黒頭巾は異世界で…

雪城 いぶき

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55話 緑の手と癒しの水

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少し森に入ると、ゴブリン五匹、ホブゴブリン二匹に遭遇する。

ギギー!、キャギャ!、グギャー!

ライアスが弓で先制しアディスの両手剣で切り倒す。
ホブゴブリンが剣を振り上げたのをエヴァドネが盾で受け流し首を切り落とし、次の獲物を狩る為走り出す。
メイジーはゴブリンに駆け寄り刀で横一文字で切り込み両断し、すかさず次のゴブリンを右に小さくジャンプし360度回って切り落とし蹴散らしていった。

ここにいる魔物は退治し終え、素材の解体に取り掛かる。
と言っても、魔石とゴブリンが持っていた剣ぐらいしか回収するものがない。
後は、死骸を焼き払うだけ。



《フェンダー?聞きたい事があるんだけど。》

《主、なんだ?》

《息子さんにこの森を託したって言ってだけど、託す為の経験ってどんな事をするの?》

せがれか?…この森の中で一番デカイ巣を潰し、リーダー格を仕留める事だ。》

《巣を潰すって仕留め切れなかった魔物っている?》

《あー。いるな。弱い魔物は我等を避けて逃げていく。それなりのレベルになると向かってくるから、それを蹴散らして、ボス格を仕留めていく。》

じゃあ、そうなると森の奥にいたレベルが低い魔物達が逃げ出してきて、新しい巣を作る為に浅瀬に偵察とかで出てきているって事かな?

《そうなんだ、わかった。ありがとう。》


念話をしている間に魔物の死骸が燃え尽き灰にした事を確認し薬草が生えている場所に移動する。
ホログラムマップを確認しながら薬草が生えている場所に辿り着く。

「ここだね。」

身近に薬草が点在しており、採取する旨をみんなに伝え、マップをアディスの前に表示させておく。
アディスが瞠目どうもくしメイジーを見る。

「薬草採取に専念していいかな?一応、マップをアディスの前に表示しておくから。」

「わかった。採取を進めてくれ。」

メイジーは任せてと頷き、オルトを呼び出す。

「オルト、私が採取した後、"緑の手"のスキルを使って薬草を根から掘り起こして、ディーネと一緒に森の浅瀬に植えてきてくれる?」

「分かりました。」

オルトが頷き、引き受けてくれた事を確認すると、メイジーは薬草採取に取り掛かった。

薬草を採取している間に魔物が現れアディス達が殲滅せんめつしては解体しメイジーの周りを警戒しながら移動していく。

移動しては、メイジーが薬草を採取し、オルトが両手にスキルを発動させ緑のキラキラを纏いスコップのように薬草の根ごと掘り起こして、いくつかの束を回収した後、森の浅瀬に埋めてはディーネのスキル"癒しの水"青いキラキラのオーラを纏った水を掛け枯れないように発芽を促す。という流れで動いていくのだった。




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