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終章 一つになる心
79. 情意投合
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峰風は、離宮の控え室で待機していた。
延期になっていた見合いが、ついに行われる。
今日も峰風は正装をしている。凛月にお似合いですと言われた、あの衣裳だ。
巫女の準備が整ったと、中年の侍女が呼びにきた。
一度深呼吸をし、峰風は席を立った。
◇
「峰風様! またご心配をおかけして、申し訳ございませんでした」
峰風を見るなり、凛月は深々と頭を下げ謝罪した。
前回と同様に、今日の見合い相手が峰風だとまだ気付いていない。後ろに控える瑾萱が、意味深な笑みを浮かべている。
こちらに何かを伝えているようだが、峰風にはさっぱりわからない。
ひとまず、この状況のまま話をすることにした。
「体の具合は、どうだ?」
「医官様が投与してくださった薬のおかげで、すぐに良くなりました。私は早々に仕事へ復帰するつもりだったのですが、皆に止められまして……」
「当たり前だ。君は、巫女様なのだからな」
以前と変わらない様子の凛月に、峰風は心の底から安堵する。
無事とは聞いていたが、面と向かって確認をするまでは安心できなかった。
「桶の水があまり綺麗ではなかったようで、少し飲んだだけなのに体がおかしくなってしまいました」
「……そうだったのか」
「私が急に声をかけたので、下女が驚いて水をかけてしまったと聞きました。桑園のときのように処罰されないよう、宰相様へお願いしておきました」
「巫女様からの申し出だから、おそらく下女は罪には問われないと思う。とにかく、君が無事で何よりだった」
どうやら、騒動の一切が凛月には秘匿されているようだ。
峰風はすべての事情を知っているが、話を合わせた。
「そういえば、医官様の薬はあの子たちから作られたものだったのです!」
「あの子たち?」
急な話題の転換と興奮気味の凛月に、峰風は首をかしげる。
「市場で、峰風様が回収された植物たちですよ! 処分されずに、今も元気に育っていました!!」
医官から話を聞いた凛月が面会(?)を希望し、彼らと感動の再会を果たしたとのこと。
凛月と初めて出会ったときに、市場で回収した異国の毒草。
梓宸には強力な解毒薬になると伝え、その後の判断は任せた。
それが、凛月の希望通り医官に託され今回に繋がったのだ。
(いま思えば、あの出会いは必然だったのだろうな……)
凛月が国外追放をされたから、
峰風が担当外の仕事を押し付けられたから、
二人は出会うことができた。
「峰風様が騙されてしまうと思って、横から声をかけたのでしたね」
「俺以外にも偽物と見破れる者がいたと、あのときは驚いたな」
「ふふふ、まさか任務中とは思いもしませんでしたが」
懐かしさで、つい昔話に花が咲く。
和やかな雰囲気でいつまでも話を続ける二人の間に割って入ったのは、侍女だった。
「……ゴホン。畏れ入りますが、そろそろ本題をお願いいたします」
すっかり存在を忘れていたが、この部屋には瑾萱と浩然もいた。
痺れを切らした瑾萱の、遠慮のない非難の視線が峰風へ注がれる。
母のような鋭い圧に、そっと目をそらした。
「本題とは、なんの話?」
「ハア…凛月様、今日は何をする日でございますか?」
「あっ、お見合い……」
どうやら、凛月はお見合い自体を忘れていたらしい。
きらきらと輝いていた表情に、一瞬で憂いが帯びる。
峰風の前では、どうしても巫女らしく取り繕うことはできないようだ。
「……峰風様、本日はありがとうございました」
「まだ、終わってはいないぞ。瑾萱の言う通り、今からが本題だ」
「?」
立ち上がり見送りの姿勢をとった凛月へ、しっかり目線を合わせる。
「では改めて、巫女様へご挨拶をさせていただきます。私は、胡峰風と申します。宮廷では、第一皇子殿下の下で樹医という職に就いております。歳は二十で、兄が二人おります。父は、宰相の胡劉帆でございます」
「えっと……」
突然遜った態度へと変わった峰風に、凛月が戸惑っている。
「この場合は、『よく存じ上げております──』と、巫女らしく返せば良いのでしょうか?」
今度は、礼儀作法の練習だと思ったようだ。
やはり、見合いの挨拶だと気付いていない。
「凛月様! お見合いのお相手へ、きちんとご挨拶を返してくださいませ!!」
瑾萱が、堪らずに叫ぶ。
この鈍い主には、遠回しの表現はまったく通じていなかった。
「えっ、峰風様がお見合いの相手? でも、別の方とお見合いを……」
「そのお見合いが巫女様の急病で延期となりましたので、本日改めて参上しました」
峰風は、真面目に答える。
「……でも、峰風様のお相手は胡家にふさわしい身分をお持ちの、性格は穏やかで優しくて大変見目麗しい方だと」
「『巫女という』高位の身分をお持ちで、『植物を慈しみ、美味しいものを食すことを大層好まれる』性格は穏やかで優しく、『黒髪・黒目と銀髪・紫目の』大変見目麗しい方です」
「でも、瑾萱もよく存じ上げていると……」
「『お仕えしている』瑾萱は、当然よく存じ上げているはずですが?」
「で、でも……峰風様が心に決められた相手は…その方だけだ…と」
凛月の声が震える。徐々に小さくなっていく。
「俺がこれからも傍にいたい、守りたい、幸せにしたいと思うのは凛月……君だけだ」
「…も……」
最後は、言葉になっていなかった。
「ハハハ……これは困ったな。今日は、菓子は持参していないぞ」
「峰風様、わたくしが用意いたしますので、凛月様をお願いいたします」
「わかった」
瑾萱の後に続いて、浩然も部屋を出ていく。
峰風は、立ったまま泣いている凛月へ手拭いを渡した。
「巫女様は、もっと威厳を保つべきじゃないのか?」
「……峰風様…の前で……は…ただの……凛…月で…す」
「また、俺が泣かせたのか?」
「……私を泣か…すのは…峰風様……だけで…すから」
「これからも、泣かすかもしれないぞ」
「……嬉し涙なので…問題ありま…せん」
手拭いで半分以上顔を隠した凛月が、峰風を見上げる。
「あの……」
「どうした?」
「……私で、本当に良いのでしょうか?」
潤んだ瞳が、不安げに揺れている。
一歩踏み出し、峰風は小さな体を抱きしめた。
髪の香り、伝わる体温、鼓動、息遣い。すべてが愛おしい。
「俺は、君が良いんだ。君こそ……俺でいいのか?」
「私の望みは、これからもずっと峰風様のお傍にいることです」
「そうか……」
「助手としても、これからも傍にいていいですか?」
「ああ、よろしく頼む」
「はい!」
紫水晶が、きらりと輝いた。
◇◇◇
「……ねえ、浩然。私たちは、いつ中に入ったらいいのかしら?」
「そんなこと、俺にわかるわけがないだろう」
お茶菓子を盆に載せたまま、扉の外で瑾萱たちは待機していた。
気を利かせて二人きりにしたのは良いが、今度は部屋に戻る時機がわからない。
「もう、普段通りに『失礼いたします』と入っていけばいいんじゃないか?」
「でも、もし良い雰囲気だったら申し訳ないわ」
「はあ? また、そんな下世話なことを……」
「ようやく想いが通じ合ったんだから、普通口付けくらいするでしょう!」
「おまえ基準で考えるな!!」
浩然の突っ込みは早かった。
「ちょっと、声が大きい(!!)」
「おまえに言われたくない(!)」
従者二人の仲の良いやり取りは、扉の向こう側に立っていた峰風にすべて筒抜けだった。
抱き合っていたら、凛月のお腹の虫が鳴った。
凛月は顔を真っ赤にし、峰風は「君らしいな」と笑う。
お茶菓子を用意しに行った瑾萱たちはまだかと、峰風が様子を見に行こうと扉に手を掛けたときに、『下世話な話』が始まった。
外に出るに出られず、峰風は立ちつくす。
いつまで経っても部屋に戻らない従者と、扉の前に立ったままのやや顔の赤い峰風。
事情を知らない凛月は、ひとり首をかしげていたのだった。
延期になっていた見合いが、ついに行われる。
今日も峰風は正装をしている。凛月にお似合いですと言われた、あの衣裳だ。
巫女の準備が整ったと、中年の侍女が呼びにきた。
一度深呼吸をし、峰風は席を立った。
◇
「峰風様! またご心配をおかけして、申し訳ございませんでした」
峰風を見るなり、凛月は深々と頭を下げ謝罪した。
前回と同様に、今日の見合い相手が峰風だとまだ気付いていない。後ろに控える瑾萱が、意味深な笑みを浮かべている。
こちらに何かを伝えているようだが、峰風にはさっぱりわからない。
ひとまず、この状況のまま話をすることにした。
「体の具合は、どうだ?」
「医官様が投与してくださった薬のおかげで、すぐに良くなりました。私は早々に仕事へ復帰するつもりだったのですが、皆に止められまして……」
「当たり前だ。君は、巫女様なのだからな」
以前と変わらない様子の凛月に、峰風は心の底から安堵する。
無事とは聞いていたが、面と向かって確認をするまでは安心できなかった。
「桶の水があまり綺麗ではなかったようで、少し飲んだだけなのに体がおかしくなってしまいました」
「……そうだったのか」
「私が急に声をかけたので、下女が驚いて水をかけてしまったと聞きました。桑園のときのように処罰されないよう、宰相様へお願いしておきました」
「巫女様からの申し出だから、おそらく下女は罪には問われないと思う。とにかく、君が無事で何よりだった」
どうやら、騒動の一切が凛月には秘匿されているようだ。
峰風はすべての事情を知っているが、話を合わせた。
「そういえば、医官様の薬はあの子たちから作られたものだったのです!」
「あの子たち?」
急な話題の転換と興奮気味の凛月に、峰風は首をかしげる。
「市場で、峰風様が回収された植物たちですよ! 処分されずに、今も元気に育っていました!!」
医官から話を聞いた凛月が面会(?)を希望し、彼らと感動の再会を果たしたとのこと。
凛月と初めて出会ったときに、市場で回収した異国の毒草。
梓宸には強力な解毒薬になると伝え、その後の判断は任せた。
それが、凛月の希望通り医官に託され今回に繋がったのだ。
(いま思えば、あの出会いは必然だったのだろうな……)
凛月が国外追放をされたから、
峰風が担当外の仕事を押し付けられたから、
二人は出会うことができた。
「峰風様が騙されてしまうと思って、横から声をかけたのでしたね」
「俺以外にも偽物と見破れる者がいたと、あのときは驚いたな」
「ふふふ、まさか任務中とは思いもしませんでしたが」
懐かしさで、つい昔話に花が咲く。
和やかな雰囲気でいつまでも話を続ける二人の間に割って入ったのは、侍女だった。
「……ゴホン。畏れ入りますが、そろそろ本題をお願いいたします」
すっかり存在を忘れていたが、この部屋には瑾萱と浩然もいた。
痺れを切らした瑾萱の、遠慮のない非難の視線が峰風へ注がれる。
母のような鋭い圧に、そっと目をそらした。
「本題とは、なんの話?」
「ハア…凛月様、今日は何をする日でございますか?」
「あっ、お見合い……」
どうやら、凛月はお見合い自体を忘れていたらしい。
きらきらと輝いていた表情に、一瞬で憂いが帯びる。
峰風の前では、どうしても巫女らしく取り繕うことはできないようだ。
「……峰風様、本日はありがとうございました」
「まだ、終わってはいないぞ。瑾萱の言う通り、今からが本題だ」
「?」
立ち上がり見送りの姿勢をとった凛月へ、しっかり目線を合わせる。
「では改めて、巫女様へご挨拶をさせていただきます。私は、胡峰風と申します。宮廷では、第一皇子殿下の下で樹医という職に就いております。歳は二十で、兄が二人おります。父は、宰相の胡劉帆でございます」
「えっと……」
突然遜った態度へと変わった峰風に、凛月が戸惑っている。
「この場合は、『よく存じ上げております──』と、巫女らしく返せば良いのでしょうか?」
今度は、礼儀作法の練習だと思ったようだ。
やはり、見合いの挨拶だと気付いていない。
「凛月様! お見合いのお相手へ、きちんとご挨拶を返してくださいませ!!」
瑾萱が、堪らずに叫ぶ。
この鈍い主には、遠回しの表現はまったく通じていなかった。
「えっ、峰風様がお見合いの相手? でも、別の方とお見合いを……」
「そのお見合いが巫女様の急病で延期となりましたので、本日改めて参上しました」
峰風は、真面目に答える。
「……でも、峰風様のお相手は胡家にふさわしい身分をお持ちの、性格は穏やかで優しくて大変見目麗しい方だと」
「『巫女という』高位の身分をお持ちで、『植物を慈しみ、美味しいものを食すことを大層好まれる』性格は穏やかで優しく、『黒髪・黒目と銀髪・紫目の』大変見目麗しい方です」
「でも、瑾萱もよく存じ上げていると……」
「『お仕えしている』瑾萱は、当然よく存じ上げているはずですが?」
「で、でも……峰風様が心に決められた相手は…その方だけだ…と」
凛月の声が震える。徐々に小さくなっていく。
「俺がこれからも傍にいたい、守りたい、幸せにしたいと思うのは凛月……君だけだ」
「…も……」
最後は、言葉になっていなかった。
「ハハハ……これは困ったな。今日は、菓子は持参していないぞ」
「峰風様、わたくしが用意いたしますので、凛月様をお願いいたします」
「わかった」
瑾萱の後に続いて、浩然も部屋を出ていく。
峰風は、立ったまま泣いている凛月へ手拭いを渡した。
「巫女様は、もっと威厳を保つべきじゃないのか?」
「……峰風様…の前で……は…ただの……凛…月で…す」
「また、俺が泣かせたのか?」
「……私を泣か…すのは…峰風様……だけで…すから」
「これからも、泣かすかもしれないぞ」
「……嬉し涙なので…問題ありま…せん」
手拭いで半分以上顔を隠した凛月が、峰風を見上げる。
「あの……」
「どうした?」
「……私で、本当に良いのでしょうか?」
潤んだ瞳が、不安げに揺れている。
一歩踏み出し、峰風は小さな体を抱きしめた。
髪の香り、伝わる体温、鼓動、息遣い。すべてが愛おしい。
「俺は、君が良いんだ。君こそ……俺でいいのか?」
「私の望みは、これからもずっと峰風様のお傍にいることです」
「そうか……」
「助手としても、これからも傍にいていいですか?」
「ああ、よろしく頼む」
「はい!」
紫水晶が、きらりと輝いた。
◇◇◇
「……ねえ、浩然。私たちは、いつ中に入ったらいいのかしら?」
「そんなこと、俺にわかるわけがないだろう」
お茶菓子を盆に載せたまま、扉の外で瑾萱たちは待機していた。
気を利かせて二人きりにしたのは良いが、今度は部屋に戻る時機がわからない。
「もう、普段通りに『失礼いたします』と入っていけばいいんじゃないか?」
「でも、もし良い雰囲気だったら申し訳ないわ」
「はあ? また、そんな下世話なことを……」
「ようやく想いが通じ合ったんだから、普通口付けくらいするでしょう!」
「おまえ基準で考えるな!!」
浩然の突っ込みは早かった。
「ちょっと、声が大きい(!!)」
「おまえに言われたくない(!)」
従者二人の仲の良いやり取りは、扉の向こう側に立っていた峰風にすべて筒抜けだった。
抱き合っていたら、凛月のお腹の虫が鳴った。
凛月は顔を真っ赤にし、峰風は「君らしいな」と笑う。
お茶菓子を用意しに行った瑾萱たちはまだかと、峰風が様子を見に行こうと扉に手を掛けたときに、『下世話な話』が始まった。
外に出るに出られず、峰風は立ちつくす。
いつまで経っても部屋に戻らない従者と、扉の前に立ったままのやや顔の赤い峰風。
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