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第2章『クラベール城塞都市決戦』編
第50話 頼り頼られ、人は支え合って生きていく
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「んむ? ふぁにって……わーも元帥さのらめに……」
「っちょ? 咥えながらしゃべったら……ううっ!」
肉棒を頬張ったままプリシティアが喋ると、彼女の柔らかな舌が、敏感な肉棒の先端部分を刺激ししてくる。その甘い刺激に、思わずコウメイは腰をヒクつかせる。
「ん……ぷあぁ。だって、だって元帥さはスタインのことばかり、でい褒めてばかりちゃ。わーだって、元帥さの役に立ちたいやが。こういうことけ、スタインには出来ないちゃ」
「ちょ、だから待て! 扱くの止め……!」
肉棒から口を離した後もプリシティアはコウメイに快感を与えようと、肉棒を手で握ると、上下に擦って刺激を送り続ける。
そこは既にプリシティアの唾液と、肉棒から溢れ出てきた先走りでヌルヌルになっており、またプリシティアの緩急のついた絶妙な刺激が強烈な快感を送り込んでくる。
「と、とにかく落ち着け。落ち着くんだっ!」
それは自分に言っているのかプリシティアに言っているのか……とにかく意識がまだ状況に追いついていないコウメイがプリシティアの両肩に手を置いて制止の声をかけると、彼女はようやく愛撫の手を止めた。
「いや、何やってんの君!? 君が来てから何回もこの言葉言ったけど、今ほど本気でそう思ったことはないよ!? 」
「だ、だからわーは……」
凄い剣幕で言ってくるコウメイにたじろぐプリシティア。つい素の口調で喋ろうとしたところで、ハッと気づいたような表情になると
「私は、コウメイ元帥がスタインばかり褒めるのをみていると、とても怒りを感じます。私もコウメイ元帥のために、スタインには出来ないことをやろうと思いました。そしてラミア王女と私の母が言っていたことを思い出しました。それは、男性の性欲を解消するのは側に仕える女性の役目だということです。だから私は、こうして性的な行為をしています。なぜならば、私はコウメイ元帥の護衛騎士代理だからです」
「えーと……」
相変わらず場にそぐわない変で生真面目な口調が、何故かコウメイの感情を落ち着かせる。とりあえず言いたいことは分かったーーような気がする。
何となく察してはいたが、優秀な才能を見せるスタインをコウメイがベタ褒めをするのだから、ずっと側でそれを見ていたプリシティアが嫉妬しているのだ。
奇しくもコウメイの部下となったのはほぼ同時。年齢もそう違わないし、2人は同期ーーライバルといっていい関係だろう。
「そ、そんなつまらん理由でこんなことするか、普通? ここは王都で戦場じゃないんだから、護衛騎士が活躍する場面なんてあるわけないだろ」
元帥の寝室に忍び込んでこんな大胆な行為に及ぶとは、大物なのか馬鹿なのか。コウメイは呆れながら諫めるように言う。
そうやって次第に落ち着きを取り戻してきたコウメイとは逆に、今度はプリシティアが涙を浮かべながら感情的に言う。
「わ、わーにとってはつまらなくないが! わーも元帥さの役に立ちたいっちゃ! わーに出来ることならなんでもしたいが! やけん、そのために故郷っち出てきて王都に来たがよ! せっかく護衛騎士代理になったっち、捨てられたくないが!」
「す、捨てられるって……」
泣きそうな声で、必死に訴えてくるプリシティアは、また素の方言に戻っていたが、訴えの内容はコウメイにも理解出来た。
だからといって、このうような性的な行為に及ぶ心情はコウメイには理解できない。しかし、彼女なりの必死さは充分に感じる。それは決して邪なものではなく、本当に純粋にスタインに負けたくない、元帥の役に立ちたいという真っ直ぐ純粋無垢なものだ。やっていることはともかくとして。
おそらく、このプリシティア=ハートリングという少女は、どこまでも真面目なのだろう。
彼女にとって護衛騎士ーー彼女はあくまでもリューイ不在の間の代理という扱いだが--は、元帥のためなら何でもする存在。戦場で護衛するだけではなく、身の回りの世話も……それこそこういった夜伽までも護衛騎士が担うもの、とでも考えているのだろう。
めきめきと才覚を表して、大いにコウメイの役に立っているスタインを見て、いても立ってもいられなくなったのだろう。だから男のスタインには決して出来ないことで、コウメイの役に立とうと--
「--ぷ」
コウメイにとっては冗談のような話で、思わず吹き出してしまった。
行為は娼婦や妾のようなことだが、その想いは世間知らずで、だけど純粋で真っ直ぐな子供そのものだ。そう考えると、可笑しくなってしまう。
つい先ほどまで、眠れずに苦しんでいたことなどすっかり忘れて、コウメイはプリシティアに笑いかける。
「……ありがとう、プリシティア。その気持ちは嬉しいけど、だけどこんなこと……おおっ?」
そんなプリシティアの想いを察して、優しく声を掛けるコウメイのことなどお構いなしに、プリシティアはコウメイのシャツの裾をまくり上げると、乳首に吸い付くようにする。
「だ、だから本当、何してんの君? 人の話聞いてるかな? ……っうう!」
「ふふふ、元帥さ身体ビクビクっちしとるよ。わーの舌、じょうが?」
今の今まで泣きそうな顔をしていた表情は、今度は転じて少女らしからぬ妖艶なものと変わっていた。
プリシティアはそのまま舌でコウメイの乳首を舐ってくる。その舌使いは、先ほどの肉棒への愛撫と同じくとても官能的で、突起の周りにゆっくりと舌を這わせて焦らすようにした後、固く尖ったその先端部分を唇に含む。
「う、くあ……ああっ……」
--気持ちいい。
こんな年下の少女の舌で、しっかりと快感を感じているのは事実だった。
プリシティアのいたいけな少女然とした外見からは考えれない程の手練手管もそうだったが、『この世界』に来てからコウメイは、異性と性的な行為に及んだことがない。
それは相手や機会が無かったからという理由もある。そしてそれに加えて、あのミュリヌス領フォルテア森林帯で、グスタフとリリライトの狂気に満ちた性交を見せつけられた以後ーー性的な行動は『邪悪で忌避すべきもの』と、コウメイの無意識下に刷り込まれいた。
だから性的衝動に駆られることも無かったし、男性器が勃起することも無かった。すると自然、異性とそういった行為に及ぶ機会を積極的に作り出すこともしなかった。
しかしコウメイは決して病的なインポテンツというわけではない。少なくとも肉体は至って健康的な成年男子である。
発散しなければ、当然その欲求は溜まっていくものだ。そんな状態でこんなことをされてば--しかも美少女といって差し支えない上に、的確に快感のツボを押さえてくる相手に--爆発しないわけがない。
「あはっ、元気になったっち! わーの舌で悦んでくれるの、嬉しいが。んん~……れろれろ。いっぱい気持ちよくなりぃけ、元帥さ。ちゅっ、ちゅっ!」
コウメイが快感を感じているのが分かると、プリシティアは嬉しそうに乳首を舐め、何度も何度も吸い上げる。
それはコウメイに気持ちよくなって欲しい、喜んで欲しいという、真っすぐで純粋で無邪気な想いからの愛撫。その巧みな技巧よりも、その気持ちがコウメイをより興奮させた。
その思いに応えるように、コウメイは彼女の赤い髪を優しく撫でる。
「--ふふふ。まるであにぃにいい子いい子されてるみたいっち。嬉しい……んん、コウメイさ」
嬉しそうに微笑むプリシティアは頬を赤らめながら、そのまま舌を腹の方へ滑らせるようにしていく。そして、再び顔をコウメイの股間へと。
ビクビクと震えながら、先端部からはもどかしそうに透明な雫を溢れさせている肉棒を前にして、プリシティアはうっとりとしていた。
「……また舐めてくれるか、プリティシア?」
思わずそう言ってしまったコウメイ--その言葉にプリシティアは
「~~~~っ!」
声にならない声を漏らしながら、その抑えられない嬉しさを表すように、首を振り回すようにしていた。
「勿論いいっちゃ、コウメイさ。いっぱい、いっぱい気持ちよくなってほしいけ、わー頑張るっちゃよ。ちゅ……ちゅば……ちゅ……」
「うっ……く……」
先ほどよりも激しい舌使いで、音を立てながらコウメイの肉棒を吸い立てていくプリシティア。
その小さな舌を、敏感になっている亀頭部分に絡めるようにしながら、同時に唾液をまぶしていくと、そのまま口に頬張り始める。
「ん……ちゅ……ちゅう……」
「うっ……ううっ……!」
そのまま唇を窄めるようにして、顔を前後しながら口奉仕を続けるプリティシア。
幼さが残る容貌とは似合わない手管ーー口の中で舌を動かしてカリの部分を刺激しながら、頬の粘膜で竿全体を包み込むように刺激してくる。そして唇で擦られるようにしてしまえば、甘ったるくて、そして強烈な快感がコウメイを満たしていく。
「気持ちいいっちゃ、コウメイさ?」
「あ、ああ……気持ちいいよ」
「♪~」
悪戯っぽく笑って聞いてくるプリティシアに、コウメイは素直な感想で答えると、彼女は心の底から嬉しそうな笑みを浮かべて、口奉仕を続ける。
「う……もう、出るっ……!」
コウメイの限界が近くなると、プリシティアはそのまま顔の前後運動を速めながら、そのまま射精を促していく。さらには手を伸ばし、先ほどまくり上げてあらわになった乳首を指で刺激していく。
「う、あっ……い、いく……ああっ……!」
「~~っ! んんんん~っ!」
プリシティアの巧みな性技により、コウメイは呆気なく射精に導かれると、その欲望のままに彼女の口の中へと精を吐き出す。
随分と長いこと溜め込んでいたこともあり、それなりの量をプリシティアの口の中へと吐き出し続けたが、彼女は肉棒を咥えこんだまま、その雄の欲望を受け止める。
「んんっ……んんーっ! でいに出とっけ、口に収まりきれんち」
「あ、わ……悪い。ティッシュがそこに……っあ……」
プリシティアが口から白濁液を零しているのを見て、慌ててコウメイは起き上がってティッシュを取ろうとした。しかし射精後の脱力感、そして何よりもプリシティアの手管で腰砕けになってしまっており、そのまま動けずにいた。
「あははー、ええがええがー。わーが自分で取りますっちゃ」
プリシティアはその言葉通り、自分でベッドサイドにあるティッシュ箱へ手を伸ばして、口を拭う。
「それにしても、ほんにたくさん出たがね。コウメイさも元気になったみたいで良かったちゃ。昼間はずっと元気無さそうけ、安心したがー!」
苦くて息苦しいだろうに、コウメイを満足させられたことが余程嬉しかったのか、プリシティアは本当に幸せそうな笑顔をコウメイに向けていた。
「君は……本当に……」
そんなプリシティアを見て、コウメイもまたつられるようにして笑う。
それは日中に、上司や同僚や部下に見せるための、他人に対して偽りの強さを誇示するためのおちゃらけた笑いではない。
それは誰に見せる必要もない笑み。心の底から、本当の意味でコウメイが安心して気が緩んだ表情だった。
さすがに苦くなってきたのが、「うげー」と言いながらティッシュに白濁液を吐き出すプリシティアを見て、コウメイは思う。
どこまでいっても--こんな逆夜這い紛いのことすらされても--純粋無垢と思わされる彼女の仕草。
純粋無垢な彼女には見抜かれていたのだろう。
普段自分が見せている態度は、周りに不安を与えないということを建前にて、自分の弱さを隠匿しているだけだったということを。
彼女は具体的で複雑なコウメイの悩みなど知ったこっちゃないだろう。ただ、コウメイの元気が無さそうだから、何とかしなくては。これだけなのだろう。
勿論スタインへの嫉妬もあるのだろうが、彼女のおおよその行動原理はそれくらい単純明快で、純粋で、真っすぐなのだ。
だからといって、よもやこういった手段に出てくるのは、『この世界』の文化なのか彼女の個性や生い立ちなのかはよく分からないが--
「--プリティシア」
コウメイが笑みを向けながら、手を広げてプリシティアを招く。それを見てプリシティアは、嬉しそうに顔を輝かせると、そのままコウメイの胸の中に飛び込むようにして、2人は同じ布団の中に入る。
そうやって懐いてくるプリシティアののお尻に、生えていないはずなの尻尾が触れているのが見える。これが犬系彼女ということか。いや、彼女じゃないけど。
「あははー。コウメイさの身体、あったかいっちゃ」
じゃれついてくるように、グリグリとコウメイの胸板に顔を押し付けてくるプリシティア。その赤髪をコウメイは優しく撫でてやると、本当の犬よろしくプリシティアは嬉しそうに喉を鳴らす。
「ありがとう」
それは性的な欲求を解消してくれたことではない。
プリシティアが、本当にコウメイのことを想い、なんとかしようとしてくれたことが本当に嬉しかった。それに対する感謝の気持ち。
プリシティアの純粋な想いが伝わったから、最初は驚きはしたものの、その熱が入った愛撫に、奉仕に。コウメイは興奮もしたし、快感も感じたのだ。
そして性的な満足感だけではない--それ以上の幸福感。他人に想ってもらうこと。性的な欲求とは別の、人として当然欲するもの。プリシティアはそれをコウメイに与えてくれたのだ。それが、たまらなく嬉しかった。
グスタフとリリライトの狂気の性交を見せつけられて以来ーー無意識下ではあるが、性行為は唾棄すべき人以下の行為だと刷り込まれていたコウメイだったが。
でも実際は違う。男性と女性が身体を交わせるのは、欲望の解消という点は勿論否定しない、でもそれだけじゃない。クサ過ぎる言葉だとは自分でも思うが、お互いの想いを確かめ合う行為でもあるはずだ。
粘膜同士を触れ合わせて、お互いがお互いを想い合うことを確かめる行為。それは決して欲望にまみれた獣同士の欲望のぶつけ合いではなく、人として大切で素晴らしい行為のはずなのだ。
「どうしたしまして」
コウメイの感謝の言葉に、満面の笑みを返してくるプリシティア。
その無邪気な顔を見て、コウメイは心の中だけで笑みを引きつらせていたりする。
つい数日前に初めてあったばかりの2人は、断じて恋愛関係などではない。ましてや元帥と護衛騎士という上司と部下の関係だ。
いくら純粋な想いからの行為とはいっても、プリシティアの行為はコウメイが生きていた『前の世界』では一般的には、倫理的に大問題とされること間違いなし。
だけど『この世界』は『前の世界』とは常識も価値観も違えば、必然的に倫理観も変わってくる。カリオスを始めとした権力者の多くは愛人やら妾やらを普通に囲っており、民衆もそれを黙認しながら、そのことを軽蔑することがなく当然だと思われている世界だ。
『前の世界』の倫理観が根強く残っており、そしてそこでは平均的な常識人だったコウメイは、このプリシティアとの関係に「これ、いいのか?」と若干思ったりする気持ちもあるが、郷にいては郷に従えの精神で、あまり気にしないことにした。
今も嬉しそうにコウメイの胸に顔をうずめるプリシティアも、恋愛感情でこのようなことをしてきたわけではないはずだ。あくまで護衛騎士としての忠愛ーーとはいっても、夜伽は護衛騎士の責務ではないのだが--だろう。こうしてなついているのも、おそらく兄好きな妹、みたいなノリだろう、きっと。そういうことにしておこう。
「わーも、元帥さの役に立てるっち? スタインに負けてないが?」
甘えるようにして、しかしどこか不安そうに孔明の顔を見上げてくるプリシティア。
「--ああ」
その短い返事だけで、プリシティアは嬉しそうにーー本当に嬉しそうな笑みを浮かべる。それを見ているとコウメイも嬉しくなってくるのが不思議だった。
ーーこうやって、人は誰かを頼り誰かに頼られ、支え合うから生きていけるのだ。
それはあまりに当然過ぎること。
そして、それはコウメイも決して例外ではない。
誰もが第2王女派の脅威に対し、偽りの強さで、何となく対応出来ているを周りに見せつけているコウメイ。そんな彼に、聖アルマイトの誰もが期待している。誰もがコウメイを頼っている。
だけど、そのことがコウメイが誰かに頼ることを禁じることにはならないはずだ。。
誰からも頼られるコウメイもまた誰かを頼っていいはずなのだ。
柔らかいプリシティアの身体の暖かさを通して彼女の想いが伝わってくる。今のコウメイにとっては、それが何よりも嬉しい。その暖かさを頼りにしたい。支えてもらいたいと思う。
自分も弱音を吐いていい。誰かを頼って、支えてもらっても良いのだ。その『誰か』がいることが、こんなにも嬉しいなんて。
思えば、『この世界』では常に1人きりだったような気がする。飄々としながら他人とは一定の距離を保ち、必要な時は助けられることはあったが、自分からこんなにも誰かを頼ったことはあっただろうか。
「プリティシアが来てくれてよかった……」
コウメイは彼女の細い体ーー本当に護衛騎士が務まるかと思ってしまうくらいの、その少女らしい小さな身体を、瞳を閉じて優しく抱きしめる。
「あ、う……ううう……う~」
その言葉が望外に嬉しかったのか、プリティシアはコウメイの腕の中で顔を真っ赤にしながら、ぶるぶると震えていた。饒舌な彼女にしては珍しく口ごもっている。
「う、嬉しいっちゃ。コウメイさ、ほんに嬉しいやが……わーの名前はプリティシアじゃないち、プリシティアやが」
「……言いにくい」
「そんなっ?」
コウメイは抱き寄せたプリシティアの髪に顔をうずめると、心地よい匂いと感覚に身を任せながらつぶやく。
「じゃあ、もう愛称はプリティでいいな。実際可愛いし……うん、決定。これからプリティって呼ぶわ」
眠そうな声で恥ずかしげもなくそういうコウメイに、プリシティアは湯気が立つのではと思わされるくらいに顔を真っ赤にする。
「い……いいいい、嫌やがー! 恥ずかしいっちゃ! それは堪忍やが、コウメイさ!」
真っ赤な顔のまま、嬉しいやら恥ずかしいやら、そんな感情がごちゃごちゃに混ざった声で訴えるプリシティア。コウメイの胸の中で、頭をグリグリとしながら、しかし彼が反応を返してこないのを不思議に思い、ふと動きを止めると。
「……すー」
射精後の余韻に包まれながら、暖かくて柔らかいプリシティアの身体の感触に心地よくなったコウメイは、いつの間にか安らかな寝息を立てていた。
少し拍子抜けのような顔をしながら、プリシティアはコウメイの寝顔を見つめ続ける。
その顔は、心の底から安心しきっており、とても気持ちよさそうな寝顔だった。
「ふふ……あいしー(可愛い)寝顔やがね、コウメイさ」
そんなコウメイの寝顔を見ていると、プリシティアも嬉しそうな表情を浮かべて、コウメイの背中に腕を回して自らの身体をコウメイに密着させる。
コウメイの暖かい体温を感じながら、プリシティアも瞳を閉じると、静かにつぶやいた。
「コウメイさは、護衛騎士代理のわーが必ず守るっちゃよ。やけん、安心するやが」
この夜、時間は短かったものの、コウメイは元帥になってから初めて熟睡することが出来たのだった。
「っちょ? 咥えながらしゃべったら……ううっ!」
肉棒を頬張ったままプリシティアが喋ると、彼女の柔らかな舌が、敏感な肉棒の先端部分を刺激ししてくる。その甘い刺激に、思わずコウメイは腰をヒクつかせる。
「ん……ぷあぁ。だって、だって元帥さはスタインのことばかり、でい褒めてばかりちゃ。わーだって、元帥さの役に立ちたいやが。こういうことけ、スタインには出来ないちゃ」
「ちょ、だから待て! 扱くの止め……!」
肉棒から口を離した後もプリシティアはコウメイに快感を与えようと、肉棒を手で握ると、上下に擦って刺激を送り続ける。
そこは既にプリシティアの唾液と、肉棒から溢れ出てきた先走りでヌルヌルになっており、またプリシティアの緩急のついた絶妙な刺激が強烈な快感を送り込んでくる。
「と、とにかく落ち着け。落ち着くんだっ!」
それは自分に言っているのかプリシティアに言っているのか……とにかく意識がまだ状況に追いついていないコウメイがプリシティアの両肩に手を置いて制止の声をかけると、彼女はようやく愛撫の手を止めた。
「いや、何やってんの君!? 君が来てから何回もこの言葉言ったけど、今ほど本気でそう思ったことはないよ!? 」
「だ、だからわーは……」
凄い剣幕で言ってくるコウメイにたじろぐプリシティア。つい素の口調で喋ろうとしたところで、ハッと気づいたような表情になると
「私は、コウメイ元帥がスタインばかり褒めるのをみていると、とても怒りを感じます。私もコウメイ元帥のために、スタインには出来ないことをやろうと思いました。そしてラミア王女と私の母が言っていたことを思い出しました。それは、男性の性欲を解消するのは側に仕える女性の役目だということです。だから私は、こうして性的な行為をしています。なぜならば、私はコウメイ元帥の護衛騎士代理だからです」
「えーと……」
相変わらず場にそぐわない変で生真面目な口調が、何故かコウメイの感情を落ち着かせる。とりあえず言いたいことは分かったーーような気がする。
何となく察してはいたが、優秀な才能を見せるスタインをコウメイがベタ褒めをするのだから、ずっと側でそれを見ていたプリシティアが嫉妬しているのだ。
奇しくもコウメイの部下となったのはほぼ同時。年齢もそう違わないし、2人は同期ーーライバルといっていい関係だろう。
「そ、そんなつまらん理由でこんなことするか、普通? ここは王都で戦場じゃないんだから、護衛騎士が活躍する場面なんてあるわけないだろ」
元帥の寝室に忍び込んでこんな大胆な行為に及ぶとは、大物なのか馬鹿なのか。コウメイは呆れながら諫めるように言う。
そうやって次第に落ち着きを取り戻してきたコウメイとは逆に、今度はプリシティアが涙を浮かべながら感情的に言う。
「わ、わーにとってはつまらなくないが! わーも元帥さの役に立ちたいっちゃ! わーに出来ることならなんでもしたいが! やけん、そのために故郷っち出てきて王都に来たがよ! せっかく護衛騎士代理になったっち、捨てられたくないが!」
「す、捨てられるって……」
泣きそうな声で、必死に訴えてくるプリシティアは、また素の方言に戻っていたが、訴えの内容はコウメイにも理解出来た。
だからといって、このうような性的な行為に及ぶ心情はコウメイには理解できない。しかし、彼女なりの必死さは充分に感じる。それは決して邪なものではなく、本当に純粋にスタインに負けたくない、元帥の役に立ちたいという真っ直ぐ純粋無垢なものだ。やっていることはともかくとして。
おそらく、このプリシティア=ハートリングという少女は、どこまでも真面目なのだろう。
彼女にとって護衛騎士ーー彼女はあくまでもリューイ不在の間の代理という扱いだが--は、元帥のためなら何でもする存在。戦場で護衛するだけではなく、身の回りの世話も……それこそこういった夜伽までも護衛騎士が担うもの、とでも考えているのだろう。
めきめきと才覚を表して、大いにコウメイの役に立っているスタインを見て、いても立ってもいられなくなったのだろう。だから男のスタインには決して出来ないことで、コウメイの役に立とうと--
「--ぷ」
コウメイにとっては冗談のような話で、思わず吹き出してしまった。
行為は娼婦や妾のようなことだが、その想いは世間知らずで、だけど純粋で真っ直ぐな子供そのものだ。そう考えると、可笑しくなってしまう。
つい先ほどまで、眠れずに苦しんでいたことなどすっかり忘れて、コウメイはプリシティアに笑いかける。
「……ありがとう、プリシティア。その気持ちは嬉しいけど、だけどこんなこと……おおっ?」
そんなプリシティアの想いを察して、優しく声を掛けるコウメイのことなどお構いなしに、プリシティアはコウメイのシャツの裾をまくり上げると、乳首に吸い付くようにする。
「だ、だから本当、何してんの君? 人の話聞いてるかな? ……っうう!」
「ふふふ、元帥さ身体ビクビクっちしとるよ。わーの舌、じょうが?」
今の今まで泣きそうな顔をしていた表情は、今度は転じて少女らしからぬ妖艶なものと変わっていた。
プリシティアはそのまま舌でコウメイの乳首を舐ってくる。その舌使いは、先ほどの肉棒への愛撫と同じくとても官能的で、突起の周りにゆっくりと舌を這わせて焦らすようにした後、固く尖ったその先端部分を唇に含む。
「う、くあ……ああっ……」
--気持ちいい。
こんな年下の少女の舌で、しっかりと快感を感じているのは事実だった。
プリシティアのいたいけな少女然とした外見からは考えれない程の手練手管もそうだったが、『この世界』に来てからコウメイは、異性と性的な行為に及んだことがない。
それは相手や機会が無かったからという理由もある。そしてそれに加えて、あのミュリヌス領フォルテア森林帯で、グスタフとリリライトの狂気に満ちた性交を見せつけられた以後ーー性的な行動は『邪悪で忌避すべきもの』と、コウメイの無意識下に刷り込まれいた。
だから性的衝動に駆られることも無かったし、男性器が勃起することも無かった。すると自然、異性とそういった行為に及ぶ機会を積極的に作り出すこともしなかった。
しかしコウメイは決して病的なインポテンツというわけではない。少なくとも肉体は至って健康的な成年男子である。
発散しなければ、当然その欲求は溜まっていくものだ。そんな状態でこんなことをされてば--しかも美少女といって差し支えない上に、的確に快感のツボを押さえてくる相手に--爆発しないわけがない。
「あはっ、元気になったっち! わーの舌で悦んでくれるの、嬉しいが。んん~……れろれろ。いっぱい気持ちよくなりぃけ、元帥さ。ちゅっ、ちゅっ!」
コウメイが快感を感じているのが分かると、プリシティアは嬉しそうに乳首を舐め、何度も何度も吸い上げる。
それはコウメイに気持ちよくなって欲しい、喜んで欲しいという、真っすぐで純粋で無邪気な想いからの愛撫。その巧みな技巧よりも、その気持ちがコウメイをより興奮させた。
その思いに応えるように、コウメイは彼女の赤い髪を優しく撫でる。
「--ふふふ。まるであにぃにいい子いい子されてるみたいっち。嬉しい……んん、コウメイさ」
嬉しそうに微笑むプリシティアは頬を赤らめながら、そのまま舌を腹の方へ滑らせるようにしていく。そして、再び顔をコウメイの股間へと。
ビクビクと震えながら、先端部からはもどかしそうに透明な雫を溢れさせている肉棒を前にして、プリシティアはうっとりとしていた。
「……また舐めてくれるか、プリティシア?」
思わずそう言ってしまったコウメイ--その言葉にプリシティアは
「~~~~っ!」
声にならない声を漏らしながら、その抑えられない嬉しさを表すように、首を振り回すようにしていた。
「勿論いいっちゃ、コウメイさ。いっぱい、いっぱい気持ちよくなってほしいけ、わー頑張るっちゃよ。ちゅ……ちゅば……ちゅ……」
「うっ……く……」
先ほどよりも激しい舌使いで、音を立てながらコウメイの肉棒を吸い立てていくプリシティア。
その小さな舌を、敏感になっている亀頭部分に絡めるようにしながら、同時に唾液をまぶしていくと、そのまま口に頬張り始める。
「ん……ちゅ……ちゅう……」
「うっ……ううっ……!」
そのまま唇を窄めるようにして、顔を前後しながら口奉仕を続けるプリティシア。
幼さが残る容貌とは似合わない手管ーー口の中で舌を動かしてカリの部分を刺激しながら、頬の粘膜で竿全体を包み込むように刺激してくる。そして唇で擦られるようにしてしまえば、甘ったるくて、そして強烈な快感がコウメイを満たしていく。
「気持ちいいっちゃ、コウメイさ?」
「あ、ああ……気持ちいいよ」
「♪~」
悪戯っぽく笑って聞いてくるプリティシアに、コウメイは素直な感想で答えると、彼女は心の底から嬉しそうな笑みを浮かべて、口奉仕を続ける。
「う……もう、出るっ……!」
コウメイの限界が近くなると、プリシティアはそのまま顔の前後運動を速めながら、そのまま射精を促していく。さらには手を伸ばし、先ほどまくり上げてあらわになった乳首を指で刺激していく。
「う、あっ……い、いく……ああっ……!」
「~~っ! んんんん~っ!」
プリシティアの巧みな性技により、コウメイは呆気なく射精に導かれると、その欲望のままに彼女の口の中へと精を吐き出す。
随分と長いこと溜め込んでいたこともあり、それなりの量をプリシティアの口の中へと吐き出し続けたが、彼女は肉棒を咥えこんだまま、その雄の欲望を受け止める。
「んんっ……んんーっ! でいに出とっけ、口に収まりきれんち」
「あ、わ……悪い。ティッシュがそこに……っあ……」
プリシティアが口から白濁液を零しているのを見て、慌ててコウメイは起き上がってティッシュを取ろうとした。しかし射精後の脱力感、そして何よりもプリシティアの手管で腰砕けになってしまっており、そのまま動けずにいた。
「あははー、ええがええがー。わーが自分で取りますっちゃ」
プリシティアはその言葉通り、自分でベッドサイドにあるティッシュ箱へ手を伸ばして、口を拭う。
「それにしても、ほんにたくさん出たがね。コウメイさも元気になったみたいで良かったちゃ。昼間はずっと元気無さそうけ、安心したがー!」
苦くて息苦しいだろうに、コウメイを満足させられたことが余程嬉しかったのか、プリシティアは本当に幸せそうな笑顔をコウメイに向けていた。
「君は……本当に……」
そんなプリシティアを見て、コウメイもまたつられるようにして笑う。
それは日中に、上司や同僚や部下に見せるための、他人に対して偽りの強さを誇示するためのおちゃらけた笑いではない。
それは誰に見せる必要もない笑み。心の底から、本当の意味でコウメイが安心して気が緩んだ表情だった。
さすがに苦くなってきたのが、「うげー」と言いながらティッシュに白濁液を吐き出すプリシティアを見て、コウメイは思う。
どこまでいっても--こんな逆夜這い紛いのことすらされても--純粋無垢と思わされる彼女の仕草。
純粋無垢な彼女には見抜かれていたのだろう。
普段自分が見せている態度は、周りに不安を与えないということを建前にて、自分の弱さを隠匿しているだけだったということを。
彼女は具体的で複雑なコウメイの悩みなど知ったこっちゃないだろう。ただ、コウメイの元気が無さそうだから、何とかしなくては。これだけなのだろう。
勿論スタインへの嫉妬もあるのだろうが、彼女のおおよその行動原理はそれくらい単純明快で、純粋で、真っすぐなのだ。
だからといって、よもやこういった手段に出てくるのは、『この世界』の文化なのか彼女の個性や生い立ちなのかはよく分からないが--
「--プリティシア」
コウメイが笑みを向けながら、手を広げてプリシティアを招く。それを見てプリシティアは、嬉しそうに顔を輝かせると、そのままコウメイの胸の中に飛び込むようにして、2人は同じ布団の中に入る。
そうやって懐いてくるプリシティアののお尻に、生えていないはずなの尻尾が触れているのが見える。これが犬系彼女ということか。いや、彼女じゃないけど。
「あははー。コウメイさの身体、あったかいっちゃ」
じゃれついてくるように、グリグリとコウメイの胸板に顔を押し付けてくるプリシティア。その赤髪をコウメイは優しく撫でてやると、本当の犬よろしくプリシティアは嬉しそうに喉を鳴らす。
「ありがとう」
それは性的な欲求を解消してくれたことではない。
プリシティアが、本当にコウメイのことを想い、なんとかしようとしてくれたことが本当に嬉しかった。それに対する感謝の気持ち。
プリシティアの純粋な想いが伝わったから、最初は驚きはしたものの、その熱が入った愛撫に、奉仕に。コウメイは興奮もしたし、快感も感じたのだ。
そして性的な満足感だけではない--それ以上の幸福感。他人に想ってもらうこと。性的な欲求とは別の、人として当然欲するもの。プリシティアはそれをコウメイに与えてくれたのだ。それが、たまらなく嬉しかった。
グスタフとリリライトの狂気の性交を見せつけられて以来ーー無意識下ではあるが、性行為は唾棄すべき人以下の行為だと刷り込まれていたコウメイだったが。
でも実際は違う。男性と女性が身体を交わせるのは、欲望の解消という点は勿論否定しない、でもそれだけじゃない。クサ過ぎる言葉だとは自分でも思うが、お互いの想いを確かめ合う行為でもあるはずだ。
粘膜同士を触れ合わせて、お互いがお互いを想い合うことを確かめる行為。それは決して欲望にまみれた獣同士の欲望のぶつけ合いではなく、人として大切で素晴らしい行為のはずなのだ。
「どうしたしまして」
コウメイの感謝の言葉に、満面の笑みを返してくるプリシティア。
その無邪気な顔を見て、コウメイは心の中だけで笑みを引きつらせていたりする。
つい数日前に初めてあったばかりの2人は、断じて恋愛関係などではない。ましてや元帥と護衛騎士という上司と部下の関係だ。
いくら純粋な想いからの行為とはいっても、プリシティアの行為はコウメイが生きていた『前の世界』では一般的には、倫理的に大問題とされること間違いなし。
だけど『この世界』は『前の世界』とは常識も価値観も違えば、必然的に倫理観も変わってくる。カリオスを始めとした権力者の多くは愛人やら妾やらを普通に囲っており、民衆もそれを黙認しながら、そのことを軽蔑することがなく当然だと思われている世界だ。
『前の世界』の倫理観が根強く残っており、そしてそこでは平均的な常識人だったコウメイは、このプリシティアとの関係に「これ、いいのか?」と若干思ったりする気持ちもあるが、郷にいては郷に従えの精神で、あまり気にしないことにした。
今も嬉しそうにコウメイの胸に顔をうずめるプリシティアも、恋愛感情でこのようなことをしてきたわけではないはずだ。あくまで護衛騎士としての忠愛ーーとはいっても、夜伽は護衛騎士の責務ではないのだが--だろう。こうしてなついているのも、おそらく兄好きな妹、みたいなノリだろう、きっと。そういうことにしておこう。
「わーも、元帥さの役に立てるっち? スタインに負けてないが?」
甘えるようにして、しかしどこか不安そうに孔明の顔を見上げてくるプリシティア。
「--ああ」
その短い返事だけで、プリシティアは嬉しそうにーー本当に嬉しそうな笑みを浮かべる。それを見ているとコウメイも嬉しくなってくるのが不思議だった。
ーーこうやって、人は誰かを頼り誰かに頼られ、支え合うから生きていけるのだ。
それはあまりに当然過ぎること。
そして、それはコウメイも決して例外ではない。
誰もが第2王女派の脅威に対し、偽りの強さで、何となく対応出来ているを周りに見せつけているコウメイ。そんな彼に、聖アルマイトの誰もが期待している。誰もがコウメイを頼っている。
だけど、そのことがコウメイが誰かに頼ることを禁じることにはならないはずだ。。
誰からも頼られるコウメイもまた誰かを頼っていいはずなのだ。
柔らかいプリシティアの身体の暖かさを通して彼女の想いが伝わってくる。今のコウメイにとっては、それが何よりも嬉しい。その暖かさを頼りにしたい。支えてもらいたいと思う。
自分も弱音を吐いていい。誰かを頼って、支えてもらっても良いのだ。その『誰か』がいることが、こんなにも嬉しいなんて。
思えば、『この世界』では常に1人きりだったような気がする。飄々としながら他人とは一定の距離を保ち、必要な時は助けられることはあったが、自分からこんなにも誰かを頼ったことはあっただろうか。
「プリティシアが来てくれてよかった……」
コウメイは彼女の細い体ーー本当に護衛騎士が務まるかと思ってしまうくらいの、その少女らしい小さな身体を、瞳を閉じて優しく抱きしめる。
「あ、う……ううう……う~」
その言葉が望外に嬉しかったのか、プリティシアはコウメイの腕の中で顔を真っ赤にしながら、ぶるぶると震えていた。饒舌な彼女にしては珍しく口ごもっている。
「う、嬉しいっちゃ。コウメイさ、ほんに嬉しいやが……わーの名前はプリティシアじゃないち、プリシティアやが」
「……言いにくい」
「そんなっ?」
コウメイは抱き寄せたプリシティアの髪に顔をうずめると、心地よい匂いと感覚に身を任せながらつぶやく。
「じゃあ、もう愛称はプリティでいいな。実際可愛いし……うん、決定。これからプリティって呼ぶわ」
眠そうな声で恥ずかしげもなくそういうコウメイに、プリシティアは湯気が立つのではと思わされるくらいに顔を真っ赤にする。
「い……いいいい、嫌やがー! 恥ずかしいっちゃ! それは堪忍やが、コウメイさ!」
真っ赤な顔のまま、嬉しいやら恥ずかしいやら、そんな感情がごちゃごちゃに混ざった声で訴えるプリシティア。コウメイの胸の中で、頭をグリグリとしながら、しかし彼が反応を返してこないのを不思議に思い、ふと動きを止めると。
「……すー」
射精後の余韻に包まれながら、暖かくて柔らかいプリシティアの身体の感触に心地よくなったコウメイは、いつの間にか安らかな寝息を立てていた。
少し拍子抜けのような顔をしながら、プリシティアはコウメイの寝顔を見つめ続ける。
その顔は、心の底から安心しきっており、とても気持ちよさそうな寝顔だった。
「ふふ……あいしー(可愛い)寝顔やがね、コウメイさ」
そんなコウメイの寝顔を見ていると、プリシティアも嬉しそうな表情を浮かべて、コウメイの背中に腕を回して自らの身体をコウメイに密着させる。
コウメイの暖かい体温を感じながら、プリシティアも瞳を閉じると、静かにつぶやいた。
「コウメイさは、護衛騎士代理のわーが必ず守るっちゃよ。やけん、安心するやが」
この夜、時間は短かったものの、コウメイは元帥になってから初めて熟睡することが出来たのだった。
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