【R-18】龍の騎士と龍を統べる王

白金犬

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第1章『3領地同時攻防戦』編

第29話 3領地同時攻防戦Ⅷ--南方イシス領戦線③

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「っは! このドブスがっ! 下品なデカパイぶら下げやがって、恥ずかしねぇのか? おら、おらぁぁ!」

 破壊の嵐に見舞われたイシス領の街の中にある、とある家屋の中。

 そこでアイリスは乱暴にメイド服を剥かれて、泣き叫びながらオーエンに犯されていた。

 アイリスは壁に手をつかされて、後ろから乱暴にオーエンの肉棒を挿入されている恰好となっていた。

「っひぃぃ! 痛い、痛いですぅ! ひどい、ひどい……っあああ……助けて、助けてフィリオス様ぁぁぁ!」

 一方的に、乱暴に、暴力的に腰を打ち付けられるアイリスには、勿論快感など皆無である。苦痛しかない。ローションを使って無理やりねじ込まれた肉棒でその身体を、暴言でその心を徹底的に凌辱されていた。

「ざーんねん。貴女の大切なフィリオス様は死にました♪ 私の素敵な旦那様の無敵な力の前に成す術もなく。あはははは。ざまあないわね、不細工ちゃん?」

 オーエンが犯すのを横から面白可笑しそうに見ているのは、フィリオスの命を無残にも奪った張本人であるミリアムだった。

 ミリアムも来ていた鎧も服も脱ぎ捨てて、下着姿になりながら、犯されているアイリスを蔑むように笑っていた。

「旦那様にしては珍しく、汚い顔の不細工女を拾ってきたなぁって思ったけど……このデカパイは本当にムカつくわ。何様のつもりなの?」

「あ、あぁぁぁぁ……痛い、痛い痛い痛いっ! 痛いですぅ! つぶれちゃうううう!」

 ミリアムは屈むようにすると、オーエンに突かれるままに揺れるアイリスの乳房を力一杯握りしめる。龍牙騎士として鍛えた、その握力で。

「お、おおおっ! 締まってチンポに吸い付いてくるぜ……いいぞ、ミリアムもっとやれ」

 欲望のままに腰を突き動かしているオーエンは、獣欲をむき出しにしながら、より苛烈に腰を打ち付けていく。

 そしてそのオーエンの命令に、アイリスは恐怖に顔を歪める。

「ど、どうしてこんなひどいことを……どうして、どうして。どうしてフィリオス様を殺したんですかぁぁ?」

 いつもおどおどしているアイリス。そんな彼女だったが、こんな地獄のような状況でも、生涯で一番自分を愛してくれた人を殺された怒りは収まらない。涙をボロボロと流しながら、怨嗟の声を2人に向ける。

「ああ~? お前馬鹿か? これは戦争だぞ? 勝ったもんが全てを手に入れて、負けた奴は全て奪われんだよ。金も、女も……うおおおおお!」

「い、いやぁぁぁぁぁぁ!」

 オーエンはアイリスの腰を掴むと、腰を深く突き入れて、彼女の中に欲望の塊を思う存分吐き出す。

 望まぬ相手どころか、愛する相手を殺した憎むべき敵の静止が膣内に吐き出される。その悍ましい灼熱の感触に、アイリスの表情はさらに絶望に染まっていく。

「あ、が……が……や、やだぁ……妊娠しちゃう……あああ……助けて。誰か助けてくださぁい」

「ふぅー……本当、顔はいまいちだが、胸とマンコは最高だな。おい、ミリアム。今度はこいつを上に乗っけろ」

「はい、旦那様」

 オーエンがアイリスの中から肉棒を引き抜くと、そこから糸が引く。

「む、無理です……もう、無理。アソコも胸も痛くて……し、死んじゃう……無理……無理っ……!」

「何言ってるの。奴隷時代は何人もの男をくわえこんでいた、淫乱売女だったくせに。思う存分、旦那様のオチンポでよがらせてもらいなさい」

 ミリアムはそう言って、後ろからアイリスを軽々と抱え上げる。そしてオーエンが近くにあった椅子を引き寄せて座ると、アイリスの中に射精したばかりにも関わらずいきり立ったままの、オーエンの肉棒の上にアイリスの割れ目をあてがっていく。

「っひううう! い、いたぁぁぁぁい! おっきすぎて……無理……みゅりぃぃぃぃ! あがぁぁぁぁぁぁ!」

 メリメリと、自分の身体が串刺しにされるような錯覚を覚えるアイシス。想像を絶する激痛が脳天を突き抜ける。

 しかし、ミリアムはそんな泣き叫ぶアイリスに取り合う様子はない。アイリスの秘部がオーエンの肉棒を飲み込むように、容赦なくその身体を揺さぶっていく。

「っくおおおお! さんざん使い古されていたマンコだとは思えねぇくれえ締まりが良いな。この下品なデカパイも……おおおっ! 最高だな、おい」

 ミリアムが無理やりアイリスの身体を上下に揺さぶるようにすると、オーエンの目の前でその豊満な乳房が揺れる。それを視覚で楽しみながら、オーエンは欲望のままに、その乳房を蹂躙するように揉みしだく。

「っあぐ! 痛い、痛い! 怖い! 痛いです! 止めて! もう止めて! いやぁぁぁぁっ!」

「っと。おい、ミリアム! そいつの汚ねぇツラだけは近づけんなよ。気持ち悪くて萎えちまう」

「分かってますよぉ、旦那様。旦那様はデカパイとマンコだけ、楽しんでくださいね」

 身体だけではない。この2人はアイリスの心までを、徹底的に殺そうとしてくる。

「ど、どうしてさっきから顔のことばっかりぃ……!」

 吐き気を催すような不快感と、死にたくなるような激痛に苛まれながら、やたらと顔のことを口汚く罵られるアイリス。

 元々自分でも自信が無くて不細工だと思っていた。そうだと思っていたのに、あの人が可愛いと言ってくれた。笑顔が愛らしいと言ってくれた。

 それを聞いてから、笑うことが多くなった。少しだけだけど自信を持てるようになった。自分の顔が、好きになることが出来た。

 それなのに--

「はぁっ、はぁっ……どうしてそんなヒドイことばっかり言うんですかぁ。フィリオス様が可愛いって……あああああっ! い、言ってくれたのに……痛い、痛いですぅぅ!」

「くすくす。そんなこと間に受けていたの? おバカさんね。そんなの、手軽にヤレそうな貴女をその気にさせるための言葉に決まってるじゃない。そんなそばかすだらけの汚い顔、どう見ても可愛いはずないでしょう。可愛いとか美人っていうのは、私みたいな顔のことを言うのよ?」

「がはははは。言うじゃねえか、ミリアム。確かにお前は美人だ。

 --にしても、わざわざてめぇみたいなブスを口説くなんて、あのおっさんよほど女日照りだったのか? ……いやいや。俺と同じでただの身体目当てか。じゃねえと、てめぇみたいなブスなんか、男に相手にされるわけねえもんな」

「ち、違いますぅ! フィリオス様はそんなお方じゃ……ひどい。ひどすぎますぅぅ……っあああああ!」

 もう限界などとうに超えていた。

 身体も、心も、愛する人も、その人と一緒に育んだ大切なものも、何もかも……微塵も容赦なく、徹底的に砕かれてしまった。

「まあ、別にどうでもいいけどよ。てめぇは顔はブスだが、身体はそれを補って最高だから、これからは一生俺の精液便所として使ってやるよ。どうだ、嬉しいだろ?」

「ひぎぃぃぃぃっ!」

 オーエンが下から腰を激しく突き上げると、それだけで失神してしまいそうな激痛が脳天を突き抜ける。いっそ失神してしまえば楽なのに、そこは絶妙な力加減なのか、アイリスは意識を決して失わない。

 一切休まることなく地獄の痛苦を与えられたアイリスは、生物としての防衛反応により、徐々にその思考力をなくしていった。感覚を、思考を遮断することで、何も感じなくする。そうすることで、死よりも恐ろしい恐怖と絶望から身を守る。

 もはや動物としての生存本能だった。生きたいとか死にたいとかアイリスが考える以前に、身体が全てに対して鈍感になっていく。

 しかし--それでも尚、愛するフィリオスへの想いだけは残り続ける。

 地獄のような奴隷の身から助けてくれた最愛の人。自分の居場所をくれた人。その後も優しくしてくれて、自分を愛してくれた人。

 自分を可愛いと言ってくれた。自分に幸せになっていいと教えてくれた。自分なんかの笑顔が見たいと言ってくれた。笑顔で『お帰りなさい』と言われるのが好きだといってくれた。これからの人生を一緒に過ごしたいと言ってくれた。

 10歳以上も年齢差があるけど、でもそんなの全く気にならないくらい好きだった。愛していた。

(愛しています、フィリオス様。今までも、これからも--)

 オーエンとミリアムは相変わらず、容赦なくアイリスを責め立ててくる。しかし、段々と痛みが無くなっていく。辛さも無くなっていく。何も聞こえなくなって、心が痛くなることもない。

 アイリスが思い浮かべるのは、優しく微笑みかけてくれる愛する人ーーフィリオスの顔だけだった。

□■□■

『ただいま、アイリス』

『お、お帰りなさい……あああ……あな、あなた……』

『おいおい。もう結婚して何年になると思っているんだよ。そんな照れられると、こっちまで恥ずかしくなってくるよ』

『パパー、お帰りなさい。あー、ママってば、また顔が真っ赤っかになってるー』

『ははは、娘にまで言われるなんて。可愛いママだな』

『こ、こらー! ままま、まずはお帰りなさいでしょう』

『はーい。じゃあ、ママと一緒に言うー! せーの……』

『『お帰りなさい』』

□■□■

 それは、あったかもしれない、有り得ない未来の世界。

 その存在しない幸せな世界への想いを馳せながらアイリスはーー

「ぎゃあああああっ! 痛い、痛い、痛いぃぃぃぃ!」

 全ての痛覚を遮断したはずだったアイリスが、突然の激痛により強制的に現実に引き戻された。

 現実は何も変わっていない。強制的に男の膝の上に載せられながら、凶悪な肉棒で性器を貫かれたままだ。

 もうその痛みは感じなくなったはずなのに、それとは違う激痛が走ったのは背中だった。

 痛みに顔を引きつらせて後ろを見ると、ミリアムが鬼のような形相で、緑色の刀身『龍牙影打』を持って、アイリスをにらみつけていた。そして背中を伝う熱い感触は自分の血ーー背中をその剣で切り付けられたのだと、瞬時に理解した。

「ど、どう……して……」

「何を女の幸せみたいな顔してるのよ。ムカつく! ムカつく、ムカつく! 私の旦那様なのに! どうして元は奴隷風情の、クソブスな貴女なんかが、犯されて幸せそうな顔してんのよ!」

「おいおい、殺すなよ。女の嫉妬は見苦しいぜ?」

 へらへらと笑いながら、間の抜けたような声を出すオーエン。

 そのオーエンの言葉は、嫉妬に狂ったミリアムを余計に激昂させる。しかしそれを言ったのはオーエンにも関わらず、ミリアムは怒りの矛先をアイリスに向ける。

「っは! 所詮は淫乱アバズレ女ってことね。さっきまでこの世の終わりみたいな顔していたくせに、旦那様の逞しいチンポでよがり始めたんでしょう?」

「ち、違う……違い、ますぅぅ……」

 ミリアムの怒りは見当違いもいいところなのだが、怒りの炎に感情を燃やす彼女がそれに気づくことはない。醜い嫉妬感情を、その美しい顔に浮かべながら、ミリアムはアイリスの髪を掴み上げる。

「ひ、ひぃぃ……!」

 剣で切り付けられた激痛により、有無を言わさず強制的に現実に引き戻されたアイリス。生気が戻ったその表情を再び恐怖に歪ませて、涙を流す。

「一途で清純ぶって、所詮はチンポなら何でもいいクソ女なんでしょう? 愛しているって言ってたフィリオス隊長のことも、チンポ目当てだったんでしょ?  この淫乱女! 認めなさいよ。チンポが大好きだから、旦那様のチンポ便器になるの嬉しいって。フィリオス隊長の租チンじゃ欲求不満だったって。フィリオス隊長が死んで、オーエン様のチンポ奴隷になれて嬉しいって」

「い、嫌ですっ! そんなこと……フィリオス様だけは……っ!」

 どんなに絶望に沈んでも、その1点だけは絶対に譲れないアイリス。それに関しては、声を張り上げてきっぱりと否定する。

 しかし--

「……殺すわよ?」

 ミリアムが剣で切り裂いた背中の傷口に、指を入れ込んで、引っ掻くように動かす。

「ぎぃやぁぁぁぁぁ! 痛い痛い痛い痛い痛い痛い! 痛いぃぃぃぃ!」

「うへぇ……」

 さすがのオーエンですら顔をしかめる。それほどにミリアムが与える責め苦が、アイリスの叫び声が、痛々しい。

「ほら、ほら! 早く言いなさい。意識は絶対に失わせないわよ? このままじゃ、痛みで狂い死ぬわね!」

「あぎぃぃ! んぎいいいいい! 痛いぃ! 死ぬ死ぬ死ぬぅ! 死んじゃうぅぅ!」

 死にたくない死にたくない死にたくない痛いのは嫌だ痛いのは嫌だ痛いのは嫌だ。死にたくない死にたくない死にたくない痛いのは嫌だ痛いのは嫌だ痛いのは嫌だ。死にたくない死にたくない死にたくない痛いのは嫌だ痛いのは嫌だ痛いのは嫌だ。死にたくない死にたくない死にたくない痛いのは嫌だ痛いのは嫌だ痛いのは嫌だ。

 彼女が必死に守っていた大きな愛を、容易く押しつぶす程の強大な痛み。その前に、もうアイリスは何も考えられない。ただただ目の前の痛みから逃れることしか考えられなくなる。

「う、嬉しいぃぃぃ! フィリオス様が死んでくれておかげで、オーエン様のチンポ奴隷になれりゅの嬉しいれすぅぅぅ! だから、許して! もう止めてっ! 死にたくないぃぃぃぃ!」

「がっははははは。不細工なツラが、更にひどくなりやがった。最悪だな、おい」

 目玉が飛び出そうなくらいに目を見開き、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになったアイリスの顔をあざ笑うオーエン。そんな上機嫌なオーエンを見て、ようやくミリアムも機嫌を直したのか、うっとりと微笑むような表情になる。

 肉体的にも精神的にも、徹底的に凌辱し尽くすオーエンの凶悪な暴力。その暴力によって、死と痛みの恐怖に屈してしまったアイリスのことを、裏切り者と蔑める人間などいないだろう。

 この日より、アイリスの瞳からは光が失われた。


 手に入れたものを徹底的に蹂躙し凌辱しつくす第2王女派ーーそれはもはやグスタフだけではない。その配下の人間にも、その下劣で悪辣な人間性が伝染していた。

 そんな悪魔の軍団の手に落ちてしまえば、その先に待っている未来は、もはや地獄以外の何物にもなり得ない。


 南方イシス領は、『殲滅』のオーエン率いる第2王女派の手に落ちた。
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