黒頭巾は異世界で…

雪城 いぶき

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40話 マップ

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マップスキルの謎のカーソルについて解決し、魔物が近寄って来るのが分かり皆んなに伝える。すると、10匹程度のグレーウルフが現れた。

ジリジリと数匹がにじり寄り、一匹が襲い掛かるのを歯切りに他のグレーウルフも襲い掛かる。
最初の一匹はライアスが弓で放ち討伐する、他のグレーウルフはアディスは横一文字やエヴァドネの片手剣で討ち落とし、メイジーが俊敏な動きで討ちもらしたグレーウルフを斬り捨てる。

討伐後10匹分の素材を剥ぎ取りアイテムバッグに収納する。

「最初の討伐がグレーウルフ10匹って多かったね。」

エヴァドネが話し出す。

「そうだな。」

ライアスが森の警戒をしながら頷く。

「森の浅瀬なのに…あっちにゴブリン三匹、こっちにコボルト五匹いるみたい。でも、あっちにも…」

素材もアディスが回収した後、その場から離れ森の中を歩いていたが、メイジーのとんでもない発言を聞いて、アディス達は歩みを止めメイジーを勢いよく見る。
メイジーは皆んなが急に足を止めて凄い勢いで振り向かれびっくりする。

「ひぇっ!?な、何?」

「…魔物がどこに何匹いるのか分かるのか?」

「え?」

しまったー!マップを使用しながら歩いていたから、うっかり口から出ちゃったー!"マップ"スキルの事はまだ伝えてなかったのに~!

メイジーは嫌な汗を掻きながら、どうにか誤魔化そうと、しどろもどろに抵抗を試みる。

「えーと、周辺から魔力を感じて…。魔物が至る所にいるな~って、はな、し…。」

アディスが真剣な眼差しを向け、まだ、何かを隠そうとするメイジーに近寄る。
近寄られた、メイジーは一段と焦り言葉を詰まらせ、目の前にアディスが立つと、両手を上げた瞬間息が止まりそうになったのを無理矢理、声を出して謝る。

「…っごめんなさい!魔物の位置と数が分かります!」

一歩引いて、頭を下げる。
アディスは優しい声でメイジーに話し掛けた。

「怒ってはいない、隠されている事の方が仲間として寂しい。」

顔を上げて気落ちしながら謝る。

「ごめんなさい。でも、隠すつもりはなかったの。今まで使っていたものが機能が増えてるっていうか、性能が良くなったっていうか、その…まだ検証段階で…。」

ライアスが話に加わる。

「今、魔物は近くにいるか?私の察知能力では、少し話しても大丈夫だと思うんだが…。」

「大丈夫。まだ少し離れているから、向こうも気付いてない。」

「そうか。で、どういうスキルなんだ?気配察知や魔力察知ではないんだろう?」

メイジーは頷く。

「探知機能のマップって言うスキルだよ。」

「マップって、地図のマップ?」

エヴァドネが疑問に首を傾げる。
メイジーはまた頷く。

「私の半径1キロ圏内を表示させる事が出来るマップです。」

皆んなに見せられればいいんだけど…。
うーん。"可視化"出来れば。

思考の渦に入っていると、エヴァドネが指を指して声を掛けてきた。

「メイジー?これ…。」

皆んなは何故か驚いていて、エヴァドネが指している方向を見ている。

「え?…あれ?」

いつの間にか、マップが私の斜め前ではなく、皆んなの前にマップが地面と平行に浮いていた。

「えーっと、これ見えてます?」

皆んな頷く。

「皆んなに見えるんですね…。これも新しい機能です、今まで出来なかったから。えーと、これがマップです、この真ん中にある扇型のマークは私ですね。その周りにある三つの緑色の点がアディス達です。で、他の緑色の点は比較的に善良な者、ここの少ない黄色の点は注意する者、赤い点は悪い者…例えば、魔物や盗賊などかな?」

アディス達はマップに釘付けで見入っている。
不意にライアスが質問してきた。

「これでは、魔物らしい赤い点がどこの方角にいるとしかわからないんじゃないか?」

「そうだな。」

アディスが相槌を打つ。

「今の時点では、大まかな事しかわからないけど。こうやると…。」

マップの赤い点が集まっている場所をタップさせると文字が出てくる。

"コボルト五匹"

「あと、検索も出来る。ここのカーソルに"グリナ草"と入れると…。」

マップ内に白い逆三角形のマークがあちこちに散らばって点在する。


あー、また皆んな固まってるな~。
このマップ、立体的に"3D"になんないかな~?

メイジーが、そんな事を思っていると立体的に構築されて行くのをメイジーを含め皆一様に硬直し唖然とさせたのだった。

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