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第十章兄弟
4やあ、また、会ったね
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教会に戻ると。子どもが一人どこかに連れていかれるところだった。
「どうしたの?」
「ボウは引き取られた。」
引きずられるように十四歳のボウは行ってしまった。養子なんかじゃない、引き取られるっていうのは建前で、買われて行ったんだ。
「お腹いっぱい食べられるとこならいいけどね。」
「引き取られてから顔を見た奴は一人もいない。どこに行ったのか誰も知らない。生きているのかも……」
もう、俺は十歳。その内、どこかに引き取られていくかもしれない。そうなったら、弟はどうなる。動けもしない厄介者は………
どうすればいい?今にも死にそうなルー、どうしたら助けられる?ルーの手を握り、考える。しかし、どうすることもできない。
再びその男に会った。今日もオープンカフェの一番目立つ場所に優雅に座っていた。前に菓子をくれた変わった貴族様。ニコニコの笑いかけてくる。
「やあ、また、会ったね。」
「はあ。」
「何か困ってる?力になるよ。」
何を言ってる?この貴族様は。
「どうしたの?」
「ボウは引き取られた。」
引きずられるように十四歳のボウは行ってしまった。養子なんかじゃない、引き取られるっていうのは建前で、買われて行ったんだ。
「お腹いっぱい食べられるとこならいいけどね。」
「引き取られてから顔を見た奴は一人もいない。どこに行ったのか誰も知らない。生きているのかも……」
もう、俺は十歳。その内、どこかに引き取られていくかもしれない。そうなったら、弟はどうなる。動けもしない厄介者は………
どうすればいい?今にも死にそうなルー、どうしたら助けられる?ルーの手を握り、考える。しかし、どうすることもできない。
再びその男に会った。今日もオープンカフェの一番目立つ場所に優雅に座っていた。前に菓子をくれた変わった貴族様。ニコニコの笑いかけてくる。
「やあ、また、会ったね。」
「はあ。」
「何か困ってる?力になるよ。」
何を言ってる?この貴族様は。
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