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第一章 帰ってきた男
3 昼食を一緒にいかが?
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「あ、ソニーさん。お疲れ様。先ほどはどうも。」
「ええ、マックさん。私はこれから帰ります。お仕事中では?。」
王宮を出た所で偶然出会ったのは、先ほど会って話したばかりのコック?のマック・レディだ。 俺は王宮での挨拶を終え、昼過ぎの仕事が終わるには少し早い時間に帰途についていた。
「街にちょっと用事があってね。良かったら一緒にいかがですか?」
「そうですね。」
彼はずいぶん歳上だが、人当たりが良く、俺みたいな若造にも丁寧な口調で接してくれる。
「お昼はまだ?」
「はい。街でおすすめのお店はあります?私はあまり詳しくなくて。」
「いいですよ。案内しましょう。でも一番のおすすめは王宮のレストランだけどね 。」
軽やかに笑う彼は歩き出した。俺より背が高いので、並ぶと見上げる形になる。細身だが、体格はいいし、筋肉はしっかりついているので、華奢という感じではない。
「食べられないものはないですか?」
「特にはないです。」
マックは少し黙ったままで、歩いて行く。俺も黙ったままついて行く。どこのお店にしようか考えているのかな?
「あそこにしますか?」
彼が指差した店は若者が好きそうな洒落たカフェで、ええ、と頷き店に近づくとドアを開けた。
「こちらにどうぞ。」
若くて胸の膨らみの立派な女性店員が案内してくれる。俺の視線が一点に集中するのは、若い男性ゆえと、笑ってくれ。俺たちは窓際のL字型の席に座った。
「これと、これを。」
「飲み物は?」
マックが聞いてきたので、紅茶を、と指差した。
「紅茶を二つ。」
注文を受けると店員は戻って行った。辺りを見回すと、人気の店なのか、ほとんどの席がうまっている。話し声が賑やかで、声がついつい、大きくなる。
「よく来るのですか?」
「なになに?」
聞き取れなかったのか、マックが近づいてすぐ隣に座り直した。この距離近っ。更に顔を寄せてきた。恋人ならともかく、男相手はキツイな。
「なんでもないです。」
少し身体を引いて俺は声を大きくして言った。もう、会話はあきらめた。
しばらく、マックの話す世間話を聞き、相槌を打つのみ。料理が運ばれてくると旨そうな香りに腹が空いていたことを思い出した。
「うまい!」
ニコニコしてこちらを見ているマックが視界に入った。ああ、隣にいると、食べ辛いもんな。身体が離れてほっとした。
「ええ、マックさん。私はこれから帰ります。お仕事中では?。」
王宮を出た所で偶然出会ったのは、先ほど会って話したばかりのコック?のマック・レディだ。 俺は王宮での挨拶を終え、昼過ぎの仕事が終わるには少し早い時間に帰途についていた。
「街にちょっと用事があってね。良かったら一緒にいかがですか?」
「そうですね。」
彼はずいぶん歳上だが、人当たりが良く、俺みたいな若造にも丁寧な口調で接してくれる。
「お昼はまだ?」
「はい。街でおすすめのお店はあります?私はあまり詳しくなくて。」
「いいですよ。案内しましょう。でも一番のおすすめは王宮のレストランだけどね 。」
軽やかに笑う彼は歩き出した。俺より背が高いので、並ぶと見上げる形になる。細身だが、体格はいいし、筋肉はしっかりついているので、華奢という感じではない。
「食べられないものはないですか?」
「特にはないです。」
マックは少し黙ったままで、歩いて行く。俺も黙ったままついて行く。どこのお店にしようか考えているのかな?
「あそこにしますか?」
彼が指差した店は若者が好きそうな洒落たカフェで、ええ、と頷き店に近づくとドアを開けた。
「こちらにどうぞ。」
若くて胸の膨らみの立派な女性店員が案内してくれる。俺の視線が一点に集中するのは、若い男性ゆえと、笑ってくれ。俺たちは窓際のL字型の席に座った。
「これと、これを。」
「飲み物は?」
マックが聞いてきたので、紅茶を、と指差した。
「紅茶を二つ。」
注文を受けると店員は戻って行った。辺りを見回すと、人気の店なのか、ほとんどの席がうまっている。話し声が賑やかで、声がついつい、大きくなる。
「よく来るのですか?」
「なになに?」
聞き取れなかったのか、マックが近づいてすぐ隣に座り直した。この距離近っ。更に顔を寄せてきた。恋人ならともかく、男相手はキツイな。
「なんでもないです。」
少し身体を引いて俺は声を大きくして言った。もう、会話はあきらめた。
しばらく、マックの話す世間話を聞き、相槌を打つのみ。料理が運ばれてくると旨そうな香りに腹が空いていたことを思い出した。
「うまい!」
ニコニコしてこちらを見ているマックが視界に入った。ああ、隣にいると、食べ辛いもんな。身体が離れてほっとした。
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