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二回目のお風呂
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「はぁー、まったく、何でみんな俺と風呂に入りたがるかね」
脱衣所で一人服を脱ぎながら、俺はため息をつく。まぁ女の子になってしまった俺が気になるというのはわからないでもない。だがしかし、元男というのはそんなに気にならないものなんだろうか。
例えば俺が男のままだったとして、佳織が男になったとする。それで一緒に風呂に入りたくなるかというと……、ないな。それが例え静や千亜季だったとしても変わらない。元女だったとしても、見た目が男になったやつとなぜ一緒に風呂に入らにゃならんのか。
結局あの後、俺と一緒に風呂に入る人をじゃんけんで決めようとする静と千亜季に、断固として抗議する佳織の議論が白熱して終わらなかったのだ。その間にお風呂が沸いたもんだから、とりあえず先にお風呂にきたのだ。
改めて自分の体を見下ろしてみる。形の良いおっぱいを超えて視線を下半身へと向けるが、もちろんそこに男の象徴はない。お尻も丸みを帯びていて、完全に見た目は女の子になっている。
「なんなのかね、この現象は……」
なぜ女の子になってしまったのか、考えてもわからないことはスルーして二の腕をぷにぷにと触る。ひとしきり触って満足すると、とりあえず風呂に入ることにする。……と思ったら脱衣所の外が何やら騒がしい。
結局全員で来たのかと思って呆れていると、いきなり廊下へと続く扉が開いた。
案の定扉の向こうには三人が立ち尽くしている。
背を向けつつも顔だけはこっちを向いている佳織。その向こう側に静と千亜季の姿が見える。なんとなく佳織は二人を止めているような姿勢になっているが、真意のほどはわからない。
「三人とも何やってんの……」
対する俺は全裸だ。もうここは脱衣所だし、裸でいることが不思議な空間ではない。タオルを右手で掴んで両腕を腰に当てた体勢で、どこも隠しはしない。
「「えーっと……」」
「ちょっと! 少しは前を隠しなさいよ!」
戸惑いを見せる二人の顔の前に手をかざして、佳織は二人から俺を必死に隠そうとしている。減るもんじゃねーし、別に構わないけど。何と言ってもここは脱衣所なんだし。
「ちょうどいい機会だからいいんじゃないか。女の子同士だし」
気になるって言ってたし、存分に見るがよい。ここなら俺は隠しはしないぜ。
「ホントに……」
「……女の子だ」
後ろの二人は佳織の手を躱しつつも、まじまじと俺を見つめている。若干頬を赤く染めているような気がするが、佳織との攻防のせいだろうか。
「それで、どうすんの? 俺はこのまま風呂に入るけど」
もう服を脱いでいるので俺の選択肢はひとつしかない。問題はこの三人だ。見たところ誰も着替えは持って来てなさそうだが。
「あー、うん、佳織お先にどうぞ」
「えっ?」
あれだけバトルを繰り広げていた静とは思えないセリフに一瞬固まる佳織。
「そうだね。佳織ちゃんどうぞ」
「ええっ?」
「わたしはもう満足したし、大丈夫よ?」
静の言葉に千亜季も一緒になって頷いている。ホントに俺をちらっと見て満足なのか。まぁ風呂に入る順番が解決したんであればいいことだ。
「じゃあお先に」
「あっ、待って!」
問題も解決したことだし、早く風呂へ行こうとすると佳織に呼び止められる。が、そんなことはスルーだ。ゴールデンウィークと言えば季節はまだまだ春だ。全裸でいるには肌寒いのだ。というわけで俺は佳織の言葉を無視して風呂へと入った。
「ちょっと……、なんで待っててくれないのよ!」
かけ湯をして湯船に浸かっていると、佳織がタオルで前を隠しながら入ってきた。ってホントに一緒に入るのな。静とのやりとりは売り言葉に買い言葉となったのか、冗談では済まされなくなったのかもしれない。
「脱衣所で待ってるとか寒いだろ」
「う……、そうね……」
ぎくしゃくとした動作でかけ湯をすると、佳織も湯船に入ってくる。狭い湯船だが、なんとか二人並んで入れないこともない。……ないんだが。ちょっと近くね?
ぴったりと肌が触れ合うくらいに近くに座る佳織。反対側を見るとちょっと隙間があるように見える。恥ずかしそうにしてるくせにこの積極性はなんなんだ。
「……」
しばらく無言で浸かっていたが、狭いしそろそろのぼせそうだ。ゆっくりと立ち上がると湯船から出て、風呂の椅子へと腰かける。
「け……、圭一」
「ん?」
振り返ると佳織が頬を赤くしながら、湯船から立ち上がっている。今度はタオルで前を隠しておらず、形のいい双丘が目に飛び込んでくる。もちろん見えるのは上半身だけではない。
「な、なんだよ……」
一瞬この前の教員更衣室での出来事が思い出される。佳織の本性がさらけ出されたのかと身構えるが、ここは風呂の中だ。どんな恥ずかしがり屋さんでも全裸になってしまう場所なのだ。落ち着け俺。
「……頭、洗ったげる」
「お、おう。……そうか」
何を言われるのかと思ったがそんなことか。ホッと胸をなでおろすと共に、ちょっと嬉しくなる。頭洗ってもらうのって気持ちいいんだよなぁ。前回佳織と風呂に入った時を思い出しながら、視線を前方の鏡へと戻した。
脱衣所で一人服を脱ぎながら、俺はため息をつく。まぁ女の子になってしまった俺が気になるというのはわからないでもない。だがしかし、元男というのはそんなに気にならないものなんだろうか。
例えば俺が男のままだったとして、佳織が男になったとする。それで一緒に風呂に入りたくなるかというと……、ないな。それが例え静や千亜季だったとしても変わらない。元女だったとしても、見た目が男になったやつとなぜ一緒に風呂に入らにゃならんのか。
結局あの後、俺と一緒に風呂に入る人をじゃんけんで決めようとする静と千亜季に、断固として抗議する佳織の議論が白熱して終わらなかったのだ。その間にお風呂が沸いたもんだから、とりあえず先にお風呂にきたのだ。
改めて自分の体を見下ろしてみる。形の良いおっぱいを超えて視線を下半身へと向けるが、もちろんそこに男の象徴はない。お尻も丸みを帯びていて、完全に見た目は女の子になっている。
「なんなのかね、この現象は……」
なぜ女の子になってしまったのか、考えてもわからないことはスルーして二の腕をぷにぷにと触る。ひとしきり触って満足すると、とりあえず風呂に入ることにする。……と思ったら脱衣所の外が何やら騒がしい。
結局全員で来たのかと思って呆れていると、いきなり廊下へと続く扉が開いた。
案の定扉の向こうには三人が立ち尽くしている。
背を向けつつも顔だけはこっちを向いている佳織。その向こう側に静と千亜季の姿が見える。なんとなく佳織は二人を止めているような姿勢になっているが、真意のほどはわからない。
「三人とも何やってんの……」
対する俺は全裸だ。もうここは脱衣所だし、裸でいることが不思議な空間ではない。タオルを右手で掴んで両腕を腰に当てた体勢で、どこも隠しはしない。
「「えーっと……」」
「ちょっと! 少しは前を隠しなさいよ!」
戸惑いを見せる二人の顔の前に手をかざして、佳織は二人から俺を必死に隠そうとしている。減るもんじゃねーし、別に構わないけど。何と言ってもここは脱衣所なんだし。
「ちょうどいい機会だからいいんじゃないか。女の子同士だし」
気になるって言ってたし、存分に見るがよい。ここなら俺は隠しはしないぜ。
「ホントに……」
「……女の子だ」
後ろの二人は佳織の手を躱しつつも、まじまじと俺を見つめている。若干頬を赤く染めているような気がするが、佳織との攻防のせいだろうか。
「それで、どうすんの? 俺はこのまま風呂に入るけど」
もう服を脱いでいるので俺の選択肢はひとつしかない。問題はこの三人だ。見たところ誰も着替えは持って来てなさそうだが。
「あー、うん、佳織お先にどうぞ」
「えっ?」
あれだけバトルを繰り広げていた静とは思えないセリフに一瞬固まる佳織。
「そうだね。佳織ちゃんどうぞ」
「ええっ?」
「わたしはもう満足したし、大丈夫よ?」
静の言葉に千亜季も一緒になって頷いている。ホントに俺をちらっと見て満足なのか。まぁ風呂に入る順番が解決したんであればいいことだ。
「じゃあお先に」
「あっ、待って!」
問題も解決したことだし、早く風呂へ行こうとすると佳織に呼び止められる。が、そんなことはスルーだ。ゴールデンウィークと言えば季節はまだまだ春だ。全裸でいるには肌寒いのだ。というわけで俺は佳織の言葉を無視して風呂へと入った。
「ちょっと……、なんで待っててくれないのよ!」
かけ湯をして湯船に浸かっていると、佳織がタオルで前を隠しながら入ってきた。ってホントに一緒に入るのな。静とのやりとりは売り言葉に買い言葉となったのか、冗談では済まされなくなったのかもしれない。
「脱衣所で待ってるとか寒いだろ」
「う……、そうね……」
ぎくしゃくとした動作でかけ湯をすると、佳織も湯船に入ってくる。狭い湯船だが、なんとか二人並んで入れないこともない。……ないんだが。ちょっと近くね?
ぴったりと肌が触れ合うくらいに近くに座る佳織。反対側を見るとちょっと隙間があるように見える。恥ずかしそうにしてるくせにこの積極性はなんなんだ。
「……」
しばらく無言で浸かっていたが、狭いしそろそろのぼせそうだ。ゆっくりと立ち上がると湯船から出て、風呂の椅子へと腰かける。
「け……、圭一」
「ん?」
振り返ると佳織が頬を赤くしながら、湯船から立ち上がっている。今度はタオルで前を隠しておらず、形のいい双丘が目に飛び込んでくる。もちろん見えるのは上半身だけではない。
「な、なんだよ……」
一瞬この前の教員更衣室での出来事が思い出される。佳織の本性がさらけ出されたのかと身構えるが、ここは風呂の中だ。どんな恥ずかしがり屋さんでも全裸になってしまう場所なのだ。落ち着け俺。
「……頭、洗ったげる」
「お、おう。……そうか」
何を言われるのかと思ったがそんなことか。ホッと胸をなでおろすと共に、ちょっと嬉しくなる。頭洗ってもらうのって気持ちいいんだよなぁ。前回佳織と風呂に入った時を思い出しながら、視線を前方の鏡へと戻した。
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