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第3章『”剣士”覚醒』編
第131話 ヴァルガンダル家の物語Ⅴ--ルエールVSアルバキア
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「王弟陛下、また聖アルマイトが……うがああっ?」
そうやって、慌てるように駆けこんできた兵士の顔面を鷲掴みにして、アルバキア=リブ=ファヌスは剛力で掴み上げる。
「あが、が……がっ……!」
「俺様を王弟などと呼ぶな。あのクソ老人の弟ってだけで、胸糞が悪くなる!」
剃髪した頭、岩を思わせる頑強な巨躯。魔術師という以前にそもそも齢50を過ぎているのだが、そんな年齢は全く感じさせない、荒々しさと威圧感を持った肉体の持ち主ーーこの男こそが、ファヌスの新しい王である。
「あのクソ兄貴はもう死んだ! 俺様は、この国の唯一無二の王だ! 兄なんぞ、もういない! だから王弟なんて間違いでも呼ぶんじゃねえ! クソが!」
激昂した口調で唾を飛ばしながら怒鳴りつけるアルバキア。
顔面を掴まれ、身体を持ち上げられたその兵士が、ジタバタもがていると
「~~~~~っ!」
兵士の顔面を掴むアルバキアの手から炎が生まれ、容赦なく兵士の顔を焼き焦がす。そのまま炎は兵士の全身へ広がっていき、3分も待たずうちに彼の身体は真っ黒に炭化した。
アルバキアが手を離すと、炭化した兵士の身体は風に吹かれて、バラバラと崩れ去っていった。
そんなあっという間の、凄惨且つ暴力的な出来事に、その場にいた一同は唾をのみ、身体を固くして、言葉も発することが出来ないでいた。
「――で?」
不機嫌なままアルバキアは、手に付いたかつて人だった炭をパンパンと払いながら言う。するとその犠牲となった兵士と一緒に部屋に入ってきたもう1人の兵士は、びくりと背筋を正しながら、恐る恐る答える。
「は、はっ! 再び聖アルマイトが攻撃を仕掛けてきました!」
「……ハン!」
その報告を聞いて、アルバキアは不機嫌から一転、不敵な笑みを浮かべながら鼻で笑う。
「またバカの一つ覚えみてぇに、力押しか。な~にが大陸最強の王だ。なにが『戦神』だ。英雄だか何だか知らねぇが、俺様の指揮する魔術部隊に手も足も出ねぇじゃねえか!」
ギャハハハハと、王とは思えぬ下品で豪快な笑い声をあげるアルバキア。開戦してからの連日の勝利――しかも、初戦はあのヴァルガンダルの直系であるルエール、次いで今はアルマイトの直系のヴィジオールである。
大陸に名だたる2人の英雄相手に立て続けに圧勝を収めているアルバキアは、その痛快な結果を思い返すだけで、胸が躍るのだった。
「焦るこたぁねえ。ここでじっくりと敵の戦力を削り取って、ヴィジオールのクソ野郎を丸裸にしてやる。俺様の前で、あのクソ生意気で偉そうな面を泣かしてやって、惨めに命乞いさせてやるよ」
対峙する者を威圧し、問答無用に畏怖を抱かせる『戦神』ヴィジオール。あの厳然たる顔が歪み、泣き、必死に土下座をする姿を妄想するだけで愉快でたまらない。そうなるまで、徹底的に拷問をして苛め抜いてやる。そして最終的には殺す。必ず殺す。
「――あぁ、そうそう。あの『戦姫』とかいうプリメータも来てんだってなぁ。王妃は殺さずひっ捕らえろよ? ヴィジオールの前で、クスリを使って俺のガキを孕ませてやるからよぉ! ギャハハハハハハハ!」
アルバキアは己の欲望に忠実で、おまけに下劣極まりない人間であった。
しかし、ここファヌスにおいて頂点に座す彼は、弱者ではないし、無能な愚か者であるはずがなかった。
「イルギルスなんぞに王位など寄越してなるものか。聖アルマイトをぶっ壊して、ファヌスの……この大陸を支配するのは、このアルバキア様よぉ!」
ドン!と足を鳴らして、アルバキアは全軍に迎撃体制の指令を降す。
「魔術部隊を招集しろ! 今日も俺様の指揮で、ヴィジオールごとき、軽く磨り潰してやるぜ!」
大陸最強の天才魔術師アルバキア=リブ=ファヌスが出陣する。
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「どうした、遅ぇぞ!」
既に前線では、奴隷兵士で構成された前線部隊が、聖アルマイト軍と戦闘を開始しているはずである。
アルバキアは、街から少し出たところで待機しているのだが、魔術兵達の動きが鈍い。招集に応えて集まるのに時間がかかっており、声がかかってから三十分も経過しているのに、未だ半分も集結していない状況だった。
さすがに違和感を覚えたアルバキアがイライラとしていると、1人の兵士が慌てたようにアルバキアの下に駆け込んでくる。
「どうした? 魔術兵共は何してやがる!」
「い、一大事です! 街で賊が暴れていて、魔術兵にも大きな犠牲が……!」
「賊ぅ?」
こんな戦争中に、しかも軍隊が駐屯している街に、山賊の類でも現れたというのか。バカバカしい。そんなことがあるはずがない。
要領を得ない兵士の報告にアルバキアが不可解な表情をしていると、何が起こっているのか――その答えは、すぐにアルバキア自身が目の当たりにすることとなる。
「はぁ、はぁっ! た、助け……ひいいああああ!」
街の方角から悲鳴のような声が聞こえてくると、そちらの方へ眼をこらすアルバキア。
するとそちらの方向から、薄汚れたマントを纏った4~5人の騎士達の姿が、立ち塞がるファヌスの兵士達を蹂躙しながら近づいてくるのが分かった。
そして、そのマントの下からちらちらと見える緑色の鎧には、見覚えがあった。
「――龍牙騎士だと!? 馬鹿な! どっから入って来やがった!?」
その現実に、動揺をあらわにするアルバキア。
「まさか正面からスパイの潜入を許したってのか? どんだけ前線はザルなんだっ!?」
「い、いえっ! 前線から街へ人の移動はしていませんし……スパイが潜り込むことなどあり得ませんっ!」
「ケッ! 現実に龍牙騎士のクソ共がここにいるじゃねえか。信用できるかよ!」
吐き捨てるように言うアルバキアだったが、答えた部下の言うことには嘘も錯誤もない。
彼らは正面から潜入してきたのではく、魔獣が蔓延る死の山であるフルダイン山脈へ迂回して、横から忍び込んできたのである。
フルダイン山脈への迂回など、アルバキアを含めたファヌス側の全員にとっては想像の外で無警戒だった。そのため、これらの反応は当然だ。
そうしてファヌス側が狼狽えている間にも、ファヌスの兵達を屠るルエール部隊が、街の外で待機しているアルバキアの部隊へ肉迫してくるのだった。
□■□■
「あれが、ファヌスの新王アルバキア……っ!」
「奴らを前線に合流させるわけにはいかん。足止めをするぞ」
まさかヴィジオールと同じように、国の最高権力者が前線に出てきているなどと――ルエール達は、事前の潜伏調査でそのことは察知していたものの、実際に本人を目の当たりにすると、誰もが驚きを隠せなかった。
大陸最強の魔術師アルバキアを相手に、果たして自分達は生き残れるのだろうか。フルダイン山脈でも血路を開き命からがら生き延びた彼らは、またここでも生き残りをかけた死闘を乗り越えなくてはならない。
しかし、ルエールは至って冷静だった。
攻撃を仕掛けてくる魔術師達の攻撃を回避しながら、いつものように鋭く疾い剣技でもって血風を呼び起こすようにして、ファヌスの兵達を切り捨てていく。
ルエール部隊の生き残りは5人――アルバキアと声が交わせるところまで来るのに、そう時間はかからなかった。
「……まあ、さすがのヴィジオールもバカってわけじゃねぇってことか。どこから入り込んだネズミか知らねぇが、こういう狙いか」
ルエールとアルバキアが対峙する。
ルエールよりも一回り程大きいアルバキアが不快そうに腕を組んで見下ろすようにしていた。
本当に、魔術師とは思えないくらいの頑強な体躯である。今にも岩を持って投げつけてきそうな、そんな暴力的な空気を纏っている。
「気にいらねぇな。スパイ如きが、この俺様の足を止められるとでも思ったか? ――やれ」
腕を組んだまま、アルバキアが周囲の兵士達に命令を下す。
すると近くにいた魔術師達が、ルエール隊に向けて一斉に魔術を放つ。炎や氷などの魔術に攻撃に続き、剣や槍を持った兵士達が突撃していく。
――が、突撃していったファヌスの兵士達は、全て返り討ちに合い、そのほとんどが屠られる。
「――あぁん?」
「聖アルマイト王国龍牙騎士――」
ルエールがファヌスの兵士を1人切り捨てて、黒剣――ヴァルガンダルの剣の切っ先をアルバキアへ突き付ける。
そして龍牙騎士の流儀として、名乗りを上げる。
「龍牙騎士団騎士団長、英雄の家系“剣士”ルエール=ヴァルガンダルだ」
「ヴァルガンダルぅ……?」
その名乗りは、アルバキアにとっては驚愕だった。
まさか、聖アルマイト国王の側近中の側近、ヴァルガンダル家の人間が、自らこんな敵地の真っただ中に潜り込むなど、考えられないことだ。
「く、クハハハハハハ!」
しかし次の瞬間、その驚きは笑いに変わる。
「面白れぇじゃねえか。英雄様自ら俺様を倒しに来やがったかぁ? いいぜ、やってやる! かかってこいよぉ!」
指をクイクイと動かし、挑発するアルバキア。しかしルエールは、そんな態度にいちいち反応はしない。ただ冷静に、やるべきことをやるために、アルバキアへ向けて距離を詰めて、黒剣を振るう。
(足止めだけでなく、ここでアルバキアを仕留めることが出来れば――)
それで、もうファヌスとの戦争は終わる。これ以上余計な犠牲者も出ない。
その想いを込めて、ルエールが振るった黒剣は、空を斬った。
「――なんだと?」
「ギャハハハハ! まずは一人目ぇ!」
アルバキアは、自分に向かってきたルエールの剣を、その巨体に似合わない素早い動きで身を躱して回避。そしてそのまますれ違うようにしてルエールを置いていくと、ファヌスの兵士達と戦闘をしている、ルエールの部下達へ襲い掛かる。
「死ねや、ごらぁぁぁぁ!」
アルバキアが拳を振り上げると、その右手に大小様々な岩が集まってきて、その太い右腕を不格好に覆う。そうして岩を纏い歪に巨大になった拳を、アルバキアは渾身の力で振り下ろす。
「う、うおおお!」
標的とされたルエール隊の騎士は、すかさず剣で受け止める。しかしアルバキアの岩の拳は剣ごと騎士の顔面を粉砕した。
「がふっ……!」
アルバキアの拳をまともにくらったその騎士の身体は、そのまま後ろに吹き飛ばされ、二度と動くことは無かった。物言わぬ死体となったその顔の無残さは、眼を覆わんばかりに、ぐちゃぐちゃになっている。
「これで残りは4人かぁ? ぎゃはははは!」
騎士の顔を潰した血で染めた岩の右腕を振り上げながら、獰猛な獣のように叫ぶアルバキア。それにルエール以外に生き残ったクルーズら3人の騎士が気圧される。
「――このっ!」
それでも、その3人のうちの1人の騎士が勇敢にもアルバキアに斬りかかる。
しかしその剣も、軽々と岩の腕で受け止められる。するとあまりにも簡単に、騎士の剣はポキリという間抜けな音と共に折れて砕け散った。
「なっ……!」
「そんななまくらで、俺様の魔術が破れるものかよ!」
自分の魔術に絶対の自信を持つアルバキアは意気揚々に言うと、そのまま自分の足場へ拳を叩きつける。
ゴゥン!という激しい地鳴りを上げると、アルバキアに斬りかかった騎士の足元の地面が、その騎士の身体を穿つように隆起する。
「ぐはっ……!」
地面に打ちあげられるようにした騎士の身体は宙を舞う。その強烈な地面からの衝撃に、その騎士は直接内臓を殴りつけられたような凄まじい痛苦に喘ぎながら、身体を宙に舞わせる。
「こいつで2人目……っとお?」
宙を舞った騎士へ魔術の狙いを定めるアルバキアに、ようやく追いついてきたルエールが斬りかかる。アルバキアは咄嗟に反応して、岩の腕でそれを防御する。
ここまで2人の騎士の剣を砕いたアルバキアの岩の腕は、ヴァルガンダルの剣には受け止めるに留まるのだった。
「さすが英雄様の剣は、そこらの雑魚の剣とは違うってか」
「……これも魔術か」
岩ごと切り裂くつもりで放った斬撃が、いとも容易く止められたことに、ルエールは眉をひそめる。
そもそも、ただの岩に、選りすぐられたルエール隊の騎士が2人も立て続けに剣を折られるはずがなかった。アルバキアが纏う岩には明らかに異様な力が宿っている。
「その通りだ! どうだ、見たか! 俺様は戦術級魔術師ってだけじゃねえ。魔術も! この肉体も! 鍛えに鍛えぬいたんだ! 個人戦でだって誰にも負けねぇ! 世界最強の人間だ! 戦神? 戦士? 剣士? 英雄? ふざけんな! 最強は、この俺様だぁぁぁぁ!」
そのままルエールとアルバキアは、熾烈な剣と拳の応酬に突入する。
剛腕を力のままに振るい、凄まじい威力と圧の籠った拳を叩きつけてくるアルバキアと、身を躱し、剣で受け止めて流す。
そうして両者が一歩譲らぬ死闘を演じている間、ルエール以外の3人の騎士もファヌスの兵士達と刃を交えていた。
「このままでは……」
そのうちの1人、クルーズが苦い表情を作る。
なんといっても数が違い過ぎる上に、相手は戦い慣れない魔術師が多く含まれている。はっきり言って旗色が悪すぎる。ここまで生き残ることが出来たが、このままではクルーズ達も力尽きるだろう。
絶望的なことは分かっていた。しかし、それでも何とかなるだろうと目算していたのは、超人的な実力を持つルエールの存在があったからだ。
しかしそのルエールも、今はアルバキアを相手にするのに精いっぱい――いや、それどころか、あのルエールが焦りの表情が見せているのだ。贔屓目に見ても、ルエールが押されていると認めざるを得ない。
「げほっ……ごほっ……で、でも……これでいい……」
先ほどアルバキアの魔術を喰らった騎士が、ヨロヨロと立ち上がって、動揺しているクルーズに声を掛けてきた。幸いにも致命傷ではなかったようだが、既に剣は折られており、戦力としては数えられない状態だ。
「俺達の役目は魔術師部隊の足止めだ。1秒でもこいつらをここに足止めして、その間に陛下の部隊が前線を突破してくれれば、それでいい。俺達が死んでも、それで作戦は成功だ」
「……」
その騎士の言葉に、クルーズは無言でうなずく。
正直、死の恐怖が無いわけではない。クルーズだって王都に残していた家族がいる。生きて戻りたいという気持ちがないはずがない。
しかし、自らの命を賭して国とそこに住まう人々の命を守る。
それが龍牙騎士なのだ。
死ぬことは恐ろしいが、そのために死ぬことを誇りと思う。それが龍牙騎士としてあるべき姿なのである。
「行くぞ、クルーズ。俺は、殴りかかってでも、奴らを1人でも道連れにする」
そんな同僚の騎士の悲壮な決意に、クルーズも意を決したようにして持っていた剣を握りしめる。
――その時
「ぐはっ……!」
「「団長!」」
ルエールの身体がゴロゴロと転がってきた。但し上手く受け身を取ったのが、その勢いのまま、流れるようにルエールは立ち上がる。
「さすがはファヌスの王を名乗るだけはあるな。そう簡単にはいかないか」
転がった時に口の中を切ったのか、口から流れ出ていた血をぺろりと舐めとりながらルエールはつぶやく。
「どうしたどうしたぁ? 世に聞こえたヴァルガンダルもこの程度か? 英雄だの剣士だの、とんだ名折れだな」
「このっ……!」
あくまでも挑発的な態度のアルバキアに、クルーズが激昂して思わず飛び掛かろうとするが、ルエールが片手で制する。
「命を無駄にするな。生きて戻るぞ」
「し、しかしルエール団長……!」
「ケッ、笑かすぜ! このザマで生き残れると思ってんのか、てめぇ? 今ここでてめぇらネズミ共を瞬殺して、すぐに前線に合流してやらぁ! ヴィジオールのクソ野郎も、王妃も捕らえて、目の前でがっつりハメ犯してやるからなぁぁ!」
「貴様ぁぁぁ!」
クルーズとは違う騎士――先ほどアルバキアに剣を砕かされた騎士――が激昂すると、アルバキアはにやにやと笑いながら、岩の拳を叩きこんでくる。すかさずルエールは庇うように、部下の前に割って入ると、ヴァルガンダルの剣でその岩の拳を受け止める。
「っぐ……!」
「この、うざってえんだよ!」
再び始まるルエールとアルバキアの剣と拳の応酬。今度はルエールが手数で押し、無数の斬撃を叩きこむが、それを受け止めるアルバキアの腕の拳はビクともしない。
一進一退の斬撃と拳のぶつかり合いーーしかし、それはまたも決定的な勝負には至らない。両者が互いの武器を弾き飛ばすようにして距離を取る。
「安心しろ」
あれだけ激しい戦いをしながら、ルエールは息一つ乱していなかった。
そしてルエールは振り向かないまま、剣を砕かれた騎士に自らが持っていたヴァルガンダルの剣を差し出す。
「使え」
そのルエールの行動にアルバキアを含めた全ての人間が、顔に疑問符を浮かべる。そのままその騎士がヴァルガンダルの剣を受け取ると、ルエールは周囲の戸惑いをそのままに続ける。
「生きて戻るぞ」
もう一度その言葉を口にするルエールは、ヴァルガンダルの剣とは別に、腰に下げていた2本1対の双剣を引き抜く。
柄が龍の顎のように形取られたその白銀の双剣の名は、神器――龍殺しの剣“アスカロン”。
「私の剣は全てを切り裂く。この死地も、絶望も、奴の悪意も、全てを斬ってみせよう」
英雄“剣士”の直系にして聖アルマイト王国龍牙騎士団騎士団長ルエール=ヴァルガンダル。
大陸最大の魔術国家ファヌス魔法大国を統べる最強の天才魔術師アルバキア=リブ=ファヌス。
その戦いは最終局面を迎えるのだった。
そうやって、慌てるように駆けこんできた兵士の顔面を鷲掴みにして、アルバキア=リブ=ファヌスは剛力で掴み上げる。
「あが、が……がっ……!」
「俺様を王弟などと呼ぶな。あのクソ老人の弟ってだけで、胸糞が悪くなる!」
剃髪した頭、岩を思わせる頑強な巨躯。魔術師という以前にそもそも齢50を過ぎているのだが、そんな年齢は全く感じさせない、荒々しさと威圧感を持った肉体の持ち主ーーこの男こそが、ファヌスの新しい王である。
「あのクソ兄貴はもう死んだ! 俺様は、この国の唯一無二の王だ! 兄なんぞ、もういない! だから王弟なんて間違いでも呼ぶんじゃねえ! クソが!」
激昂した口調で唾を飛ばしながら怒鳴りつけるアルバキア。
顔面を掴まれ、身体を持ち上げられたその兵士が、ジタバタもがていると
「~~~~~っ!」
兵士の顔面を掴むアルバキアの手から炎が生まれ、容赦なく兵士の顔を焼き焦がす。そのまま炎は兵士の全身へ広がっていき、3分も待たずうちに彼の身体は真っ黒に炭化した。
アルバキアが手を離すと、炭化した兵士の身体は風に吹かれて、バラバラと崩れ去っていった。
そんなあっという間の、凄惨且つ暴力的な出来事に、その場にいた一同は唾をのみ、身体を固くして、言葉も発することが出来ないでいた。
「――で?」
不機嫌なままアルバキアは、手に付いたかつて人だった炭をパンパンと払いながら言う。するとその犠牲となった兵士と一緒に部屋に入ってきたもう1人の兵士は、びくりと背筋を正しながら、恐る恐る答える。
「は、はっ! 再び聖アルマイトが攻撃を仕掛けてきました!」
「……ハン!」
その報告を聞いて、アルバキアは不機嫌から一転、不敵な笑みを浮かべながら鼻で笑う。
「またバカの一つ覚えみてぇに、力押しか。な~にが大陸最強の王だ。なにが『戦神』だ。英雄だか何だか知らねぇが、俺様の指揮する魔術部隊に手も足も出ねぇじゃねえか!」
ギャハハハハと、王とは思えぬ下品で豪快な笑い声をあげるアルバキア。開戦してからの連日の勝利――しかも、初戦はあのヴァルガンダルの直系であるルエール、次いで今はアルマイトの直系のヴィジオールである。
大陸に名だたる2人の英雄相手に立て続けに圧勝を収めているアルバキアは、その痛快な結果を思い返すだけで、胸が躍るのだった。
「焦るこたぁねえ。ここでじっくりと敵の戦力を削り取って、ヴィジオールのクソ野郎を丸裸にしてやる。俺様の前で、あのクソ生意気で偉そうな面を泣かしてやって、惨めに命乞いさせてやるよ」
対峙する者を威圧し、問答無用に畏怖を抱かせる『戦神』ヴィジオール。あの厳然たる顔が歪み、泣き、必死に土下座をする姿を妄想するだけで愉快でたまらない。そうなるまで、徹底的に拷問をして苛め抜いてやる。そして最終的には殺す。必ず殺す。
「――あぁ、そうそう。あの『戦姫』とかいうプリメータも来てんだってなぁ。王妃は殺さずひっ捕らえろよ? ヴィジオールの前で、クスリを使って俺のガキを孕ませてやるからよぉ! ギャハハハハハハハ!」
アルバキアは己の欲望に忠実で、おまけに下劣極まりない人間であった。
しかし、ここファヌスにおいて頂点に座す彼は、弱者ではないし、無能な愚か者であるはずがなかった。
「イルギルスなんぞに王位など寄越してなるものか。聖アルマイトをぶっ壊して、ファヌスの……この大陸を支配するのは、このアルバキア様よぉ!」
ドン!と足を鳴らして、アルバキアは全軍に迎撃体制の指令を降す。
「魔術部隊を招集しろ! 今日も俺様の指揮で、ヴィジオールごとき、軽く磨り潰してやるぜ!」
大陸最強の天才魔術師アルバキア=リブ=ファヌスが出陣する。
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「どうした、遅ぇぞ!」
既に前線では、奴隷兵士で構成された前線部隊が、聖アルマイト軍と戦闘を開始しているはずである。
アルバキアは、街から少し出たところで待機しているのだが、魔術兵達の動きが鈍い。招集に応えて集まるのに時間がかかっており、声がかかってから三十分も経過しているのに、未だ半分も集結していない状況だった。
さすがに違和感を覚えたアルバキアがイライラとしていると、1人の兵士が慌てたようにアルバキアの下に駆け込んでくる。
「どうした? 魔術兵共は何してやがる!」
「い、一大事です! 街で賊が暴れていて、魔術兵にも大きな犠牲が……!」
「賊ぅ?」
こんな戦争中に、しかも軍隊が駐屯している街に、山賊の類でも現れたというのか。バカバカしい。そんなことがあるはずがない。
要領を得ない兵士の報告にアルバキアが不可解な表情をしていると、何が起こっているのか――その答えは、すぐにアルバキア自身が目の当たりにすることとなる。
「はぁ、はぁっ! た、助け……ひいいああああ!」
街の方角から悲鳴のような声が聞こえてくると、そちらの方へ眼をこらすアルバキア。
するとそちらの方向から、薄汚れたマントを纏った4~5人の騎士達の姿が、立ち塞がるファヌスの兵士達を蹂躙しながら近づいてくるのが分かった。
そして、そのマントの下からちらちらと見える緑色の鎧には、見覚えがあった。
「――龍牙騎士だと!? 馬鹿な! どっから入って来やがった!?」
その現実に、動揺をあらわにするアルバキア。
「まさか正面からスパイの潜入を許したってのか? どんだけ前線はザルなんだっ!?」
「い、いえっ! 前線から街へ人の移動はしていませんし……スパイが潜り込むことなどあり得ませんっ!」
「ケッ! 現実に龍牙騎士のクソ共がここにいるじゃねえか。信用できるかよ!」
吐き捨てるように言うアルバキアだったが、答えた部下の言うことには嘘も錯誤もない。
彼らは正面から潜入してきたのではく、魔獣が蔓延る死の山であるフルダイン山脈へ迂回して、横から忍び込んできたのである。
フルダイン山脈への迂回など、アルバキアを含めたファヌス側の全員にとっては想像の外で無警戒だった。そのため、これらの反応は当然だ。
そうしてファヌス側が狼狽えている間にも、ファヌスの兵達を屠るルエール部隊が、街の外で待機しているアルバキアの部隊へ肉迫してくるのだった。
□■□■
「あれが、ファヌスの新王アルバキア……っ!」
「奴らを前線に合流させるわけにはいかん。足止めをするぞ」
まさかヴィジオールと同じように、国の最高権力者が前線に出てきているなどと――ルエール達は、事前の潜伏調査でそのことは察知していたものの、実際に本人を目の当たりにすると、誰もが驚きを隠せなかった。
大陸最強の魔術師アルバキアを相手に、果たして自分達は生き残れるのだろうか。フルダイン山脈でも血路を開き命からがら生き延びた彼らは、またここでも生き残りをかけた死闘を乗り越えなくてはならない。
しかし、ルエールは至って冷静だった。
攻撃を仕掛けてくる魔術師達の攻撃を回避しながら、いつものように鋭く疾い剣技でもって血風を呼び起こすようにして、ファヌスの兵達を切り捨てていく。
ルエール部隊の生き残りは5人――アルバキアと声が交わせるところまで来るのに、そう時間はかからなかった。
「……まあ、さすがのヴィジオールもバカってわけじゃねぇってことか。どこから入り込んだネズミか知らねぇが、こういう狙いか」
ルエールとアルバキアが対峙する。
ルエールよりも一回り程大きいアルバキアが不快そうに腕を組んで見下ろすようにしていた。
本当に、魔術師とは思えないくらいの頑強な体躯である。今にも岩を持って投げつけてきそうな、そんな暴力的な空気を纏っている。
「気にいらねぇな。スパイ如きが、この俺様の足を止められるとでも思ったか? ――やれ」
腕を組んだまま、アルバキアが周囲の兵士達に命令を下す。
すると近くにいた魔術師達が、ルエール隊に向けて一斉に魔術を放つ。炎や氷などの魔術に攻撃に続き、剣や槍を持った兵士達が突撃していく。
――が、突撃していったファヌスの兵士達は、全て返り討ちに合い、そのほとんどが屠られる。
「――あぁん?」
「聖アルマイト王国龍牙騎士――」
ルエールがファヌスの兵士を1人切り捨てて、黒剣――ヴァルガンダルの剣の切っ先をアルバキアへ突き付ける。
そして龍牙騎士の流儀として、名乗りを上げる。
「龍牙騎士団騎士団長、英雄の家系“剣士”ルエール=ヴァルガンダルだ」
「ヴァルガンダルぅ……?」
その名乗りは、アルバキアにとっては驚愕だった。
まさか、聖アルマイト国王の側近中の側近、ヴァルガンダル家の人間が、自らこんな敵地の真っただ中に潜り込むなど、考えられないことだ。
「く、クハハハハハハ!」
しかし次の瞬間、その驚きは笑いに変わる。
「面白れぇじゃねえか。英雄様自ら俺様を倒しに来やがったかぁ? いいぜ、やってやる! かかってこいよぉ!」
指をクイクイと動かし、挑発するアルバキア。しかしルエールは、そんな態度にいちいち反応はしない。ただ冷静に、やるべきことをやるために、アルバキアへ向けて距離を詰めて、黒剣を振るう。
(足止めだけでなく、ここでアルバキアを仕留めることが出来れば――)
それで、もうファヌスとの戦争は終わる。これ以上余計な犠牲者も出ない。
その想いを込めて、ルエールが振るった黒剣は、空を斬った。
「――なんだと?」
「ギャハハハハ! まずは一人目ぇ!」
アルバキアは、自分に向かってきたルエールの剣を、その巨体に似合わない素早い動きで身を躱して回避。そしてそのまますれ違うようにしてルエールを置いていくと、ファヌスの兵士達と戦闘をしている、ルエールの部下達へ襲い掛かる。
「死ねや、ごらぁぁぁぁ!」
アルバキアが拳を振り上げると、その右手に大小様々な岩が集まってきて、その太い右腕を不格好に覆う。そうして岩を纏い歪に巨大になった拳を、アルバキアは渾身の力で振り下ろす。
「う、うおおお!」
標的とされたルエール隊の騎士は、すかさず剣で受け止める。しかしアルバキアの岩の拳は剣ごと騎士の顔面を粉砕した。
「がふっ……!」
アルバキアの拳をまともにくらったその騎士の身体は、そのまま後ろに吹き飛ばされ、二度と動くことは無かった。物言わぬ死体となったその顔の無残さは、眼を覆わんばかりに、ぐちゃぐちゃになっている。
「これで残りは4人かぁ? ぎゃはははは!」
騎士の顔を潰した血で染めた岩の右腕を振り上げながら、獰猛な獣のように叫ぶアルバキア。それにルエール以外に生き残ったクルーズら3人の騎士が気圧される。
「――このっ!」
それでも、その3人のうちの1人の騎士が勇敢にもアルバキアに斬りかかる。
しかしその剣も、軽々と岩の腕で受け止められる。するとあまりにも簡単に、騎士の剣はポキリという間抜けな音と共に折れて砕け散った。
「なっ……!」
「そんななまくらで、俺様の魔術が破れるものかよ!」
自分の魔術に絶対の自信を持つアルバキアは意気揚々に言うと、そのまま自分の足場へ拳を叩きつける。
ゴゥン!という激しい地鳴りを上げると、アルバキアに斬りかかった騎士の足元の地面が、その騎士の身体を穿つように隆起する。
「ぐはっ……!」
地面に打ちあげられるようにした騎士の身体は宙を舞う。その強烈な地面からの衝撃に、その騎士は直接内臓を殴りつけられたような凄まじい痛苦に喘ぎながら、身体を宙に舞わせる。
「こいつで2人目……っとお?」
宙を舞った騎士へ魔術の狙いを定めるアルバキアに、ようやく追いついてきたルエールが斬りかかる。アルバキアは咄嗟に反応して、岩の腕でそれを防御する。
ここまで2人の騎士の剣を砕いたアルバキアの岩の腕は、ヴァルガンダルの剣には受け止めるに留まるのだった。
「さすが英雄様の剣は、そこらの雑魚の剣とは違うってか」
「……これも魔術か」
岩ごと切り裂くつもりで放った斬撃が、いとも容易く止められたことに、ルエールは眉をひそめる。
そもそも、ただの岩に、選りすぐられたルエール隊の騎士が2人も立て続けに剣を折られるはずがなかった。アルバキアが纏う岩には明らかに異様な力が宿っている。
「その通りだ! どうだ、見たか! 俺様は戦術級魔術師ってだけじゃねえ。魔術も! この肉体も! 鍛えに鍛えぬいたんだ! 個人戦でだって誰にも負けねぇ! 世界最強の人間だ! 戦神? 戦士? 剣士? 英雄? ふざけんな! 最強は、この俺様だぁぁぁぁ!」
そのままルエールとアルバキアは、熾烈な剣と拳の応酬に突入する。
剛腕を力のままに振るい、凄まじい威力と圧の籠った拳を叩きつけてくるアルバキアと、身を躱し、剣で受け止めて流す。
そうして両者が一歩譲らぬ死闘を演じている間、ルエール以外の3人の騎士もファヌスの兵士達と刃を交えていた。
「このままでは……」
そのうちの1人、クルーズが苦い表情を作る。
なんといっても数が違い過ぎる上に、相手は戦い慣れない魔術師が多く含まれている。はっきり言って旗色が悪すぎる。ここまで生き残ることが出来たが、このままではクルーズ達も力尽きるだろう。
絶望的なことは分かっていた。しかし、それでも何とかなるだろうと目算していたのは、超人的な実力を持つルエールの存在があったからだ。
しかしそのルエールも、今はアルバキアを相手にするのに精いっぱい――いや、それどころか、あのルエールが焦りの表情が見せているのだ。贔屓目に見ても、ルエールが押されていると認めざるを得ない。
「げほっ……ごほっ……で、でも……これでいい……」
先ほどアルバキアの魔術を喰らった騎士が、ヨロヨロと立ち上がって、動揺しているクルーズに声を掛けてきた。幸いにも致命傷ではなかったようだが、既に剣は折られており、戦力としては数えられない状態だ。
「俺達の役目は魔術師部隊の足止めだ。1秒でもこいつらをここに足止めして、その間に陛下の部隊が前線を突破してくれれば、それでいい。俺達が死んでも、それで作戦は成功だ」
「……」
その騎士の言葉に、クルーズは無言でうなずく。
正直、死の恐怖が無いわけではない。クルーズだって王都に残していた家族がいる。生きて戻りたいという気持ちがないはずがない。
しかし、自らの命を賭して国とそこに住まう人々の命を守る。
それが龍牙騎士なのだ。
死ぬことは恐ろしいが、そのために死ぬことを誇りと思う。それが龍牙騎士としてあるべき姿なのである。
「行くぞ、クルーズ。俺は、殴りかかってでも、奴らを1人でも道連れにする」
そんな同僚の騎士の悲壮な決意に、クルーズも意を決したようにして持っていた剣を握りしめる。
――その時
「ぐはっ……!」
「「団長!」」
ルエールの身体がゴロゴロと転がってきた。但し上手く受け身を取ったのが、その勢いのまま、流れるようにルエールは立ち上がる。
「さすがはファヌスの王を名乗るだけはあるな。そう簡単にはいかないか」
転がった時に口の中を切ったのか、口から流れ出ていた血をぺろりと舐めとりながらルエールはつぶやく。
「どうしたどうしたぁ? 世に聞こえたヴァルガンダルもこの程度か? 英雄だの剣士だの、とんだ名折れだな」
「このっ……!」
あくまでも挑発的な態度のアルバキアに、クルーズが激昂して思わず飛び掛かろうとするが、ルエールが片手で制する。
「命を無駄にするな。生きて戻るぞ」
「し、しかしルエール団長……!」
「ケッ、笑かすぜ! このザマで生き残れると思ってんのか、てめぇ? 今ここでてめぇらネズミ共を瞬殺して、すぐに前線に合流してやらぁ! ヴィジオールのクソ野郎も、王妃も捕らえて、目の前でがっつりハメ犯してやるからなぁぁ!」
「貴様ぁぁぁ!」
クルーズとは違う騎士――先ほどアルバキアに剣を砕かされた騎士――が激昂すると、アルバキアはにやにやと笑いながら、岩の拳を叩きこんでくる。すかさずルエールは庇うように、部下の前に割って入ると、ヴァルガンダルの剣でその岩の拳を受け止める。
「っぐ……!」
「この、うざってえんだよ!」
再び始まるルエールとアルバキアの剣と拳の応酬。今度はルエールが手数で押し、無数の斬撃を叩きこむが、それを受け止めるアルバキアの腕の拳はビクともしない。
一進一退の斬撃と拳のぶつかり合いーーしかし、それはまたも決定的な勝負には至らない。両者が互いの武器を弾き飛ばすようにして距離を取る。
「安心しろ」
あれだけ激しい戦いをしながら、ルエールは息一つ乱していなかった。
そしてルエールは振り向かないまま、剣を砕かれた騎士に自らが持っていたヴァルガンダルの剣を差し出す。
「使え」
そのルエールの行動にアルバキアを含めた全ての人間が、顔に疑問符を浮かべる。そのままその騎士がヴァルガンダルの剣を受け取ると、ルエールは周囲の戸惑いをそのままに続ける。
「生きて戻るぞ」
もう一度その言葉を口にするルエールは、ヴァルガンダルの剣とは別に、腰に下げていた2本1対の双剣を引き抜く。
柄が龍の顎のように形取られたその白銀の双剣の名は、神器――龍殺しの剣“アスカロン”。
「私の剣は全てを切り裂く。この死地も、絶望も、奴の悪意も、全てを斬ってみせよう」
英雄“剣士”の直系にして聖アルマイト王国龍牙騎士団騎士団長ルエール=ヴァルガンダル。
大陸最大の魔術国家ファヌス魔法大国を統べる最強の天才魔術師アルバキア=リブ=ファヌス。
その戦いは最終局面を迎えるのだった。
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