黒頭巾は異世界で…

雪城 いぶき

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53話 大鎌

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森に入る前に、マップを表示させ皆んなで確認する。

「まだ、魔物が多い…か。」

森の浅瀬部分を見て、アディスが呟く。

「この緑の点は、冒険者、かな?」

エヴァドネが指をさして尋ねる。

「多分、そうだと…。」

エヴァドネに曖昧に答えたが、念の為3Dホログラムマップを展開させる。
緑の人型達を複数箇所、ある程度の間隔で存在していた。
その数箇所を拡大させると、剣や杖、盾を装備している人達だった為、メイジーは確信して答える。

「うん。冒険者達だね!」

「本当にメイジーのマップは便利だよね~。」

エヴァドネは感心する。
アディス達も頷く。

私もそう思う。

「便利だけど油断は禁物だよ。」

自分に言い聞かせるように伝える。
皆んなも頷く。

「この辺りの冒険者達とは、少し離れた場所に移動しよう。」

ライアスは他の冒険者の獲物にかち合わないように敢えて遠ざかるよう提案する。

「そうだな。メイジー?薬草がある場所を調べてくれ。」

アディスの指示に薬草の検索をかけるメイジー。

昨日の受付のお姉さんやイサドラさんが言っていた通り、やはり浅瀬には薬草が少ない。

森の奥を見ていくと、薬草の場所が増えていく。

「ここに向かう。」

アディスが指した場所は、薬草が豊富に点在している森の奥だった。




少し森に入った所で、周りに誰もいない事を確認してから、皆んなに声を掛ける。

「ねえ。まだ見せてない私の武器なんだけど、周りに魔物もいないから此処で見せておきたいんだけど。」

「いいだろう、見せてくれ。」

周りを見渡したアディスは少し広い空間だった為頷いた。
皆んなが私に目を向けたのを確認し、アイテムボックスに入っている大鎌を腕輪から取り出したように見せ、舞うように大鎌を振り回す。
一通り見せたあと大鎌を構える。

「こんな感じです。……」

「「「………。」」」

三人とも固まってる。
普通の大鎌なんだけどな~。

「…鎌捌きが凄すぎるんですけど!?」

鎌の大きさではなく扱い方により衝撃を受けたようだ、エヴァドネから突っ込みが入った。

メイジーは頰をポリポリ指で掻きながら告げる。

「まあ、かなり練習したから…。」

「練習の域、超えてるよね!?」

エヴァドネに、また勢いよく突っ込まれた。

「まあまあ。興奮しないで、ね?大鎌を使う事はほとんどないから。……鍛錬はするんだけどね。」

エヴァドネの興奮をどうにか抑えようと安心させるように伝えるが、最後の方は目を逸らして小さく呟く。

「ほとんど使わないって、その武器いつ使うんだ?」

ちょっとした疑問にライアスは率直に尋ねる。
メイジーは目を泳がせたあと覚悟を決め答える。

「……………スタンピード、とか?」

「「「……。」」」

あ。また固まった。
えーっと、これ、どうしたらいいの?




……五分経過。


やっと動き出した。
って、え?なんでアディスとライアスは眉間に皺を寄せているの?
ちょっと!?エヴァドネ?顔青いんですけど?

「ちょっと!?エヴァドネ?大丈夫?!顔が真っ青なんだけっ…」

「いやいやいやいや。メイジー!スタンピードに参加したの!?」

エヴァドネの体調が悪くなってしまったのかと心配して声を掛けたが、話の途中で急に両肩を掴まれ揺らされ反対に問い質された。

「ちょっ!?エ、エヴァ、ドネ。あぶ!あぶな、い!」

メイジーは大鎌を持っている為、エヴァドネに肩を揺らされている最中も刃が当たらないか気が気じゃない。

「エヴァドネ落ち着け!」

ライアスが嗜める。

「これが、落ち着いていられる!?」

「気持ちは分かるが。武器を持っているメイジーをあんなに揺すっては怪我をする。」

「そ、そうね。悪かったわ。メイジーごめんなさい。」

「大丈夫。この武器は仕舞っておきますね。」

腕輪の効果でアイテムポーチに仕舞ったように見せかけアイテムボックスに仕舞う。

「スタンピードの参加は支援とか後衛とかか?」

エヴァドネの代わりにライアスが話を切り出した。
横目でアディスを確認すると何故か眉間に皺を寄せ怒っているように見える。

「支援も後衛も両方やりましたが、基本前衛で……(いろいろ、やって、ました。)」

最後まで話せる雰囲気ではなくなって、段々と声がしぼんでいく。

「はぁあー!?なんですってー!」

エ、エヴァドネ?

ガシッと両肩を掴まれ、揺らされはしなかったが、あまりの迫力にメイジーは顔を引き攣らせるのであった。



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人物紹介設定②
人物紹介設定③

のメイジーの武器
鎌→大鎌に変更しています。
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