333 / 421
第六部
達成報告
しおりを挟む
「はいもしもし」
昼過ぎまで魔の森で採集や狩りをしていると、イヴァンから連絡があった。
『あぁ、シュウか』
「どうしたんだ?」
『あー、それなんだが……、ちょっと魔物を狩りすぎてどうしたもんかと……』
何とも歯切れ悪い声がスマホの向こうから聞こえてくる。
『ギルドにたくさん持っていけばその分依頼達成数が稼げるんだろ?』
「たぶんそのはず」
冒険者なりたての頃を思い出す。集めた薬草をまとめて提出した時は、依頼達成数をそれなりに稼いでいた気がする。魔物もいっぱい納めれば同じなのではなかろうか。
「にしてもそんなに狩ったんだ?」
『ああ、どうも群れに遭遇したみたいでな』
「もう大丈夫なのか」
電話してくる余裕ができたからだろうけど念のため聞いてみるが、やはり予想通りで全滅させた後とのことだ。
『これ以上持てないんだけどなんかもったいなくてなぁ。それに早く俺もランクを上げて魔の森に行ってみたいし』
「わかった。んじゃそっちに行ってみる」
『助かる』
「何かあったの?」
電話が切れると莉緒が尋ねてくる。フォニアもなんだか眉を寄せて心配そうにしている。
「いや、魔物を狩りすぎたからなんとかならないかって」
「へ?」
「全部持って帰って依頼達成数を稼ぎたいらしい」
「あぁ、そういうことね」
よくわかっていないフォニアにも説明すると、イヴァン兄すごいと嬉しそうに目をキラキラさせている。何かあったら連絡するの『何か』は、悪い報告しかないと思っていたのかもしれない。
「それじゃ、今からイヴァンのところに行こうか」
「はーい!」
元気になったフォニアの返事を聞くと、次元魔法を発動させてイヴァンのもとへと繋ぐ。トンネルをくぐればそこはもうイヴァンの目の前だ。
「わざわざ来てもらって悪いな」
「気にしなくていいぞ」
どんな魔物が獲れたのかも気になるしな。美味い肉があればちゃんと持って帰らないとダメだろうし。
周囲を見回せばそこかしこに魔物が転がっている。鹿のような角の生えた六本足の猪みたいなやつだ。
「でも俺が回収してたら単独での依頼達成にならないんじゃ?」
「あぁ……、そうかもしれない……」
結局イヴァンが一人でギルドへと納入しなければ単独依頼とはみなされないだろう。運搬だけとはいえ手伝ってしまえば周囲からどう見られるかは明らかだ。
項垂れるイヴァンだったが、すぐ近くから両手をパンと合わせる音が聞こえてくる。
「じゃあ収納カバンでも探してみる?」
振り返れば莉緒が両手を合わせてそんな提案をしてきた。
「そんなアイテムもあったなぁ」
異空間ボックスを使える俺たちには必要のない鞄だったので、全く意識にもなかったけど今のイヴァンなら便利に使えるアイテムだ。
「いやいや、それってすんげえ高いやつだよな」
「値段なら気にしなくていいぞ」
なんかよくわからないくらいに資産はあるからな。
「そんなに言うほど高くないと思うし」
金銭感覚のマヒしてきている俺たちだから問題などあるわけもない。
「俺が気にするんだよ! そんな高いもの持ち歩きたくねぇぞ」
「じゃあちまちま依頼数を稼ぐしかないな」
「うぐっ」
うめき声が聞こえてくるが当然の帰結というものだ。大量に持って帰れないなら諦めるしかない。一人で一体ずつ納品するよりは俺が手伝ってまとめて納品したほうがランクアップも速そうだが、毎日イヴァンのもとに通って獲物回収作業はやりたくない。
「盗られたら取り返してあげるから大丈夫だって」
莉緒が安心させるように笑みを浮かべるが、確かに取り返せば問題ないな。
「そういう問題じゃないんだが……」
なおも文句を垂れるイヴァンを無視して収納カバンについて考えてみる。
要するに異空間ボックスが付与された鞄だろ? もしかすると作れたりしないかな。なんだかんだスマホも作れたし、どこでも○アを実現するよりは簡単そうな気がする。
とりあえず今は魔物の回収だ。一体だけ残して莉緒と手分けして魔物を回収すると、いったん街に戻ることにした。
「じゃあまたあとでな。収納カバンを手に入れるにせよ、いったん魔物はこっちで預かっとくよ」
「ああ、とりあえず助かった」
その場で解散すると、各々が街を出た門から帰還するのであった。
街の北門近くに転移すると街の中へと入る。まだ日は高いため、そこまで混んでおらずすんなりと入ることができた。そのまま大通りを進んでギルドへと入れば周囲がざわついていく。あれがSランクの、と慄くやつや、まだガキじゃねぇかと侮る奴らだ。
ギルド内もまだピーク前なのだろう。依頼報告をする人は多くなくそこまで混んでいる印象はない。買取カウンターへと向かえば、自然と人が避けてできた道を進んでいく。空いているカウンターの前に立つと、目の前にいた職員がごくりと唾を飲み込むのが見えた。
なんというか、普通に接してほしいなと思わないでもないが、Sランクの威光を利かせるのとトレードオフなんだろう。
「買取お願いします」
「は、はい!」
直立不動で答える職員の前に、常時依頼として出ていたものを一種類ずつ取り出していく。どこからともなく取り出される依頼品にざわめきが大きくなるが、取り出す量が増えていくにつれ静かになった。
薬草類の束に始まり果実や野菜類、そして小型の魔物へと推移していく。昆虫や動物、植物タイプと魔物の種類もたくさんいてさすが魔の森といった感じだ。
「これで全部かな」
「わかりました!」
カウンターの上に溢れんばかりに積み上げられた依頼の品が次々に処理されていく。特に査定額が下がるようなものもなく、すべて満額になるだろうとのことだった。
昼過ぎまで魔の森で採集や狩りをしていると、イヴァンから連絡があった。
『あぁ、シュウか』
「どうしたんだ?」
『あー、それなんだが……、ちょっと魔物を狩りすぎてどうしたもんかと……』
何とも歯切れ悪い声がスマホの向こうから聞こえてくる。
『ギルドにたくさん持っていけばその分依頼達成数が稼げるんだろ?』
「たぶんそのはず」
冒険者なりたての頃を思い出す。集めた薬草をまとめて提出した時は、依頼達成数をそれなりに稼いでいた気がする。魔物もいっぱい納めれば同じなのではなかろうか。
「にしてもそんなに狩ったんだ?」
『ああ、どうも群れに遭遇したみたいでな』
「もう大丈夫なのか」
電話してくる余裕ができたからだろうけど念のため聞いてみるが、やはり予想通りで全滅させた後とのことだ。
『これ以上持てないんだけどなんかもったいなくてなぁ。それに早く俺もランクを上げて魔の森に行ってみたいし』
「わかった。んじゃそっちに行ってみる」
『助かる』
「何かあったの?」
電話が切れると莉緒が尋ねてくる。フォニアもなんだか眉を寄せて心配そうにしている。
「いや、魔物を狩りすぎたからなんとかならないかって」
「へ?」
「全部持って帰って依頼達成数を稼ぎたいらしい」
「あぁ、そういうことね」
よくわかっていないフォニアにも説明すると、イヴァン兄すごいと嬉しそうに目をキラキラさせている。何かあったら連絡するの『何か』は、悪い報告しかないと思っていたのかもしれない。
「それじゃ、今からイヴァンのところに行こうか」
「はーい!」
元気になったフォニアの返事を聞くと、次元魔法を発動させてイヴァンのもとへと繋ぐ。トンネルをくぐればそこはもうイヴァンの目の前だ。
「わざわざ来てもらって悪いな」
「気にしなくていいぞ」
どんな魔物が獲れたのかも気になるしな。美味い肉があればちゃんと持って帰らないとダメだろうし。
周囲を見回せばそこかしこに魔物が転がっている。鹿のような角の生えた六本足の猪みたいなやつだ。
「でも俺が回収してたら単独での依頼達成にならないんじゃ?」
「あぁ……、そうかもしれない……」
結局イヴァンが一人でギルドへと納入しなければ単独依頼とはみなされないだろう。運搬だけとはいえ手伝ってしまえば周囲からどう見られるかは明らかだ。
項垂れるイヴァンだったが、すぐ近くから両手をパンと合わせる音が聞こえてくる。
「じゃあ収納カバンでも探してみる?」
振り返れば莉緒が両手を合わせてそんな提案をしてきた。
「そんなアイテムもあったなぁ」
異空間ボックスを使える俺たちには必要のない鞄だったので、全く意識にもなかったけど今のイヴァンなら便利に使えるアイテムだ。
「いやいや、それってすんげえ高いやつだよな」
「値段なら気にしなくていいぞ」
なんかよくわからないくらいに資産はあるからな。
「そんなに言うほど高くないと思うし」
金銭感覚のマヒしてきている俺たちだから問題などあるわけもない。
「俺が気にするんだよ! そんな高いもの持ち歩きたくねぇぞ」
「じゃあちまちま依頼数を稼ぐしかないな」
「うぐっ」
うめき声が聞こえてくるが当然の帰結というものだ。大量に持って帰れないなら諦めるしかない。一人で一体ずつ納品するよりは俺が手伝ってまとめて納品したほうがランクアップも速そうだが、毎日イヴァンのもとに通って獲物回収作業はやりたくない。
「盗られたら取り返してあげるから大丈夫だって」
莉緒が安心させるように笑みを浮かべるが、確かに取り返せば問題ないな。
「そういう問題じゃないんだが……」
なおも文句を垂れるイヴァンを無視して収納カバンについて考えてみる。
要するに異空間ボックスが付与された鞄だろ? もしかすると作れたりしないかな。なんだかんだスマホも作れたし、どこでも○アを実現するよりは簡単そうな気がする。
とりあえず今は魔物の回収だ。一体だけ残して莉緒と手分けして魔物を回収すると、いったん街に戻ることにした。
「じゃあまたあとでな。収納カバンを手に入れるにせよ、いったん魔物はこっちで預かっとくよ」
「ああ、とりあえず助かった」
その場で解散すると、各々が街を出た門から帰還するのであった。
街の北門近くに転移すると街の中へと入る。まだ日は高いため、そこまで混んでおらずすんなりと入ることができた。そのまま大通りを進んでギルドへと入れば周囲がざわついていく。あれがSランクの、と慄くやつや、まだガキじゃねぇかと侮る奴らだ。
ギルド内もまだピーク前なのだろう。依頼報告をする人は多くなくそこまで混んでいる印象はない。買取カウンターへと向かえば、自然と人が避けてできた道を進んでいく。空いているカウンターの前に立つと、目の前にいた職員がごくりと唾を飲み込むのが見えた。
なんというか、普通に接してほしいなと思わないでもないが、Sランクの威光を利かせるのとトレードオフなんだろう。
「買取お願いします」
「は、はい!」
直立不動で答える職員の前に、常時依頼として出ていたものを一種類ずつ取り出していく。どこからともなく取り出される依頼品にざわめきが大きくなるが、取り出す量が増えていくにつれ静かになった。
薬草類の束に始まり果実や野菜類、そして小型の魔物へと推移していく。昆虫や動物、植物タイプと魔物の種類もたくさんいてさすが魔の森といった感じだ。
「これで全部かな」
「わかりました!」
カウンターの上に溢れんばかりに積み上げられた依頼の品が次々に処理されていく。特に査定額が下がるようなものもなく、すべて満額になるだろうとのことだった。
19
お気に入りに追加
513
あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる