽だ。もちろん別のものを映せと指示を出すこともできる。
ターゲットが執務室の椅子から立ち上がり、背後の棚へと向かう。いくつかの本をどけると、壁の奥にある微妙な出っ張りを引かっけてスライドさせると、その中にドアノブが現れたのだ。
「ハハハ、まさかこんなに簡単に隠し部屋がバレてるとは思ってねぇだろうなぁ」
乾いた笑いを上げつつもその映像をすまほに収めると、ターゲットの動きを観察する。どうやら書類を隠し金庫に収納しているようだ。確か冤罪をかけた相手の犯罪認定の書類だったか? ここにグランドマスターのもあるのかな。
「んん?」
ちょうどそのとき、ターゲットが金庫に入れた書類が見えた。
「……マジか」
知り合いの名前が見えてしまった。
オレ自身はこの国の王都に来て間もないが、情報収集のために走り回っているうちに、冒険者をやっている知己も増えたんだが……。
「くっくっく、謂れのない冤罪をかけられてご愁傷様としか言いようがないが、アイツのおかげでターゲットの不正書類の隠し場所がわかったわけか」
ハメられてくれてありがとうなんて正面からは言えないが、あとで飯でも奢ってやるか。
「あとは、えーと」
撮った動画をギルマスのぱそこんとやらに送れば任務完了だ。一応このすまほからでも文章は送れるが、慣れないせいか時間がかかる。直接向かって口頭で伝えたほうが早いのだ。
「よし。それじゃあとは、アイツ探して飯でも食いに行きますかね」
無事に任務を達成できたことに気分を良くして、ターゲットの屋敷から離れるのだった。
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