43 / 79
第三章 雨降って、地固まる?
43. 大事件発生! ――
しおりを挟む
何だかんだあったけど、ダンジョン風お化け洞窟探検『オバーケ』は無事開業にこぎ着けた。
ここは、あくまでもお子様向けの施設であり、基本的に登場する眷属も最弱なものばかりだ。
おもに、子供連れの観光客に人気のスポットとなりつつあった。
王都の先生たちの間で口コミで話が広がったのか、団体客の受け入れについての問い合わせも増えていて、嬉しい悲鳴をあげている。
ただ、受け入れられる人数と日にちに限りがあり、すべての需要にすぐに応えることができないのが悩ましいところ。
そして、ルビーとドレファスさんからは、こんな相談も受けていた。
◇
「『オバーケ』を、冒険者ギルドが使用したい……ですか」
「『初心者向けの、対アンデッド用の訓練に使えないか?』と問い合わせをいただきまして、どうでしょうか?」
「ギルド職員の方が親子で体験をされて、これは面白い!とおっしゃってくださったの」
≪……父上、私は構わぬぞ。相手が大人ならば、多少強い眷属を召喚すればよいのであろう?≫
もう正体を知られているルビーとドレファスさんの前では、アンディも平気で顔を出してくる。
でもな、アンディ。
トーラだけでなく、なんで君までルビーの膝の上に座っているのかな?
一人と一匹が重なって、視覚的におかしなことになっているし……
ルビーの膝の定員は一人(一匹)だけなんだから、こういうときは、どちらかは別の椅子に座ろうな。
まあ、ルビーも慣れたものだけどね。
「そうだけど……これは遊びじゃないから、アンディの眷属たちが討伐されたり浄化されるかもしれないぞ」
≪何体でも召喚できるから、まったく問題はない≫
えっ、問題ないの?
アンディがそう言うなら、いいけど。
「ここで冒険者ギルドに恩を売っておけば、支部創設の足掛かりになるかもしれませんし……」
そうなんだよね。
俺が目標としている『トーアル村に、冒険者ギルドを誘致する』こと。
この村の有効性が示せれば、実現に向けてぐっと近づくもんな。
「よし、じゃあ他にも要望が上がっていた『大人向けオバーケ』を兼ねて作るか」
洞窟はまだまだ奥に続いているから、子供用と完全に分けてしまえばいい。
≪任せてくれ。そう簡単には攻略できぬものを、作るとしよう……フフッ≫
その悪だくみの顔、せっかくの美少年が台無しだぞ。
それと、今むくっと起き上がったトーラさん。
一緒に参加する気満々なところ悪いけど、君の『大人向けオバーケ』への参戦は絶対に認めません。
大人の参加者は張りぼてではなく模造刀か真剣を持つことになるから、大変危険です。
その代わり、大好評を得ている『戦闘に参加しない子たちを乗せて遊ぶ』ことは今後も許可するから、諦めてくれ。
⦅おぬしが大人向けのほうで『ラスボスの大魔王役』をやれば、儂も参加できるのにのう……⦆
マホーまで、何を残念そうに言っているんだ?
そんなことをしたら、ホントの大惨事になりかねないだろう。
俺は、武闘大会で学習したのだよ。
マホーを本気にさせると、本当に血の雨が降るかもしれないってね。
◇◇◇
観光客の増加に伴って増えるのは迷子と、そして、迷惑客だ。
最近の俺は、迷惑客の対応ではなく、ルビーと一緒に迷子の親を捜し出す(その逆もあり)専門家として活躍していた。
泣いている子をルビーが宥め、親の特徴を聞き出し、俺がその人物を探知するという連携プレーだ。
この日も無事に親を見つけ出し、ホッと息を吐いていた時だった。
「あの……奥様が落とし物をしてしまったのですが、届いていないでしょうか?」
ルビーに声をかけてきたのは、侍女の恰好をした若い女性だった。
聞けば、女主人がイヤリングをどこかに落としてしまい、探しているのだという。
「いえ、こちらには届いていないようです」
村の中心部にある観光案内所で確認をしたが、届いてはいなかった。
「もうすぐ閉門の時間なのに、どうすれば……」
村の営業は、あと一時間ほどで終了となる。
このまま帰れば、奥様が旦那様に叱責されてしまう…と、今にも泣き出しそうな女性。
俺がイヤリングの特徴を尋ねようとしたとき、警備担当者が慌てて案内所にやって来た。
向こうで観光客同士のケンカが始まって乱闘騒ぎになっているから、応援に来てほしいとのこと。
「カズキは、そっちへ行ってあげて。私は、彼女と一緒に探してみるわ」
「わかった。あっちが終わったら、すぐに合流する」
「うん、よろしくね」
ルビーとは、案内所の前で別れた。
それは、いつもと変わらない、ごくありふれた日常の光景だったはずなのに……
◇
ケンカは、冒険者パーティー同士のいざこざだった。
俺たちが駆けつけると、片方がすぐさま逃げ出し、乱闘騒ぎはあっけなく終了する。
残されたほうに事情を聴けば、すれ違ったときに肩が触れたとかで、相手が一方的にケンカを売りにきたから買っただけだと主張した。
ともかく大したケガも物損もないことで、彼らも「冒険者同士では、よくあることだ」と帰っていった。
その後も、道を尋ねられたり、また迷子対応をしているうちに時間はどんどん過ぎていく。
ようやく落ち着き、ルビーと合流するかと、居場所を探知しようとしたときだった。
「カズキくん、ルビーがどこに行ったか知らないかい?」
声をかけてきたのは、ゴウドさんだった。
彼の手には、ルビーの髪留めがある。
「これが馬車の駐車場に落ちていたと届けてくれたお客さんがいてね、さっきから探しているのだが……」
「ルビーなら、少し前にお客様が落とし物をされたとかで、一緒に探しに行ったはずですが」
⦅……うむ? 村には居らんようじゃぞ⦆
えっ!?
俺も慌てて探知したが、本当にどこにも姿が見当たらない。
なぜだ? どうして居ない?
さっきまで、村に居たはずなのに……
嫌な汗が吹き出てきて、胸騒ぎもして、そわそわと落ち着かない。
「カズキくん、どうした?」
「……ルビーが、村に居ません。でも、俺が必ず探し出してきます!」
今は、一秒でも時間が惜しい。
ゴウドさんへの説明もそこそこに、俺は村の外へと駆け出した。
⦅まずは、探知魔法を広範囲へ広げるのじゃ!⦆
落ち着け、落ち着けと、必死に自分へ言い聞かせる。
迷子の探索で精度をあげた探知魔法を、今ここで活かせ!
そして、必ず見つけ出す!!
「居た! 高速で移動しているから、馬か馬車に乗っているのか?」
場所さえわかれば、こっちのもの。
すぐに転移魔法を発動しようとした俺を、マホーが慌てて引き留めた。
⦅あやつらも、一緒に連れていくのじゃ!⦆
アンディとトーラも?
なぜだ?
⦅いいから、儂の言うことを聞け。それと、言い忘れておったが、犯人に心当たりがあるぞい⦆
不届き者は、誰だ?
…………そうか。最初から、計画的だったんだな。
犯人はあいつだった。
そうとわかれば、今回ばかりは絶対に容赦しない。
村とルビーに手を出したことを、後悔させてやるからな……
ここは、あくまでもお子様向けの施設であり、基本的に登場する眷属も最弱なものばかりだ。
おもに、子供連れの観光客に人気のスポットとなりつつあった。
王都の先生たちの間で口コミで話が広がったのか、団体客の受け入れについての問い合わせも増えていて、嬉しい悲鳴をあげている。
ただ、受け入れられる人数と日にちに限りがあり、すべての需要にすぐに応えることができないのが悩ましいところ。
そして、ルビーとドレファスさんからは、こんな相談も受けていた。
◇
「『オバーケ』を、冒険者ギルドが使用したい……ですか」
「『初心者向けの、対アンデッド用の訓練に使えないか?』と問い合わせをいただきまして、どうでしょうか?」
「ギルド職員の方が親子で体験をされて、これは面白い!とおっしゃってくださったの」
≪……父上、私は構わぬぞ。相手が大人ならば、多少強い眷属を召喚すればよいのであろう?≫
もう正体を知られているルビーとドレファスさんの前では、アンディも平気で顔を出してくる。
でもな、アンディ。
トーラだけでなく、なんで君までルビーの膝の上に座っているのかな?
一人と一匹が重なって、視覚的におかしなことになっているし……
ルビーの膝の定員は一人(一匹)だけなんだから、こういうときは、どちらかは別の椅子に座ろうな。
まあ、ルビーも慣れたものだけどね。
「そうだけど……これは遊びじゃないから、アンディの眷属たちが討伐されたり浄化されるかもしれないぞ」
≪何体でも召喚できるから、まったく問題はない≫
えっ、問題ないの?
アンディがそう言うなら、いいけど。
「ここで冒険者ギルドに恩を売っておけば、支部創設の足掛かりになるかもしれませんし……」
そうなんだよね。
俺が目標としている『トーアル村に、冒険者ギルドを誘致する』こと。
この村の有効性が示せれば、実現に向けてぐっと近づくもんな。
「よし、じゃあ他にも要望が上がっていた『大人向けオバーケ』を兼ねて作るか」
洞窟はまだまだ奥に続いているから、子供用と完全に分けてしまえばいい。
≪任せてくれ。そう簡単には攻略できぬものを、作るとしよう……フフッ≫
その悪だくみの顔、せっかくの美少年が台無しだぞ。
それと、今むくっと起き上がったトーラさん。
一緒に参加する気満々なところ悪いけど、君の『大人向けオバーケ』への参戦は絶対に認めません。
大人の参加者は張りぼてではなく模造刀か真剣を持つことになるから、大変危険です。
その代わり、大好評を得ている『戦闘に参加しない子たちを乗せて遊ぶ』ことは今後も許可するから、諦めてくれ。
⦅おぬしが大人向けのほうで『ラスボスの大魔王役』をやれば、儂も参加できるのにのう……⦆
マホーまで、何を残念そうに言っているんだ?
そんなことをしたら、ホントの大惨事になりかねないだろう。
俺は、武闘大会で学習したのだよ。
マホーを本気にさせると、本当に血の雨が降るかもしれないってね。
◇◇◇
観光客の増加に伴って増えるのは迷子と、そして、迷惑客だ。
最近の俺は、迷惑客の対応ではなく、ルビーと一緒に迷子の親を捜し出す(その逆もあり)専門家として活躍していた。
泣いている子をルビーが宥め、親の特徴を聞き出し、俺がその人物を探知するという連携プレーだ。
この日も無事に親を見つけ出し、ホッと息を吐いていた時だった。
「あの……奥様が落とし物をしてしまったのですが、届いていないでしょうか?」
ルビーに声をかけてきたのは、侍女の恰好をした若い女性だった。
聞けば、女主人がイヤリングをどこかに落としてしまい、探しているのだという。
「いえ、こちらには届いていないようです」
村の中心部にある観光案内所で確認をしたが、届いてはいなかった。
「もうすぐ閉門の時間なのに、どうすれば……」
村の営業は、あと一時間ほどで終了となる。
このまま帰れば、奥様が旦那様に叱責されてしまう…と、今にも泣き出しそうな女性。
俺がイヤリングの特徴を尋ねようとしたとき、警備担当者が慌てて案内所にやって来た。
向こうで観光客同士のケンカが始まって乱闘騒ぎになっているから、応援に来てほしいとのこと。
「カズキは、そっちへ行ってあげて。私は、彼女と一緒に探してみるわ」
「わかった。あっちが終わったら、すぐに合流する」
「うん、よろしくね」
ルビーとは、案内所の前で別れた。
それは、いつもと変わらない、ごくありふれた日常の光景だったはずなのに……
◇
ケンカは、冒険者パーティー同士のいざこざだった。
俺たちが駆けつけると、片方がすぐさま逃げ出し、乱闘騒ぎはあっけなく終了する。
残されたほうに事情を聴けば、すれ違ったときに肩が触れたとかで、相手が一方的にケンカを売りにきたから買っただけだと主張した。
ともかく大したケガも物損もないことで、彼らも「冒険者同士では、よくあることだ」と帰っていった。
その後も、道を尋ねられたり、また迷子対応をしているうちに時間はどんどん過ぎていく。
ようやく落ち着き、ルビーと合流するかと、居場所を探知しようとしたときだった。
「カズキくん、ルビーがどこに行ったか知らないかい?」
声をかけてきたのは、ゴウドさんだった。
彼の手には、ルビーの髪留めがある。
「これが馬車の駐車場に落ちていたと届けてくれたお客さんがいてね、さっきから探しているのだが……」
「ルビーなら、少し前にお客様が落とし物をされたとかで、一緒に探しに行ったはずですが」
⦅……うむ? 村には居らんようじゃぞ⦆
えっ!?
俺も慌てて探知したが、本当にどこにも姿が見当たらない。
なぜだ? どうして居ない?
さっきまで、村に居たはずなのに……
嫌な汗が吹き出てきて、胸騒ぎもして、そわそわと落ち着かない。
「カズキくん、どうした?」
「……ルビーが、村に居ません。でも、俺が必ず探し出してきます!」
今は、一秒でも時間が惜しい。
ゴウドさんへの説明もそこそこに、俺は村の外へと駆け出した。
⦅まずは、探知魔法を広範囲へ広げるのじゃ!⦆
落ち着け、落ち着けと、必死に自分へ言い聞かせる。
迷子の探索で精度をあげた探知魔法を、今ここで活かせ!
そして、必ず見つけ出す!!
「居た! 高速で移動しているから、馬か馬車に乗っているのか?」
場所さえわかれば、こっちのもの。
すぐに転移魔法を発動しようとした俺を、マホーが慌てて引き留めた。
⦅あやつらも、一緒に連れていくのじゃ!⦆
アンディとトーラも?
なぜだ?
⦅いいから、儂の言うことを聞け。それと、言い忘れておったが、犯人に心当たりがあるぞい⦆
不届き者は、誰だ?
…………そうか。最初から、計画的だったんだな。
犯人はあいつだった。
そうとわかれば、今回ばかりは絶対に容赦しない。
村とルビーに手を出したことを、後悔させてやるからな……
0
お気に入りに追加
390
あなたにおすすめの小説
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
婚約破棄されて異世界トリップしたけど猫に囲まれてスローライフ満喫しています
葉柚
ファンタジー
婚約者の二股により婚約破棄をされた33才の真由は、突如異世界に飛ばされた。
そこはど田舎だった。
住む家と土地と可愛い3匹の猫をもらった真由は、猫たちに囲まれてストレスフリーなスローライフ生活を送る日常を送ることになった。
レコンティーニ王国は猫に優しい国です。
小説家になろう様にも掲載してます。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
異世界で神様に農園を任されました! 野菜に果物を育てて動物飼って気ままにスローライフで世界を救います。
彩世幻夜
恋愛
エルフの様な超絶美形の神様アグリが管理する異世界、その神界に迷い人として異世界転移してしまった、OLユリ。
壊れかけの世界で、何も無い神界で農園を作って欲しいとお願いされ、野菜に果物を育てて料理に励む。
もふもふ達を飼い、ノアの箱舟の様に神様に保護されたアグリの世界の住人たちと恋愛したり友情を育みながら、スローライフを楽しむ。
これはそんな平穏(……?)な日常の物語。
2021/02/27 完結
異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた
甘党羊
ファンタジー
唐突に異世界に飛ばされてしまった主人公。
降り立った場所は周囲に生物の居ない不思議な森の中、訳がわからない状況で自身の能力などを確認していく。
森の中で引きこもりながら自身の持っていた能力と、周囲の環境を上手く利用してどんどん成長していく。
その中で試した能力により出会った最愛のわんこと共に、周囲に他の人間が居ない自分の住みやすい地を求めてボヤきながら異世界を旅していく物語。
協力関係となった者とバカをやったり、敵には情け容赦なく立ち回ったり、飯や甘い物に並々ならぬ情熱を見せたりしながら、ゆっくり進んでいきます。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
ブラック宮廷から解放されたので、のんびりスローライフを始めます! ~最強ゴーレム使いの気ままな森暮らし~
ヒツキノドカ
ファンタジー
「クレイ・ウェスタ―! 貴様を宮廷から追放する!」
ブラック宮廷に勤めるゴーレム使いのクレイ・ウェスターはある日突然クビを宣告される。
理由は『不当に高い素材を買いあさったこと』とされたが……それはクレイに嫉妬する、宮廷魔術師団長の策略だった。
追放されたクレイは、自由なスローライフを求めて辺境の森へと向かう。
そこで主人公は得意のゴーレム魔術を生かしてあっという間に快適な生活を手に入れる。
一方宮廷では、クレイがいなくなったことで様々なトラブルが発生。
宮廷魔術師団長は知らなかった。
クレイがどれほど宮廷にとって重要な人物だったのか。
そして、自分では穴埋めできないほどにクレイと実力が離れていたことも。
「こんなはずでは……」と嘆きながら宮廷魔術師団長はクレイの元に向かい、戻ってくるように懇願するが、すでに理想の生活を手に入れたクレイにあっさり断られてしまう。
これはブラック宮廷から解放された天才ゴーレム使いの青年が、念願の自由なスローライフを満喫する話。
ーーーーーー
ーーー
※4/29HOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
※推敲はしていますが、誤字脱字があるかもしれません。
見つけた際はご報告いただけますと幸いです……
好き勝手スローライフしていただけなのに伝説の英雄になってしまった件~異世界転移させられた先は世界最凶の魔境だった~
狐火いりす@商業作家
ファンタジー
事故でショボ死した主人公──星宮なぎさは神によって異世界に転移させられる。
そこは、Sランク以上の魔物が当たり前のように闊歩する世界最凶の魔境だった。
「せっかく手に入れた第二の人生、楽しみつくさねぇともったいねぇだろ!」
神様の力によって【創造】スキルと最強フィジカルを手に入れたなぎさは、自由気ままなスローライフを始める。
露天風呂付きの家を建てたり、倒した魔物でおいしい料理を作ったり、美人な悪霊を仲間にしたり、ペットを飼ってみたり。
やりたいことをやって好き勝手に生きていく。
なぜか人類未踏破ダンジョンを攻略しちゃったり、ペットが神獣と幻獣だったり、邪竜から目をつけられたりするけど、細かいことは気にしない。
人類最強の主人公がただひたすら好き放題生きていたら伝説になってしまった、そんなほのぼのギャグコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる