3 / 23
第一章 バグ編
何なんだよ、一体…。
しおりを挟む
ちなみに涼太は人間型のアバター、年齢設定は23歳ぐらい。
職業:狂剣士、黒髪ブルーアイで、少々マッチョの嫌味じゃない程度の美形キャラ。
俺はと言うとハーフ獣人、ネコタイプ。
猫耳と長いシッポを付けて、ちなみに手と足もモフってみました。
毛並みは薄いパステルミント。
体格は小柄にした。
だって猫って小さくってかわいいものだろう?
職業:闘士で必殺技はネコパンチ。
剣の代わりに爪を立てて切り裂く事もできるぞ。
戦闘力が少し落ちるけど、魔術師系も少し入れた。
何となく猫って魔法使いの使い魔っぽいって思うんだ。
でもネコ好きの俺はアバターを作る時、けっこうノリノリにネコ愛全開で作ったんだけど、それが仇になった。
やりすぎた。
すっげ可愛いんだよこいつ。
可愛すぎて変更できない…。作り変えれない…。
でも、このアバターって俺が動かすんだよな。
「まあ、知り合いがいる訳でもないし、別人になり切るのもオンラインゲームの醍醐味だよな。」
で、俺はそのまま決定をクリックした。
俺と涼太は、母親に頼まれた醤油やスイカを買ってから、スーパーのベンチに座り込み、
一緒に買ったアイスを食べている。
「皐月さ、何パニクってたんだよ。」
あぁ、さっきの話か。
「いや、今考えてみればおかしな蜃気楼を見たんだ。多分……。」
「蜃気楼?」
「いや、白昼夢かな…。」
「何だよそれ。」
「落ち着いて考えればあり得ない事なんだ。もういいから忘れてくれ。」
「何だよ……。」
涼太が心配してくれているのは分かってる。こいつは度が過ぎるほどの心配性なんだ。
でもそんな深刻な事じゃないんだよ。
たかだか真夏の夜の夢ならず、真夏の昼の夢。
そうタカをくくっていた俺が甘かったのかもしれない………。
次の日、涼太に誘われ近くの渓谷に遊びに行く事になった。
「おーい、皐月ー。」
「おー、今行く。しばし待て。」
外で涼太の叫ぶ声。水着はすでに服の下に装着済み。
俺はタオルや食料を入れたバックを掴み、勢いよく玄関から飛び出した。
「あれ?」
………?!???!!!!?!
目の前の風景は……じいちゃんちの庭じゃなかった。
そして昨日見た白昼夢、ゲームの危険地帯でもなかった。
「ギサの町??」
そう、そこには俺達が“久遠の大陸”の中で拠点としている、ギサの町の風景が広がっていた。
しばらく呆然としていたけど、ふと思い立って急いで振り返る。
しかしそこにはじいちゃんちの玄関は無かった……。
「しまった~~~~~!」
いや、じいちゃんち玄関が、某どこ〇もドアとは言わないけどさ。
やっぱり期待しちゃうだろ、戻る手段としてさ。
「何で……。」
「おーい紗月、何ボーッと突っ立ってるんだ。」
そこに現れたのは馴染みの飯屋の店員さん。
紗月?て事は……。
おれは自分の手を確認する。
……モフッてる。
着ている服も確認して、今現在、自分がゲーム内のアバターになっていることを認識した。
一体いつの間にログインしたんだ????!!!!
「こんな時間に何やってるんだ。ってそう言えばしばらくはゴールデンシーズンだっけ。」
そう、ゲーム内は昼間の仕事や学校を考慮して、国ごとに違うが現実世界の夕方から夜中までをゲーム内では昼間に設定している。
つまり俺がここに飛び込んだ時間帯は、こちらでは夜中という事になるはずだ。
(昼間を中心にゲームしたい奴は、海外の大陸を拠点にして、自動翻訳設定にすればいい。)
普通は夜中に出歩くのは、許可者以外は不審者扱いだが、申請しておけば夏休みや土日などはゴールデンシーズンとして、夜中の活動も変な目で見られないんだ。
だから、店などは24時間営業が多いそうで、ご苦労様です。
「カ、カズラさん!」
見知った場所とはいえ、いきなりの状況に、
不安満載だった俺の前に現れた馴染みの人が、俺には天使のように見えた。
「お、俺どうしよう、どうしたらいい?急にこんな所に来て。」
「こんな所って、人の店の前で失礼な奴だな。
何パニクってるんだよ。落ち着けって。」
カズラさんは少し屈み、俺の両肩を軽くポンポンと叩いた。
職業:狂剣士、黒髪ブルーアイで、少々マッチョの嫌味じゃない程度の美形キャラ。
俺はと言うとハーフ獣人、ネコタイプ。
猫耳と長いシッポを付けて、ちなみに手と足もモフってみました。
毛並みは薄いパステルミント。
体格は小柄にした。
だって猫って小さくってかわいいものだろう?
職業:闘士で必殺技はネコパンチ。
剣の代わりに爪を立てて切り裂く事もできるぞ。
戦闘力が少し落ちるけど、魔術師系も少し入れた。
何となく猫って魔法使いの使い魔っぽいって思うんだ。
でもネコ好きの俺はアバターを作る時、けっこうノリノリにネコ愛全開で作ったんだけど、それが仇になった。
やりすぎた。
すっげ可愛いんだよこいつ。
可愛すぎて変更できない…。作り変えれない…。
でも、このアバターって俺が動かすんだよな。
「まあ、知り合いがいる訳でもないし、別人になり切るのもオンラインゲームの醍醐味だよな。」
で、俺はそのまま決定をクリックした。
俺と涼太は、母親に頼まれた醤油やスイカを買ってから、スーパーのベンチに座り込み、
一緒に買ったアイスを食べている。
「皐月さ、何パニクってたんだよ。」
あぁ、さっきの話か。
「いや、今考えてみればおかしな蜃気楼を見たんだ。多分……。」
「蜃気楼?」
「いや、白昼夢かな…。」
「何だよそれ。」
「落ち着いて考えればあり得ない事なんだ。もういいから忘れてくれ。」
「何だよ……。」
涼太が心配してくれているのは分かってる。こいつは度が過ぎるほどの心配性なんだ。
でもそんな深刻な事じゃないんだよ。
たかだか真夏の夜の夢ならず、真夏の昼の夢。
そうタカをくくっていた俺が甘かったのかもしれない………。
次の日、涼太に誘われ近くの渓谷に遊びに行く事になった。
「おーい、皐月ー。」
「おー、今行く。しばし待て。」
外で涼太の叫ぶ声。水着はすでに服の下に装着済み。
俺はタオルや食料を入れたバックを掴み、勢いよく玄関から飛び出した。
「あれ?」
………?!???!!!!?!
目の前の風景は……じいちゃんちの庭じゃなかった。
そして昨日見た白昼夢、ゲームの危険地帯でもなかった。
「ギサの町??」
そう、そこには俺達が“久遠の大陸”の中で拠点としている、ギサの町の風景が広がっていた。
しばらく呆然としていたけど、ふと思い立って急いで振り返る。
しかしそこにはじいちゃんちの玄関は無かった……。
「しまった~~~~~!」
いや、じいちゃんち玄関が、某どこ〇もドアとは言わないけどさ。
やっぱり期待しちゃうだろ、戻る手段としてさ。
「何で……。」
「おーい紗月、何ボーッと突っ立ってるんだ。」
そこに現れたのは馴染みの飯屋の店員さん。
紗月?て事は……。
おれは自分の手を確認する。
……モフッてる。
着ている服も確認して、今現在、自分がゲーム内のアバターになっていることを認識した。
一体いつの間にログインしたんだ????!!!!
「こんな時間に何やってるんだ。ってそう言えばしばらくはゴールデンシーズンだっけ。」
そう、ゲーム内は昼間の仕事や学校を考慮して、国ごとに違うが現実世界の夕方から夜中までをゲーム内では昼間に設定している。
つまり俺がここに飛び込んだ時間帯は、こちらでは夜中という事になるはずだ。
(昼間を中心にゲームしたい奴は、海外の大陸を拠点にして、自動翻訳設定にすればいい。)
普通は夜中に出歩くのは、許可者以外は不審者扱いだが、申請しておけば夏休みや土日などはゴールデンシーズンとして、夜中の活動も変な目で見られないんだ。
だから、店などは24時間営業が多いそうで、ご苦労様です。
「カ、カズラさん!」
見知った場所とはいえ、いきなりの状況に、
不安満載だった俺の前に現れた馴染みの人が、俺には天使のように見えた。
「お、俺どうしよう、どうしたらいい?急にこんな所に来て。」
「こんな所って、人の店の前で失礼な奴だな。
何パニクってるんだよ。落ち着けって。」
カズラさんは少し屈み、俺の両肩を軽くポンポンと叩いた。
0
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
三男のVRMMO記
七草
ファンタジー
自由な世界が謳い文句のVRMMOがあった。
その名も、【Seek Freedom Online】
これは、武道家の三男でありながら武道および戦闘のセンスが欠けらも無い主人公が、テイムモンスターやプレイヤー、果てにはNPCにまで守られながら、なんとなく自由にゲームを楽しむ物語である。
※主人公は俺TUEEEEではありませんが、生産面で見ると比較的チートです。
※腐向けにはしませんが、主人公は基本愛されです。なお、作者がなんでもいける人間なので、それっぽい表現は混ざるかもしれません。
※基本はほのぼの系でのんびり系ですが、時々シリアス混じります。
※VRMMOの知識はほかの作品様やネットよりの物です。いつかやってみたい。
※お察しの通りご都合主義で進みます。
※世界チャット→SFO掲示板に名前を変えました。
この前コメントを下された方、返信内容と違うことしてすみません<(_ _)>
変えた理由は「スレ」のほかの言い方が見つからなかったからです。
内容に変更はないので、そのまま読んで頂いて大丈夫です。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
チート級スキルを得たゲーマーのやりたいことだけするVRMMO!
しりうす。
ファンタジー
VRゲーム【Another world・Online】βテストをソロでクリアした主人公──────雲母八雲。
βテスト最後のボスを倒すと、謎のアイテム【スキルの素】を入手する。不思議に思いつつも、もうこのゲームの中に居る必要はないためアイテムの事を深く考えずにログアウトする。
そして、本サービス開始時刻と同時に【Another world・Online】にダイブし、そこで謎アイテム【スキルの素】が出てきてチート級スキルを10個作ることに。
そこで作ったチート級スキルを手に、【Another world・Online】の世界をやりたいことだけ謳歌する!
※ゆるーくやっていくので、戦闘シーンなどの描写には期待しないでください。
※処女作ですので、誤字脱字、設定の矛盾などがあると思います。あったら是非教えてください!
※感想は出来るだけ返信します。わからない点、意味不明な点があったら教えてください。(アンチコメはスルーします)
生産職から始まる初めてのVRMMO
結城楓
ファンタジー
最近流行りのVRMMO、興味がないわけではないが自分から手を出そうと思ってはいなかったふう。
そんな時、新しく発売された《アイディアル・オンライン》。
そしてその発売日、なぜかゲームに必要なハードとソフトを2つ抱えた高校の友達、彩華が家にいた。
そんなふうが彩華と半ば強制的にやることになったふうにとっては初めてのVRMMO。
最初のプレイヤー設定では『モンスターと戦うのが怖い』という理由から生産職などの能力を選択したところから物語は始まる。
最初はやらざるを得ない状況だったフウが、いつしか面白いと思うようになり自ら率先してゲームをするようになる。
そんなフウが贈るのんびりほのぼのと周りを巻き込み成長していく生産職から始まる初めてのVRMMOの物語。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
モノ作りに没頭していたら、いつの間にかトッププレイヤーになっていた件
こばやん2号
ファンタジー
高校一年生の夏休み、既に宿題を終えた山田彰(やまだあきら)は、美人で巨乳な幼馴染の森杉保奈美(もりすぎほなみ)にとあるゲームを一緒にやらないかと誘われる。
だが、あるトラウマから彼女と一緒にゲームをすることを断った彰だったが、そのゲームが自分の好きなクラフト系のゲームであることに気付いた。
好きなジャンルのゲームという誘惑に勝てず、保奈美には内緒でゲームを始めてみると、あれよあれよという間にトッププレイヤーとして認知されてしまっていた。
これは、ずっと一人でプレイしてきたクラフト系ゲーマーが、多人数参加型のオンラインゲームに参加した結果どうなるのかと描いた無自覚系やらかしVRMMO物語である。
※更新頻度は不定期ですが、よければどうぞ
Free Emblem On-line
ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。
VRMMO『Free Emblem Online』
通称『F.E.O』
自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。
ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。
そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。
なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる