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36話 二つ名
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急にギルマスが話題を変える。
「メイジー嬢ちゃんはギルドに加入したのは今日だったよな?」
何?
「はい、今日の早朝に。」
「黒の舞姫」
ん?
「黒姫」
「えーっと。」
「今日の朝から冒険者の間で噂されていたぞ。嬢ちゃんだろ?」
「私何もしてないですよ?依頼も受けてないですし…。」
迷惑は掛けてないはず…。エヴァドネには心配掛けたけど。朝は訓練場で運動しただけだしな~。
「早朝の訓練場で扇子と棒の様な物を使用しているよな?」
「見ていたんですか?ただ運動しただけですよ。」
ギルマスは口角を上げる。
「いんや、見てないさ。その噂をしていた冒険者が早朝に鍛錬に行ったら、黒の乗馬用フードを被った女の子が舞いのように踊っていたとか踊っているように攻撃技を繰り出していたとかで、あの女の子は誰だって受付嬢に問い合わせがあったそうだぞ?踊り子の様な事もしていたのか?」
ゲーム時のクエストで少し齧って、舞いのスキルを取った記憶はある、だけど。
「本格的な踊り子はした事はないです。少し齧っただけで、今日のはただの運動です。」
「ただの運動ではないだろう?噂の舞いとやらをしているのだからな。まだ、登録したばかりの無名のFランクがもう二つ名を貰うとは、大物になるな!」
ギルマスは大笑いする。
「噂の舞いを一度見て見たいですね。」
と副ギルマスが話に加わる。
二人ともというか全員見たそうな顔をする。
精霊王については目が輝いている。
「はぁ。場所も場所なので…これで、少しだけなら。」
アイテムポーチから鉄扇を目の前に出す。
「あー、少しこの辺を広くしたいので、テーブルとソファーを少し壁際に寄せても?」
ギルマスが頷いたのを確認し、シルフィにお願いして移動させる。
準備が終え、メイジーは少し開けた場所へ移動した。
「では、始めます。」
………
……
…
決めのポーズで終え、皆んなを見る。
ギルマス、副ギルマスは難しい顔をして頷き。
アディスは何故か穏やかな、真剣な眼差し。
ライアスとエヴァドネは称賛する。
精霊王達は興奮していた。
「メイジー嬢ちゃん、今身体強化をしていたか?」
ギルマスから質問をされて、答える。
「はい。使用しました。」
「普通なら、今の動きは身体強化しなくても動けるだろ?」
メイジーは首を傾げ思案する。この重い鉄扇を持ってあの様な穏やかな顔付きで滑らかな動きは腕力があっても難しいくらい重い仕様にしている。
ふと思う、この扇子を重い鉄扇だと告げていたか、と答えは否だ。
「あー、この扇子、鉄扇なんです。」
「だが、それでも腕力のレベルがあれば…」
「それでも重い仕様なんです。…持って見ますか?」
メイジーは軽く片手で持ち上げて手渡す動作に、ギルマスも片手で鉄扇を受け取った瞬間。
「うおっ!?なんつう重さを、軽々と持ちやがる!」
ギルマスは鉄扇を落としはしなかったが片手から咄嗟に両手で持ち直した。
「鉄扇で格闘すると、強度と重さが必要で。でも、見た目も良くして少しは相手が油断してくれればと言う意図があります。普通に持つ分には身体強化は使いませんが、俊敏に動く戦闘中にはスキルを使用します。」
重さを理解したギルマスは副ギルマスにも鉄扇を持たせると、副ギルマスも驚いていた。
「鉄扇で戦闘…。二つ名が付くはずだな!」
ギルマスはまた、大笑いしていた。
「メイジー嬢ちゃんはギルドに加入したのは今日だったよな?」
何?
「はい、今日の早朝に。」
「黒の舞姫」
ん?
「黒姫」
「えーっと。」
「今日の朝から冒険者の間で噂されていたぞ。嬢ちゃんだろ?」
「私何もしてないですよ?依頼も受けてないですし…。」
迷惑は掛けてないはず…。エヴァドネには心配掛けたけど。朝は訓練場で運動しただけだしな~。
「早朝の訓練場で扇子と棒の様な物を使用しているよな?」
「見ていたんですか?ただ運動しただけですよ。」
ギルマスは口角を上げる。
「いんや、見てないさ。その噂をしていた冒険者が早朝に鍛錬に行ったら、黒の乗馬用フードを被った女の子が舞いのように踊っていたとか踊っているように攻撃技を繰り出していたとかで、あの女の子は誰だって受付嬢に問い合わせがあったそうだぞ?踊り子の様な事もしていたのか?」
ゲーム時のクエストで少し齧って、舞いのスキルを取った記憶はある、だけど。
「本格的な踊り子はした事はないです。少し齧っただけで、今日のはただの運動です。」
「ただの運動ではないだろう?噂の舞いとやらをしているのだからな。まだ、登録したばかりの無名のFランクがもう二つ名を貰うとは、大物になるな!」
ギルマスは大笑いする。
「噂の舞いを一度見て見たいですね。」
と副ギルマスが話に加わる。
二人ともというか全員見たそうな顔をする。
精霊王については目が輝いている。
「はぁ。場所も場所なので…これで、少しだけなら。」
アイテムポーチから鉄扇を目の前に出す。
「あー、少しこの辺を広くしたいので、テーブルとソファーを少し壁際に寄せても?」
ギルマスが頷いたのを確認し、シルフィにお願いして移動させる。
準備が終え、メイジーは少し開けた場所へ移動した。
「では、始めます。」
………
……
…
決めのポーズで終え、皆んなを見る。
ギルマス、副ギルマスは難しい顔をして頷き。
アディスは何故か穏やかな、真剣な眼差し。
ライアスとエヴァドネは称賛する。
精霊王達は興奮していた。
「メイジー嬢ちゃん、今身体強化をしていたか?」
ギルマスから質問をされて、答える。
「はい。使用しました。」
「普通なら、今の動きは身体強化しなくても動けるだろ?」
メイジーは首を傾げ思案する。この重い鉄扇を持ってあの様な穏やかな顔付きで滑らかな動きは腕力があっても難しいくらい重い仕様にしている。
ふと思う、この扇子を重い鉄扇だと告げていたか、と答えは否だ。
「あー、この扇子、鉄扇なんです。」
「だが、それでも腕力のレベルがあれば…」
「それでも重い仕様なんです。…持って見ますか?」
メイジーは軽く片手で持ち上げて手渡す動作に、ギルマスも片手で鉄扇を受け取った瞬間。
「うおっ!?なんつう重さを、軽々と持ちやがる!」
ギルマスは鉄扇を落としはしなかったが片手から咄嗟に両手で持ち直した。
「鉄扇で格闘すると、強度と重さが必要で。でも、見た目も良くして少しは相手が油断してくれればと言う意図があります。普通に持つ分には身体強化は使いませんが、俊敏に動く戦闘中にはスキルを使用します。」
重さを理解したギルマスは副ギルマスにも鉄扇を持たせると、副ギルマスも驚いていた。
「鉄扇で戦闘…。二つ名が付くはずだな!」
ギルマスはまた、大笑いしていた。
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