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センセ、と永遠のキスでささやいて_7
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体育に使う道具をおさめた倉庫の脇は文化祭なのに誰もいない。
ここに連れてきた蒼くんは、穴場だと言っていたけれど、その時点で蒼くんの思惑に気づくべきだったと思う。
体育館では何かイベントがあるらしく、時々、どっと人が笑ったり拍手したりする音が漏れ聞こえてくる。
文化祭だから当然、そっちが気になってしまう。
「せっかくの文化祭なのに、こんなとこに来てどうするの?」
体育館の中をうかがおうとしながらそう聞く。
蒼くんは答えず、溶けかけたクレープをもったままの私の手からまたクレープにかぶりついた。
力加減が間違えたのか、クレープを強く掴みすぎて生クリームが押し出されて指を汚した。
慌てて拭くものを探していると、その手ごと蒼くんが引っ張った。
そのまま口元にもっていかれて、生クリームに濡れた口に含まれる。
思わずびくり、と震えた。
体育館のイベントにとられかけていた意識は一瞬にして消えて。
蒼くんは黙ったまま、丁寧に丹念に舐めとっていく。
硬直したままで息をつめていると、ちらりと上目遣いで見られた。
カッと全身が熱くなって、ほおの温度があがるのがわかった。
「そ、蒼くん。なんかよからぬこと、考えてない?」
掴まれた手を引こうと逃げ腰になりながらそう言うと、蒼くんは「なにを?」と聞いた。
その目がかすかに悪戯めいた光と、そしてその気だと言わんばかりの色気を帯びている。
「だ、だめだから!」
「だから何を?」
そう言って蒼くんの舌がぬるりと指に、指の間に滑り込む。
頭を振った。
まるで再会した、つい4週間前を思い出させる。
「お願い」
半泣きになりながら懇願しても「だってナンパとかされてるし」と拗ねたように言った。
「あれは私のせいじゃない」
「そう? そんなJKみたいな格好して」
「これは蒼くんが着せたんじゃない!」
「そうだった」
「そうだったじゃない! もー!」
理不尽だ。
そう不満を並べ立てていると、蒼くんが強引に私を抱き寄せた。
「蒼くん?!」
「ヤバい、かわいすぎる。だめ、限界」
「ええっ、なんで!? どこが!?」
私の抗議に近い声をものともせず、蒼くんの手がそのまま背中を指先でつうっとなぞる。
ぞくり、と背筋に甘い刺激が走って震えそうになる。
「ちょ、ちょっと待って」
動揺して声が揺れてしまう。
「ね、杏。しよ?」
「え、ええっ! 今?!」
「今。ここで。杏に。触りたい。いれたい」
「っ! だ、だめだめだめ! 何言ってるの、そこの体育館に人いっぱいいるんだよ?」
「だから? だって学校で、JKの杏とエロいことしてないじゃん」
「学校はそういうとこじゃない」
「えー……。オレ、JKの杏のエロいとこ見たい」
背中をさわさわとなぞっていたその手がブラウスをウエストから引き出す。
「ほ、本当に待って」
その手を抑え、身をよじって逃れようとする。
蒼くんが甘えるように私の首筋へと顔を近づけ、鼻をおしつけてから濡れた唇でなぞる。
ブラウスの裾に潜り込んだもう片方の手が背中からお腹の方へ回って、じわじわと、淫らな意図をもって胸のある方へ進路を変えていく。
「だめ?」
「こ、ここに誰がくるかわかんないでしょ。とにかくだめ。今はだめ」
ブラジャーのカップの下に潜り込みかけていた指先が止まる。
「……ふーん、今は、ね?」
しまった、と思いながら蒼くんを見るとにっこりと企みたっぷりな笑顔で私を見た。
そういう顔をされると嫌な予感しかない。
慌てて言い直す。
「今だけじゃなくて、この先も、です」
「だめです」
蒼くんがばっさり私の言葉を斬った。
だめの応酬をしているみたいで、私が泣きそうになりながら「せっかくの文化祭なのに」と呟いた。
ちらりと上目遣いで蒼くんを見て、それから小さくため息をつく。
「蒼くんと回るの、すごく嬉しかったのに……」
あえて甘えるように呟く。
今度は蒼くんが言葉を失って、それから「あー……」という長いため息とともにブラウスから手を抜いた。
「わかった。じゃあ、何したい?」
優しい声で蒼くんが私を見つめる。
4年前は確かに年下だと感じていたのに、再会してのこの4週間で目の前の高校生の成瀬くんから大人の蒼くんに変わってしまっている。
「……笑わない?」
「なんで? やっぱエッチなこと?」
蒼くんがくすっと笑った。
「じゃなくて! ……あのね、手を繋いで、普通に校内を歩けるだけで、いい……」
かつて、同じ時に生まれていたら、とどうしようもないことを願った。
だから、今、例えこれがかりそめの姿だとしても、蒼くんと学校で手を繋いでいられるだけで私はすごく嬉しい。
「欲ないね」
蒼くんはそう言って私の手を恋人同士がするようにしっかり繋いだ。
「じゃあ校内、歩く? けっこう体育館に人集まってるから、そういう意味じゃ校舎側は人少ないと思うし」
そう言う蒼くんと歩き出した時だった。
蒼くんのポケットからスマホのバイブ音が聞こえてきた。
なにげなくそれを見た蒼くんが、「あ、」と声をあげた。
「マジか」
蒼くんがスマホの時計を確認して少し慌てた顔をした。
「杏、ごめん。ちょっと済ませないとなんない用があって。待ってる間、せっかくだし、体育館の中で待っててよ。なんか未成年の主張? とかいうイベントやってるみたいだし」
少年のように蒼くんは無邪気に笑った。
ここに連れてきた蒼くんは、穴場だと言っていたけれど、その時点で蒼くんの思惑に気づくべきだったと思う。
体育館では何かイベントがあるらしく、時々、どっと人が笑ったり拍手したりする音が漏れ聞こえてくる。
文化祭だから当然、そっちが気になってしまう。
「せっかくの文化祭なのに、こんなとこに来てどうするの?」
体育館の中をうかがおうとしながらそう聞く。
蒼くんは答えず、溶けかけたクレープをもったままの私の手からまたクレープにかぶりついた。
力加減が間違えたのか、クレープを強く掴みすぎて生クリームが押し出されて指を汚した。
慌てて拭くものを探していると、その手ごと蒼くんが引っ張った。
そのまま口元にもっていかれて、生クリームに濡れた口に含まれる。
思わずびくり、と震えた。
体育館のイベントにとられかけていた意識は一瞬にして消えて。
蒼くんは黙ったまま、丁寧に丹念に舐めとっていく。
硬直したままで息をつめていると、ちらりと上目遣いで見られた。
カッと全身が熱くなって、ほおの温度があがるのがわかった。
「そ、蒼くん。なんかよからぬこと、考えてない?」
掴まれた手を引こうと逃げ腰になりながらそう言うと、蒼くんは「なにを?」と聞いた。
その目がかすかに悪戯めいた光と、そしてその気だと言わんばかりの色気を帯びている。
「だ、だめだから!」
「だから何を?」
そう言って蒼くんの舌がぬるりと指に、指の間に滑り込む。
頭を振った。
まるで再会した、つい4週間前を思い出させる。
「お願い」
半泣きになりながら懇願しても「だってナンパとかされてるし」と拗ねたように言った。
「あれは私のせいじゃない」
「そう? そんなJKみたいな格好して」
「これは蒼くんが着せたんじゃない!」
「そうだった」
「そうだったじゃない! もー!」
理不尽だ。
そう不満を並べ立てていると、蒼くんが強引に私を抱き寄せた。
「蒼くん?!」
「ヤバい、かわいすぎる。だめ、限界」
「ええっ、なんで!? どこが!?」
私の抗議に近い声をものともせず、蒼くんの手がそのまま背中を指先でつうっとなぞる。
ぞくり、と背筋に甘い刺激が走って震えそうになる。
「ちょ、ちょっと待って」
動揺して声が揺れてしまう。
「ね、杏。しよ?」
「え、ええっ! 今?!」
「今。ここで。杏に。触りたい。いれたい」
「っ! だ、だめだめだめ! 何言ってるの、そこの体育館に人いっぱいいるんだよ?」
「だから? だって学校で、JKの杏とエロいことしてないじゃん」
「学校はそういうとこじゃない」
「えー……。オレ、JKの杏のエロいとこ見たい」
背中をさわさわとなぞっていたその手がブラウスをウエストから引き出す。
「ほ、本当に待って」
その手を抑え、身をよじって逃れようとする。
蒼くんが甘えるように私の首筋へと顔を近づけ、鼻をおしつけてから濡れた唇でなぞる。
ブラウスの裾に潜り込んだもう片方の手が背中からお腹の方へ回って、じわじわと、淫らな意図をもって胸のある方へ進路を変えていく。
「だめ?」
「こ、ここに誰がくるかわかんないでしょ。とにかくだめ。今はだめ」
ブラジャーのカップの下に潜り込みかけていた指先が止まる。
「……ふーん、今は、ね?」
しまった、と思いながら蒼くんを見るとにっこりと企みたっぷりな笑顔で私を見た。
そういう顔をされると嫌な予感しかない。
慌てて言い直す。
「今だけじゃなくて、この先も、です」
「だめです」
蒼くんがばっさり私の言葉を斬った。
だめの応酬をしているみたいで、私が泣きそうになりながら「せっかくの文化祭なのに」と呟いた。
ちらりと上目遣いで蒼くんを見て、それから小さくため息をつく。
「蒼くんと回るの、すごく嬉しかったのに……」
あえて甘えるように呟く。
今度は蒼くんが言葉を失って、それから「あー……」という長いため息とともにブラウスから手を抜いた。
「わかった。じゃあ、何したい?」
優しい声で蒼くんが私を見つめる。
4年前は確かに年下だと感じていたのに、再会してのこの4週間で目の前の高校生の成瀬くんから大人の蒼くんに変わってしまっている。
「……笑わない?」
「なんで? やっぱエッチなこと?」
蒼くんがくすっと笑った。
「じゃなくて! ……あのね、手を繋いで、普通に校内を歩けるだけで、いい……」
かつて、同じ時に生まれていたら、とどうしようもないことを願った。
だから、今、例えこれがかりそめの姿だとしても、蒼くんと学校で手を繋いでいられるだけで私はすごく嬉しい。
「欲ないね」
蒼くんはそう言って私の手を恋人同士がするようにしっかり繋いだ。
「じゃあ校内、歩く? けっこう体育館に人集まってるから、そういう意味じゃ校舎側は人少ないと思うし」
そう言う蒼くんと歩き出した時だった。
蒼くんのポケットからスマホのバイブ音が聞こえてきた。
なにげなくそれを見た蒼くんが、「あ、」と声をあげた。
「マジか」
蒼くんがスマホの時計を確認して少し慌てた顔をした。
「杏、ごめん。ちょっと済ませないとなんない用があって。待ってる間、せっかくだし、体育館の中で待っててよ。なんか未成年の主張? とかいうイベントやってるみたいだし」
少年のように蒼くんは無邪気に笑った。
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