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第2章『クラベール城塞都市決戦』編
挿話 懸案事項(ついで)
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「あ、ついでにもう1ついいですか?」
カリオスに不安を吐き出せと言われてその通りにした結果、思いも寄らずスッキリしたコウメイは、軽い口調でそう続けた。
その様子の変わりようにカリオスはため息をつきながら、しかしどこか安心したようにも見える表情をして
「言ってみろ」
と、促す。
無論、元帥職であるコウメイが抱える悩みは星の数ほどある。その中でも誰かに言っても仕方ないと思っていたことでも、今の様に吐き出してしまえば意外と解決方法が見えてしまうこともある。
身を持ってそれを体験したばかりのコウメイは、早速それを実行に移すのだった。
「ひょっとしたら、敵はグスタフだけじゃあないのかもしれません」
唐突なコウメイの不吉な物言いに、さすがにカリオスも目を剥くのだった。
「お前の話はいつも唐突だよな。唐突な上に不吉極まりない。お前の頭の中では順序立ってるんだろうが、聞かされる方の身にもなってみろ」
「いやあ、結論から先に言った方がわかりやすいかなと思って」
カリオスがそう毒吐くと、コウメイは悪びれた様子を微塵にも見せないで、頭を掻く。
「はっきり言ってこれは俺の妄想も入っている話だし、現時点では眼に見えた問題は起きてないーーだけど、とてつもなく嫌な予感がするので、カリオス殿下にも聞いていただいた方が良いと思って。不安の道連れーーじゃなくて、せっかくの機会だし」
「もう、不吉の重ね掛けするの止めろや。さっさと話せよ」
カリオスにそう叱責されると、コウメイはようやく本題を切り出す。
「不可解な事実が2つほど報告されています。1つは、目下の脅威であるリアラ=リンデブルグに関することで、これはリューイからの報告になります」
リアラが第2王女派に与したという報告をリンデブルグ家に報告へ行ったリューイ。彼はその時、リンデブルグ家に仕えるメイドに、ミュリヌス学園から帰省した時のリアラの様子を聞いたらしい。
夏の帰省の時はいつも通りの彼女だったが、冬の帰省の時の様子は明らかに変わっていたという。つまり、その時には既にグスタフの異能にかかっていたと予想される。
「その話、リューイが彼女の異変に気付けずに後悔してもし足りねえ――ってのは分かるが、それ以外に何かあるのか?」
防げなかったことを後悔するよりも、今は起こった問題に対処する方が優先だ。カリオスの言葉は最もである。
「実は、少し変な話になりますが……」
苦笑しながら言いづらそうに切り出すコウメイに、カリオスは首を傾げるが、その理由はすぐにわかることとなる。
その冬の帰省時、リアラは久々に会えた恋人のリューイと性行為を避けながら――それに近いところまではあったが――同性であるそのメイドとの行為を執拗に求めてきたのだという。
「ちょっと違和感ないですか? その時、既にグスタフの異能にかかっているとしたら、奴の好みそうな女性像とは違うような気がするんですよ」
「……あいつの好みなんて考えるだけでも反吐が出そうだが」
カリオスが露骨に不快そうな顔を見せると、コウメイも全く同意してうなずく。しかしそんな馬鹿らしくて阿保らしい低レベルの話だとしても、そのレベルの話に聖アルマイトは危機に晒されているのが現実だ。今や国王代理として国を預かるカリオスも、真剣に考えざるを得ない。
「奴の変態性を考えたら何でも有――って感じもするな。でも、それを聞いたら、その時のリアラ=リンデブルグはまるで同性愛者みたいに聞こえてくるな。そう考えると、違和感を感じなくもない。
でも、もしかしたらお気に入りの女を、他の男――特に恋人には抱かせたくないって独占欲で、そういう命令をしていたかもしれねえし……って、やっぱりこんなこと考えても仕方なくねえか?」
最後はどうしても素に戻ってしまい、思わず高い声で聞き返してくるカリオス。しかしコウメイは真面目な表情のままでいた。
「俺もその話だけなら『ふーん』で終わっていた話だったんですけどね。そこで、もう1つの不可解な報告――ストール領へ派遣したレオルス隊の失踪です」
最高執政官リューゲルが自らの後継者候補として目をかけていた若き書記官見習いの失踪事件――開戦前、第2王女派が本拠地とするミュリヌス領のミュリヌス学園に在籍していた学生の生死や動向について、それぞれの親族へ知らせるようにしていた。
レオルスはその中で、そこに学生だったステラ=ストールの生死不明の報を彼女の父へ伝えるために、ストール領へと赴いた。そして、そのまま行方を暗まして、今もその行方は掴めていないのだった。
最高執政官の愛弟子が失踪したことは決して小さな事件ではない。リューゲルも、他人にはあまり見せないが、だいぶ気落ちしている。
しかし対応を検討する間もなく第2王女派の猛攻がすぐに始まってしまい、その案件はとりあえず脇に置かれてしまった。仕方ないことではあるが、カリオスも今コウメイの口から聞いて、それを思い出した程だ。
「リューゲル卿は独自で調べてられているらしいんですが、実はストール領方面は失踪者が不自然に多いらしいんですよ」
「それが何だって言うんだ? それにもグスタフが何か噛んでいるってのか?」
全く違う話題を突然持ち出されて、カリオスもその言葉の通り疑問符が顔に滲み出ている。
しかしコウメイは、そのカリオスの質問を、首を横に振って否定する。
「ストール領は山奥のド田舎――とてもグスタフが興味を持つような場所とも思えないし、じゃあフェスティアの何か悪だくみかというと、それも考えにくい。戦略的な価値も皆無ですからね。だからこれは、グスタフとは無関係なことだと思っています」
「ますます分からん。今の状況でグスタフ以上に気を付けないといけない奴がいるのか?」
カリオスの言葉は、万人が言うであろう当たり前の言葉だ。それにコウメイは間を入れずに即答する。
「――誰もがそう考えるからこそ、それに付け入る奴がいるとも限らない」
そう言って、コウメイは大きく深呼吸をしてから続ける。
「不可解なことも1つくらいなら気のせいかもしれないし、偶然で起こり得るかもしれない。でも、2つ重なってくると疑わしいーーてのが、俺の地元での通説になっておりまして」
リアラ=リンデブルグの違和感とレグルスの失踪事件。
これはコウメイが最初に言った通り、推論というにはあまりにもお粗末である妄想が多分に入っている考えである。普通に考えたら、この2つの事実に関係性など考えられず、結び付けるのはあまりに強引過ぎる。
それでもコウメイは、リューイのリアラの件について報告を受けた後にレオルスの失踪事件を知って、胸の奥底に僅かに生まれた不吉感が、ずっと消えないままでいたのだ。
「お前の考えはどうだっていうんだ? 妄想でもいいから、言ってみろ」
自分で妄想だと前置きしたにも関わらず、コウメイにしては珍しい自信ありげな口調に、カリオスも感化されたようだった。じっとコウメイを見据えてそう言った。
「ストール家に関係する『何か』が、第2王女派内で暗躍しているのでは。当初はその『何か』がリアラ=リンデブルグを取り込もうとしたけど、その後グスタフに横取りされた……って、シナリオはどうですか?」
それはもはや作り話の域だ。
しかし今の話の流れからすると、一笑に付して終わらせる気にはなれない。それに万が一それが事実だったとすると、大きな問題が浮き出てくる。
「――もしお前のその妄想とやらが的を得ていたとすると、その『何か』はリアラ=リンデブルグが勇者の家系であると知っている可能性が高いな」
リンデブルグ家は貴族としては中流。貴族階級としては特に珍しわけではない彼女を、わざわざ手中収めようとする理由としては、それくらいしか考え付かない。
聖アルマイト――いや、世界で秘中の秘とされていて、その真実はアルマイト家の当主に口伝で伝えられていたのみのその情報を知る人物など、下手をしたらグスタフ以上に危険な存在の可能性すらある。
「ただ『何か』の正体も目的も、想像すらつきませんからね。だから妄想の域は出ませんよ。結局、嫌な予感がするってだけです」
それまで張り詰めていた空気を弛緩させるようにコウメイはため息をつく。しかし、カリオスは空気を張り詰めたままの口調で、そっとつぶやくようにその言葉をこぼした。
「いや……少なくとも正体を想像することくらいは出来るな」
「へ?」
今度はコウメイが虚を突かれる番だった。変な声を出して反応するコウメイに、カリオスが答える。
「この状況で怪しいのは、どう考えても『生死不明』ってことになっているストールの令嬢だろう。ミュリヌス学園の学生だったら、今もグスタフの側――少なくとも第2王女派内にいる可能性も高い」
「――あ」
先ほどのフェスティアの話といい、どうして肝心なことを見落としてしまうのだろうかと、コウメイは自己嫌悪する。しかしそれをカリオスが気付いてフォローしてくれるのだから、そういった意味では良いコンビなのかもしれない。
「それで、お前が言ったことを逆に取れば、その『何か』の正体と目的が想像出来れば、妄想の域は出ることになるな」
「――参ったな。カリオス殿下に元帥職は譲りますよ」
カリオスの鋭い指摘を受けて、コウメイは頬を緩めながら冗談めかしてそう言った。カリオスはそんなコウメイに「馬鹿野郎」と笑いながら言い返すと
「空振りに終わるとしても、ストール家を調べてみる価値はありそうだな。よし、それに関しては俺に任せとけ。何か分かったら――いや、何も分からなくても、お前にすぐ届くようにする。だからお前は、今は前線のことに集中してくれ」
頼もしいカリオスに言葉に、コウメイはうなずくのだった。
前線への出立前、こうして彼の懸案事項はいくつか軽減されることとなった。
カリオスに不安を吐き出せと言われてその通りにした結果、思いも寄らずスッキリしたコウメイは、軽い口調でそう続けた。
その様子の変わりようにカリオスはため息をつきながら、しかしどこか安心したようにも見える表情をして
「言ってみろ」
と、促す。
無論、元帥職であるコウメイが抱える悩みは星の数ほどある。その中でも誰かに言っても仕方ないと思っていたことでも、今の様に吐き出してしまえば意外と解決方法が見えてしまうこともある。
身を持ってそれを体験したばかりのコウメイは、早速それを実行に移すのだった。
「ひょっとしたら、敵はグスタフだけじゃあないのかもしれません」
唐突なコウメイの不吉な物言いに、さすがにカリオスも目を剥くのだった。
「お前の話はいつも唐突だよな。唐突な上に不吉極まりない。お前の頭の中では順序立ってるんだろうが、聞かされる方の身にもなってみろ」
「いやあ、結論から先に言った方がわかりやすいかなと思って」
カリオスがそう毒吐くと、コウメイは悪びれた様子を微塵にも見せないで、頭を掻く。
「はっきり言ってこれは俺の妄想も入っている話だし、現時点では眼に見えた問題は起きてないーーだけど、とてつもなく嫌な予感がするので、カリオス殿下にも聞いていただいた方が良いと思って。不安の道連れーーじゃなくて、せっかくの機会だし」
「もう、不吉の重ね掛けするの止めろや。さっさと話せよ」
カリオスにそう叱責されると、コウメイはようやく本題を切り出す。
「不可解な事実が2つほど報告されています。1つは、目下の脅威であるリアラ=リンデブルグに関することで、これはリューイからの報告になります」
リアラが第2王女派に与したという報告をリンデブルグ家に報告へ行ったリューイ。彼はその時、リンデブルグ家に仕えるメイドに、ミュリヌス学園から帰省した時のリアラの様子を聞いたらしい。
夏の帰省の時はいつも通りの彼女だったが、冬の帰省の時の様子は明らかに変わっていたという。つまり、その時には既にグスタフの異能にかかっていたと予想される。
「その話、リューイが彼女の異変に気付けずに後悔してもし足りねえ――ってのは分かるが、それ以外に何かあるのか?」
防げなかったことを後悔するよりも、今は起こった問題に対処する方が優先だ。カリオスの言葉は最もである。
「実は、少し変な話になりますが……」
苦笑しながら言いづらそうに切り出すコウメイに、カリオスは首を傾げるが、その理由はすぐにわかることとなる。
その冬の帰省時、リアラは久々に会えた恋人のリューイと性行為を避けながら――それに近いところまではあったが――同性であるそのメイドとの行為を執拗に求めてきたのだという。
「ちょっと違和感ないですか? その時、既にグスタフの異能にかかっているとしたら、奴の好みそうな女性像とは違うような気がするんですよ」
「……あいつの好みなんて考えるだけでも反吐が出そうだが」
カリオスが露骨に不快そうな顔を見せると、コウメイも全く同意してうなずく。しかしそんな馬鹿らしくて阿保らしい低レベルの話だとしても、そのレベルの話に聖アルマイトは危機に晒されているのが現実だ。今や国王代理として国を預かるカリオスも、真剣に考えざるを得ない。
「奴の変態性を考えたら何でも有――って感じもするな。でも、それを聞いたら、その時のリアラ=リンデブルグはまるで同性愛者みたいに聞こえてくるな。そう考えると、違和感を感じなくもない。
でも、もしかしたらお気に入りの女を、他の男――特に恋人には抱かせたくないって独占欲で、そういう命令をしていたかもしれねえし……って、やっぱりこんなこと考えても仕方なくねえか?」
最後はどうしても素に戻ってしまい、思わず高い声で聞き返してくるカリオス。しかしコウメイは真面目な表情のままでいた。
「俺もその話だけなら『ふーん』で終わっていた話だったんですけどね。そこで、もう1つの不可解な報告――ストール領へ派遣したレオルス隊の失踪です」
最高執政官リューゲルが自らの後継者候補として目をかけていた若き書記官見習いの失踪事件――開戦前、第2王女派が本拠地とするミュリヌス領のミュリヌス学園に在籍していた学生の生死や動向について、それぞれの親族へ知らせるようにしていた。
レオルスはその中で、そこに学生だったステラ=ストールの生死不明の報を彼女の父へ伝えるために、ストール領へと赴いた。そして、そのまま行方を暗まして、今もその行方は掴めていないのだった。
最高執政官の愛弟子が失踪したことは決して小さな事件ではない。リューゲルも、他人にはあまり見せないが、だいぶ気落ちしている。
しかし対応を検討する間もなく第2王女派の猛攻がすぐに始まってしまい、その案件はとりあえず脇に置かれてしまった。仕方ないことではあるが、カリオスも今コウメイの口から聞いて、それを思い出した程だ。
「リューゲル卿は独自で調べてられているらしいんですが、実はストール領方面は失踪者が不自然に多いらしいんですよ」
「それが何だって言うんだ? それにもグスタフが何か噛んでいるってのか?」
全く違う話題を突然持ち出されて、カリオスもその言葉の通り疑問符が顔に滲み出ている。
しかしコウメイは、そのカリオスの質問を、首を横に振って否定する。
「ストール領は山奥のド田舎――とてもグスタフが興味を持つような場所とも思えないし、じゃあフェスティアの何か悪だくみかというと、それも考えにくい。戦略的な価値も皆無ですからね。だからこれは、グスタフとは無関係なことだと思っています」
「ますます分からん。今の状況でグスタフ以上に気を付けないといけない奴がいるのか?」
カリオスの言葉は、万人が言うであろう当たり前の言葉だ。それにコウメイは間を入れずに即答する。
「――誰もがそう考えるからこそ、それに付け入る奴がいるとも限らない」
そう言って、コウメイは大きく深呼吸をしてから続ける。
「不可解なことも1つくらいなら気のせいかもしれないし、偶然で起こり得るかもしれない。でも、2つ重なってくると疑わしいーーてのが、俺の地元での通説になっておりまして」
リアラ=リンデブルグの違和感とレグルスの失踪事件。
これはコウメイが最初に言った通り、推論というにはあまりにもお粗末である妄想が多分に入っている考えである。普通に考えたら、この2つの事実に関係性など考えられず、結び付けるのはあまりに強引過ぎる。
それでもコウメイは、リューイのリアラの件について報告を受けた後にレオルスの失踪事件を知って、胸の奥底に僅かに生まれた不吉感が、ずっと消えないままでいたのだ。
「お前の考えはどうだっていうんだ? 妄想でもいいから、言ってみろ」
自分で妄想だと前置きしたにも関わらず、コウメイにしては珍しい自信ありげな口調に、カリオスも感化されたようだった。じっとコウメイを見据えてそう言った。
「ストール家に関係する『何か』が、第2王女派内で暗躍しているのでは。当初はその『何か』がリアラ=リンデブルグを取り込もうとしたけど、その後グスタフに横取りされた……って、シナリオはどうですか?」
それはもはや作り話の域だ。
しかし今の話の流れからすると、一笑に付して終わらせる気にはなれない。それに万が一それが事実だったとすると、大きな問題が浮き出てくる。
「――もしお前のその妄想とやらが的を得ていたとすると、その『何か』はリアラ=リンデブルグが勇者の家系であると知っている可能性が高いな」
リンデブルグ家は貴族としては中流。貴族階級としては特に珍しわけではない彼女を、わざわざ手中収めようとする理由としては、それくらいしか考え付かない。
聖アルマイト――いや、世界で秘中の秘とされていて、その真実はアルマイト家の当主に口伝で伝えられていたのみのその情報を知る人物など、下手をしたらグスタフ以上に危険な存在の可能性すらある。
「ただ『何か』の正体も目的も、想像すらつきませんからね。だから妄想の域は出ませんよ。結局、嫌な予感がするってだけです」
それまで張り詰めていた空気を弛緩させるようにコウメイはため息をつく。しかし、カリオスは空気を張り詰めたままの口調で、そっとつぶやくようにその言葉をこぼした。
「いや……少なくとも正体を想像することくらいは出来るな」
「へ?」
今度はコウメイが虚を突かれる番だった。変な声を出して反応するコウメイに、カリオスが答える。
「この状況で怪しいのは、どう考えても『生死不明』ってことになっているストールの令嬢だろう。ミュリヌス学園の学生だったら、今もグスタフの側――少なくとも第2王女派内にいる可能性も高い」
「――あ」
先ほどのフェスティアの話といい、どうして肝心なことを見落としてしまうのだろうかと、コウメイは自己嫌悪する。しかしそれをカリオスが気付いてフォローしてくれるのだから、そういった意味では良いコンビなのかもしれない。
「それで、お前が言ったことを逆に取れば、その『何か』の正体と目的が想像出来れば、妄想の域は出ることになるな」
「――参ったな。カリオス殿下に元帥職は譲りますよ」
カリオスの鋭い指摘を受けて、コウメイは頬を緩めながら冗談めかしてそう言った。カリオスはそんなコウメイに「馬鹿野郎」と笑いながら言い返すと
「空振りに終わるとしても、ストール家を調べてみる価値はありそうだな。よし、それに関しては俺に任せとけ。何か分かったら――いや、何も分からなくても、お前にすぐ届くようにする。だからお前は、今は前線のことに集中してくれ」
頼もしいカリオスに言葉に、コウメイはうなずくのだった。
前線への出立前、こうして彼の懸案事項はいくつか軽減されることとなった。
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